
2025/01/24
2.9 MAROOMS presents KNOCK OUT 2025 vol.1|丹羽圭介引退記者会見レポート
2025年2月9日(日)東京・後楽園ホールで開催されるMAROOMS presents『KNOCK OUT 2025 vol.1』の記者会見が行われ、今大会で引退試合を行う初代REBELS63kg級王者・丹羽圭介(TEAMニワールド)が出席した。
丹羽は2010年にプロデビュー。2018年10月からKNOCK OUTの運営元のDef Fellowが運営するREBELSを主戦場にし、2019年4月のREBELS 63kg初代王座決定トーナメントで優勝し、初代REBELS63kg級王者に。2020年には現在KNOCK OUT主力メンバーのバズーカ巧樹、古村匡平と対戦経験があり、2020年12月6日、REBELSで耀織に3RKO負けして以降、試合から遠ざかっていた。
会見に出席した丹羽は「日本拳法から始めて格闘技を20年間、好きでやってきました。プロデビューから15年、苦難、苦境、いろいろ挫折やしくじりやら、いっぱいあったんですけど、希望を持ち続けた結果、那須川天心率いるTEPPEN GYMで練習させてもらって、そこから10年の時を経てREBELSに出て階級を設定していただいて、破竹の連勝をしてチャンピオンになることができました。その後、コロナが到来して練習ができない、試合ができないという中で、自分のベルトがそこの部屋にポンと置いてあって、ベルトの価値って何だろうなと思ったときに、格闘家ファイターはプロは試合して練習して、結果を出して、自他ともに喜ぶという形を表現し続けていないと格闘家アスリートとしての価値というのがないとすごい感じました。それで防衛戦をやったんですけど、防衛戦で負けて、その後も負けてちょっと本当にその時は寝ぐされしたような状態だったので、寝ぐされした中で何とか試合をやってきたんですけど、それも勝てず」とこれまでを振り返る。
続けて「でも自分でこうして成し遂げることは1つ、REBELSのチャンピオンになったことでやり遂げられたので、ここからは拳を成し遂げてきたことで残していけるか。良いというならば、アスリートの価値、命の価値、命がけでやる価値をどれだけ高めていけるのか、アスリートが必ず通過するであろう、“引退”という2文字が必ず来るときに、どれだけ楽しいものに、どれだけ笑いあるものに、どれだけ価値のあるものにしていけるか、というところで、今回は笑う門出には福来るというところで(引退試合を)やることを決意して、自分の格闘家人生に一つ完結させようと思って、今回お願いする形になりました」と引退試合を行うことにした経緯を説明。
引退に際し、試合ではブランクがあるために、引退セレモニーという形もできた中でも、あえて公式戦での引退試合を選んだ理由を聞かれると「ブランクは約4年あります。試合をやっていない中でも、自分の中のトレーニングというか、自分を研ぎ澄ますトレーニングをやってきました。格闘家の命がけの価値という意味では、(引退)ゴングを鳴らして『ありがとうございました』とか、軽くエキシビションマッチをやって『ありがとうございました』というよりは、僕は自分の体現者でありたいと思っているので、自分が何歳になってもこれだけ挑戦してるんだぜ。成長してるんだぜ。進化してるんだぜ。という形を自分の姿を持って背中を見せて、後世にバトンを渡していきたいと思っています。試合はやっぱりガチンコでやらないと初めて見る方もそうですし、格闘技大好きな方や玄人の方もそうですけど、『まだこれだけやれるんだ!?』という形を示すことで、引退の価値というのが最大限高まると思ったので、ガチンコの試合を申し込みました」という。
最後の対戦相手の般若HASHIMOTOとは 2021年9月に試合が組まれたが、丹羽の怪我により中止となっており、「今回(引退試合の相手として)同世代でまだやっている選手を候補で上げてもらったんですけど、結果、般若選手に承諾していただいて良かったなと」といい、どう戦いたいかとの問いには「KROSS×OVERという団体のチャンピオンになっている選手であり、勢いのある選手で努力と根性と気合いの備わっている選手だと思います。表のテーマとしては、15年間、僕がプロで培ってきたものを全て発揮して、そこで勝つというのがまず第一。まだまだ甘いんだぜ、まだまだ来いよという形で迎え撃つという形が表のフロントテーマで、バックテーマは僕が15年、20年、格闘技をやってきた中の自分との戦いをいかに完結させるかというところで自分との戦いでもあり、HASHIMOTO選手との戦いでもあるんですけど、ある種の格闘家人生、自分との戦いでもあります」とこの試合のテーマを掲げた。
キャリアを振り返って、一番印象に残っているを試合については2017年5月27日、中国でのロッタン戦を上げ、「その時のロッタンはそこまで日本で有名じゃなくて、多分まだ日本人選手とも対戦経験がなかったのですが、とあるプロモーターから『そんな強くない美味しい選手が中国にいるから行こうよ』と言われて、僕もちゃんとデータというか情報を見ずにして『じゃあ行きましょう』と、凄く良い扱いを受けて良かったんですけど、これまで30何戦やってきて、強いなと選手はいても、殺されると思った試合でした。今世界最高峰のロッタン選手と中国の武漢でムエタイルールで対戦させてもらった時に、リングインして相手と向き合って別れる時に、別れる前はケツとか触ってきて遊んでくるガキンチョがいたんですけど、コーナーに戻って相手の方を振り返ったら黒豹がいたんです。それは衝撃的でしたし、1R目に鼻を折られてアバラ骨を三本折られたのですが、中国の武漢まで行ってまでKO負けするわけにはいかないと思って、なんとか判定で耐え凌ぎました。そのロッタンとの試合が僕の中では最高峰であり、今後、黒豹のような選手と戦うことはないので試合は怖くないという意識になりました」とのこと。
キャリアの最後となるリングで一番見せたいこと、伝えたいことを聞かれると「明日来るかどうかなんて誰もわからないし、僕もその前の試合で腎臓が割れたりして、何が起こるかわからない格闘技でもあり、世の中でもある中で一度きりの人生、二度とない人生、今日は今日で今日は戻ってこない人生。その中で、自分のやりたいこと、成し遂げたいこと、やりきりたいこと、希望を持ってやり続けるということがいかに大事かというところを見せていきたいです」とした。
最後にどんな“ニワールド”を見せたいとの問いには「無双ビートでもあり、ニワールドでもあり、丹羽圭介のマンパワーでは成し遂げられなかった景色の格闘技が体現できたのがREBELSのチャンピオンでもあり、今この場に立っているというのも、そこの力があってこその自分の戦いではなく、自分たちの戦いというか、そこの力をいかに集結させてゴールデンな元気玉を集められるかなので、今日もネクタイは金なんですけど、ゴールデンのエネルギーをどれだけ自分の中で使っていけるか。自分のパワーが1だとしたら、そこの正のエネルギーとか自分の協力してもらえるエネルギーになると、プラスじゃなくて×100になるので、その掛けるを戦いをやることができれば、3分3Rで格闘技人生20年くらいやってきた中の20年分の9分間が出せるんじゃないかなと思います」とした。
会見に同席した山口元気代表は「今KNOCK OUTを観に来ているファンのみなさんは丹羽君の試合を見たことはないかもしれないですけど、バズーカ選手や丹羽君とやったことある選手の応援で来て、丹羽君の試合を見たことがあるというファンは、絶対2月大会にもいると思います。丹羽君のことを知っているファンが見送るっていう舞台ができたことは非常にKNOCK OUTとしてはすごく嬉しい。今回、もともと縁があった選手の引退試合をきちんとやりたいなと思っていたので、非常に嬉しく思います」とメッセージを送った。