2025/06/11

7.20 KNOCK OUT.55|カード発表記者会見レポート

 

 

 

 2025年7月20日(日)東京・後楽園ホールで開催される『KNOCK OUT.55』(今大会から大会名の表記がナンバリングに変更)の記者会見が6月10日(火)都内にて行われ、対戦カードが発表された。

 

 

KNOCK OUT-BLACKライト級[3分3R・延長1R]で大谷翔司(KNOCK OUT クロスポイント渋谷)vs木村涼仁(Bellus Gym)の一戦が決定。大谷は5月大会のKNOCK OUT-BLACKライト級タイトル初防衛戦で大沢文也に判定負け&王座陥落し、再起戦を迎える。対する木村は第48回東北総体ボクシング競技少年男子ライトウエルター級優勝の実績があり、KNOCK OUT REBELS SERIES(以下KRS)で3戦3勝。

 

 

 23勝(14KO)11敗3分の戦績を持つ大谷に、今回が4戦目となる木村を用意したマッチマイクについて、山口元気代表は「最初は7月のKRSにオファーしていて、何人か相手候補を出しましたがなかなかOKが出ず。それなら大谷が復帰戦を迎えるので打診したところ決まりました。大谷にとっては前回、痛恨の負けから復帰戦が決まりました。木村選手にとっては名前を売るチャンス。KRSをやってきた意味のあるカードになりました」とカード決定に至った経緯を説明した。

 

 

 大谷は「前回大事なベルトを失って、進退を含めて考える期間がありました。自分自身、絶対にまだ成長できると思っていますし、周りの反応を見ても僕に期待してくれているのを感じました。成長を見せる一戦にして、フレッシュな気持ちでまた1から作り上げていきたいと思います」と力強い意気込み。

 前回の大沢戦については「かなり勉強になりました。負けたのは悔しいですけど、負けを認めます。自分に足りないものは、今まではワンチャンス、ツーチャンスをものにする力はありましたが、そこに頼りすぎて3R通して自分のペースを掴むという部分は欠けていると感じ、そこと真摯に向き合って日々鍛錬しているのでその成果を見せたい」という。

 

 

 対する木村は「KNOCK OUT本戦一戦目から前チャンピオンの大谷選手と試合をさせていただけることをとても感謝しています。実績もキャリアも上の選手なんですけれど、僕にとって凄く大チャンスでみんな僕が負けると思っているでしょう。ここで勝てばジャイアントキリングだと思うので、見てる皆さんをしっかり盛り上げられるように死に物狂いでリスペクトを持って勝ちます」と緊張した面持ちで勝利を予告した。

 対戦相手の印象を聞かれた大谷は「とても才能があって、若くてアグレッシブな選手。調子に乗らせると結構厄介な相手だと思うので、僕のペースで終始、試合を展開できるゲームにしたい」といえば、木村は「ナパームストレートは凄く危険だと思います。あと、コツコツと自分のリズムを作っていく選手なので、先にペースを握れるようにやっていきたい」という。

 元王者相手に何で対抗するかと聞かれた木村は「勢いとスピード感を自分の武器だと思ってやっていきたいと思います。ベテラン選手なので、リズムを掴まれると僕が不利な状況になるので、最初から飛ばしていきます」と勢いで相手を飲み込むつもり。

 それに対して、キャリアの差のある選手と組まれた感想を聞かれた大谷は「特に何も思わないです。自分の意志と違わなければオファーは断らないし、相手どうこうは全く関係なく、常に自分との勝負です。そういう中で、才能ある若い選手が目の前に現れたので、そこは超えないといけない壁だと思います」と答える。

 また、今回がプロ4戦目の選手とやることにプレッシャーはないかと聞かれると、大谷は「プレッシャーはもちろんありますが、そこで負けていたら今後もっと大きなプレッシャーがあると思うので、こんなところで負けていられない。自分もここから成り上がろうと思っていて、喰ってやろうという気持ちなので、彼を上回るような反骨心を見せていきたい。3R通して支配して、そのうえで倒し切りたい。今まで特化していた能力にプラスして試合を支配するのを意識してやっていきたい」と語る。

 最後に、再起した後の目標については「彼(=大沢文也)に執着する気持ちは全くないですし、自分がどこまで強くなれるか。その中で大沢選手とやれるタイミングが来ればやりたい」といい、再起に燃えていた。

 

 

▼KNOCK OUT-BLACK女子バンタム級 3分3R・延長1R
NANA(エスジム)vsザリーナ・イスラモバ(ロシア)

 4月大会で中島玲に判定勝ちしたユリアン・ポズドニアコフが所属するジムの会長推薦で今大会への出場が決定したイスラモバはRWSに出場し戦績は6戦6勝。山口代表は「そんな選手と対戦できる選手は誰がいるんだよと思っていたところ、NANA選手がいたなと。昨年6月にはルシア・アプデルガリム選手に勝って、このくらいのレベルの選手じゃないと、NANA選手に対抗できる選手はいません。NANA選手には強豪外国人を迎え撃つ役割をしてもらいたいと思います」とカード決定の経緯を語った。

NANA
「最強外国人を呼んでくださりありがとうございます。やることは変わらないので、しっかり潰して殴って蹴って勝ちたいと思います。
(対戦相手の印象)毎日試合映像を見てます。全部が強い、速い、回転力もあって飛ぶし回るし、可愛いし。潰すしかないと思っています。

 

 

(作戦は?)下がらない。飛んできたら叩く。回ったら回る前に潰す、もうそれだけです。
(まだ制定されていないKNOCK OUT王座への思い)ベルトを肩から2本かけたいので作ってください。お願いします。
(国際戦を経験して外国人選手と日本人選手との違いについて)ルシア選手とやったときは52.5kg契約でやったので、戦う前はフィジカル負けするのかなと思ったんですけど、年始から53.5kgで戦えるように準備をしてきているので、次の試合で試したいと思います。
(逆に日本女子選手が外国人女子選手に有利なことは?)真面目さ? フィジカルはやっぱり外国人の方が強いかなと。体格差はやっぱり日本人の方が小さいと思うので、速さ、スピードですかね。私にはないんですけど、そういうところかなと思います。
(今回何で対抗するか)もう根性で潰します。スピードは娘が一つ下の階級にいるので、ちょっと目慣らしして、フィジカルとか体の強さの面に関しては、ずっと男子選手と練習してるんで、そこで試してあとは潰すだけです。
(娘の存在はどう力になっているか)MOMOがいると練習サボれないので、練習もきつくなっています。いつもだったら『もうやだ』と言えるんですけど、やっぱり娘の前だと言えないので、自分が引っ張っていけるように、心もだいぶ強くさせてもらっています

 

 

▼KNOCK OUT-BLACK女子アトム級 3分3R・延長1R
Kiho(KNOCK OUT GYM 調布)vs森川侑凜(J-KRANG)

 前回5月大会で逆移のハイキックでKO勝ちしたKihoと、BONNIEに判定勝ちした森川による一戦。山口代表は「以前までKNOCK OUTにはぱんちゃん璃奈選手しか女子選手がいなかったんですけど、だんだんと女子選手が集まりつつある中で、前回5月大会ではいい試合をしてくれたので、ここで即試合を見てみたいと思って組みました。KNOCK OUTの女子をこれから盛り上げていってほしいですし、この2人だけでなくNANA選手も出るので、どんどん女子選手に力を入れていこうと思います。そういう意味で注目のきっかけになるような一戦になってほしいと思います」と期待を込めた。なお、両者は2021年2月のKrushで対戦しており、引き分けに終わっている。

 

 

Kiho
「今回はしっかりと圧倒して勝ちます。
(前回の相手の試合を見た印象)凄くバチバチだと思いました。
(KOしたハイキックについて)あのハイキックは狙っていたわけではなく、むちゃくちゃ練習していたので出たんだと思います。
(それ以外の部分については)ダメダメでした。
(どう勝ちたいか)前回はたぶんヒヤヒヤさせて、もうダメだろうなと思われていたと思うのですが、今回はしっかり圧倒して最後は倒して勝ちたいと思います。
(まだ制定されていないKNOCK OUT王座への思い)ベルト欲しいので頑張ります。

 

 

森川侑凜
「前回3年ぶりの復帰戦で、今まで以上に凄く楽しく戦えたので、今回も楽しんでしっかり勝って、また会場を盛り上げたいと思います。
(前回の相手の試合を見た印象)全部を通しては見てないんですけど、SNSで切り抜きのKOシーンが結構流れてきて、いい勝ち方をしてるなと思いました。
(KOしたハイキックについて)自分は自分らしい戦い方したらハイキックとか関係なしに倒せるんじゃないかなと思います。
(どう勝ちたいか)自分らしい戦い方で、自分にしかできない戦い方で、しっかり倒していきたいと思います。
(まだ制定されていないKNOCK OUT王座への思い)今、アトム級のベルトがない状態で、目標というのは明確にはないんですけど、前回みたいな戦い方で、もっともっと強くなっていったら、その先に見えるものがあるのかなと思います。
(自分の娘が格闘技をやりたいと言い出したら?)前回の試合を会場で見てたんですけど、多くの方に応援来ていただいて、ロビーでみんなと写真を撮る姿を見ていたのか、次の日、娘の写真を撮ろうとカメラを構えたら、ファイティングポーズするんです(笑)。そのうち、私の真似をして格闘技をやりだすのかなと思っています」

 

 

▼KNOCK OUT-REDライト級 3分3R・延長1R
小林司(Sports 24)vsムン・メイキア(カンボジア)

 KNOCK OUT初参戦となった5月の力也戦ではヒジで1RTKO勝ちした小林と、カンボジアで重森陽太と古村匡平に勝利しているメイキアの一戦。山口代表は「(小林に)断られるかなと思って打診したところ、チャンスなのでぜひやりたいと熱々に希望してくれました。日本のファンにとっては未知の強豪ですけど、KNOCK OUTのファンは映像で見ている通り、本当に強い選手です。その選手に対して、小林選手がどう戦っていくのか。この階級には非常に選手が集まっているので、今後のこの階級の動向にも関わってくるかなと思っています」と見所を語った。

 

 

小林司
「今回対戦するカンボジアの選手はクンクメールで活躍していて、現チャンピオン(=重森)にも勝っている非常に強敵なんですけど、勝てばチャンスかなと思いますので、しっかり頑張っていい勝ち方して、いい試合をしたいと思います。
(対戦相手の印象、試合で気を付けるところ)体が強くて攻撃力も高くて、かつテクニックもしっかりある印象です。自分の対策としては、強打や蹴りに合わせて何かを返すことを練習しているので、しっかり当てて倒したいと思います。
(KNOCK OUTタイトルに関して)ここで勝てばタイトルマッチにぐっと近づくかなと思っていて、落とせない試合ではありますし、自分のキャリア上でのチャレンジになるのかなと思っています。
(タイトル戦線に食い込むために一番必要なことは?)自分がトップに食い込むには、技術的なものももちろんあると思うんですけど、気持ちの強さですかね。今までの相手とは違う相手とどんどんやっていったり、OFGなので引かない気持ちも必要だと思います。
(最終的にはどう勝ちたいか)KOで勝ちたいですけど、フルラウンドでやって、テクニカルな試合もいいのかなと思っています。あまり自分でイメージを掴めてないですけど、しっかり倒して勝ちたいです。(前回KNOCK OUTに出た反響)インスタのフォロワー数はあまり増えていないんですけど、ジムの皆さんから声をかけてもらったりとか、やっぱりKNOCK OUTは有名な大会なんだなと思いました。
(今後の目標)KNOCK OUTのチャンピオンを目指して、KNOCK OUTを主戦場にしていきたいと思います」

 

 

▼KNOCK OUT-BLACKバンタム級 3分3R・延長1R
工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)vsvs比嘉龍一(TEAM PREPARED)

 4月の『KNOCK OUT 2025 vol.2』で馬上一樹に判定勝利し、連敗脱出した工藤と、3月の『KNOCK OUT REBELS SERIES.1』で3RKO勝ちした川端の一戦。ベテランの工藤は年内引退宣言し、対する比嘉は東京で活躍していきたいという思いがあり、山口代表は「勝敗はともかく、熱い試合をする2人で、スタイルが似ているのですごく噛み合いそうで楽しみです」と期待を込める。

 

 

工藤“red”玲央
「7月20日は必ず勝ちます。
(対戦相手の印象、試合で気を付けるところ)動画を見て、山口さんが噛み合うと言っていた通りだと思うし、3月の大会ではパンチのラッシュでしっかり前に詰めてきてアグレッシブなファイターだと思ったので、自分が下がらないことをちょっと頭に入れて練習してます。前回、ジムの後輩たちやいろんな方々にサポートしてもらって無事に勝てたので、もちろん自分は本当にしっかりやるだけなんですけど、今回もしっかりこの人たちの力を借りて今回も絶対に勝ちます。
(前回久々の勝利で感じたことは)シンプルに嬉しかったですね。何かの呪いから解き放たれたみたいな、そんなような感覚がすごくて、格闘技人生で一番嬉しい勝ちでしたね。デビュー戦も勝ったんですけど、その時よりも嬉しかったですし、それが今年で終わっちゃうのかと思いました。
(今年で引退することも見据えて、この試合を含めてどうしていきたいか)前回、勝った時には何も考えられなかったんですけど、しっかり次の試合で勝ります。3年ほど前に代々木大会で小倉尚也君にKO負けしていて、代々木大会には仮があるので、今年12月の代々木大会で僕が出る枠があったらもちろん出たいですけど、しっかり7月に勝ってから考えたいです。できれば2、3試合でもやりたいです。もう呪いは大丈夫です。呪いは他に行きました(笑)」

 

<その他の決定対戦カード>

▼KNOCK OUT-REDスーパーライト級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
デンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/王者)
vs
エイ・マムリンプートング(カンボジア/挑戦者)

▼KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級 3分3R・延長1R
優翔(team NOVA)
vs
紀州のマルちゃん(武勇会)