2023/09/11

11.5 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5|カード発表会見

 

 

 

11月5日(日)東京・後楽園ホールで開催されるMAROOMS presents『KNOCK OUT 2023 vol.5』の記者会見が9月11日(月)都内にて行われた。

 

 今大会は全試合をオープンフィンガーグローブ(OFG)着用のREDルール、KOボーナスマッチとなりメインには100万円、それ以外の試合は30万円のKOボーナスが付けられることが発表された。

 

 2023年9月末をもって宮田充プロデューサーは退任、後任として復帰した山口元気代表は「僕は20年ぐらい前からムエタイはOFGでやるのが一番いいと唱えてきたのですが、誰も賛成してくれる人はいませんでした。時代の流れなのかOFGルールでやりたいという選手の声も増え、だいぶ認知されてきました。いつかやりたいと思っていたところ、宮田さんが辞められるタイミングがいいかなと。あと、8月25日のONEルンピニーで(小笠原)瑛作のOFGでの戦い、試合にKOボーナスを付けることで格段と試合が面白くなり、初めて試合を見た日本人関係者の様子を見てその場で次の大会はこのコンセプトで行こうと決めました。OFGを着用することでしっかり組めたり、組み際に倒されたりと、スリリングな試合になると思います」とKNOCK OUT初のOFG導入の経緯を語った。なお、古村匡平(FURUMURA-GYM)の参戦も決定、本戦前のプレリミナリーファイトは通常のボクシンググローブでの試合となる。

 

 

■スーパーファイト KNOCK OUT OFG-REDフェザー級 3分3R・延長1R

小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)vs 調整中

 

 8月25日のONEルンピニー大会で初のOFGムエタイマッチで秒殺KO勝利を収めた小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)がメインイベントに参戦。対戦相手は、現在WSRフェアテックスジムのウィラサクレック会長にタイ人選手でお願いしており、山口代表は「小笠原の強さがタイでも広まっているために難航しているが、KOボーナスの100万円を付けたことでいい選手が出て来てくれるのでは」とコメント。

 

 会見に出席した小笠原は「今日28歳の誕生日になります。僕は10歳の時にキックボクシングを始めて、山口代表にはずっとお世話になっています。僕は『KNOCK OUT』の舞台を大きくしていきたいと思っている中で、新しい試みで僕をメインに使ってくれます。クロスポイントの後輩や下の夢を見ている子たちに、大きな舞台だと思われるような試合をしていきたいので、11月はしっかり自分の仕事をしていきたい」と意気込みを語る。

 

 前回のONEでの試合については「結果的に30秒程度しかやっていないので、相手の攻撃や、もらった時の衝撃とかはまだ未知数なところがあります」と振り返り、「今回も自分のスピードやパワーがこのグローブでさらに発揮されると思います。ルール的に過激になりますが、僕らは非日常なことをやっていて、その過激さを含めてエンターテインメントとしてお客さんに楽しんでもらえたら」と試合が待ち遠しい様子を見せた。

 

 100万円のKOボーナスについては「僕への期待度もあると思いますし、いいプレッシャーを感じながらしっかり獲りにいく気持ちがあります。100万円にふさわしい試合を見せます」と気合い十分のコメントを残した。

 

 

 

■スーパーファイト KNOCK OUT OFG-RED -61.0kg契約 3分3R延長1R

重森陽太(Eight Weapons)vsルンペット・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイジム)

 

 重森は2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負け。8月バットマン・オー.アッチャリヤー戦でも敗れ現在2連敗中。今回再起戦となる。対するルンペットはセンチャイムエタイジムのセンチャイ会長がイチオシするトレーナー兼選手で山口代表の元に何度も試合の相談があったところ今回の参戦が決定。元ルンピニースタジアム認定ミニフライ&フライ級王者の肩書きを持ち、2013年11月のルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級タイトルマッチで一戸総太に勝利している。「首相撲がむちゃくちゃ強かった印象があります」と山口代表。

 

重森陽太

「『KNOCK OUT』の体制が変わり、一発目ということでここで一発を大きく当ててムエタイを日本で人気の競技にする火付け役になれるように頑張りたいと思います。

(対戦相手の印象)足が長いなと。今二連敗していて、今はスランプだと思ったらスッキリしました。初心に返って今まで通り、しっかりキックボクサーとしてやっていきます。今までお金を切り離していたのですが、今後は金を稼げる選手になりたいと思っていて、今回KOボーナスが出るのでしっかり獲りにいきます。

(OFGでの試合で自分のどういう部分を活かしたいか)トレーナーにOFGの話をしたら『お前、不利だぞ』と。パンチがある選手が有利だと思うのですが、そこまで心配してなくてむしろワクワクしています。ONEのタワンチャイ選手のような動きができれば。日本で稼げる選手になりたいと思います」

 

ルンペット・センチャイジム

「今回『KNOCK OUT』に参戦できて嬉しく思います。100%の力を出し切ります。

(対戦相手について)相手は凄く蹴りが強くて普通の選手じゃないので、これまでの経験を活かしてベストを尽くしたいと思います。

(OFGでの試合で自分のどういう部分を活かしたいか)OFGは普通のグローブよりも硬いので危険ですが、自分の経験やテクニックを活かして、さらにガードの面で注意して戦いたいと思います」

 

 

 

■スーパーファイト KNOCK OUT OFG-RED バンタム級 3分3R・延長 1R

乙津陸(クロスポイント大泉)vsサンチャイ・TEPPEN GYM(タイ/TEPPEN GYM)

 

 8月のKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦で心直に勝利し、新王者に輝いた乙津は11月大会の参戦は予定してなかったが、今大会のオファーをしたところ即決したという。サンチャイは元ラジャダムナンスタジアム・ミニフライ級王者のキャリアを持つ。ここ数年は国内で日本人トップ選手と定期的に試合をしており、「KOボーナスがあるのでガンガン行ってほしい」と山口代表は熱い試合を期待するコメント。

 

乙津陸

「11月に出る予定ではありませんでしたが、OFGの試合の話を聞いてめちゃやりたいと思って受けました。チャンピオンとして初めての試合なので、絶対に落とすことなくKOしてしっかり賞金をいただこうと思います。

(対戦相手の印象)初めてのタイ人でラジャダムナン王者ということでムエタイは凄く上手だろうなと思います。

(OFGの魅力は)グローブとは違っていつもと違う刺激があり、ワクワクしながらやっています。

(OFGでの試合で見せたいこと)初めて試合をするのでどういう感じになるかはわかりませんが、一撃失神KOを狙いたいと思います。

(OFGでの試合で自身の何が活きるか)ボクシングでハンドスピードが上がっていますが、ボクシンググローブよりも小さいのでスピード、威力が上がります。まだ対策はしていないです。

(K-1に参戦した心直が負けた感想)俺がチャンピオンなのでそれはしょうがないのかなと。そのうちやることもあると思うので、それはさておき、という感じです」

 

サンチャイ・TEPPEN GYM

「自分もこの試合に対して自信がありますし、対戦相手は自分にとって不足のない相手だと思います。

(対戦相手の印象)とても素晴らしいいい選手なので、きちんとガードを固めて試合に臨みたいと思います。

(OFGでの試合で見せたいこと)自分は1度OFGで試合をしたことがあり、今回2度目になります。普通のグローブよりも痛みがあるので、警戒したいと思います。

 

 

 

■スーパーファイト KNOCK OUT OFG-RED スーパーウェルター級 3分3R・延長1R

クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM)vsMASATO BRAVELY(BRAVELY GYM)

 

 3月の『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT “BLAZE”』で木村”フィリップ”ミノルと対戦し1RKO負けしたクンタップだが、この試合で木村がドーピング摂取していたことが判明したためにノーコンテストに。今大会のオファーをしたところ、巌流島でOFG着用のルールを10戦近い経験があるために問題なく参戦が決定。対するMASATOは本業の医者が多忙のために会見は欠席となった。

 

クンタップ・チャロンチャイ

「私はOFGでの試合経験はあるので、今回も自信を持って戦えると思います。

(相手の印象)相手の試合を少し見たのですが、恐れるところは特になく、自分にとっては問題ないと思います。

(OFGについて)普通のグローブと比べて硬いのでKO率は高くなると思います。ムエタイとの違いはグローブだけで、自分にとっては有利。『KNOCK OUT』での試合は巌流島ルールよりも戦いやすいです。自分は普通のグローブよりもOFGの戦いの方が好きです。

(KO賞について)もちろん自分をやる気にさせているので必ずKOで勝ちます。

(木村のドーピング使用について)自分としては面白い試合をしたいと思って毎回最善を尽くしているのですが、対戦相手はそういうことをしていたのでとても残念です」

 

 

 

■KNOCK OUT OFG-RED スーパーバンタム級 3分3R・延長1R

壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)vs片島聡志(Kick Life)

 

 壱は8月のKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級タイトル初防衛戦で古村光に判定負けを喫し、今回が再起戦。対する片島はREBELS時代から参戦し53戦28勝(6KO)20敗5分の戦績はあるが、ここ最近は自身のジムをオープンし子供が生まれたりと多忙で試合から遠ざかっていた。今回、本人から『KNOCK OUT』参戦の要望を受け、「デビュー戦から見ている片島選手はムエタイのテクニックを駆使した戦いのできる日本では少ない選手の中の一人。壱選手との試合を見たいと思って決めました」と山口代表。

 

壱・センチャイジム

「前回負けてしまいましたが、僕自身は負けたと思っていないし、ベルトを失ってしまっただけ。僕はKNOCK OUTを背負っていく覚悟のまま戦います。僕が初めて先輩(貴センチャイジム)の試合を見た時に、黒星を付けられた選手が片島選手なので、先輩の仇だけでなく、前回のフラストレーションもあるのでKOしようと思います。

(相手の印象)自分は階級を上げてフィジカルの小さい選手と戦ったことはないので、警戒するところはないと思うのですが、それが油断する自分の悪い癖になります。でも、KO賞があるので熱い試合になると思います。片島選手はムエタイの試合をする方なのでムエタイらしい技ができると思います。

(OFGで見せられること)組みの展開が増えていくと思います。組みの展開が増えたら、ヒザの方が空間を作りやすいと思います。

(ONEムエタイでのOFGの試合の感想)OFGを付けて練習していますが、僕はあまり違いを感じませんが、組んでからのKOが生まれやすいと思うので楽しみです。

(元ヤン魂に火が付きそうな試合になるか)今回は先輩の仇を取るのがテーマになります(笑)。

(その先に見据えていること)ベルトはもちろんですが、僕が目標にしていた瑛ちゃん(=小笠原瑛作)がONEでKO勝ちしているのを見て、僕は負けましたが、僕と戦った選手は世界に通用するんだと自信にもなったのでONEを目指して頑張ります」

 

片島聡志

「僕はREBELS時代から出てましたが、ムエタイスタイルなので倒せる選手ではなかったので使いづらい選手だったと思います。今回OFGなのでKOが生まれやすくなるし、ここ数戦はKOが続いています。KO賞が30万円なので新しい家族ができたので家族のためにもKOを狙って頑張りたいと思います。

(相手の印象)今『KNOCK OUT』の中で一番ムエタイをやっている選手だと思うので噛み合いそうかなと。警戒すべきところは、トータルで技ができるので距離感やバランスだと思います。

(OFGで見せられること)自分のジムを新宿で立ち上げてブレイキングダウンの選手とOFGで遊ぶことがあるのですが、自分は距離感が合わなかったので練習して距離を詰めてパンチを当てられるようにします。ムエタイなので、組んでの展開の面白さを見せていきたいと思います。首相撲の展開に注目してください。

(ONEムエタイでのOFGの試合の感想)ディフェンスが難しいのかなと。グローブが小さいのでハンドスピードが上がるのでそこに警戒が必要だと思いました。

(その先に見据えていること)やはり『KNOCK OUT』に参戦するからには赤のベルトが欲しいです。あと、『KNOCK OUT』は地方開催はありますか? 9月大会に出る栗秋祥梧と力斗は地元の後輩で大分には選手も揃ってきて、九州で大会を開いてほしいので今回は絶対に落とせないと思います」

 

 

 

■KNOCK OUT OFG-RED スーパーフェザー級 3分3R・延長1R

鷹大(WSRフェアテックス西川口)vs優翔(team NOVA)

 

 鷹大はWMC世界スーパーバンタム級、WPMF日本スーパーバンタム級、WPMF日本フェザー級王座を獲得している三冠王。戦績は37戦23勝(8KO)13敗1分で、山口代表がOFG着用の試合をWSRフェアテックスジムに提案したところ、名乗りを挙げたのが鷹大だったという。対する優翔はタイに住み込みながら試合を重ね37戦27勝(5KO)10敗の戦績を持つ21歳で今回『KNOCK OUT』初参戦となる。

 

鷹大

「久しぶりにヒジありルールの試合なのでワクワクしています。OFGでの試合はやったことがないので未知ですが、それも含めて全部を楽しみたいと思います。

(相手の印象)背が高いので攻撃は届くのかなと。距離感がポイントになりそうです。警戒ポイントはヒジと蹴りかなと。

(OFGで見せられること)パンチを当てやすいのかなと。まだ試合をしていないので分かりませんが、ガードの隙間を縫って当てられると思うのでそこを狙っていきたいと思います。

(ONEムエタイでのOFGの試合の感想)パンチの選手がより勝ちやすい印象を受けました。

(その先に見据えていること)今は今回の試合に懸けています」

 

優翔

「REDルールなのでヒジで倒したいと思います。

(相手の印象)元三冠王なので凄いと思います。パンチが重いのかなと。

(OFGで見せられること)自分は変わらずヒジを狙っていきます。

(日本での試合は?)2~3週間前と1年前の2回やりました。日本での試合だと応援してくれる人が多いので変な試合はできないと思いました。

(ONEムエタイでのOFGの試合の感想)ガードが難しいと思いました。

(その先に見据えていること)自分の階級の王座が空位なのでそこを狙っていきたいです」

 

 

 

■宮田充プロデューサーが退任

 

 8月から『KNOCK OUT』とKrushの2団体のプロデューサーを兼任していた宮田充氏は「2020年10月から『KNOCK OUT』のプロデューサーを務めさせていただきましたが、9月末を持って『KNOCK OUT』のプロデューサーを退任することになりました。この3年間凄く気持ちよくイベントをやらせていただいたので、凄く感謝しています。これからK-1、Krushの運営の仕事をやっていきますが、6月から『KNOCK OUT』とぶつかり合って当時は『KNOCK OUT』の立場でK-1と交渉していました。今度はK-1の立場で今後もぶつかって高まり合う関係でいられたら、と思います。お互いに立ち技格闘技を高める意識は変わらないと思うので、僕の立場は変わりますが、どんどんぶつかってきてもらえたら。心直君みたいなのは止めてほしいのですが(笑)、刺激し合ってぶつかり合って、お客さんを熱くさせるのが僕らの仕事なので、『KNOCK OUT』とK-1、Krushの戦いは続けていくので楽しみにしていただけたらと思います」とあいさつ。

 

 山口元気代表は「宮田さんとスタンス的にはこれまでと変わらないので、今後もK-1さんといいお付き合いができると思います。次は誰がプロデューサーをやるべきかを考えたのですが、宮田さんだから任せていたのであって、これからは僕がずっとやっていくと思います。宮田さんがやらないなら、僕がやり切るという覚悟を決めて今ここにいます。3年間色々と勉強になりましたし、これから先も宮田さんに相談しながらいい関係でやっていきたいと思います」と今後も『KNOCK OUT』とK-1グループの対抗戦を継続していくとした。