2024/02/27
2.25 PURE BIOKEYZ presents KNOCK OUT 2024 vol.1|一夜明け会見・NJKF交流戦決定会見レポート
2024年2月25日(日)東京・後楽園ホールにて開催された、PURE BIOKEYZ presents『KNOCK OUT 2024 vol.1』の一夜明け会見が26日(月)都内にて行われ、勝利した5選手が出席した。
会見では、今大会に出場した選手を対象とした【MAROOMS賞(三賞)】が発表され、MAROOMS BEST FIGHTER賞はチュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)が選ばれ、賞金20万円、MAROOMS BEST KO賞はデンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)が選ばれ、賞金10万円が贈呈。MAROOMS BEST BOUT賞は第5試合の渡部太基(TEAM TEPPEN)vs 漁鬼(SHINE沖縄)が選ばれ、両者には5万円が贈呈された。
なお、メインイベントでマルコス・リオス(アルゼンチン)に2RTKO勝ちしたデンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)は会見欠席。主催者を通してデンサヤームは「チャンピオン(バズーカ巧樹)を倒したリオスを倒したのでとにかくタイトルマッチをやらせろ。その前に健太とやってもいいけど、楽勝だぞ」とのメッセージが読み上げられた。
■第8試合 津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)※MASATO BRAVELYに判定勝ち
KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級暫定王座決定戦で勝利しベルトを獲得した津崎は「一夜明けてまだ念願のベルトなんですけど、嬉しくもあり、本当に獲れたのかな、という気持ちもあります。今回、減量がきつく、減量から試合までの流れに関しての脳の切り替えがぼっとしている感じで、まだ実感がありません。あと、暫定王者ということもあって、正規王者のクンタップ選手に勝たないと真の王者になれないということなのでそれもあります」とまだ王座戴冠した実感が沸かないという。
「ベルトが思っていたよりも重く、抱いて寝ようと思っていたんですが、ベルトを量ったら4.35kgもあり、枕元に置いて寝ました。ほぼ寝てないんですが、朝起きたら目の前にあって嬉しかったです」
試合に関しては「1Rにパンチで効かせられたのは分かったんですけど、全然決定打ではなかったし、全然MASATO選手の目も死んでいませんでした。去年の6月に一度対戦したんですけど、あの時とは全然違って距離を取って前蹴りだったり、ミドルで僕に入らせないように上手く戦っているな、とやりながら感じていました。気力だけで戦っていた感じだったので、最終ラウンド終わった時点ではどっちが勝ったかは分かりませんでした。師匠の石毛(慎也)さんからは最初は褒めてもらっていたんですが、1Rしか作戦通り出来ていないとダメだしでした」と振り返る。
正規王者クンタップとの王座統一戦については「前からずっとクンタップ選手にリベンジしたいという気持ちはずっとありました。しっかり準備をして、次は勝ちたいと思います。クンタップ選手が拳を怪我しているので治り次第。できれば6月大会でやりたいのはあったけれどクンタップ選手次第。僕は九州人なので9月の九州大会でもやりたいです」とリベンジにも意欲を見せていた。
■第6試合 健太(NJKF/E.S.G)※良太郎に判定勝ち
「凄く久しぶりに『KNOCK OUT』で試合できて、とりあえず結果を残せたのでほっとしています。
(対戦した良太郎について)良太郎選手は首相撲のロックが強いイメージだったんですけど、自分は日ごろからタイ人と首相撲をやっているからロックはそこまでなかったというのが技術的な印象ですね。思ったよりはやりやすかったです。作戦は考えていなく、出たとこ勝負でやろうと思っていました。出たとこで組んだら、意外とロックが緩いなという感じでした。
(弟子の心直とノリが似ていることについて)この場を借りて訂正させていただきたいんですけど、前日会見の記事で僕が言ったことが『心直のことを格闘家としてどうかと思う』と書かれていたんですよ。僕の言い方が悪かったのかもしれませんが、SNSをあまり熱心に発信しない自分のことを格闘家としてどうかと思うけど、SNSを最近見ないようにしてるから、心直の発言はよく分からないですと言ったんです。心直のことを格闘家としてどうかと思うというのは言ってないです。この場を借りて撤回させていただきます。今日撤回しに来ましたけど、なんか心直のことを必死に言うのも嫌だな(苦笑)。実際どうかと思うかと聞かれたら、そう思うしかないでしょう! これは誘導発言です(笑)。僕が心直のことをお前はダメだって言わせたくて、それを記事にしたかったんですよね? 言いましょう! 僕はどうかと思っている!
(今後について)良太郎選手はタイトルマッチ経験者で、その前の試合を見ましたけど、バズーカ選手とタイトルマッチして互角の攻撃を繰り広げてほぼ完封と言っていい内容でした。本当は昨日スカ勝ちして言いたかったんですけど、ぜひチャンスをいただきたいと思います。
(同階級にはバズーカ巧樹、デンサヤーム、マルコス・リオスがいるが)誰とでも戦います。僕はプロ格闘家ですから、相手を選ばないので戦う場所が欲しいです。今年1月中旬と昨日試合をして3月にお話があり、4月は決まっています。5月もお話あるんですよね。今6月は決まってないなと。月イチ健太として、6月は『KNOCK OUT』で凄く面白そうなイベントがあり、昨日勝ってアピールしたかったんですけど、6月待ってます。
(デンサヤームの『健太とやってもいいけど、楽勝だぞ』というコメントについて)それは普通の考えです。そう言われてもしょうがないのかなと。それを覆すのが格闘家なので。タイ人選手は一瞬で一瞬はめちゃくちゃ強いけど、一発勝負でリングでやったらどうなるか分からないと思うので、全然そんなことないよ、いつでもやるという気持ちです。
(試合で出していた縦ヒジ打ちについて)僕、使ってましたっけ? まだ試合を見返してないからちょっと分かんないですね。作戦を何も立てず、出たとこ勝負ですけど、唯一、左フックをフェイントにしてヒジでKOするのを狙っていましたが、めちゃくちゃ浅かったです(笑)。そこでやっぱり思いました。もともと考えてやってもダメかと。出たとこ勝負でやります。
(以前は美白を売りにしていたが)人間はブレるから、その年で考え方も変わるじゃないですか。黒いか白いかで結果が良くなるか、そんな甘い世界で生きてないはずなのに、でもやっぱり黒の方が良いなと思って黒くしてます。人間ブレるからあんまりそういうのは気にしないです」
■第5試合 漁鬼(SHINE沖縄)※渡部太基に判定勝ち
「今回の『KNOCK OUT』はメインイベントが中止になって、それでも来てくれるお客さんがたくさんいたので、お客さんに満足してもらって帰ってもらうためにも、今回は一番派手な試合をして目立とうと思ってリングに上がりました。その結果、ベストバウト賞をいただいて、素直に嬉しいです。
(対戦した渡部の印象)今回は相手を倒すためにカウンターを狙っていて、練習でもカウンターを狙っていたら相手は気づいてから突っ込んでもらう選手が多いんですけど、その中でも渡部選手はどんどん前に出ていたので、気持ちが強くていいファイターだなと思いました。
(終盤は打ち合う覚悟でいたか?)渡部選手がラスト1年ということだったので、華を持たせてあげるではないんですけど、渡部選手の格闘技人生の中でも、記憶に残る試合にさせてあげたいと思ったので、渡部選手が来るんだったら本気で打ち合いに行く覚悟で試合をしました。
(渡部の気迫をどう感じたか)体の作りとか見たらこの一戦にめちゃくちゃ懸けているのが伝わってきて、その中でも自分も絶対に負けないという思いもあったし、渡部選手の気迫はとても感じたんですけど、そこに負けずに試合に勝ったのはとても良かったと思います。
(ウェルター級王座に関して)『KNOCK OUT』にはウェルター級の選手がいない中、ウェルター級の選手としてアピールできたのが良かったかなと思います。
(前回の中島戦は70kgのスーパーウェルター級での試合との比較)全然違いました。中島選手の時はそこまで階級の差は感じなかったんですけど、韓国で試合した時はめちゃくちゃ相手がデカくて、今後70kgで試合をしたら上までは行けないなと思ったので、67.5kgのウェルター級で試合したらリカバリーは結構できたので、67.5kgが適正階級だと思います。
(1週間くらい東京にいる期間はどう過ごすか)今回はKO勝ちしてKOボーナスで遊ぶというのを決めてから来たのですが、ベストバウトは5万円なので全部使おうと思います(苦笑)。
(出稽古の予定は?)考えてないです。自分は沖縄でガールズバーをやっているので、そういうのも勉強がてら行こうと思います。遊びのと仕事半分半分です(笑)。
(今後について)『KNOCK OUT』はめちゃくちゃ盛り上がっていてお客さんも多いんですけど、龍聖選手以外に盛り上げる選手がいたらもっと大きくなっていくと思うので、そういう選手になれるように頑張ろうと思います。
(沖縄からどういう気持ちで乗り込んでいるか)格闘技を始めた時は、沖縄の選手が後楽園ホールで試合をすることは凄いことだと思っていました。それくらい沖縄の選手が東京で試合をするというのは珍しいことで、その機会が多くもらえるとは思っていないので、試合するたびに一番目立ってアピールしようという気持ちで試合しています」
■第3試合 大谷翔司(スクランブル渋谷)※キム・ウスンに1RTKO勝ち
「昨日は1Rが終わって2、3Rとどんどんギアを上げてバチバチの試合をして会場を盛り上げる予定だったので、ちょっと残念な気持ちはあるんですけど、後で確認したら右ストレートによる眼底の負傷ということで、ダメージを与えられて内容的にもペースを握れていたと思うので、そういう意味では合格点というか、次につながる勝利だったんじゃないかなと思っています。
(2R開始時に終了のゴングが鳴った瞬間はどう感じたか)ウスン選手が目をパチパチしていたのが分かっていたんですけど、何で負傷したのかというのが自分では分からなかったので、複雑な気持ちでした。2Rにギアをガンガン上げていくつもりだったので、ちょっと残念な気持ちでした。
(目にパンチが入った感触はあったか)数発、パンチやヒザが当たった感触はありました。でも、どれで負傷したのかというのは分からなかったです。
(ウスンの攻撃力について)試合前は映像を何回も見返したところ、凄くいい選手で手数も多く、気持ちも強くてガンガン前に来るファイターだったんですけど、攻撃力は正直、そんなにあるようには見えなかったんです。でも、実際に対面してガードの上から攻撃を受けたときに『強いな』と。今までにそういう経験があまりなかったので、そういう意味では強い選手だなと思いました。
(2、3Rはどう攻めてどう倒すところを思い描いていたか)今回、練習していたのは攻撃の幅を広げること。ヒザ蹴りに合わせてパンチを合わせてKOしている選手だったので、ある程度リスクはあったんですけど、いいタイミングでヒザ、ボディを出して、顔面をカットなり失神させて倒せればいいなと思っていました。
(今後について)僕はやっぱり『KNOCK OUT』が一番大好きな団体だし、憧れの団体なんですけど、今はKrushにも参戦させてもらっています。組みのないルールにも凄く手応えを感じていて、そういう得意なルールでどこまでいけるのかを試したいというのもあります。『KNOCK OUT』を背負ってKrushのベルトを獲りに行くことで、『KNOCK OUT』を盛り上げられたり、自分自身の価値を高められるという方法もありなんじゃないかなと思っています。あとは山口代表から与えられた仕事をしっかりこなして、信用されるような選手になっていきたいです。
(前日に元同門の伊藤健人がKrushライト級新王者に輝いたことについて)試合を見ていたんですけど、本当にリスペクトできるファイトスタイルで、人間性も含めて凄く自分とやったら噛み合うし、盛り上げられる試合になるんじゃないかなと思うので、やりたいですね」
■第2試合 柿﨑瑠(クロスポイント大泉)※タネヨシキに2RKO勝ち
「昨日の試合はKOできたんですけど、体重をオーバーしてしまったことがあって素直には喜べないというのが一番の状況です。
(体重オーバーしたことで今後の階級について)階級はまだ変えるつもりはなく、今回落とし方が下手くそだったので、次から気を付けてやっていきたいと思います。
(作戦通りだったか)1R目はタネ選手が上手く、やりたいことはできなかったんですけど、2Rからタネ選手の対応に慣れてきて上手く動けるようになってきました。
(1Rの動きが硬かったのは直前まで減量したことで影響はあったか)体重をオーバーしちゃったので、試合で見せなきゃというのがあって結構体が硬くなってしまいました。
(最終的に勝てたのは何が良かったか)作戦通りに動けたのが一番良かったかなと思います。
(第1試合で同門の羽黒慈夢がアクシデントで不完全燃焼に終わったことに関して)結構動揺してました。入場するコーナーも一緒で、僕が入場する前に羽黒選手が僕の目の前で四つん這いで凄く辛そうに倒れていて、これは僕が勝つしかないなとちょっと気合も入ったし、心配の面も多くありました。
(前日のKrushで同門の乙津陸が勝利したことに関して)僕も頑張ろうと思いました。
(今後に関して)今後はもう体重オーバーがないようにして、ちゃんと契約を守って、いい試合を見せてベルトを狙っていきたいと思います」
会見に同席した山口代表は「柿崎はスーパーフライ級のベルトを狙っているという話を以前からしてましたが、現在の『KNOCK OUT』のスーパーフライ級は層が薄い状況です。タイトルマッチをやろうにも、どういう形でやるのか、なかなか難しいところもあります。他団体や、地方の選手を積極的に登用していますし、KOボーナスもあって、きっちり稼げる舞台にしています。今、層が薄いところはチャンスだと思うので、ぜひ名乗りを上げてもらって、新しい世代の子たちでベルトを争ってもらったら一番面白いかなと。そういうチャンスがあるリングなので、若い子たちは名乗りを上げてください。ジムの会長さんに言ってもらっても構わないですし、僕のSNSや『KNOCK OUT』のSNSにDMいただければ、ちゃんと連盟さん、ジムさんとしてお話しさせていただきます」と国内のスーパーフライ級の選手に参戦を呼び掛けた。
会見最後には、4月7日(日)東京・後楽園ホールで開催されるニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)主催興行でKNOCK OUTとNJKFの交流戦を行うことが発表された。
KNOCK OUT・山口元気代表は「2月11日のNJKFにうちのチームの選手が試合に出させていただき、控室に行く予定じゃなかったんですけど、一応挨拶だけ行こうかなと思って選手の控室に行ったら、たまたま通りかかった武田さんに捕まってしまって(苦笑)。その場でリングに上がって『対抗戦をお願いします』と言われて、え? え? みたいな感じだったんですけど、いろいろその後にやり取りさせていただく中で、ヒジありのキックボクシングを僕も大事にしている部分がありますし、今回対抗戦と言ってるんですけど、僕の中では対抗戦というよりは、まずはいい選手同士の試合を組むこと。お互い限られた連盟の中だけでは熱が生まれないし、外に広がらないと思っているので、対抗戦というよりは、NJKFさんとまずはヒジありを見てもらえる方の輪を広げていくつもりです」と交流戦が決定した経緯と趣旨を説明する。
NJKFに新加盟した「TAKEDA GYM」の武田幸三代表は「私は『KNOCK OUT』さんは映像でしか見ていなかったんですが、選手をどれだけ大事にするか、選手の人生をどれだけ輝かせるかという点でリスペクトしていて、何か一緒にやらせていただけないかと思いました。ヒジあり・首相撲ありのキックボクシングがどこまで行けるかを模索している時に、山口代表を捕まえて直談判し、これはいけるんじゃないかと。私は行動は早いので『4月、お願いします』とご了承いただき、リングに上がっていただきました。私は選手をキックボクシングでどう輝かせるかにフォーカスしており、その点で共有できる想いが強かったのかなと思います」とあいさつ。
対戦カードについて山口代表は「大将として久井(大夢)選手に出てもらおうと思っていたんですが、昨日の試合の内容やダメージの具合を見ながら、久井選手のマネージャーのお父さんと話をして、出られるのかどうかも含めて今考えています。あと、もう一人はSNSで声を上げてくれた森岡(悠樹)選手は倒しに行って、殺しがある選手で、NJKFを非常に盛り上げることができると思うのでぜひ推薦しようと思います」と久井と森岡を『KNOCK OUT』から出したいという。
それを受けて武田代表は「久井選手の相手として、まず龍旺選手(Bombo Freely)。昨日もリングサイドに座らせてもらって、久井選手が勝ったらアピールさせてもらおうかと思ったのですが、苦戦していたので昨日発表には至りませんでした。候補はチャンピオンクラスで何人かいて2~3カードを考えています」と王者勢を出すとやる気十分。
それぞれの想いを聞かれると、武田代表は「そこにパワーと言うか、人生のスパークみたいなものが生まれると思います。自分だけの戦いではなく、団体を背負う覚悟のある選手を出していきたい。そこにこそ戦いの価値が出てくると思うので、団体を背負う気持ちがある選手をウチは出していきたい。そこでの輝きを期待したい」と言えば、山口代表は「対抗戦というものをどう捉えるか。対抗戦をやってやりっぱなしだと、結局、潰し合いにしかなりません。ヒジありのキックボクシングのパイが少なくなっている中で、まず僕がやりたいのはヒジありキックボクシングが面白いと、見る人の輪を広げないといけません。そういう意味で、続いていくストーリーができるならやりたい」と交流戦を継続していきたいとする。
なお、KNOCK OUT-UNLIMITEDルール採用に関して山口代表は「やりたい選手がいれば」組み込むという。
武田代表は「私がデビューした時に山口代表はすでに王者で大活躍していた大先輩です。プロモーターとしても大先輩です。今の最大の目標は、ヒジありキックボクシングで輝く場所を作ることですし、NJKFとKNOCK OUTの名前がある以上は、一切の情はなくしてバチバチにやらせていただきます」と闘志を燃やす。
12月30日には横浜武道館で『KNOCK OUT』のビッグマッチを行うことが決定しており、山口代表は「ヒジありの選手たちは目指す舞台がないじゃないですか。12月30日に出たいという目標になる舞台にしたい」とヒジありルールをメインにしているキックボクサーたちが目標にする舞台にしたいという構想も語った。