2023/10/30
11.5 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5 “RED ZONE”|壱・センチャイジム インタビュー公開!
「いろんな面で自分に合ったルール。ベルトはなくても王者の風格を感じさせます!」
11・5『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5 “RED ZONE”』の「KNOCK OUT OFG-REDスーパーバンタム級/3分3R・延長1R」で片島聡志と対戦する壱・センチャイジム。8月大会で古村光にベルトを奪われ、今回が再起戦という形になるが、本人にはその意識はないという。その理由、そしてオープンフィンガーグローブ(OFG)に意欲を燃やしている背景にあるものとは?
── 今回、OFGでのオファーが来た時にはどう思いましたか?
壱 僕は今の目標として、将来的にONEに出たいと思っているので、「あ、ONEじゃなくてKNOCK OUTで初めてOFGを経験することになるのか!」というのが感想でした。うれしいかどうかというより、「このタイミングなんだ!」と。ONEに行くまではないと思っていたので。
── では、ONEの試合映像はよく見ているわけですね。そこで行われるOFGでの試合にはどういう印象を持っていますか?
壱 隙間に入りやすいので、ガードを固めてもパンチがボンボン入っちゃいますよね。だからみんな、通常のグローブだったらブロッキングできる場面でもできなくなって、どうしてもステップとか頭の動きが増えるんだなと思ってます。そのためにより動きが出て、詳しくない人が見ても面白いかなと思いますね。僕も見ていて「あ、痛そう!」って感じでハラハラしますからね。やる分にはリスクもあるし、やってみないと分からない部分も大きいですけどね。あと、目に指が入るのは怖いです。
── それはOFGならではのアクシデントですからね。
壱 あれ以外は、OFGは完璧だと思います。
── ステップや頭の動きが増えると運動量も増して、選手にはより大変なのでは?
壱 そうですね。でも僕は試合でスタミナ負けしたことはないので、個人的には気にしてないです。今、ジムにMMAをやっている選手がプロ2人、アマ1人で合計3人、来ているんですけど、オファーを受けてすぐに「今度OFGで試合するんですよ」と言ったら「俺のをあげるよ」とOFGをいただいたので、その日からすぐ練習してて。で、その3人のうちの1人、村井義和さんという方がキックボクサー出身なので、OFGのメリットとデメリットを聞いたりもしたので、OFGについての理解はだいぶできてると思います。
── そうなんですね。
壱 プロのもう1人がFighting NEXUSからRIZINにも出ている河村泰博選手で、村井さんと河村さん、それとアマチュアの方にはけっこうお世話になっています。
── では、壱選手のスタイルの上にOFGを生かす方向で練習できていると。
壱 僕って、「あのダウンがなかったら勝ててたよね」という試合が多いんですよね。だからアゴが弱くてパンチに弱いという印象があると思うんですけど、OFGって薄いので、キックを手でガードした時にメッチャ痛いらしいんですよね。だから「OFGの試合は、蹴れる人には有利だよ」と教わって。しかも首相撲ではしっかりロックできるので、いろいろ僕に合ってる部分は多いと思います。
── なるほど。
壱 日本の試合での首相撲がタイよりも短いのって、日本では首からの展開が圧倒的に少ないからなんですよ。OFGだと首相撲からの展開も増えそうだし、僕は首相撲と蹴り合いでは日本人に負けたことがないので、一発さえ気をつければ、僕に向いてるルールなんじゃないかと思ってます。
── というところで、今回の相手である片島聡志選手の印象は?
壱 一発がある選手じゃないですよね。以前に僕の先輩の貴・センチャイジム選手が片島選手に負けていて、その時は1・2R優勢だったんですけど3Rにダウンを取られての負けだったんですね。それ以来彼の試合を見ていなかったので、勝手に一発がある選手なのかなと思ってたんですけど、最近の映像を見るとそういうわけでもないし、掴み所がない感じなんですよね。そこが強みなのかなとも思ったりして。だからいつもと違って攻略法も思いつかなくて、ナメてるわけじゃないんですけど、試合プランはリング上で手を合わせてから組んでいこうと思ってます。
── ここ最近は3連勝中で、ハイキックでKOもしています。
壱 最近の映像があまりなかったんですよね。余裕ぶっこいてるわけでも何でもなくて、あまりに掴めないので、研究はやめました(笑)。たぶんテクニカルな選手なので技術の試し合いも面白いかなと思ってたんですけど、今回はKOボーナスも出るので倒しにいくことを最優先に考えます。
── ご自身にとってはベルトを失ってからの初戦、再起戦という形になりますが。
壱 僕自身、古村光戦は負けてはいないと思ってるんです。映像を何回見てもそう思えるし、あの試合ではベルトを失っただけで、すぐまた古村君に食いつこうと思っています。チャンピオンという肩書きはなくなりましたけど、今もこの階級のREDルールでは一番強いという自覚はあるので、そこは変わらずという感じです。
── また先ほども出ましたが、今回はKOボーナス30万円が懸かっています。これは大きいですか?
壱 デカいですねえ! 僕は『KNOCK OUT』のREDルール・スーパーバンタム級を一番背負っている人間だと思っているので初参戦の選手には負けられないし、正直、片島選手のことは漬けて勝とうと思ってたんですよ。でもKOボーナスの存在と3大会連続ベストバウト賞受賞という実績が、KOしようと考えを変えさせてくれました。
── 30万円が手に入ったら、何に使いますか?
壱 コーチの人たちに何かいいものを買ってあげるとかしたいですね。それで少し余ったら、自分のために使おうかなと思います。
── 今後、『KNOCK OUT』でOFGをどう展開していくかは、今大会次第というところがあります。壱選手としては、ONE参戦も見据えてOFGで続けていきたい?
壱 まだ今回が初めてなので、正直どうなるかは分からないですけど、あれで殴り合ったら選手生命が短くなるんじゃないかという話も聞くんですよね。拳のケガも多くなりそうだし。だからどうなんだろうという思いもあるんですけど、やっぱり試合が盛り上がるのが一番だし、掴みやすい形でやるのはムエタイの原点でもあるんですよね。
── 確かに。
壱 それにONEという目標もあるから継続してほしいんですけど、不安もある、というところですね。不安というのはケガのことじゃなくて、お客さんが盛り上がるかどうか。僕にとってはそこが一番なので、盛り上がるなら継続してほしいですね。
── では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントを教えてください。
壱 うーん……いつも「顔」という言葉しか思いつかないんですが、今回はOFGということなので、「スカーフェイス・イケメン」が見られるかもしれません。
── イケメンの新たなフェーズが!
壱 何ももらわずに勝てたら普通のイケメンですけどね。スカーフェイスでもイケメンだし、ベルトがなくても「あ、コイツが王者だな」と思われるような風格を出して勝つので、そこに注目してもらいたいですね。
── 分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
壱・センチャイジム
所属:センチャイムエタイジム
生年月日:1997年8月15日
出身:沖縄県那覇市
身長:173cm
戦績:32戦22勝(9KO)9敗1分
獲得タイトル:第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者、元ルンピニージャパン・バンタム級王者