2023/10/24
11.5 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5 “RED ZONE”|重森陽太 インタビュー公開!
「世界の舞台でメインを張れる自信はあります。その期待を抱かせるような試合を!」
11・5『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5 “RED ZONE”』の「KNOCK OUT OFG-RED -61.0kg契約/3分3R・延長1R」でルンペット・センチャイジムと対戦する重森陽太。ジムを独立しての初戦となった8月大会では惜しくも敗れ、再起戦の舞台がOFGルールとなったが、重森はこの状況に意欲満々の様子。その理由とは?
── 次戦の話に入る前に、8月のバットマン戦の話を伺いたいと思います。独立して初戦、結果は残念な形になってしまいましたが。
重森 今振り返っても、あの試合はキツかったですね。独立初戦でいい選手を連れてきていただいて……わりと、相手の選択肢は与えてもらったんですよ。その候補の中にバットマン選手がいて、最初は弱気になるのがイヤだなと思って“本物”の強い選手にしてもらったんですけど……ムエタイって、スタイルによって結果が大幅に変わってくるんですよね。相性が悪かったというのもありますし、いい勝負ができなかったのはすごく残念でした。ただフリーの格闘家としてやっていくにあたっては、逃げずに、負けを恐れずに挑戦できたという点で、いいスタートが切れたと思います。
── なるほど。
重森 実際、自分の課題がすごく目に見えた試合だったし、それを一つひとつムダにせずに修正して今回の試合を迎えられるので、結果は負けでしたけど、いいスタートだったと思えるように、次の試合で挽回したいと思います。
── そこで迎える次の試合がオープンフィンガーグローブ(以下OFG)ということになりましたが。
重森 そこについては、私はすごく前向きです。メチャメチャやりたかったし、次の目標として「ONEで試合がしたい」というのがあるので、そこにかなり近づけるのはうれしいですね。以前に一度、他のイベントでOFGの試合のオファーがあったんですが、諸事情で出られなかったこともあって、ここで改めて自分の夢に向けて進むことができるのはすごくうれしいです。
── では、OFGの試合については以前から注目されていたんですね。
重森 はい。それと私は最近、タイに行ってたんです。ルンピニーもラジャダムナンも見に行ったんですけど、ルンピニーでONEを見た時はすごかったですね。ムエタイがブームになっているなという盛り上がりで、お客さんを見るとほとんどが欧米人なんですよ。ムエタイがエンターテインメントに変わったというのは本当に面白いなと思いました。それに、ムエタイというのはまだまだ伸びしろがあるんじゃないかなと。日本ではまだ全然ですけど、今後同じような展開が作っていければいいなと思っていたので、そうやってブームを作っているOFGへの興味がより一層大きくなりました。
── ムエタイが元のギャンブル主体の催しから変化しつつあるという話は聞きますよね。ただそうなると、ムエタイの戦い方も変わるような気もするんですが……。
重森 そこは、実はあんまり気にしてないんです。結局は戻ってくると思うんですよね。もちろん、賭けがあるから5Rは流すとか、1・2Rは様子見とか、いろいろありますけど、でも5Rまでに大差がついてたら、KOボーナスが出ているからといって一発逆転で倒しにいこうともならないと思うんですよね。だから、結局着地点はあんまり変わらないんじゃないかなと思っています。ただ単に見せ方が変わっているだけだと思うので。
── OFGでの練習もされていると思いますが、通常のグローブとの違いは大きいですか?
重森 やっぱり大きいんじゃないですかね。軽いマススパーでも、OFGだと相手に気を使っちゃってパンチも打てないですから。だから今回の大会に関しては、全員がぶっつけ本番みたいな感じなんじゃないですか。
── 通常のREDルールと試合展開が変わりそうな部分というと?
重森 私はパンチがそんなに得意じゃないんですが、軽いジャブが有効打に変わりそうなところは私にとっていい部分ですよね。欲張らなくてもそれなりのダメージを与えられるので、パラメーターが低かったところがグッと底上げされるのはいいと思います。マイナス面はキャッチされた時に相手がホールドしやすいところですね。蹴り足を掴まれた時もホールド力が上がるので、振り払うのも大変になりそうだなと。取られた時の対策だったり、2歩歩けばブレイクになるので、早く歩かせるようにするのを意識しています。それから首相撲。もちろん組んだ時のグリップとかもあるんですけど、コカした時に掴むテクニックとかもあるんですよ。そういうところは絶対に相手の方がうまいと思うので、そこはマイナスかなあと思います。でもまあ、OFGのおかげでパンチの効果が上がったら、より蹴りやすくなるだろうとは思うので、全体では半々というところですかね。
── 相手のルンペット選手についてはどういう印象ですか?
重森 最初に実績の話をすると、やっぱりルンピニーで3階級制覇ってただ者じゃないですよね(笑)。ベルト1本獲るのにもみんな死に物狂いなのに、それを3本も獲っちゃうわけですから。テクニックに関しては、何でもできると思うんですけど、その中でも首相撲とかヒジ打ちのテクニックはピカイチだろうと思うので、そこは彼もOFGは向いてるんじゃないかなと。まあ、もはや楽しみたいですけどね。
── どう勝ちたいかというところについて、そこに今回はKOボーナス30万円が乗りますよね。そのために勝ち方の意識は変わっていますか?
重森 KOボーナスをうたうなら、金額としてはぶっちゃけもっとほしいですけど(笑)、まあ一発目ですし、今後金額ももっと上がっていって、見てる方も「この試合は●●万円懸かってるんだ!」とか思うとそれはそれで面白いじゃないですか。そういう部分では、こちらにもお客さんにも、かなり原動力になると思っています。ただこういうのって、プロモーターの意向じゃないですか。「KOボーナスを出すから倒してね」というところはもちろんしっかりと汲み取って、選手としてそこは仕事なので、求められるものをクリアしていかなきゃいけないと思ってます。
── 試合中の気持ちとしてはどうですか?
重森 1Rが一番出るかもしれないですよ。私だけかもしれないですけど、「今日は何としても倒さなきゃ」という時は、やっぱりいい動きしますから。以前、20歳の誕生日の前日に試合があったことがあるんですよ。「明日から20歳」となったら何としても勝たなきゃと思って、すごくいい試合ができたんですよね。あと、2021年2月に『REBELS ~The FINAL~』に出場させていただいた時も、『REBELS』という長く続いた人気のイベントが封印されるというところに呼んでいただけたので、「ちゃんと仕事しなきゃ!」という意識が強かったんですよね。そうやって出る気持ちというのはすごく大事だし、今回は「KOボーナスを出すから倒してくれよ」というプロモーターの気持ちはしっかり受け取っているので、1Rから変わってくると思います。競った時よりも試合に向かう気持ちとかモチベーションがすごく影響を受けますね。
── そんな中で、最終的にはどう勝ちたいですか?
重森 あんまり短時間では倒せないと思うんですよ。かといって3Rに倒せるかというと、その時に私の方がダメージを与えていたら、相手も頭がいいし戦績も十分あるので、安全な戦い方に切り替えてくると思うんですよ。だから実は、1・2Rで仕掛けられたら一気に仕掛けないとなと思ってますね。
── また、冒頭でお聞きしたように前回の結果を踏まえて、挽回して先につなげる勝ち方も見せたいのでは?
重森 そうですね。ここはしっかり取らないととは思っていますし、『KNOCK OUT』のチャンピオンなので、せっかくKOボーナスを出すと言ってくれているのに相手に持っていかれるわけにもいかないので、そこは30万円しっかりといただこうかなと思ってます(笑)。
── ちなみに30万円入ったら、使い途は?
重森 私、時計が好きだったり、革製品が好きだったりするので、そういうものの足しにしたいですね。
── お金のかかる趣味ですね(笑)。
重森 そうなんですよ! でもそれには30万円じゃ足りないので、もっともらえる選手になれるよう頑張りたいと思います。「ボーナスを出せば選手はこんなに火がつく」ということを今回しっかり証明すれば、もっと金額も上がってくると思うので、今後のためにも行くしかないですね。
── では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントを教えてください。
重森 前回の試合の時に、梅野源治選手と戦って倒したいという話をさせていただいたんですが、もちろんそれはやるしかないと思っています。あとはタイミングの問題で、いつどこでやるかだと思うので、そこに向けて選手としての価値をどんどん上げていかないとと思っているんですが、今回に関してはOFGの試合なので、「重森陽太がONEに出たらどういう試合をするんだろう?」とか「ONEに出てくれよ」と期待を抱かせるような試合をしたいですね。先日タイに行った時に、ラジャダムナンのメインで、今年の2月に僕が挑戦したチャンピオンが防衛戦をやってたんですよ。フルマークで勝ってたんですけど、私もその選手との差はないと思っているので、世界の舞台でもメインを張れる実力があるという自負はあります。だから、後楽園ホールから世界の舞台でも活躍できると想像させるような試合をしたいと思っています。
── 分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
重森陽太
所属:Eight Weapons
生年月日:1995年6月11日
出身:東京都稲城市
身長:181cm
戦績:52戦38勝(17KO)8敗6分
獲得タイトル:第2代KNOCK OUT-REDライト級王者、WKBA世界ライト級王者