2025年6月22日（日）東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される『THE KNOCK OUT 2025』（U-NEXT配信）に出場する栗秋祥梧（KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺）の公開練習が東京・吉祥寺にあるKNOCK OUT FIGHT CAMPで行われた。栗秋はKNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級王座決定戦で倉本一真（リバーサルジム新宿MeWe/MAJESTIC）と対戦する。

この日の公開練習では、現在KNOCK OUT FIGHT CAMPで一緒に練習している山本アーセンと、試合を想定した2分1Rのスパーリングを行った栗秋。開始すると、栗秋が得意の打撃を出すこともなく、倉本と同じくレスリングベースのアーセンが組み付いて豪快なスープレックス！　上を取ったアーセンはパウンドを落とすだけでなく、立ち上がろうとする栗秋を抑え込んで4点ポジションから何度もヒザ蹴りを見舞う展開に。相手陣営に栗秋の仕上がりの良さを知られたくなかったからか、栗秋が一方的にやられる形で公開練習は終了となった。

栗秋とアーセンという意外な組み合わせの二人だが、交流が始まったのは今年に入ってからだという。

「僕が所属しているKRAZY BEEの練習場所が一度なくなった時に、ウェルカムしてくれたのがこのクロスポイント吉祥寺さんでした。チームのみんなでお邪魔させていただき、渡慶次幸平さんらクロスポイントの選手たちと仲良くなって友情がどんどん芽生えていった感じです」（アーセン）

栗秋は昨年12月のUNLIMITEDルールによるカルロス・モタ戦に向けてMMAの練習をしていたことで、アーセンとも一緒に練習するように。

「僕はRIZINが好きでよく見ていて、RIZINに出ていたアーセンさんは憧れの選手でした」と初対面で興奮していたという栗秋は「今もそうなんですけど、スパーをすると歯が立たなかったです。MMAの大先輩だなと感じさせられました」と初スパーした感想を述べるが、アーセンは「ここに来て（栗秋のことを）初めて知って、自己紹介しながら仲良くなったみたいな感じでした。初めてスパーで組んだ時に、自分がテイクダウンしてパウンドを打とうと思ったら、普通に下から三角絞めと腕十字を極められて『全然立ち技の選手じゃねえじゃん！』って（苦笑）。打撃もすげー強かった」と驚きを隠せなかったようだ。

今回2度目のUNLIMITEDルールでの試合に向けて、栗秋は「自信はめちゃくちゃあります。1週間前ぐらいから感じてきたんですけど、日が経つにつれて感覚が研ぎ澄まされたり、いい緊張感を持って今強くなっているのを感じているので、本当に今すぐにやりたいぐらい」と仕上がりは万全の様子。

練習では試合を想定した内容でやっているというが、アーセンは「想定しながらも、対戦相手の対策中心でやるんじゃなくて、自分の動きの持ち味を消さないような対策の仕方なので、レスラー（＝倉本）がそれをやられたら一番嫌なこと。レスラーはレスリング対策をやってもらった方がすごく楽に試合運びができるんですけど、立ち技の魅力を消さないように作戦を立てられるとすごく間合いを取りにくくなるし、攻めにくい。相手は相当嫌だと思いますよ」と自信を見せる。

公開練習ではアーセンから投げられる場面もあり、倉本も投げ技を得意としているだけに試合では投げられる可能性もあるが、栗秋は「別にそこは深く考えてなくて、自分のスタイルで戦おうと思っています」と投げ技は気にならないという。

フィニッシュはどう考えているかとの問いに、栗秋は「3パターンを考えていて、1Rだろうが、2Rでも3Rでもちゃんと倒せる技を磨いてきたので、それが楽しみです。今まで、キックボクシングの時は、打撃を出しながら、どこを狙おうと考えながら戦っていたのですが、今はそれをはめ込んでいく練習をずっとやってきたので今回は大丈夫だと思います」とKO決着にも自信満々。

栗秋のレスリングのセンスに関して、山本は「運動神経もいいし、運動神経がいいと頭もいいので飲み込みも早いと思います。今回、まだまだ成長中だと思っていて、寝技ありのルールでは、ここから化け物になるんじゃないかなと。組みで化け物になっていく上に、打撃もトップクラスなんで、俺らからしたら言い方は悪いですけど面倒くさくて避けたい選手にはなってくると思います」と栗秋の今後の可能性にも言及した。

UNLIMITEDタイトル獲得後については「もちろん、UNLIMITEDを引っ張っていくという気持ちもありますし、MMAに挑戦したいというのもあるので、そのために今こうやって練習させていただいています」とプランを語る栗秋。

最後に栗秋が「いよいよ来週になったんですけど、ここからしっかり仕上げて会場を爆発させるので楽しみにしていてください。強さを見せます」というと、アーセンも「試合は絶対勝つ。相手の良いところを全部消す能力は持ってるんで楽しみですね。ベルトを巻いてるのは絶対にこっちなんで」と栗秋のベルト獲得に絶対的な自信を見せていた。