2022/09/15

9.23 KNOCK OUT 2022 vol.5|壱・センチャイジム インタビュー公開!

 

 

 

「今後の『KNOCK OUT』のためにも、僕が優勝しないといけない」

 

9・23『KNOCK OUT 2022 vol.5』の「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント・準決勝/3分3R・延長1R」で、大野貴志と対戦する壱・センチャイジム。ずっとターゲットにしていた小笠原瑛作が階級を上げ、彼が返上した王座を争うということで、特に気合いの入った様子を見せる壱だが、モチベーションが上がっている理由は他にもあるという。それは一体……?

 

 

 

-- 今回、タイトルのチャンスが巡ってきました。8月24日の記者会見ではトーナメントに参加する4選手が顔を揃えましたが、そこで感じたことは?

 

 僕は炎出丸選手と森岡悠樹選手とは対戦してますし、大野貴志選手とは同じトーナメントに参加するのが3回目なんですよ。

 

-- あ、3回も。

 

 そうなんです。1回目は僕が『KNOCK OUT』初出場の時で、僕はリザーバーだったんです。その時が炎出丸選手との対戦で。それから『REBELS』の55.5kg王座決定トーナメント(2020年)、そして今回ですね。だから、対戦したことはなかったですけど、面識がないわけではなくて。大野選手はリングに戻ってくるのが約2年ぶりなんですよね。久々に見たら、初めて見た時ほどの気迫は感じなかったなと思いました。僕が大きくなったのかなとも思いましたけど。

 

-- 対戦前にそう感じられたというのは、試合にあたっていいことなのでは?

 

 そうですね。だいたいいつも、対戦相手とは記者会見と計量とリングに上がった時、って3回ぐらい向かい合うじゃないですか。どの相手も3回とも雰囲気は違うんですよ。計量の時は強そうに見えなくても、リングに上がったら強そうだったりすることもあるので、そのへんは大野選手がどれぐらい仕上げてくるかにかかってくると思うんですけど、今回は大野選手だからといって特別な練習はしなくても、勝てると思ってます。

 

-- もともと大野選手についてはどういう印象でしたか?

 

 パンチは強いですけど、テクニックはないかなと。以前に森岡選手と対戦した時(2021年8月)に、森岡選手もパンチが強いので、僕のことをパンチで潰すって言ってたんですよね。結局彼のパンチは当たらないまま、僕のヒザとミドルで削られて、ヒジでダウンしてて。大野選手も同じ感じかなと思って。ムエタイってパンチだけじゃないので、力で勝たなくても、その他で圧倒すれば最終的に差が出てくるので、あの時と同じ感じかなと思ってます。

 

-- 対パンチャーでいい勝ち方をするという点では、7月の海老原竜二戦も、まさにそうでしたよね。

 

 そうですね。パンチの選手は一発がデカいので、一発ももらっちゃいけないというリスクはありますけど、個人的にはやりやすいタイプではありますね。海老原戦は、会長から「ミドルを中心にロングゲームでも勝てる」って言われてたんですけど、途中でKO賞が発表されて、会長が「KO狙いでいこうか」って言ったんですよ。それで急きょ、試合3日前ぐらいからヒジとヒザ中心に練習も変更したんです。ミドルだとKOは難しいので。それで3日で仕上げてバッチリはまって、KO賞ももらえたので、いい結果になったかなと思います。

 

-- 次もKO狙いで?

 

 僕は昔からKOをメチャクチャ狙ってたんですけど、昔、バンタム級で14連勝した時もKOは2つとかだったんですよ。でも今は、昨年の瑛ちゃん(小笠原瑛作)戦以降は全部KO決着しているので、一つスタイルは見つけた感じはありますね。自分の中で、ケガしないで判定で勝つ戦い方と、ケガしてもいいから盛り上げる戦い方、どちらがいいのかというのはずっと考えていたんですけど、その答えは出た感じです。あと、僕がダウンを取られたり負けたりする試合を研究した結果、「あ、ここが悪いんだな」というのがあって、その成果も海老原戦でハマった気がするので、28戦目にしてやっと距離感が掴めたという感じですかね。

 

-- なるほど。それを見つけた壱・センチャイジムはさらに強くなったんですね。

 

 またひと味違うんじゃないかと思います。大野選手が試合が空いたのがどういう理由か知らないし、その間練習してたのかどうかも分からないですけど、やっぱり試合が一番の財産だと思うんですよ。大野選手の戦績は僕の倍ぐらいありますけど、この2~3年でやってきたことの質が違うので、そこで差を見せられるかなと思ってます。

 

 

 

 

-- 昨年の小笠原戦と、その後の小笠原選手の階級アップで、一時はモチベーションが心配されていましたが……。

 

 瑛ちゃんには2回負けたじゃないですか。結果につながってないので「頑張った」とは言えないんですけど、個人的には瑛ちゃん戦に向けて努力はしてきたんです。その結果がああいうカタチになっちゃったので、少しモチベーションが下がる部分はあったんですけど、コーチから「試合のオファーがあるだけありがたいんだから、オファーもらったらケガしてても試合しろ」と言われて。それで今年1月の横野洋戦はケガしたまま試合して、KO勝ちできて。それで「おっしゃ、このままいくぞ!」と思ったら瑛ちゃんが階級を上げていなくなっちゃって。でも、それを前向きにとらえようと思ったんです。

 

-- 前向きに、ですか。

 

 僕は「打倒・瑛ちゃん」でずっとやってたんですけど、今は「スーパーバンタム級を引っ張ろう」という考え方に変わったんです。今までは瑛ちゃん中心に盛り上がってたじゃないですか。これからは僕が中心になって、みんなが僕と戦いたいと思ってくれれば、瑛ちゃんもフェザー級で盛り上げてくれるだろうし、今回もチャンピオンになってくれると思うので、各々で自分の階級を盛り上げればいいと思っていて。そしていずれ僕が階級を上げる時が来たら、また対戦のチャンスも巡ってくるのかなと。なので、2回負けてはいますが、今は『KNOCK OUT』を盛り上げる仲間としてライバル視はしています。

 

-- そのためにもベルトは必ず必要、ということですね。

 

 ただ、今回のメンバーを見ると負ける感じはしないですけど。自信というか、勝って当たり前なので。僕が勝たないと盛り上がらないし、あのメンバーで僕以外が優勝すると、『KNOCK OUT』大丈夫かな?って思っちゃうぐらいなんで。その責任感はありますね。僕のために開かれたトーナメントなのかなと思うし、ここは実力差を見せてバッといきたいです。

 

-- さらに10月1日からはTOKYO MXのレギュラー番組が始まります。このトーナメントはタイミングもいいと思いますが、そこに向けては?

 

 メチャメチャ気合い入ってますね。「待ってました!」って感じだったんで。もともとある「格闘技の輪」みたいなものから出ないと知名度は上がらないなと思っていて、そのためにも露出って一番大事だと思うんですよ。今回の地上波放送も、『KNOCK OUT』の方々だったり、スポンサーの方々だったりのいろんな努力があってこういう形に結びついたと思うので、あとは選手が応えるだけですよね。応えなきゃいけない選手の中に僕が入ってると自覚しているので、まず試合で応えます。

 

-- 番組で一番アピールしたいことは?

 

 僕のプライベートってメチャクチャ面白いんですよ。会見とかでは見せられないファンキーな僕を見せられたらいいなと思ってます。

 

-- ファンキー(笑)。

 

 ファンキーで破天荒なんで、絶対面白いと思うんですよ! 作ったキャラじゃなくて、ありのままで生きてるっていうのもありますし、自分のことを面白いな!って思うんですよ。そういう部分を見せていきたいですね。ネタもたくさんありますし、普通にしてるのを映すだけでも面白いはずなんで、そういうオファーを楽しみにしてます。

 

-- なるほど、楽しみにしてます(笑)。では最後に、今回特に注目してほしいポイントは?

 

 会見でも言ったんですけど、出場4選手の中で一番差が出るのは「華」の部分だと思うんですよ。「この階級はコイツが引っ張るんだな」というのが分かると思うので、そこに注目してほしいと思います。というか、特に注目しなくても、自然と出ちゃってると思うんで。華が歩いてるみたいなもんですからね。今後の『KNOCK OUT』のためにも、僕が優勝しないといけないと思ってます。

 

-- 分かりました。ありがとうございました!

 

 

 

プロフィール

壱・センチャイジム(いっせい・センチャイジム)
所属:センチャイムエタイジム
生年月日:1997年8月15日
出身:沖縄県那覇市
身長:172cm
戦績:28戦20勝(8KO)7敗1分
獲得タイトル:ルンピニージャパン・バンタム級王者