8・4『MAROOMS Presents KNOCK OUT 2024 Vol.3』の「KNOCK OUT-BLACKフェザー級/3分3R・延長1R」でチュームーシーフーと対戦する元山祐希。昨年3月、代々木第二大会での久井大夢戦以来、2度目の参戦となる元山は、今回はINNOVATION王者として大一番に臨む。このカード、この相手に対し、どんな気持ちで対峙しようとしているのか？

 

 

 

 

 

──『KNOCK OUT』には昨年3月の代々木第二大会以来、2回目の参戦になります。その時も含めて、『KNOCK OUT』全体に対する印象は？

 

元山　いや、とにかくすごいなと思いますね。いろんなことに挑戦していて、すごい団体だなと。去年出て、また出たいとずっと思ってたんですけど、都合が合わなかったりして、結局1年以上経ってしまいました。

 

──では待望の再登場というわけですね。今回はチュームーシーフー選手との対戦となりましたが。

 

元山　まずチュームーシーフー選手がどうこうというより、「『KNOCK OUT』さすがやな」と思いましたね（笑）。去年、初参戦でチャンピオンの久井大夢選手と当たって、1年後、鍛えて再登場したら、それより強いチュームーシーフー選手ですよ。「ウソだろ？」って（笑）。そこも含めて面白い団体だなと思ってるんですけど（笑）。

 

──久井選手に勝っているチュームーシーフー選手ですからね。選手としての印象は？

 

元山　人として強いですよね。キックボクシングが強い、パンチが強い蹴りが強いというよりは、人としての強さが違うというか。

 

──一番警戒すべきはあのパンチですか？

 

元山　右フックもですけど、あのチョコチョコ蹴ってくる三日月とかカーフとか、あれが意外にイヤなんじゃないかなと思ってますね。パンチを警戒している分、そこにスッと入ってくるというか。そこに注意が振られちゃう分、みんな右フックをもらっちゃうんじゃないかなと思ってます。

 

──そんな相手に対して、どう戦ってどう勝とうと思っていますか？

 

元山　いつも通り、ガードして打ち返すのみですけどね。自分で言うのも何ですけど、基本的なタイプは僕と似てると思うんですよ。だからお互い、同じような感じになるんじゃないですかね。前に出て豪打、前に出て豪打、みたいな。だから勝つためのプランはありますけど、結局のところは、生物としてどっちが強いかという勝負になるんじゃないかなと思ってます。

 

──では、自分の「生物としての強さ」への自信は？

 

元山　いや、ないですね（笑）。

 

──即答じゃないですか（笑）。

 

元山　いやいや、そこで「自分が強い」って言えるような人間じゃないですから（笑）。でも僕は、本来は臆病なんですけど、試合が始まったら前に出ちゃうんですよね。だから自分で気付いてないだけで、基本は好戦的なんかなと思うんですけど。チュームーシーフー選手はサウスポーなんで、鏡で見た自分の上位互換だと思ってるんです（笑）。

 

──でも、そう思ってたら勝てないじゃないですか。

 

元山　僕は経験自体も彼より少ないですけど、年齢は上なんで、人生経験でカバーするしかないかなと思ってます（笑）。あと彼はフィジカルが相当すごいんですけど、それに合わせて僕も今回はまあまあ作ってきたんで。今回というか、前回の参戦後の1年間かけてですね。だから、自分では勝負できるんじゃないかなと思います。

 

──「ここから崩せる」という突破口みたいなものも、もう見つけている？

 

元山　ありますよ。もちろんここでは言えないですけど（笑）。映像を見て、「ここからいけるんじゃないか」というポイントを見つけてはいます。それが通用するかどうかは、やってみないと分からないですけど。

 

 

──先ほど「好戦的なのかも」という話がありましたが、そもそも武勇会の選手ってみんな好戦的で、特異な強さがあるイメージなんですが（笑）。

 

元山　それは的を射てます（笑）。

 

──しかも、武勇会の練習はガチスパーがすごくて、そこで残らないといけないからみんな強いんだというウワサも聞きました。

 

元山　僕がいる支部はそんなことないと思いますけどね（笑）。ただ、選手たちが松山本部に集まって合同練習をすることがあって。その時は本部の練習生とかも混ざってやるんですけど、スパーリングは勢いでガチになることも多いんで、そのウワサが広まってるんじゃないですかね（笑）。

 

──その真偽はともかく（笑）、武勇会でやっていることへの自信はあるんじゃないですか？

 

元山　それはありますね。自分の先輩たちとかもすごいと思いますし、それを超えたいとも思います。先輩たちがここで勝ったとか、そういうのも聞いてるので。

 

──今回はJAPAN KICK INNOVATIONのチャンピオンとしての参戦です。団体の看板を背負って乗り込むという意識はいかがですか？

 

元山　去年出た時は、まだINNOVATIONのタイトルは持ってなくて、ICO王者として参戦してたんですよね。だから藤岡勇人会長とか河野雄大支部長とかと「やっぱり自団体のベルトを獲ってから乗り込まんと、アレやな」という話になったんです。そこで参戦が延びたというのもあるんですよ。結局INNOVATION王者として参戦するのは初めてなんですけど、そこで「ウソだろ!?」みたいな相手なんで（笑）。気合いが入る反面、「マジかよ？」っていう気持ちも大きかったですね。

 

──そこで「負けられない」という意識も強くなったのでは？

 

元山　そうですね。やっぱり強い選手はそこで勝ってるんで。この前の大夢君も、龍聖選手からダウン2回獲って、圧倒して勝ったじゃないですか。僕は彼のお父さんとたまにやりとりするんですけど、「思考は現実化するぞ」っていう言葉をいただいてて。だから僕も、正直自信はないですけど、「勝つ！」っていうイメージはずっとしています。

 

──では当日は、それを現実にするために戦うだけだと。

 

元山　はい。当日までに師匠の考えてるプランと自分のイメージを合わせて、固めていく感じです。

 

──ここで勝ったらどうしたいですか？

 

元山　代々木の大夢君と龍聖選手の試合があったじゃないですか。あれを見た時に、「これ、大チャンスじゃね？」っていうのがすぐ頭に浮かんだんですよ。チュームーシーフー選手に勝ったら、『KNOCK OUT』のフェザー級で一番強いのは僕ってことになるじゃないですか。だから勝ったらリングでそれを言いたいし、ここぞとばかりに調子に乗りたいです（笑）。

 

──ではその先には、久井選手との再戦、龍聖戦なども？

 

元山　ただ、今は目の前のチュームーシーフー選手に全振りしてます。先のことなんて考えられないぐらい強敵なので。

 

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう？

 

元山　実際、試合になってみないとどうなるかは分からないですけど、絶対引かないで戦うってことは決めてます。そこを見てほしいですね。

 

──引かないことについては自信がある？

 

元山　うーん……今まで引いたことはないので。実際どうなるかは分からないし、あの男にそれを言い切れる自信はないんですけど（笑）。でも、それぐらいの気持ちを持ってることは確かです。引いたら勝てないと思うので。

 

──分かりました。ありがとうございました！

 

 

 

プロフィール　　

元山 祐希

所属：武勇会

生年月日：1990年10月22日生

出身：愛媛県西条市

身長：166cm 

キック戦績：29戦18勝(4KO)9敗2分