「この試合のテーマは“原点回帰”。以前のように気持ちを出して戦う！」

 

11・28『KNOCK OUT 2021 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級/3分3R・延長1R」で、炎出丸と対戦する鈴木貫太。前回はREDルール、今回はBLACKルールでの試合だが、本人的には「BLACKの方が向いているのでは」と話す。その中で過去数戦の反省を生かし、気持ちを出すことをテーマに臨んでいるという。この“原点回帰”は、鈴木の戦いをどう変えるのか？

 

 

 

－－　今回は炎出丸選手とBLACKルールでの試合になりました。鈴木選手はこのところ、REDとBLACKに交互に出場している感じになっていますね。

 

鈴木　そうですね（笑）。正直、自分はあまりヒジとか得意ではないんですよ。練習はしっかりしてますけど。REDルールではヒジで切られて負けたことも2回あるので、個人的にはBLACKの方が向いてるのかなとは思いますね。

 

－－　炎出丸選手は前回から本格的にBLACKルールに参戦ということなんですが、その試合は見ましたか？

 

鈴木　見ました。試合巧者と言いますか、流れを自分に持っていくのがうまそうだなと思いました。キャリアもあるので、炎出丸選手のペースにならないように警戒したいと思います。

 

－－　ただBLACKルールの中で、炎出丸選手は自分の得意な首相撲を生かして戦っていましたよね。

 

鈴木　今回は特に、対戦相手が炎出丸選手ということもありますけど、普段から首相撲の練習はたくさんしています。首相撲の勝負になっても対応はできるような準備をしてきましたし、自信もあります。

 

－－　炎出丸選手のキャリアについては？

 

鈴木　そこは確かに強みではあると思うんですけど、上を目指すからには越えていかなきゃいけないし、正直ここで勝てないようでは……というつもりでいます。通過点にしてやろうと思っています。

 

－－　タイトルという部分ではどうですか？　炎出丸選手はBLACKルールの王座に一直線に行きたいと言っていますが。

 

鈴木　僕はREDで壱・センチャイジム選手と森岡悠樹選手の2人に負けてしまっているんですよね。もちろん、タイトルというのは先の目標にはありますが、負けた選手にリベンジしたいというのも強いですし、タイトルというよりは、ここから勝ち続けるしかないと思っています。その中でREDとBLACK、どちらでもチャンスが来れば、狙っていきたいとは思います。

 

－－　今回の試合のテーマというと？

 

鈴木　ここ3試合ぐらい、試合でキャリアを重ねてきて、少しテクニックとかにも自信がついてきて、うまく戦おうとしすぎてしまっていたなというのがあるんですよ。自分的には、自分の一番の強みはやっぱりフィジカル、体の強さとか、純粋に力だと思うんですけど、そういう自分の強みを自分で消してしまうような戦い方をしてしまっていたなと。前回の試合でそれを痛感して、今回に臨むにあたってはもっと負けん気を出していかないとなということを意識して練習してきました。もちろん技術的な練習も、普段から当たり前にやってるんですけど、その中でも負けん気を、練習の中でも意識して出すようにしたんですね。その方が自分の強みが出る戦いになるんじゃないかと気づいたので、もっとアグレッシブに、もっと気持ちを前面に出した戦いをしようと思っています。

 

－－　原点回帰ということですかね。キャリアの最初の頃を思い返したり？

 

鈴木　してますね。負けた試合でも、本当に練習したことを全部出し切れたかと。気持ちの面でも、体力的にもそうですし、完全燃焼してない感があったので、その分悔しさも強かったですし。だから今回は本当に、もう全部出し切ろうっていうのがテーマです。

 

－－　炎出丸選手は特に、出し切らないと勝てない相手ですよね。

 

鈴木　そうですね。原点回帰した自分と炎出丸選手が戦ったら、本当に根気勝負というか、最終的には気持ちだったり体力だったり、そういうのが全部要求される展開になるのかなと思います。そこでしっかり勝ち切るための練習はやってきたので、あとは発揮するだけです。

 

 

 

 

－－　おそらく今年最後の試合になると思います。勝って今年を締めくくりたいのはもちろんだと思います。まだちょっと早いですが、現時点で、今年はどんな年だったでしょう？

 

鈴木　今年は自分の中では勝ったり負けたりで。ただその中でも、壱選手とか森岡選手とか格上の選手ばかりとやってきたので、自分のキャリアの中で経験値は得られたなと。そこはプラスに捉えて、もう先を見据えてはいます。いい経験ができた年だとは思いますね。

 

－－　炎出丸選手が、鈴木選手の師匠であるONE’S GOALの相沢会長と面識があって、強い選手を生み出すジムだと言っていました。鈴木さんご自身はジムの特色について、どう感じていますか？

 

鈴木　練習量はすごいと思います。炎出丸選手も言う通り、長嶋大樹さんだったり、引藤伸哉さんといった強い先輩たちが今もジムに来て自分の練習をサポートしてくれるので、そういった意味ではすごく心強いバックアップをしてくれるジムだと思います。

 

－－　そういった先輩たちに続く意味でもタイトルを獲らないとですね。

 

鈴木　はい。それに先日、菅原道場で、北流会君津の選手とY’s glowの選手、それに自分で、合同練習会があったんですよ。他のジムの選手たちとスパーリングを回してやったんですけど、やっぱり他のジムに行って、なおかついろんなジムの選手たちが集まったので、本当に試合に近いような感覚で、そこでも刺激をもらえました。

 

－－　では今回の試合で、一番注目してほしいポイントは？

 

鈴木　原点回帰して、気持ちを前面に出して戦うので、そこを見てほしいですね。人に感動を与えられるような試合をしたいです。

 

－－　そう言えば、6月に新宿FACEで対戦した森岡選手に先駆けて、彼が熱望していた後楽園大会のリングに上がることになりますが……。

 

鈴木　そうなんですよ！（笑）　今回オファーをいただいて、会場を見たときにまず思いました。自分と試合した時も「次は勝って後楽園ホールで」と言っていたので、「俺、負けたけど、先に後楽園に出れるな」って思って。森岡選手も気になって試合をチェックすると思うので、圧倒して勝って、この短期間で成長できた部分を見せたいです。「俺が出た方がよかった」と言われないように（笑）。

 

 

 

 

プロフィール
鈴木 貫太（すずき・かんた）
所属：ONE’S GOAL
生年月日：1996年2月6日
出身：千葉県袖ケ浦市
身長：165cm
戦績：10戦5勝4敗1分