2025/04/24

6.22 THE KNOCK OUT|第一弾対戦カード発表記者会見レポート

 

 

 

 2025年6月22日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される『THE KNOCK OUT』の記者会見が行われ、第一弾対戦カードが発表された。

 

 

 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級タイトルマッチで王者・久井大夢(TEAM TAIMU)vs挑戦者・龍聖(BRAID)の一戦が決定。両者は同王座決定戦で対戦し、久井が2度ダウンを奪って判定勝利し、龍聖はプロキャリア初の黒星を喫した。

 会見に同席した山口元気代表は「龍聖選手はその後、ISKAのタイトルを獲り、ONEで実力を証明して、自力で1年後に約束通り久井選手とのタイトルマッチにこぎつけました。久井選手にとっては、この1年間の成長の差を見せつける試合でもあるし、本当に非常に2人とも伸びている段階でのリマッチということで、どうなるかちょっと僕も楽しみにしています。大会名の『THE KNOCK OUT』に相応しい試合になるんじゃないかなと思っています」と期待を込める。

 リベンジを狙う龍聖は「去年から言っているように、1年越しに代々木にまた辿り着くことができました。自分の中の計画の中の1つに辿り着いたというだけで、ここを勝たないと次もないですし、予定通りかなと思います。僕の中で、前回の試合は終わったと思っていないので、4Rのつもりで最初から全開で行きたい」と並々ならぬ意気込み。

 久井は「前に試合した時からいつか再戦するというのは思っていました。今の龍聖選手に自分がどれだけ通用するのか挑戦します。龍聖選手はISKAを獲ってONEでも勝ってすごいなと思っていて、それでも自分は龍聖戦から7試合してヒジありでもベルトを2本獲って勝ちも負けもあったんですけど、経験を積んでこの試合に挑むので、この再戦だけは絶対に勝ちます。前回の試合ではダウンを取って勝ちにいったという感じだったんですけど、今回は倒しに行って最高の勝ち方で勝ちます」と返り討ちに自信を見せる。

 今大会から龍聖は所属先が『BRAID』表記になっており、「TRY HARDを辞めてから、僕は今までしっかりしたジムに所属していなくて、フリーという形でKNOCK OUTジムやクロスポイント吉祥寺に行ったり、ノップ(タイ人トレーナー)さんのジムや伊原道場に行っていたんですけど、今もノップさんに指示して教えてもらうことに変わりません。自分は今、東京に在住していて、自分の兄ちゃんみたいな存在のバズーカ(巧樹)がこのタイミングで東京でジムをやるということになり、ジムというものに腰を据えるという意味でも自分の中で拠点を持つのはすごくいいのかなと思いました。あと、(バズーカに)協力できることがあったらしてあげたいし、助けてあげたいな、ということも含めて、バズーカのところを東京の拠点にすることに決めました。伊原道場に行くことももちろん変わらず、バズーカのジムで切磋琢磨して上を目指していきたいと思います」と新しい練習環境になったと説明。

 1年前の試合から成長した部分を聞かれた両者。龍聖は「人としての心構えですかね。負けを知ったことでいろいろなことを知りましたし、小さな感謝だったりとか。去年からたくさんの支えでISKA世界タイトルを獲ってONEの日本大会もあっていい流れが来ています。こういう時こそ、小さな感謝を忘れずに、というのが僕のモットーなんで、そういうことを敗戦から教えてもらいました」といい、久井は「自分は海外でも試合したりと、いろいろ経験を積んできているので、前よりいろいろとレベルアップしていると思うし、自分の強くなった姿を見てもらいたいです」という。

 今大会のメインイベント抜擢については、龍聖は「いつも通り、僕の試合をすれば『THE KNOCK OUT』を見せられると思います。あと、僕のための大会で、こいつのための大会じゃない。僕のためでしかないので、そういう試合を見せたいなと思います」というと、久井は「絶対に倒して勝ちます。いい勝ち方、最高の勝ち方でこの大会を締めくくります」と必勝予告。

 初対決が決まった時の会見で龍聖は久井のことを「今までにない感情というか、対戦相手は好きじゃないけれど久井くんは嫌いじゃない」と友好的なコメントを出していたが、「今は好きじゃない。(負けてから)この1年間、夢に出てくることもまだありますし、いつか勝たないと男として死ねないと思うので、もう呪ってやるぐらいのつもりで絶対に勝ちます」というと何が何でも倒すという。

 3月のONE日本大会で自身は勝ったが、久井は4月の前戦となったカンボジア遠征でチョムラウン・クンクメールに判定負けしたことを聞かれた龍聖は「勝負だから勝ち負けはありますし、人の負けに対して特に何も言うことはないですけど、よくコツコツ負けるなと。それじゃあ、KNOCK OUT代表にはなれないんじゃないのかな、彼はふさわしくないんじゃないのかなと思います」といえば、久井は「負けて気づくこともあると思うので、そこも経験なのかなと思います」と特に気にしていない様子。

 タイトルマッチ後の目標を聞かれると、龍聖は「最近よく『ゴールは何ですか?』『最後にやりたい目標は何ですか』と聞かれたときに、何を言ったらいいか分からなかったし、ちょっと前だったらK-1の軍司選手とやりたいとか、そういうありきたりな答えしかなかったんです。でも、今はONEが終わって思うことがあり、これで勝ったらKNOCK OUTの中でやることは1個なくなると思うので、KNOCK OUTをさいたまスーパーアリーナに持っていく、というのが僕のKNOCK OUTでやらないといけないことだと思っているし、それができるのは僕しかいないと思うので引退までにやりたいことです。あと、格闘技もいろんな流れがある中で、憧れられるヒーローになりたいなと。僕は小さい頃にHIROYAさんに憧れたみたいに、次は僕が憧れられる立場になります。龍聖がいるからKNOCK OUTに出たい、龍聖がいるからキックボクシングをやりたい。そう思ってもらえるようになります。僕はヒール役もやってきましたけど、みんなの子供たちのヒーローになれるような、そういった選手になることが僕のゴールです」という。

 対する久井は「防衛した後、まだまだ僕にはやりたい未来があるので、とりあえずはこの試合に完全に集中して倒すことだけを考えて練習しています」と目の前の試合に集中している様子。

 最後にお互いの存在を一言で表現すると何かと聞かれると、龍聖は「邪魔な奴。憎たらしい存在です」といえば、久井は「いろんな相手がおる中の一人かなと思っています」と答えた。

 

 

▼KNOCK OUT-REDライト級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
重森陽太(クロスポイント吉祥寺/王者)vsゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/挑戦者)

 会見冒頭で山口代表は「KNOCK OUTは採点基準が変わり、はっきり倒しに行く姿勢を取ります。蹴ってポイントで勝ったという試合をしていたら、まず勝てません。重森選手にとっては厳しい戦いになりますが、これをクリアすれば新たな段階に入れると思います。ゴンナパー選手もOFGの試合に順応していたので、重森にとってキャリア最大の戦いになっると思います。十分に王座交代もありえる試合になると思います」とコメント。

 2月のKNOCK OUT初参戦で古村匡平に判定勝ちし、今回のタイトル挑戦につないだゴンナパーからはメッセージが届いており、「今回、重森選手のタイトルに挑戦させてもらえることになって光栄です。必ず勝利してタイへベルトを持ち帰りたい」とのメッセージが読み上げられた。

 重森は「ゴンナパーという皆さんが知っている知名度が高く強い選手との一戦が防衛戦で決まったことを誇りに思います。KNOCK OUTのライト級は強い選手が集まってきている印象があるので、しっかりベルトを守ることによってKNOCK OUTのベルトのレベルの高さや価値を証明できると思うので、そういう意味を込めてベルトを守るだけでなく、団体の価値を意識して防衛したい」と意気込みを語った。

 2月のゴンナパーのヒジあり、OFGマッチの前戦を見た感想を聞かれると「本人も言っていましたが、ヒジありのムエタイルール方が得意だというのは試合で十分に見えたと思います。かなりゴンナパー選手のポテンシャルが引き出される試合になると思いますが、そこで倒すことに価値があると思います」と自信を見せる。

 採点基準の変更で倒しにいく姿勢が重要ポイントになることについては「世界的にも5Rの試合が少なくなってきて、3Rのアグレッシブな試合を求められるのは、KNOCK OUTだけでなく、世界的に格闘技の風潮が変わっているので、そこに順応しないといけないと最近の試合で感じていました。自分が成長するしかない試合になりますし、背水の陣なので、ここで適応できなければ自分は落ちていくだけになります」と背水の陣の覚悟で臨むという。

 タイトル初防衛戦に関しては「自分の考えとしては防衛戦もすごく大事だと思っているのですが、相手はゴンナパーで注目度も高くなります。ライト級は凄い階級だと思ってもらえるような試合をしていきたい」とした。

 また、坊主頭のことについて聞かれた重森は、4月のカンボジア遠征で負けて現在は2連敗中ということを受け「本当は反省というよりは覚悟の意味を持って坊主にしました。やはり、今までのままではダメだなと。自分の理想値に対して、自分がやっている試合が違うなと感じましたし、私が負けた時は100%相手を称賛したいのですが、私の負けはただ自分が弱かっただけです。なので自分が変わらないといけません。新たな一歩、ステージを踏み出す覚悟として坊主にしました」と理由を明かした。

 K-1からの刺客となるゴンナパーが勝てば、他団体にベルトが流出することになるが「そこは考えていませんでしたが、ゴンナパー選手はK-1とKrushでベルトを獲った選手ですし、私が勝つことでそういう実績の高い選手に勝つことになるので、そこは格闘技らしくていいと思います」と、特にプレッシャーは感じてない様子を見せている。

 

 

▼ルール・契約ウェイト調整中
古木誠也(フリー)

 古木は4月6日のKNOCK OUTでフェザー級に階級を上げ、その初戦で辰樹を2RKO。 KNOCK OUT-BLACKフェザー級タイトルを狙っていたが、同王座を保持ている栗秋祥梧はMMAとUNLIMITEDルールの練習に専念してたところ、体が大きくなってフェザー級に落とすのが難しい状況になったという。

 この日の会見では、出場のみの発表となった古木は「フェザー級に上げてフェザー級のベルトも狙っていくので、盛り上がるような相手と盛り上がる試合をしたいです」とコメント。

 フェザー級での手応えについては「階級を上げて自分のパワーが通用するのがが心配だったんですけど、倒せたのでこのままいけるかなと思います」と自信を見せ、「階級を上げたからにはベルトを狙っているので、どんな相手でもベルトにつながるような試合をしたいです」と王座奪取を目標に掲げる。

 KNOCK OUT年間最大級のビッグマッチでどういう試合を見せたいかとの問いには「呼んでもらっているからにはKOで倒します」とKO宣言した。

 山口代表は対戦相手について「今、探しているところなんですけれども、相応しい日本人選手がいなかったら、海外の強豪もありかなと。横浜大会で対戦予定だったドスティン・オルティスぐらいのレベルで、ちょっとおおっ! となるような選手でもいいかなと思っています」とした。それを受けて古木は「僕は日本人でも外国人のどちらでも構わないです」と特にこだわりはない様子を見せている。

 

 

▼ルール・契約ウェイト調整中
森岡悠樹(北流会君津ジム)

 4月6日のKNOCK OUTで乙津陸に勝利した森岡悠樹は試合後に、リングに乱入してきた壱・センチャイジムと、現在空位となっているKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座を懸けて再戦しようと両者は合意。

 その後、山口代表が「REDルールでどうか?」と打診していたが、壱は4月18日の『ONE Friday Fights』で2度ダウンを奪われて判定負けしたことを受け「どのくらいのダメージなのかというのも考慮に入れながら、6月のカードを最終的に決めていきたい」(山口代表)と、この日の会見では森岡の相手は未発表となった。

 森岡は「前回試合で勝ってリングで話した通り、壱とのタイトルマッチが自分の希望なんですけど、自分は100%万全の壱とタイトルマッチをやってKNOCK OUTを盛り上げたいと思うので、それが可能じゃなかったら、他にふさわしい相手を用意してもらっていいカードでKNOCK OUTを盛り上げられたら」と意気込む。

 KNOCK OUT年間最大級のビッグマッチでどういう試合を見せたいかとの問いには「自分は試合の内容にこだわりたいですし、見ているお客さん全員が本当に盛り上がるような試合を心がけて、そこに結果がついてくると思っているので、次の6月のビッグマッチでまたMVPが取れるような試合をしたいと思っています」とベストバウトを狙うという。

 REDルールとBLACKルールのどちらを希望するかとの問いには「リングのときはBLACKルールで乙津君に勝ってBLACKでやっていけるという自信があって、BLACKでベルトを獲ってやろうと思ったら、急に壱が上がってきたので、その場の雰囲気でBLACKと言ってしまったんですけど、もちろん壱とケリをつけるならREDルールでオープンフィンガーグローブで殴り合いたいと思います。もちろん自分は両方取りたいと思ってますし、他の対戦相手だったらBLACKでもREDでもいいですし、他に面白い相手を用意してくれるのでしたらUNLIMITEDルールでもやってやろうと思っているので、ぜひ楽しみにしていてほしいです」とルールは特に気にしていないとした。