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2024/12/19
12.30 K.O CLIMAX 2024|重森陽太 インタビュー公開!
「投げられたら死ぬかもしれない。腹を括って倒しに行きますよ」
12・30「K.O CLIMAX 2024」の[KNOCK OUT-UNLIMITED/-61.5kg契約/3分3R・延長1R]で倉本一真と対戦する重森陽太。これまでムエタイ一筋に戦ってきた重森が、初のUNLIMITEDルールに挑戦するだけでなく、その相手は投げを得意とするレスリング出身の猛者。展開が全く読めない異種格闘技戦に対し、重森はどう考えているのか?
──今回、倉本戦が発表されてからの反響はいかがですか?
重森 今までにない反応がありますね。意外性がすごくあったのかなと思います。私はこういう、ムエタイ以外のことをやると思われていなかったので、サプライズ的な反響がありました。
──このカードに関しては「この試合が一番どうなるか読めない。だから楽しみ」という声をよく聞きます。重森選手が蹴りまくるかもしれないし、倉本選手が投げまくるかもしれないと。ご自身が試合イメージを組み立てる柱もこういう感じですか?
重森 その通りだと思います。正直な話、自分でもどうなるか分かんないです(笑)。そこはわりとみんなと同じぐらいです(笑)。
──でも、「投げられちゃったなあ」では済まないわけで、その対策はどうしているんですか?
重森 もちろん、MMAの練習はちゃんとやってますよ。でも、「MMAの練習ばっかりやっててもしょうがないな」というのが意外と大事だなと思っていて。結局、付け焼き刃で勝てる相手じゃないことは分かっているので、いつもの立ち技の練習にプラスしてMMAの練習を取り入れているという感じですね。MMAをやる分、立ち技の練習を減らすことはないので、練習量の合計はメチャメチャ増えてます。シンプルに倍ぐらいですかね。
──6月に栗秋祥梧選手がUNLIMITEDルールに挑戦する際、まずタックルを切る練習から始めていましたよね。重森選手もそこからという感じですか?
重森 まあ、そうですね。あとはシンプルに、UNLIMITEDルールにあってムエタイにないもの、というのを一回洗い出してるんですよ。「知らなかった」じゃ済まないので、そこで出たものを一つずつ潰していっているという感じですかね。だから、タックルはムエタイにはないので、対策をしなければいけない大きな項目の一つだとは思っています。
──でも、全体的に大変そうですね。
重森 大変ですね! やることが多いですから。タックル対策一つ取ってもそうですしね。一つ、頭の中にあるのは、MMAに寄せても絶対勝てないということなんですよ。だからオリジナルというか、「重森陽太がUNLIMITEDをやるとこの動きになる」という感じのものをある程度作っていかないといけないなと。「こうあるべき」みたいなものは全く無視して、完全に自分のスタイルに落とし込んでやろうかなという感じですかね。
──なるほど。
重森 MMAの常識みたいな、「こうなったらこうする」というのを一つずつやってたら時間もないし、敵うわけもないので、自分でしっくりくる形を作るという感じですね。
──その際に、誰かの戦い方だったり、何かの試合での攻防を参考にすることはあるんですか?
重森 一番最初は、芦澤竜誠選手の映像を見てたんですよ。体つきも似てるし、いいんじゃないかなと思ったんですけど、周りのみんなから「全然似てないからやめな」って言われて(笑)。その後はムエタイのトップノーイ選手を参考にしました。ムエタイという共通点もあるので。でも、彼のミドルは私より何段階も精度が上なので、コピーするのはなかなか難しいんですけどね。
──その上で、今はどういう試合にしたいと思っていますか?
重森 正直、寝かされたくはないですよね。一方で、3分3Rで9分間、ずっと逃げ回るのは無理なんじゃないかと思っていて。判定に持ち込むのも難しいだろうなと思うので、自分のためにも倒しに行かないとというところですね。
──倒すのが一番の対策であり防御であると。
重森 そう思います。中途半端な攻撃が一番よくないので、覚悟を決めて、行く時は思いっきり行くと。
──それこそ6月の栗秋選手みたいに。
重森 そうですね。彼はキレもあるし思い切りもあるので、タイプ的にこのルールに合ってるんですよ。
──そう聞けば聞くほど、なぜ山口元気代表がこのカードを組んだのかがすごくよく分かる気がしますね(笑)。
重森 確かに今後の伸びしろとして、私に必要な部分がUNLIMITEDルールに詰まってる感じがしてるんですよね。やっと気付いたんですけどね(笑)。ここでケガしなければ、私は来年、このルールを通じて大きく伸びるんじゃないかと思います。
──放送前なので具体的なことは言えないんですが、11月2日に行われた『THE KNOCK OUT FIGHTER』大会でのUNLIMITEDルールの試合を見ていても、立ち技の選手のアグレッシブさを引き出すルールなのかなと思いました。
重森 分かります。「格闘本能」みたいなところですよね。山口代表から私に対して、今後、格闘家として成功させるための試練を与えてもらったんだなと思います。
──そうなると、格闘本能全開の重森陽太が見られる?
重森 それしかないので!もう腹を括ってますよ。だって倉本選手が相手って、死ぬかもしれないわけですから。考えれば考えるほど、「ホントに死ぬわ、俺」っていうのを感じるので、今は本当に死なないために頑張ってます。
──ジャーマン・スープレックスで投げられて、落ち方が悪ければ、何が起きるか分からないですからね。
重森 全くですよ! 特に一番エグい人じゃないですか(笑)。絶対狙ってくるし。
──さすがに受け身の練習はしない?
重森 そのへんに精通している人たちにいろいろ聞いてみたんですけど、「アゴを引くしかないね」とか「頭を絶対に地面に当てないようにしてね」「手を突かないようにね」っていうような答えしか返ってこないんですよ。もっと具体的な方法が知りたいんですけど。だからやっぱり、それぐらいしかないってことなんですよね。
──プロレスの道場に行くのが一番早いんじゃないですか?
重森 ハハハハ!まあ逆に、選択肢が少なくてよかったです。投げられたらアゴを引いて、頭を当てないようにするしかないので。やることはシンプルだと思います。一応、投げられる体験はしてみたんですけど、練習で出す投げと、試合中に殺すつもりで出す投げとは全然違うと思うので、参考にはならない気がします。
──結局、そうならないようにするのが一番ということですかね。「やられる前にやりにいく重森陽太」が出現する?
重森 そうですね……。もしかしたら、ルールに適応しちゃうかもしれないですけどね。その可能性が10%ぐらい。そうじゃなければ、やられる前にやるしかないですね。
──試合前にこんな心境になるのも初めてでは?
重森 初めてですね。ムエタイやキックボクシングだったら、どんなに相手が強いと言っても予測はつきますから。経験があるから何とでもなるので。でも今回は初めてなので、予測がつかないというか。ただ、どちらかというと倉本選手がいつもやっているものに近いとは思うんですけど、お互いに初めてと言えば初めてなので、うまく先にルールに適応できればとは思いますね。
──その場の自分の対応力、適応力次第?
重森 そうですね。それこそ自分の「格闘本能」に期待したいです。あとは度胸ですよね。腹を括ってやるしかないので。
──そこは強そうじゃないですか?
重森 はい、私は腹を括っちゃえば何でもできるので。全然問題ない……とは、今はまだ言えないですけど、試合当日は100%、絶対問題ないです。自信があります。
──リング上では、もう迷わない?
重森 絶対に迷わないですね。今までも迷ったことは一回もないので。いやもう、絶対に面白い試合になるので、もっと注目してほしいですよね。こんな試合は正直、何回もやれないですし。
──ビッグマッチならではだし、ある意味、年末っぽいですよね。
重森 ですね。でも練習していて思ったんですけど、これ、『KNOCK OUT』のチャンピオンは、1回は経験しておいた方がいいと思いますね。
──ほう。
重森 私はやることにけっこう前向きだったんですけど、チャンピオンでも「いや、UNLIMITEDはやっても意味ないよ」という人もいると思うんですよね。でも私は、これを通じて絶対にひと皮ふた皮むけると思うので。そこも来年、見せていきたいですよね。今この時点でも、100%私にいい影響を与えてくれているので。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
重森 言うまでもないですけど、ムエタイとグレコローマン・レスリングの異種格闘技戦というところですよね。今後いつ、こんなカードが行われるか分からないですから。それがこの年末に行われるので、ぜひ楽しみにしていただきたいと思っています。
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
重森 陽太
所属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1995年6月11日生
出身:東京都稲城市出身
身長:181cm
戦績:56戦42勝(18KO)8敗6分
第2代KNOCK OUT-REDライト級王者
WKBA世界ライト級王者