2021/11/30
11.28 KNOCK OUT 2021 vol.6|一夜明け会見レポート
2021年11月28日(日)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT 2021 vol.6』の一夜明け会見が29日(月)都内にて行われた。
■小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)※KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級タイトルマッチで壱・センチャイジムに判定勝ち
小笠原と壱は昨年9月、同王座決定トーナメントの1回戦で対戦し、小笠原がKO勝ち。昨日の約1年2カ月ぶりの再戦では、3Rにダウンを奪って判定勝ちした小笠原は「壱選手の“僕とやりたい”と言って、一年懸けてきた想い、強さを感じ、苦戦した試合でした。3Rにダウンを取って倒し切れず、僕がメインで締めなくちゃいけない試合なのに締めきれず、悔しさが残りました」と試合を振り返る。
後半のラウンドに壱のヒジでの猛攻を受け、「自分はヒジの対応まで詰め切れていなかったので、自分の弱さがモロに出ました。(試合後に腫れた顔を見て)ここ最近顔が腫れることはなく、俳優としては絶対に付けてはいけない傷を付けてしまいました。ヒジの怖さでもあるし、顔が痛くて悔しい。理想の終わり方ではなかったので、この悔しさを来年につなげていきたい」と猛省のコメントは続いた。
3Rにダウンを奪った右ストレートに関しては「3R目の倒し方は今までに積み上げてきたものが出ました。今まではローでこつこつ当てて倒してきましたが、今までにないもので倒せので、こつこつやってきたキャリアが少しでも出たのかなと。課題も見つかったのでそこを修正していけば、まだ成長できると思うので自分を信じてやっていきます」と自身の成長を感じた試合にもなったという。
壱に対しては「僕に挑んでくる気持ちは生半可なものじゃなく、壱選手の僕を倒そうという気持ちは試合中にも感じました」といい、「今回きっちり倒せば3度目の対決はないと思っていましたが、今回壱選手の強さを感じたので3回目もあっていいのかなと。同じような展開になってはダメなので、倒し切る戦いをしたい」と壱との3度目の対決も辞さない構えを見せた。
試合後のマイクでは「僕はこの『KNOCK OUT』を世界の舞台に通用するところまで、世界でこの『KNOCK OUT』を開催したいと本気で思っています」とアピールしており、改めてそのことを聞かれると「『KNOCK OUT』を国内でももっと知名度のある大会にしていかないといけないと思っています。そうなるためにも、国内でビッグイベントを開催してお客さんを入れたり、海外の選手とやっていくための実力の本物の部分もないといけない。一般のファン層にも広げられるようにするために必要なことを自分の中でも見つけていきたい」とした。
小笠原は『KNOCK OUT』ビッグマッチ開催を以前から希望しており、この日の会見に同席した宮田充プロデューサーは「年明けには発表できると思いますが、初夏ぐらいに後楽園を飛び出すようなビッグイベントをやる方向で整えています。それは点で終わらせるのではなく、今後にもつながっていくような『KNOCK OUT』らしい企画、カードを考えていくので期待していただけたら」とコメント。
最後に小笠原は「2021年は爆発できるような試合を見せていくので、来年の『KNOCK OUT』、『小笠原瑛作』にも期待してもらえたらと思います」とメッセージしている。
なお、宮田Pは来年1月22日に開催が決定している後楽園大会について「後楽園ホールさんと話していく中で、様々な条件はありますが、100%に近い客席でイベントができそうな兆しが出てきています。来週には概要、カード発表会見を考えてます」とコメントしている。
■安本晴翔(橋本道場)※角田泰盛に判定勝ち
角田から2度ダウンを奪い、12連勝をマークした安本だが、会見では終始笑顔は見せず、「今までやってきた中でも自分に対してモヤモヤする試合、スッキリしない試合になりました。ずっとKOで勝ってきて、次の試合もKOしないといけないとか、自分の気持ちがいっぱい重なってうまく戦えませんでした。(橋本)師範にミットを持ってもらったけど、凄く申し訳なかったです」と落ち込んだ様子を見せながら試合を振り返った。
3Rに角田のローをもらった安本は、右足が赤く腫れ、巻き返しを許すかたちとなった。「試合中に効いた攻撃はなかったのですが、3R目になったら身体が動かなくなりました。(相手をなめていた?)なめてはいませんが、2R目に後ろ廻しでダウンを取った時に勝ったという油断が出てしまい、そこから相手が立ってきたことで動揺もあったし、疲れもあって、練習が足りなった」と痛感したという。
対戦した角田については「『勝つんだ』という気持ちが何倍も感じて、選手としてリスペクトできる選手だと思いました」と評する。
負けて得られるものは大きいというが、勝って得たものは大きく「課題は見つかったのでまだまだ成長できるかなと思います。見返してもっと強くなれるきっかけにもなったと思います。次の安本晴翔に期待してもらいたい。期待を裏切らないように頑張ります」と自らを奮い立たせる。
次戦については「今回の試合で僕には弱点があると思われたと思うのですが、次の相手は“それはどうかな”と思わせる試合をしたい」「来年は(安本は)倒せないんじゃないか、負けないんじゃないかというぐらいの選手になりたい」とさらにパワーアップした姿を見せるとした。
なお、敗れたものの安本を追い込んだ選手として評価を上げた角田に対し、宮田Pは「早速、来年1月の後楽園大会にオファーをした」ことを明かしている。
■花岡竜(橋本道場)※老沼隆斗に1RKO勝ち
元REBELS-REDスーパーフライ級タイトルを獲得するなど、軽量級トップ戦線で活躍する老沼を相手に、1R左ボディを効かせてKO勝ちする圧倒ぶりを見せた花岡は「パンチはずっと練習していましたし、狙って出して倒せたことは今後につながると感じました。BLACKルールのベルトを獲っての初戦で大会唯一のKO勝ちだったので、嬉しかったです」と笑顔で試合を振り返る。
フィニッシュにつながった左ボディからの右ミドルは得意なコンビネーションであるといい、「『ボディが効いている!』とセコンドから言われて前蹴りからボディを打ったら、いきなり倒れた感じでした。ボディを効かせて上で倒そうとか、ヒジを狙っていましたが(倒れたことは)ビックリしました。ヒジで斬ったり、ラッシュしてのKO勝ちはありましたが、ちゃんと倒したのは初めて。倒す感触は掴めました。前から筋トレはしていて、パンチの打ち方、角度を師範から教えてもらったことが出ましたね」とKOにつながった技についても語った。
来年の目標については「BLACKのベルトも防衛したいのですが、REDルールの試合が楽しかったのでREDのベルトも狙いにいきたいなと。今は成長期で体重も身長も伸びて、53kgを目指してとりあえず52kgでやっていきます」と階級を上げていくことを視野に入れつつ王座を狙いたいとした。
現在、他団体でも53kg級戦線は層が厚いことを受け「やはりそこは気になります。そこに入って『KNOCK OUT』のチャンピオンは強いぞというのをアピールしたいです」という。
会見に同席した宮田Pは「花岡選手はタイ人と対戦すればどうなるのか。橋本会長から『どんどん試合をさせたい』と言われているので、他団体出撃もあると考えます」と発言しており、花岡は「弱いタイ人を呼んでもらって勝っても嬉しくないので、『これは花岡は勝てない』と思われる相手を呼んでもらいたい」とコメントした。
なお、花岡は明日11月30日は18歳の誕生日。プライベートでの目標を聞かれると「大学生活も充実させたい」と笑顔。最後に「来年はKO連発しますので応援よろしくお願いします」とメッセージを送った。
■渡部太基(TEPPEN GYM)※松山翔に判定勝ち
「久しぶりの試合で、結果が一番求められるので勝ってホッとしています。
(激闘の試合になったが)もうちょっと色んなことをやってテクニックを出して完封するイメージでしたが、やっちゃいましたね(苦笑)。
(予想以上に松山が攻めてきた?)そうですね。さらに組まれたので、それを解くには殴るしかないテンションでした。
(効かされた攻撃は?)2R目にフラッとしたものはありましたが、やばいのはなかったです。
(手応えは?)1R取って、2Rはポイントを取られましたが、3R目に行く前にセコンドから『勝って子供をリングに上げるんだろ?』と言われて目を覚ましました。“そうだ、俺は子供をリングに上げたいんだ”と必死にいき時間がなくて倒せませんでしたが、2回ダウンを取れたので良かったです。
(試合後にお子さんから言葉は?)『パパ、カッコよかったよ』と。『パパどうだった?』と何回も聞いちゃいました。昨日はカッコいいパパでいられたんじゃないかと思います。
(今後の目標は?)リングに上がるからには、1番になるのが目標。『KNOCK OUT』のベルトを獲りにいきたいと思います。僕はキャリアが長いので、ふさわしい相手がいて、チャンスがあればすぐにでもやりたい。『KNOCK OUT』のウェルター級には俺がいると知らしめていく存在になりたいです。
(復帰してまだいける手応えは?)ルールに戸惑ったというか、対戦相手の戦い方かもしれませんが、首投げされてあの対処がなかなかできません。ムエタイでもないし柔道でもないのにどうしようと思いました。あれが許されるなら僕はヒジありの方がいい。BLACKとREDルールの違いが分からなくなるので、もう少し投げる前にブレイクがあれば、BLACKルールで自分らしさ、渡部太基を見せる自信があります。そこをご検討お願いします。
(練習の成果を出せた部分は?)練習でやってきたことが全然出ませんでしたが、1R目はよく見えて、少しだけできたと思います。
(試合後のマイクで『これからは自分のために戦う』と言っていたが、それはどういう戦いになる?)やるからには一番になるのが目標なので、自分のために一番を目指してやります。
(かつて所属していた藤原ジム時代の応援は力になった?)昔のジムの先輩、キックの仲間、戦った相手など色んな選手が応援に来てくれて力になりました。良くも悪くも『渡部太基だったね』と言われました(笑)。
(ファンにメッセージ)来年はもっと『KNOCK OUT』という団体を体現できるようにバシバシ倒していくので、応援と注目をお願いします」
■古村匡平(FURUMURA-GYM)※潘隆成に判定勝ち
「昨日の試合ではちゃんとした形で潘選手に勝つことができて、心からホッとしています。次につながる試合がいい戦いができたんじゃないかなと自分の中で思っています。
(ダウンを奪った手応えは?)凄くありました。本当はもう殴りたくなかったので立ってほしくなかったのですが、トップ選手ということもあって気持ちも凄く強く、立ってこられてからも冷静な対応をされてKOまでいけませんでした。そこでキャリアの差を感じました。そこが修正点でもあり、潘選手の培ってきたキャリアの良さなのかなと思いました。
(相手にペースを握られていたが、パンチで崩していく作戦だった?)2Rにポイントを取られてもいいと、隙を作った作戦だったからこそ、あれが入りました。
(タイトルに近づいた実感は?)自分の中では近づいたかなと。チャンピオンの重森選手は似たタイプ。潘選手にはない巧さを持っているので、昨日みたいな感じで戦っても、付き合ってくれないと思います。タイトルマッチが組まれた時には、しっかりその辺も巧さで来られ、そこをどう潰すかが鍵になるので明日から練習します。
(ローのダメージは?)試合中はずらしていたので試合中はそこまでダメージはなかったのですが、今は歩くだけでも痛いです。
(潘への評価は変わった?)思ったよりも気持ちの強い方だなと。
(攻撃面への評価は?)長身なので上から来る攻撃が嫌でした。
(再戦をしたらどういう戦いになる?)嫌だな……(苦笑)。もう一回やったらガチガチに警戒してくると思うので、バックスピオンなどトリッキーな技を練習してもう一回ペースを崩したいのですが、やりたくないですね。
(ファンにメッセージ)『KNOCK OUT』でやっとダウンを綺麗に奪えたので、来年はダウンではなく、KOで終わらせられるようにしたいです。タイトルマッチを視野に入れていきたいので、組んでいただけるようにもっと練習して強くなって、チャンピオンとして恥ずかしい試合内容になるように、もっとさらに頑張っていくので応援よろしくお願いします」
■鈴木貫太(ONE’S GOAL)※炎出丸に判定勝ち
「試合前は凄く緊張していて、何が何でも勝てると強い気持ちを持ってリングに上がり、勝つことができてホッとしてます。来年は『KNOCK OUT』にたくさん出場することを目標にしているので、少しは前進できたかなと思います。
(炎出丸の印象は?)試合前から予想していたが、終盤になるに連れて向こうの流れになるのを警戒していましたが、そういう展開になったので今後の自分の課題として取り組んでいきます。
(事前に言っていた負けん気を出す戦いは出せた?)ここ数戦の終盤は、どんどん落ちていく一方の展開の中、今回は炎出丸選手の方に(流れが)行かないような気持ちでいけたと思います。
(来年の目標は?)トップとの実力の差を感じているので、来年は経験をたくさん積んで明確な目標を立てていきたいと思います。
(ファンにメッセージ)ファンもKOシーンで盛り上がると思うので、それを実現するために自分の実力を練習で付けて行って実現できるように頑張りますので注目して下さい」
■小磯哲史(TESSAI GYM)※庄司啓馬に判定勝ち
「今日は勝者会見ということですが、自分としては謝罪会見ぐらいのつもりで来ました。誰よりもアグレッシブに熱い試合をしようと思ったんですけど、悔しい気持ちの方が大きく、本当にすみません。また出る時は、爆発させるので次こそ期待してほしいです。
(1Rにダウンを取ってその後に庄司から反撃をくらって)1Rにダウンを取ると楽な展開になるのですが、なんせ昨日は(『KNOCK OUT』の)デビュー戦だったので(気持ちが)上がったのか、硬くなってしまったので。相手の攻撃というよりも、自分が舞い上がった感じです。
(デビュー戦らしい試合になった?)そうですね。次は大人の試合ができるように頑張りたいです。
(今後の展望)第2戦目を組んでいただければ今度こそ大暴れして一番会場を沸かせたいので、来年にまた『KNOCK OUT』さんで使っていただきたいと思います。
(48歳でも進化できる秘訣とは?)日常的に練習するというのは当たり前のことなので、才能ですよね。若くして勝ち上がるのも才能ですが、40後半にして伸びるのも才能。僕にはその才能があったんだと思っています。
(何歳までやる?)僕の憧れのマイク・タイソンが50過ぎて復活したので、気合いが入りました。昨日は倒せなかったので、50までに倒せる力を身に付けようと思いました。
(ファンにメッセージ)昨日は不甲斐ない試合をして期待していたファンには申し訳ないと思っています。次こそはマジで会場を盛り上げるし、50までには絶対に一発で倒せるパワーとテクニックを身に付けるので応援よろしくお願いします」