2024/10/16
10.12 MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.5|一夜明け会見レポート
2024年10月12日(土)東京・後楽園ホールで開催される『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.5』の一夜明け会見が13日(日)都内にて行われ、勝利した5選手が出席した。
会見では、今大会に出場した選手を対象とした【MAROOMS賞(三賞)】が発表され、MAROOMS BEST FIGHTER賞は中島玲(フリー)が選ばれ賞金10万円、MAROOMS BEST KO賞は渡部太基(TEAM TEPPEN)が選ばれ賞金10万円が贈呈。MAROOMS BEST BOUT賞は通常1試合だが、第4試合の中島玲vs漁鬼(SHINE沖縄)と渡部太基vs西川康平(8ball fitness)の2試合が選ばれ、両試合の選手にはそれぞれ5万円が贈呈。また、KNOCK OUT FCサイトでの「みんなが選ぶMVP」には中島が選ばれ、賞金10万円が贈られた。
■メインイベント KNOCK OUT-BLACK フェザー級王座決定戦・3分3R延長1R
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)※チュームーシーフーに延長判定勝ち
延長戦までもつれ込む大接戦を制した栗秋は「嬉しい反面、悔しい気持ちが残っていますし、判定でもモヤモヤしている気持ちがあります。僕が差を見せたり、倒せなかったことに問題があるので、来年に(チュームーシーフーを)呼んでもらってもう1回やりたい」と再戦を希望。
対戦したチュームーシーフーの強さについては「圧力が凄くありましたし、正直怖さがありました。打撃面ではハイキックと、脇腹を蹴るミドルが効いたのですが、パンチは受けても大丈夫かなという感覚はありました。僕はいつも通りカウンターを狙う感覚でしたが、当たっても全然倒れないので気持ちの強い選手だと思いました」と振り返る。
前日会見では「簡単な試合になる」と発言していたが、そういう試合結果にならなかったことに関して突っ込まれると「パターンを何個か作っていた中で、今回は最悪なパターンになりました」と苦笑い。
本戦判定でチュームーシーフーに一票が入ったことについては「2R目にハイキックをもらってからあまり覚えてないです。でもパンチはガードしていたし、僕は顔で倒れることはないので倒れない自信があり、最大限にいなせるようにしています」とダメージはなかったという。延長戦では蹴り主体の攻めとなり、「セコンドからの指示で2、3Rに拳を痛めたので蹴りに切り替えました」とのこと。
試合で見せた根性に関しては「気持ちが入ったのは入場前に兄から『チャンピオンになって人生変えるぞ』と言ってくれたことと、本戦が終わって心が折れていたのですが、『ばあちゃんを思い出せ』と言ってくれて、それで生き返りました。ここまで頑張ったのは初めてでした。これからは根性を見せる前に倒したい」と兄から掛けられた言葉で頑張れたことを明かした。
改めて、ベルトを巻いた感想を聞かれると「感慨深いことはないです(苦笑)。倒せなかった、僅差で勝ったと言われるのは悔しいので、もう一回やりたい気持ちが強かったです。今後の試合で自分をどう見せるかで変わっていくと思いますし、チュームーシーフーともう一回やっても変われる。再戦に向けては練習量を増やすことが大切だと思いました」と答えると、山口元気代表から「いまさら?」と突っ込まれる場面もあった。
今後については「次はUNLIMITEDルールの試合をやりたい。このルールが好きなので、今回みたいなど突き合いがしたい。UNLIMITEDルールをやりつつ、いつでも再戦はやります」とチュームーシーフーとの再戦はいつでもやると答えた。
会見に同席した山口代表は「KNOCK OUTのベルトを持つということは他団体の選手に負けるわけにはいかない。(栗秋は)練習が嫌い、練習をサボるキャラではいられない立場になり、今までの祥梧は自覚がない人間だったので、ベルトを持つことで生まれ変われるきっかけになるのかなと。改めてチュームーシーフーを迎え撃った時にまた違う試合内容になるのか、そこに期待したいですね。ジャッジに関しては判定を覆すほどの差はなかったかなと。だからこそ再戦で白黒をはっきり付けるために、防衛戦はチュームーシーフーとの試合が見てみたいと思います」とした。
▼セミファイナル スーパーファイト/KNOCK OUT- REDライト級・3分3R延長1R
重森陽太(クロスポイント吉祥寺)※マルコス・リオスに延長判定勝ち
「昨日はたくさんのファンの皆さんが見に来てくれて嬉しく思います。U-NEXTでも多くの方が見て下さり、反響も大きく嬉しく思います。KNOCK OUT、並びに重森陽太の応援をいただきましてありがとうございます。
(試合の感想)試合で感じた想定以上のものをマルコス選手から感じるものがあり、もちろんパワーはありました。パンチと蹴りの攻防になったのですが、蹴りは片足で立って、マルコス選手はパンチで両足付いている状態なので、スタミナ消費は自分の方が多かったと思います。私は蹴りの選手なので、そこは想定して走り込みをしっかりしてきたのですが、それ以上にこういう展開になった時も全然問題なく蹴り続けられるようにしていかないといけないなと感じました。
(マルコスのパワーや圧力は想定していたもの以上だったか)圧力は想定以上だと思いますが、それ以上にパンチの踏み込みやスピードや距離が思った以上にあって、そこで自分に対して圧力に感じてしまうところがあり、距離感を掴むのに時間がかかったなと思います。
(本戦でマルコスに一票入ったことについて)1、2Rは僕が取ったと思うのですが、3Rが取り切れてなかった部分があるので、厳しめの判定を付けられたと思いますが、KOで勝つこと以外は採点競技なので、ジャッジがどう感じるかになってくると思います。そういうところで自分がポイントを取っているというアピールは今後必要になるのかなと。
(延長戦ではどう戦おうと思ったか)延長では、これで点が付かないならもう蹴りまくるしかないなという感じでした。
(山口代表の苦言に対しての気持ち)私が目指している選手層と、山口代表からいただいた言葉はビジョンが一致しているので、そこで私がどこかのタイミングで変えられるかによるので、ここから先は私次第。必死に頑張っていこうと思います。
(新しいことを取り入れたりとか今後考えていることはあるか)ちょっとずつ、パンチのメニューとか小さいものを少しずつしているのですが、それに加えて受け返しをする時間を増やすとか、2つ、3つぐらい考えながら電車に乗っています。すぐ次戦が決まるので、そこをしっかり改善していきたいと思います。
(縦ヒジのタイミングが合わなかったのは?)相手の踏み込みが早かったのと、向かいあった時にマルコス選手は長身の選手とやるのが当たり前で、私はあそこまで背の低い選手との経験はないんです。身長差で得になるのは私ですが、慣れているのは向こうなので、長身の選手にヒジを合わせる対策をしっかりしていて、そこでイメージが崩れたというのはあります。
(横蹴りを使うきっかけは?)トレーナーのイソラサックさんがそういう前蹴りを使うので、その影響です。それを見ながら練習していたら身体に染み付きました。あれだと、凄く身体は開くし、リーチも確保できるし、全身の力を使うことで威力と距離を出すことはできるので、あの前蹴りは自分の大きな武器の1つです。
(それがマルコスに効いていた実感は?)腹をだいぶ嫌がっていて、それを蹴られたくないからスイッチしたりとかしていました。そこまで行ったら次の一手をもっと早い展開で仕掛けていかないといけないのですが、圧力にやられちゃった感じはあります」
▼第8試合 スーパーファイト/KNOCK OUT- BLACK-55.5kg契約・3分3R延長1R
古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)※國本真義に判定勝ち
「昨日はとりあえず勝てたのでホッとしています。
(勝てた喜びと最後まで相手が倒れなかったことのどちらの気持ちが大きいか)勝てた喜びです。
(KOできなかった悔しさはあったか)KOは狙っていたのでKOできなかったのは悔しいのですが、盛り上がる試合はできたので良かったです。
(ボディ狙いは作戦通り?)左フックを凄く警戒して顔面のガードは硬いと思ったので、ボディを入れようと思いました。
(ボディに限らず入った攻撃があったが、普通だと倒せた手応えはあったか)倒れると思っていたのですが、國本選手が凄くタフで耐えられちゃいました。
(耐えられたことで打開するために考えたこと)1Rから特に作戦は変えてないです。とりあえず倒すために攻撃を続けました。
(國本の攻撃の評価)そんなに効いた攻撃はなかったので、自分がどんどん攻めることができました。
(今回の試合を踏まえて、次に活かせることは?)どんどん相手も強くなって倒れない相手も出てくると思うので、コンビネーションや一発に頼らず鍛えます。
(次回対戦したい相手は?)希望は特にないです。
(なかなか相手が倒れない中、インターバルでセコンドからどういう指示があったか)あまり覚えてないです。
(相手が倒れないことで自分に対しての迷いは?)倒すことしか考えてなかったので、とくに迷いはなかったです。
(今後、タフな相手はどうやったら倒せると思うか)一発に頼ると攻撃が見えちゃうので、コンビネーションとかで見えない攻撃で倒したいです」
▼第5試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級王座決定トーナメント準決勝・3分3R延長1R
渡部太基(TEAM TEPPEN) ※西川康平に1R KO勝ち
「(一夜明けて今の気持ち)倒し倒されの攻防をやっちゃいましたが、自分らしい試合ができたかなと思います。
(勝った後にまず思ったこと)リング上で生き残ったなと。トーナメントなので、準決勝でこけたら話にならないので、まずは決勝戦に行くことを最低限、自分の中で決めていたことでした。
(2回先制ダウンを奪った時点で思ったことは?)イケると思いました。
(2回ダウンを取り返された時は?)それでもイケると思いました。ダウンはしましたが、全然気持ちは折れないし、絶対にこのラウンドで倒してやると思っていたので最後まで行けました。
(2回ダウンを奪われてのダメージ)その時点ではなかったです。
(最後残り1秒だったことをどこで知ったか)時間を見ていたので、『やばい、倒さなきゃ』と意外と冷静でした。
(全体的に自分の出来は?)本当はもうちょっと削っていくこととかを考えていたのですが、試合の3週間前に気管支炎になってしまい、ちょっと動くと咳が出ちゃうし、本当にきつい状況だったのですが、長引けば長引くほど、自分が不利だと分かっていたので、そういう中でももういっちゃえよという気持ちが出て来て、行って良かったと思います。
(対戦した西川の印象)やはりパンチは強かったです。最初にもらった時にいったい何をもらっていたかを分からなかったのですが、2発目のダウンはスリップに近いかなというは感じました。相手は身体を作って仕上げてきたなというのが伝わってきました。
(決勝戦で対戦する中島の印象)知り合いが撮影していて、ちょこちょこ見たのですが、全部は見ていないです。ボクシングが巧いですよね。喧嘩するだけでは叶わないと分かっているので、考えながらやります。
(対策としていつもと違うことはやるか)ないですね。ラストだし集大成だし、ここで違うことをやったら何か違うので、思いっきり自分のスタイルでやろうかなと思います。
(昨日が最後の後楽園ホールで勝利したことについて)嬉しかったです。
(試合が終わって家族からの言葉は)良かったという感じで、子供たちも喜んでいたし、最後に勝てて良かったです。
(決勝戦に向けて)自分を信じて最後にやるだけなので、何が何でも気合いで獲りに行きます。
(ベストKO賞に選ばれたことについて)素晴らしい賞を出していただいて毎度ありがたいです。自分のためもそうですけど、家族のためにも使いたいと思います。
(ダウンを取られたパンチでもぐらいついていた時の心境や身体の状態は)リングがすべっていたんです、僕は乾燥肌じゃないのに結構滑るなと。もらって変な動きをしたらずるっといってしまい、周りからも効いたでしょと言われるのですが、そんなに効いてないです。
(次でキック4戦目となる中島にキックを教えてやりたい気持ちは?)ないです。スポーツマンとしてリスペクトしてますし、ボクシングを辞めてキックに来て、言っていることはアスリートだと思います。どっちが偉いとかではなく、勝った方が正義なので何が何でも俺が勝つ。それだけですね」
▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級王座決定トーナメント準決勝・3分3R延長1R
中島 玲(フリー)※漁鬼に判定勝ち
「漁鬼選手が想像以上にいい圧力で来て、思ったよりも苦戦した試合になりましたが、決勝戦に駒を進めたのでホッとしています。
(パンチの手応えは)序盤に距離を掴めてロー対策もしっかりできたので、このまま行けるなという手応えは1Rに掴めました。
(ダウンを取られた時の影響は)あのダウンで逆に火が付いたというのもありました。アドレナリンが出過ぎて、ダメージはそんなに考えていなくて興奮していました。
(漁鬼が最後までパンチで真っ向勝負してきたことについて)ローでくるのは分かっていて膝でしっかりカットしていたことで、蹴りにくくなったのでパンチで来たんだと思います。
(左手を負傷したのは?)ダウンした時に、左手を付いてしまい脱臼してしまったのかなと。その時はアドレナリンが出ていて気付きませんでしたが、試合終わってリングを降りたら動かなくなっていました。医者からは3~4週間は安静とは言われているのですが、骨には影響ないので大丈夫です。左手が使えないから練習できないわけではないですし、蹴りの練習など、やれることはいっぱいあるので、怪我どうこうで試合に影響することはないです。
(試合全体の出来は?)宇佐美正パトリックとずっと練習していて、パトリックの指示を聞いていたら自分の味をもうちょっと出せていたと思うのですが、漁鬼選手が会見で『仕事をしながら格闘技を頑張っている人もいる』と言われていてその姿を見せられたことで僕はダウンを取られたし、ダウンをしてから巻き返せたのは僕が格闘技一本でやっているからこそ出た姿。お互いに記者会見で言っていた姿がそのまま出た試合になったと思います。
(渡部太基の試合について)試合が終わってからU-NEXTで見ました。激しい試合だったので、次の試合が楽しみになりました。次は僕のハイブリッドボクシングを完璧にして、100%僕が倒す自信があります。
(今後はどういう調整をしていくか)今まで通りやって、蹴りもちょっと見せようかなと思います。
(左手を怪我した上でも左ボディブローを打っていた?)無意識というか、痛みを感じなかったのでフルスイングでいきました。
(物凄い歓声の中で試合をしたことについて)会場が揺れてましたね。後楽園ホールはボクシングの聖地でもあるし、最後、ボクシングでは後楽園ホールで負けたままだったので、あの揺れている後楽園で僕が勝てたのは最高の気分でした。
(ボクシング時代もアドレナリンが出て痛みを感じなかったことはあったか)ボクシング時代にパンチで効かされたことはなく、ダウンをしたシーンを見返したらローからのストレートを打っていて、なかなかいいパンチだなと思いました。ボクシング時代にあんな倒れたことはなかったです。
(3つの賞金を獲得したことについて)今回MVPに選んでいただいて、決勝戦は3つの賞を取った人間としてふさわしい試合をしたいと思います」