2024/05/28

6.23 KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”|壱・センチャイジム インタビュー公開!

 

 

 

「『スカーフェイス・イケメン対決』に注目してください!」

 

 

 

6・23『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”』の「スーパーファイト/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級/3分3R・延長1R」でチョークディー・PKセンチャイジムと対戦する壱・センチャイジム。デビュー前から憧れて参考にしていたというチョークディーとの対戦に胸躍らせる壱が、この試合のテーマとして掲げたものとは?

 

 

 

 

 

── 好調の中で迎えた代々木第二大会で、相手がチョークディー選手です。最初に聞いた時はどう思いましたか?

 

 最初、会長から「FLYSKY GYMでコーチをやってるチョークディー選手と試合が決まったよ」って言われたんですよ。その時、僕は「ああ、そういうコーチがいるんだな」と思って。僕が知ってるチョークディー選手は長いことリングを離れてたから、まさかまだやってるとは思ってなくて、日本でコーチをしているというのも知らなかったんですよね。

 

── ああ、同じ名前の別の人だと思ったわけですね。

 

 だから、「PKセンチャイジムのチョークディーだよ」と改めて聞いた時に、「うわ、あのチョークディーか!」と。僕は、キレイなムエタイスタイルも好きなんですよ。前蹴りで距離を取って、ミドルカット、ミドルカット、首組んでヒザコカして判定、みたいな。でもチョークディー選手みたいに、パンチで打ち合ってヒジも打ち合って、タイ人なのに近めの距離でしか試合しないみたいな選手もすごく好きで参考にしてて。デビューする前から僕が参考にしてた選手の1人だったんですよ。だから「マジか!」と思いましたね。

 

── へえ~、そうだったんですね。

 

壱 同時に、「俺はここまで来たんだ」という感慨もあったんですよ。あの頃の自分は、絶対にチョークディーとやることなんて考えてなかったから。だから今回は、違う意味で熱くなりましたね。

 

── いわゆる「胸熱」というヤツですね。

 

 そうですね。僕って普段、試合のオファーを聞いてもあんまり胸が高鳴ることはないんですよ。「今度はこの相手だろうな」と思ってたらその相手が来る、みたいな感じだったので。近年、自分の中で盛り上がったオファーが2つしかなくて、一つが昨年末の古木誠也戦。そしてもう一つがこのチョークディー戦ですね。だから今は胸が震えっぱなしで、ロマンティックが止まらないですね。

 

── 出た、ロマンティック!(笑) そんな相手に、何をぶつけたいですか?

 

壱 間違いなく、ムエタイのスタジアムで5年前までトップ戦線にいた選手じゃないですか。それこそ僕のコーチに伝えたら、「チョークディー? リアリー? ユー・ダイ!」って言われたんですよ。

 

── 「死ぬぞ」と(笑)。

 

 それで余計に気合いが入ったんですよ。「よし、俺もこの逆境を乗り越えよう!」みたいな。みんな見返してやろう、と思って。古木戦の時もコーチに止められて、会長に止められつつ試合してて、今回コーチや会長が「チョークディーなんかとやって大丈夫?」みたいになってる中での試合ですね。チョークディーみたいに近い距離で倒せるタイ人の選手が日本にはいないから、日本では首相撲が人気ないんですよね。だから僕がチョークディー選手との試合で、「首相撲の展開ってこんなに面白いんだ」という試合を日本で見せて、「首相撲って面白いんだよ」というのを示せたらいいなと思ってますね。

 

── なるほど。

 

 でも組んでみて「これはヤバい!」と思ったら、もちろん戦い方を変えますけど(笑)。僕は戦い方を変えながら戦うというのが得意分野でもあると思ってて、毎回途中で作戦変更してるんですよ。僕がチョークディー選手とやり合えるなと思ったら、日本では見られないような、パンチよりも近い距離での倒し合いを見せられたらいいなと思ってます。

 

── では、壱選手が距離を取り始めたら「やべっ!」と思ったと分かるわけですね(笑)。

 

 そうですね。「パンチでは無理だと思ったんだな」と思ってもらえれば(笑)。古木戦の時も、近くでのパンチの空振りが「ブォン!」って音がして、ビビって蹴りまくってたら結局パンチをもらっちゃってダウンして。でもやるしかないと思ってパンチを振ったら、それが当たってダウン取っちゃったみたいな、そういうパターンもあるんですよ。格闘技は本当に何が起きるか分からないんで。古木君と10回やったら9回負けると思うんですけど、その1回を最初に持ってくる運の強さがあるので、チョークディー選手とやっても、何回やってどうなるか分かんないですけど、僕はその1回を持ってくる強さがあるので。一発がないのに、何か勝つなっていう、珍しいタイプだと思ってます

 

── すごい自己分析ですね(笑)。今回の会場、代々木第二についてはどうですか?

 

 代々木第二では昨年1回やってますけど、チャンピオンになって初の試合で響波選手とやって、1Rにダウン取って、ヒジで額もカットさせて、もうどうやっても負けないだろうというところでバックブローをもらってダウンして負けたという苦い過去があるんですよね。

 

── そうか、あの時もベルトを獲って次の試合だったんですね。

 

 そうなんですよ! だから代々木第二はちょっと苦い場所なんですけど、でもそこで結果を出さないと、その次にステップアップできないですから。僕はもう『KNOCK OUT』では55kgの日本人はだいぶ倒したと思ってるし、ヒジありの55kgでは『KNOCK OUT』が頂点だし、この階級で名前が出るようなチャンピオンにはけっこう勝ってますからね。だからもうそろそろ、瑛ちゃん(小笠原瑛作)のように、「vs世界」、ONEにも旅立っていけるんじゃないかなと思ってた時にこのオファーをもらったので、この試合が世界への第一歩かなと。

 

── その手応えを掴む試合ということですね。

 

 そうですね。本場のタイ人とやるのは4年ぶりかな? すごい久しぶりなので。日本人と全然違う本場のタイ人を肌で感じたいですね。それこそスピードとかは日本人も速いですけど、タイ人は骨が硬いし、ミドルをカットした時に、「あ、これ1回もカット失敗できないな」って分かるんですよ。それにタイ人は経験が段違いなので、そういうところで「vs世界」に向けての手応えを掴めたらいいなと思ってます。

 

 

 

 

── そんな強敵を相手に、練習は順調ですか?

 

 けっこう順調だと思います。それこそ前回の試合(タイトルマッチ、vs古村光)の時、実は不安要素が少しあって。それは何かと言うと、コーチが出家のためにタイに帰っちゃってて、会長は支部の方にいたので、教えてくれる人がいないという期間が2週間あったんですよ。僕は初めて、試合を控えた時期に同じ大会に出た蒔(まくと)・センチャイジムにミットを持ってもらって、僕も試合を控えてるのに蒔のミットを持つという、初めての状況だったんですよね。不安がなかったと言ったらウソになるんですけど、フタを開けてみたら古村選手に圧勝できたので、よかったかなと。そのコーチも帰ってきたので、前回よりはしっかり仕上げられるんじゃないかと思います。

 

── 前回は蒔・センチャイジム選手もプレリミナリーファイトでいい勝ち方をしましたからね。

 

 そうなんですよ! アイツも10回やったら9回負ける相手に対して、その1回を持ってきたので。1回というか一発ですね。

 

── 大逆転の右フックですね。

 

 アレがすごいのは、会長が試合の3日前に急に教えた技だったんですよ。

 

── そうなんですね!

 

 試合前の練習でも、蒔はそれしかやらせてもらってなくて。あれが当たって勝っちゃって、会長はメチャクチャご機嫌でしたから。その試合が終わって、僕の試合まで3時間半ぐらいあったんすけど、控室は天国でしたから(笑)。「私の言ったことが当たったでしょ!」って。そういう意味でもすごく気楽にやれた試合でしたね。

 

── そんな裏話があったんですね(笑)。今回は、去年と同じ代々木の大舞台で去年の屈辱を晴らして、チョークディーという強敵に勝って「vs世界」という次のステップに行くと。

 

 日本人とやる方が盛り上がるんですけど、レベルで言うと全然違いますからね。この前ONEでKO勝ちした森岡悠樹なんかも、俺に2回負けてるのにあんなに目立っちゃって、っていうジェラシーも少しありますし、古村選手にも2回勝ってBLACKのチャンピオンの古木選手にも勝ってるんで、日本人はもういいんじゃないかなと。もう「vs世界」に踏み出していいのかなって僕が思ってたタイミングで、山口代表が用意してくれたカードなので、『KNOCK OUT』も応援して期待してくれてるなと思います。タイ人とやること自体もすごく久しぶりなので、本当に楽しみです。

 

── では最後に、今回の試合で特にここに注目してほしいというポイントはどこでしょう?

 

 これね、一つあるんですよ。僕の顔とチョークディー選手の顔、両方に注目してほしくて。どういうことかって言ったら、僕って、イケメンなのに傷がついててカッコいいねって言われるんですよ。僕はこの1年で、5試合でカットがあって顔面を40針縫ってるんですよ。「傷も相まってカッコいいね」って言われて、「でしょ~?」って言ってたんですけど、チョークディー選手って、何針縫ってるか知ってます?

 

── いえ、全然知らないですが(笑)。

 

 170針以上なんですよ! だからこの試合は、チョークディー選手が170針以上で、僕が40針という、日本のスカーフェイス・イケメンとタイのスカーフェイス・イケメンの戦いなんですよ。そこに注目してほしいですね。ずっと顔面をガードして戦ってたら、切られないし、傷もつかないじゃないですか。僕もチョークディー選手も前に出るから当たっちゃうし、傷もつくんですよ! だからムエタイだけど行くときは行くっていう激しい試合になるんじゃないかなと思います。ロマンティックなスカーフェイス対決に期待してください!

 

── 分かりました。ありがとうございました!

 

 

プロフィール  

壱・センチャイジム
所属:センチャイムエタイジム
生年月日:1997年8月15日生
出身:沖縄県那覇市出身
身長:173cm 
戦績:35戦25勝(9KO)9敗1分
第4代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者

第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者
元ルンピニージャパン・バンタム級王者