2022/09/16
9.23 KNOCK OUT 2022 vol.5|炎出丸 インタビュー公開!
「40歳でタイトル獲得して、『KNOCK OUT』に刺激を与えたい!」
9・23『KNOCK OUT 2022 vol.5』の「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント・準決勝/3分3R・延長1R」で、森岡悠樹と対戦する炎出丸。昨年からBLACKルールの戦いを続けていた大ベテランが、同門の小笠原瑛作が返上したタイトルを獲得するために、REDルールに戻ってきた。そんな彼には練習でも大きな変化があるという。そこで培われた自信とは?
-- このところずっと、「BLACKルールで最後のタイトルを」というお話を伺っていましたが、REDルールでタイトルのチャンスが巡ってきました。
炎出丸 はい、正直僕もビックリしました。オファーが来て一瞬、躊躇はしたんですよ。BLACKでと決めてやっていたので、自分の言ったことに対してブレるなと思っちゃって。そこで、自分のことを深掘りしてみたんですよ。「どうしてBLACKを目指したのかな」と。同門の小笠原瑛作がREDのベルトを持っていて、僕が目指すところがなくて。僕も年齢が年齢で、モチベーションを維持する材料としてとにかくベルトを目指そうと思って、BLACKに挑戦したんですよね。
-- そういうお話でしたよね。
炎出丸 その時に、瑛作が返上するというのを聞いたんですけど、まさか僕にオファーが来るとは思ってなかったのでビックリしたんですよ。ただ、本質的にベルトを目指すという点では一緒なので、そこでパッと切り替えて「獲りにいこう」と思って。今回のトーナメントはみんな強いし、壱・センチャイジム選手と大野貴志選手には過去に負けて悔しい思いもしているので、すぐに決めさせてもらいました。
-- もともとREDルールは……。
炎出丸 得意ですね。BLACKルールの試合では、ヒザを使いたくなる場面でも、なるべく使わないようにと考えてて戦ってたので、いよいよ自分本来の試合ができるというのはあります。
-- 準決勝の相手は森岡悠樹選手です。印象は?
炎出丸 勢いのある選手ですよね。この階級でもかなり高い身長で、リーチもあるので、ナメてもないし、強い相手だと思ってます。
-- 警戒する点は?
炎出丸 パンチを中心とした右の攻撃ですね。リーチがあるので、予想以上のところから飛んでくると思うので、そこは警戒しています。
-- 炎出丸選手が得意の首相撲に、この身長差がどう影響するんだろうと思うんですが……。
炎出丸 正直、影響するとは思います。ただ、BLACKに比べて組みにいきやすいルールなので、作戦は立てやすいかなと。ヒザで倒すとかじゃなくても、削ったりすることもできますし、消耗させることはできるので。BLACKだと、そうしてると「逃げてるのかな」という印象になって逆にマイナスになったりすることもあると思うんですけど、そういう部分では、僕が持っている「組める力」というのをうまく使っていければなと思っています。
-- 会見では相手のスタミナ面を警戒していました。
炎出丸 そうですね、スタミナはないと思っているので、その弱点は突いていきたいです。そこは逆に、僕が自信のあるところなので。今回、山口元気会長がミットを持ってくれていて、いろいろ対策を立ててくれているんですけど、これは何年ぶりだろう……? ほとんど初めてかもしれないです。
-- そうなんですね。ジムに在籍して長いのに。
炎出丸 今まではタイ人のトレーナー主体でやっていて、会長は横で指示をしてくれている感じだったんですよ。でも今はそのトレーナーが帰省していて、会長がミットを持ってくれているんですよ。そのミットの中で相手への対策をいろいろとやってくれていて、それが僕の中で今ハマっているんですね。なので、試合のイメージがかなりできてきています。
-- それは心強いですね。
炎出丸 今までよりもアドバイスがスッと入ってくるんですよね。会長も僕の調子がすぐ分かると思いますし。だから今まで以上に入ってきますし、体を張って時間を使ってやってくれているので、ありがたいですし、気持ちがより強くなれているというのを自分の中で感じてます。会長はどう思っているのか知らないですけど(笑)。
-- ジム随一のベテラン選手ですし、会長も優勝させたいでしょう。
炎出丸 タイ人トレーナーとやるよりも細かい作戦が立てられますし、リズムもムエタイとはまた違うので、いろいろ取り入れることができていて、本当に自分の中でハマっている感がありますね。
-- そもそも小笠原選手が返上した王座なので、他のジムには渡せないというのもあるんじゃないですか。
炎出丸 それももちろんですし、僕自身、有終の美を飾りたいという思いが強いので。会見でも言いましたけど、今回、地上波番組も始まるじゃないですか。そこで、ありきたりの選手が優勝してもつまらないと思うんですよ。ギャップがないと。ここで一発、僕がギャップを見せたいなと思ってます。
-- ギャップですか。
炎出丸 12月の決勝の時点では、僕は40歳になってるんですよ。こんなベテランが、どうしてここでタイトルを獲れるんだっていうのを見せて、『KNOCK OUT』に刺激を入れたいなと思うんですよ。もちろん、若い選手がどんどん出てきて活躍してもらわないと盛り上がらないというのもありますけど、ここは僕が起爆剤として、「この年齢でトーナメントに優勝してタイトル獲得したのか!」と、他団体の選手たちにも驚かれるぐらいのものを見せたいんです。
-- 決勝については、どちらが上がってきても炎出丸選手にとってはリベンジマッチになるんですね。
炎出丸 そうですね。どっちも強いし、今回の森岡選手も強いので、誰と当たっても関係ないです。というか、そんな余裕はないです(笑)。
-- 次の試合まで1週間ほど、そして決勝までは3ヵ月近くあります。トーナメントを制するのに、一番必要なものは何でしょう?
炎出丸 勢いとかは、若い選手はみんな持ってるじゃないですか。そうじゃない、僕だから必要なものは「執念」だと思ってて。今回も、どんな勝ち方でもいいから「どうやったら勝てるか」というのを練習しているので、執念を持って臨むのが一番だと思ってます。客観的に見れば、僕が不利だとは思ってるんですよ。みんな強いし、うまいし。ただ、格闘技ってそれだけじゃないじゃないですか。それは重々承知してるので、そこを突いて「甘くないよ」というのを見せることを、常に考えています。
-- では最後に、今回特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
炎出丸 僕が久々にヒジありルールに帰ってくる試合なので、「ああ、やっぱり炎出丸はヒジありルールだとこんなにイキイキするんだ」というところを見てほしいですね。全然違うじゃん、と。
-- 分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
炎出丸(ひでまる)
所属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1982年10月4日
出身:沖縄県中頭郡
身長:167cm
戦績:71戦33勝(5KO)30敗8分