「潘選手を倒して、来年は重森選手も。2人との再戦はないです。なぜなら……」

 

11・28『KNOCK OUT 2021 vol.6』の「KNOCK OUT-RED ライト級/3分3R・延長1R」で、潘隆成と対戦する古村匡平。KNOCK OUT-RED ライト級王座を狙う古村としては、ここは勝って挑戦に近づかなければいけないところ……と思って聞き進めていったら、彼の中で実はちょっと別の事情もあるようで……!?

 

 

 

－－　8月に予定されていた潘隆成戦が、3ヵ月を経て実現することになりました。まずそのことに関してはいかがですか？

 

古村　8月に中止になったことは気にしてなかったですけど、少なくとも今はその時よりは強くなっているので、逆にいい結果が残せるんじゃないかと、プラスに捉えてますね。

 

－－　8月の時点で、対策や分析ほぼできていた？

 

古村　そうですね。そこに向けて調整していたので、潘選手に関しては、そこからさらに対策できました。明確にはっきりイメージができたというか。

 

－－　そこで改めて、現時点での潘選手を印象、警戒すべき点を教えてください。

 

古村　8月の時点では、「思ったより簡単に入れそう」と思ってたんですよ。重森陽太選手との試合を見て、「何か軽そうだな」って最初思ったんですけど、他の試合を見たら、ちゃんと重たそうな蹴りも出していて、その点に気づけたのは8月から延びてくれてよかった点ですね。甘く見ていた部分があったので。あとは、スタミナはあるなという印象ですかね。それ以外は特に……という感じです。蹴りがちょっと強いのと、バンバン蹴ってるのにスタミナがよくもつなと思いました。

 

－－　対策も深まって、よりイメージが明確にできたところで、どういう試合をしてどう勝ちたいと思っていますか？

 

古村　もう何もさせずに勝って……重森選手との試合では延長の末に判定だったので、自分は何もさせずにKOで倒して、一発でタイトルマッチがアピールできるようにしたいですね。8月に予定されていた時は、そこで勝って今年中にタイトル挑戦したいと思ってたんですよ。それは延びたんですけど、最短でタイトルを獲りたいです。

 

－－　ということは、ある程度、重森選手を見据えている？

 

古村　そうですね。潘選手との試合が流れた時も、当面試合がない間はということで、重森選手を想定して練習したりもしていました。いずれはやるので、ちょっと早めにやっておこうかなと。

 

－－　そこで分析した重森選手と自分との差とか距離というのは、どう感じていますか？

 

古村　それは正直、潘選手と戦ってみないと分からないっていう部分ですね。やっぱりイメージと実際戦うのは違うので。潘選手重森選手は延長の末に決まっているので、わりと接戦だったと思うんです。僕の中では重森選手と潘選手は同じようなタイプだなと思っているので、今回潘選手にいい勝ち方ができれば、重森選手のイメージももっと明確化できるかなと思ってます。重森選手とタイトルマッチをやるためにも、中身も意識して戦いたいと思います。

 

－－　おそらく2021年最後の試合になると思うんですが。

 

古村　そうですね。前回、シュートボクシングで笠原弘希選手に負けたままなので、次は1年の締めくくりとして、しっかり勝って終わりたいなと思ってます。

 

 

 

 

－－　今年は5月と6月が連戦で、8月が流れて11月になって、全部で3試合ですね。もうちょっと試合したかったという感じですか？

 

古村　正直、月1ぐらいで試合が決まりはしてたんですよ。ただこういう状況下なので、ずっと流れて流れて流れての繰り返しだったので、本当に今年は追い込みの1年でした。

 

－－　ああ、試合に備えて追い込んでは予定が流れて、と。大変でしたね（笑）。

 

古村　はい（笑）。ただその分、ウチのタイ人トレーナーがけっこう厳しいので、ウェイトトレーニングとかもけっこうやって、体も少しは大きく、強くなったんじゃないかなと思います。

 

－－　ここで勝って、来年はタイトルマッチをしたいと。

 

古村　はい。重森選手にちゃんとした勝ち方をしてタイトルを獲って、BLACKの王座も視野に入れていきたいんですよね。

 

－－　おお、REDとBLACK同時制覇ですか！

 

古村　もともとはBLACKから獲ろうと思ってたんですけど、いろいろあってREDからということになったので、まず重森選手を倒してREDのタイトルを獲って、次はバズーカ巧樹選手が持っているBLACKのタイトルを獲りに行きたいです。

 

－－　来年、それを実現するためにも、この試合が大事ですね。

 

古村　メチャクチャ大事だと思います。ここで勝つか勝たないかで、王座までの期間がメチャクチャ長くなるのか、最短で行けるのかが決まるので。でも本当は、重森選手も潘選手も、自分的に好きな人柄なので、本当は殴りたくないんですよ（笑）。

 

－－　急な告白が始まりましたが（笑）。

 

古村　自分の方が年齢は下なので後輩という感じなんですけど、2人ともメチャクチャいい先輩そうじゃないですか。重森選手とは普通にSNSもつながっていて、ずっと反応をくれたりして話したりもするし、潘選手とは話したことはないですけど、同じ九州の栗秋祥梧選手のSNSとか見てるとチョイチョイ出てきて、本当にいい人そうなんですよ。だから正直、本当にこの2人とはあんまりやりたくないなっていうのが本音なんですけど……でもベルトは獲らないとやっていけないので、なるべくそういうのは捨てて、試合したいですね。

 

－－　心を鬼にしないと（笑）。

 

古村　再戦とか、絶対イヤですね。

 

－－　じゃあ再戦なんかあり得ない、ぐらいの勝ち方をしないといけないってことじゃないですか。

 

古村　はい。「もうやりたくない」と思われるぐらいの勝ち方をしたいです。できるだけ早い段階で気持ちよくなってもらって。

 

－－　これ、まとめると「本当は好きで戦いたくないから、コテンパンにしないといけない」ということになりますよね。結果的にはひどいことを言っているという（笑）。

 

古村　いやホントに、人として好きなので、何度もは戦いたくないので。向こうは何とも思ってないかもしれないですけどね。特にヒジがあるREDはちょっと複雑ですね。

 

－－　でも、BLACKでも殴り倒したら一緒じゃないですか。

 

古村　そう言われればそうですね（笑）。

 

－－　ではそういう部分もひっくるめて、今回の試合で一番注目してほしいポイントは？

 

古村　今回は早めの決着を望んでいるので、自分が潘選手を倒す瞬間を、見逃さないでほしいですね。再戦はないので、目に焼き付けてほしいです。

 

 

 

 

プロフィール
古村 匡平（ふるむら・きょうへい）
所属：FURUMURA-GYM
生年月日：1999年8月24日
出身：佐賀県三養基郡みやき町
身長：174cm
戦績：20戦17勝（7KO）2敗1分

タイトル：大和muaythaiスーパーライト級王者