
2025/06/09
THE KNOCK OUT|乙津陸インタビュー公開!
「復帰戦の負けを挽回するような勝ち方で、完勝します!」
6・22「THE KNOCK OUT」の[KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級/3分3R・延長1R]で石川直樹と対戦する乙津 陸。アゴ骨折の重傷から、4月の森岡悠樹戦で1年2ヵ月ぶりのリングに立ったものの、1RKO負けという結果に。今回はREDルールでベテランの石川を迎え撃つにあたって、現役王者はどういう試合を見せたいと思っているのか?
──まずは4月の森岡悠樹戦、1年2ヵ月ぶりの復帰戦でしたが、終えてみていかがでしたか?
乙津 試合ができなかった間に忘れていたことを思い出せた試合だったなと思います。「この距離感だともらう」というところとか、6オンスのグローブで思いっきり殴られるというのはどれぐらいなのかとか、そういう感覚の部分ですね。試合は1Rだけでしたけど、その中でも思い出すものがいろいろありました。
──自分の動き自体はどうでしたか?
乙津 作戦通りには動けていたと思います。脚を蹴ってパンチにいって、っていう動きはできたので、ガチガチになったりはしなかったかなと。外智博会長に「楽しんでこい」と言われたので、自分のやりたいことだけやろうと思っていました。だからメチャクチャ楽しかったですね。
──でもやはり、一年以上のブランクは大きかった?
乙津 デカかったですね。スパーリングもできない期間が長くて、対人練習がかなり久しぶりで、その上、試合となると……という感じだったので。
──スーパーバンタム級での試合という点ではどうでしたか?
乙津 攻撃がもっと重いのかなと思ってたんですけど、そんなこともなかったですね。自分の攻撃も多少効かせられたし、この階級でもちゃんと体を作ればいけるのかなと思いました。
──試合前から焦点になっていた身長差という点は、実際の試合ではどう感じましたか?
乙津 そこはあんまり感じなかったですね。殴り合っていたので、そんなに問題なかったです。
──その試合を経て、練習で気をつけていることは?
乙津 森岡戦では一発もらって終わっちゃったので、やっぱり一発が命取りになるというのを再認識して、ディフェンスの仕方をもっと練習して、もっと目を慣らすように心がけました。こう言うと言い訳になっちゃいますけど、欠場前だったらもらわなかった攻撃をもらっちゃったんですよね。だから試合動画をメッチャ見て「ここでこう体を動かしていたら、もっと楽によけられたな」というところを探したりしました。
──そして今回の石川直樹戦もスーパーバンタム級ですよね。もうずっとこの階級でいくんですか?
乙津 本当は僕は6月に出る予定ではなくて、別の大会でバンタム級でやる予定だったんですよ。僕も代々木には出たかったのでちょっと残念に思っていたんですけど、そしたら急に試合の話が来て、それが「スーパーバンタム級なんだけど、どう?」ということで。自分としては代々木に出られるなら、それでもよかったので、受けたという感じですね。
──そうなんですね。
乙津 試合はもう少し先のつもりでいたら、ちょうど試合から1ヵ月前というタイミングで決まって。マックのハンバーガーを食べてる時に電話がかかってきて試合が決まったので、ジャンクフードはそれで締めにしました(笑)。
──(笑)。ただスーパーバンタム級だったら、いつもより減量は楽ですよね?
乙津 けっこう楽です。スーパーバンタム級だと、試合の一週間前まではごはんも普通に食べられますからね。大盛りごはんでも余裕というぐらいで。やっぱりその1.5kg差はデカいですね。
──今後はバンタム級でもやっていくつもりですか?
乙津 そうですね、もともと自分はバンタム級の選手なので。試合によって、スーパーバンタム級でというオファーがあれば出ていくという感じで。ベルトも返上する気はないですし。
──そして今回は石川直樹選手との対戦となりました。同階級のベテランですが、過去に対戦を意識したことはありましたか?
乙津 ちょくちょく意識してました。自分は昔から知ってたし、会長の元後輩になるんですよね。
──ああ、2人とも治政館の出身ですね。
乙津 それで、僕がバンタムに上げた時に、同じぐらいの階級のチャンピオンだったし、お互いヒジありだったので、いつかやるのかな?と思ってた時はありましたね。だから「やっぱり来たか」という感じです(笑)。
──では、どういう戦い方をする選手かというのは……。
乙津 よく知ってます。首相撲の選手なので、首からのヒザは気をつけないといけないなと思っています。打撃だったら僕の方がスピードもあるし、たぶんパワーも上だと思うので、今はメチャメチャ(柿﨑)瑠と首相撲の練習をして、メッチャ対策しています。
──首相撲は苦手ですか?
乙津 どうなんですかね? 全くできないというわけではないので、苦手というわけではないです。得意というわけでもないですけど。普通というか。
──過去の試合で、首が印象に残っている相手というと?
乙津 自分の中で、一番は心直ですかね。でも自分との試合の時は首だけじゃなかったですけど。まあ、別に組まなきゃいいだけの話なので、組ませないようにして打撃で完封すればいいかなと思ってます。ただ組んでもそこまで負けないと思うし、そこまですげえ差があるとは思ってないので、首の展開になったらどうなるかは自分でもあんまり分からないですね。相手の組みがどれだけ強いかは、やってみないと分からないので。
──できれば組まれずに勝ちたい?
乙津 そうですね。組んじゃうと相手のペースになるし、見てる人がつまらないだろうなとメッチャ思うので、そこをどうにかして、会場をブチ上げながら、自分の戦い方を貫き通したいなと思っています。まあもし首の展開になっても、自分がどこまで首ができるかというところも見せたいですけど。
──あと今回はオープンフィンガーグローブ(OFG)での試合です。そこについては?
乙津 OFGはメッチャ久しぶり(2023年11月のサンチャイ・TEPPEN GYM戦以来)なんですけど、この間全く練習してないかというと全然そうじゃないんですよ。
──そうなんですか?
乙津 アゴが折れて欠場している間に、REDルールが全面的にOFGに変わったじゃないですか。それで練習を再開できるようになって試合が決まるまでの間がしばらくあったので、OFGも意識して、通常のグローブと両方を使って練習してたんですよ。だから全然不慣れではないし、殴り方もかなり慣れてます。
──ただし、石川選手にとっても「組みやすい」という利点がありますよね。
乙津 確かに組みやすいと思うんですけど、打撃もすり抜けて入るので、そこが一番の見どころかなと思います。俺のパンチが先に入るのか、それより先に相手が組んでくるのか。
──その中で一番理想的な勝ち方は?
乙津 もちろん倒したいですよね。前回KO負けしちゃってるので、それを挽回できるような勝ち方をして。今回、REDのスーパーバンタム級でタイトルマッチがあるじゃないですか。
──壱・センチャイジムvs森岡悠樹ですね。
乙津 そこもちょっと意識しつつ、完勝したいですね。せっかくスーパーバンタム級でやるので、そこも狙いたいなと思っています。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
乙津 俺がスーパーバンタム級でも勝てるっていうところが一つですね。もう一つは、復帰戦では荒々しくいっちゃったんですけど、今回も最終的には倒すという上で、冷静な試合運びをしたいなと思っているので、復帰戦との違いに注目してもらえればと思います!
プロフィール
乙津 陸
所属:KNOCK OUT クロスポイント大泉
生年月日:2004年6月14日生
出身:東京都西多摩郡
身長:165cm
戦績:13戦10勝(4KO)3敗
第2代KNOCK OUT-REDバンタム級王者