2023/09/07
9.16 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.4|栗秋祥梧 インタビュー公開!
「倒すのは一瞬。勝って龍聖選手とタイトルマッチを」
9・16『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.4』の「KNOCK OUT-BLACKフェザー級/3分3R・延長1R」で玖村修平と対戦する栗秋祥梧。6月から続いている『KNOCK OUT』とK-1 GROUPの対抗戦の中で一つの天王山と言えるこの一戦は、カード発表の時点で大きな話題となった。ホームリングで迎え撃つ形の栗秋は、この戦い、そしてその向こうに何を見据えているのか?
── 試合が迫ってきましたが、練習の具合はどんな感じですか?
栗秋 順調です。変わらず、いつも通りな感じですね。
── TOKYO MXで放送されている『KNOCK OUT STYLE』の取材があったんですよね? そこでまた「栗秋選手は練習しない」という話題になったと聞きました。
栗秋 ああ、そうですね。「全然してないですよ」という話をしました。まあ「練習しない」というか、僕は自分が必要だと思う練習しかしてないので。他の選手みたいなやり方の練習はしないので、してないと思われるんですよ。
── なるほど。ただ、周りの選手、トレーナーやジムの山口元気会長からすると、なかなか理解してもらえなさそうですよね。それでいろいろ言われるのは気分悪くならないですか?
栗秋 まあ……人の目線で格闘技をやっているわけではないんで。自分が好きでやってるんで、別にそこはどう思われても大丈夫です。自分がやってることには自信があるんで。会長からもチョイチョイ言われますけど、今はもう「好きにやってくれ」と思ってるんじゃないですかね。
── チョイチョイ言われても、それで変える気はない?
栗秋 そうですね。そんなんで曲げてると、自分じゃなくなりそうなんで。
── そう聞くと、メンタルが強いですよね?
栗秋 そうかもしれないです。宮田プロデューサーにも「顔に出るタイプでもないし、何言われてもドシッとしてるよね」と言われたことがあって、確かにそうかなと。まあ僕は、大して考えてないだけなんですけどね(笑)。アンチとか、僕のことを叩いてくる人もいるんですけど、そういうヤツらのことも何とも思ってないです。そういう意味ではメンタルが強いかもしれないですね。
── 試合の勝敗についてはどうなんですか?
栗秋 そこもあんまり深くは考えてないし、引きずったりすることもないです。その時その時で、目の前の試合のことしか見てないので。次の試合に向けて何かやるというだけで、「前回の試合がどうだった」とかは全然考えたことはないですね。「前回負けたから、今回は勝たないとヤバい」とかも全然思ったことはないです。
── そうなんですね。これからの試合で勝つか負けるかだけ、ということですか。例えば「前回の試合でここが悪かったから、こう直そう」みたいなものはあるんですか?
栗秋 それはありますよ、さすがに(笑)。毎回毎回、修正はしてるんで、以前とは動きが変わってるんですよね。そういうところは見てほしいなと思います。
── 特に変わったと思うところはどこですか?
栗秋 単純なことなんですけど、足数が増えたなと。
── 手数ならぬ足数ですか。
栗秋 まあこのところ、やれることが増えたなとも思うし、そうじゃないと勝てないということも分かってきたというか。結局、手数、足数が大事なんだなということが分かってきたというのもありますね。
── キャリア60戦を超えて気付いたと。
栗秋 そうっすね、今までは一発狙いだったので。「一発があるから怖いぞ」と言われてきて、そこだけ警戒されるとプランが崩れるんですよね。いろんなプランを作るためにも、いろんな戦い方をしようと思うようになりましたね。
── 今回の玖村戦に向けても?
栗秋 実際にK-1に上がってる玖村選手との戦いで、いい意味で新しいスタートが切れる気もするし、そこでだったら勝って得られるものもあるでしょうけど、負けても自分の中で得られるものがある気がするんですよね。K-1系の選手は見ていても、打撃の中のリズムが違うのは分かるので、玖村戦はそこを体験できるのが一番楽しみです。どう味わえるのか、どう感じられるのかと。
── それで言うと、5年前の2018年に1回だけ、Krushのリングに上がってますよね(三輪裕樹に1RKO勝利)2分10秒という短い時間でしたが、あの経験は今振り返るとどうですか?
栗秋 今振り返るとというか、あの時点で体に叩き込まれたんですけど、やっぱりテンポが速かったですよね。一つひとつの攻撃で、スピードと、相手を崩すパワーが違いました。キレイにコンビネーションでまとめてくる選手が多い印象があって。僕はあの試合、KOで勝ったんですけど、コンビネーションでまとめる選手って逆にどうしても穴があるんですよ。速いけど、こっちがタイミングをズラせば倒せるポイントがあって。その時はそこを考えながら、けっこう冷静に試合してたんですけど、僕のスタイルが彼らとは全然違うから、特に序盤とかはけっこう飲まれてました。「あ、この人は速いな」と思ってたので。
── その中で見事なKOで勝てて、「自分のスタイルがここでも通用するな」という思いはなかったですか?
栗秋 いや、その時はなかったですね。このまま継続的に出て、BLACKやK-1ルールの戦い方に慣れてきたらどうなるんだろうなというのもあったけど、不安も大きくて。正直、あの後も出続けていたら勝っていけたかどうかは分からないですね。僕は一から練習して戦い方を身につけるというタイプでもなくて、その時の気持ち、その時の感情で戦うので、そこは見えなかったです。
── なるほど。ただ、あれから5年経って、今は違うという実感があると。
栗秋 そうですね。うまくハマってきてるなと思いますし。自分のスタイルを研究しながらも、「ここはこう変えた方がいいな」ということとかはお兄ちゃん(栗秋和輝・現KNOCK OUT GYM高幡不動会長)とも話してて。あとは会長が「こう攻めた方がいいよ」とかアドバイスをくれるのを聞きながら練習してるので、やっぱりいろいろスタイルは変わってきてますよね。
── もちろん5年前とは別の相手ですが、「K-1 GROUPの選手」を相手に成長を確かめる機会というわけですね。
栗秋 今回はそこしか楽しみがないというか(笑)。5年前と違って、どういうリズム感、どういうタイミングでくるんだろうなというのが、今は楽しみです。
── その上で、倒して勝つと。
栗秋 そこは変わってないです。玖村選手の穴はもう何個も見つけたので。自分がどこでハメて倒すか……あと、正直言うと相手の出方とかリズムを見たい気持ちもちょっとあるんですけどね。
── そうなんですか。
栗秋 「1Rでぶっ倒す」とか「30秒で倒す」って言ってましたけど、せっかくこういう機会なので、1Rはワクワクさせてほしいなと思ってます。
── その上で、勝ったら……
栗秋 やっぱり同じBLACKで同階級王者の龍聖選手とやらないといけないですよね。龍聖選手はK-1の軍司選手とやるのか?と騒がれてますけど、KNOCK OUTにまだやるべき相手いるぞってとこを今回の試合で見せたいと思います。KNOCK OUTのファンも、玖村選手を倒して僕と龍聖選手のタイトルマッチが決まれば、盛り上がるでしょうし。勝った方が他団体に出撃する資格を得るのかなと思ってます。
── そういった意味でも勝たなければならない試合ということですね。では最後に、当日の試合で一番注目してほしいところはどこでしょう?
栗秋 格の違いですかね(笑)。それが圧倒的に分かると思います。向こうが強いとかイケメンとか言われてますけど、リングに上がればどっちが上かは分かると思うので。倒す時は一瞬だと思うので、一瞬一瞬を見逃さないでほしいですね。全てカウンターで合わせますから。
プロフィール
栗秋祥梧
所属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1995年4月23日
出身:大分県日田市
身長:170cm
戦績:67戦43勝(23KO)21敗3分
獲得タイトル:元大和フェザー級王者