2021/07/09

7.18 KNOCK OUT 2021 vol.3|安本晴翔 インタビュー公開!

 

 

 

「今回の試合、一番危険と思って警戒しているのは……」

 

 

7・18『KNOCK OUT 2021 vol.3』の「スーパーファイト KNOCK OUT-REDフェザー級/3分3R・延長1R」で、竹内賢一と対戦する安本晴翔。この試合に勝てば10連勝となる安本だが、本当のモチベーションは別のところにあるらしい。そのモチベーションとは? そしてその目的を果たすために、一番警戒していることとは?

 

 

 

-- 今回の竹内戦、安本選手にとってのテーマは何でしょう?

 

安本 次勝ったら10連勝になるので、KOでいい10連勝目を迎えたいですね。

 

-- 「10」というキリのいい数は、一つの節目という感じですか?

 

安本 いえ、正直意識はしてなかったですし、自分でも数えたりはしてなかったんですけど、記者会見の時に教えてもらったので、「あ、次で10連勝なんだ」と意識するようになりました。

 

-- なるほど。その言葉の感じだと、タイトルマッチなどは別にして、試合ごとにテーマを掲げたり、「次はこれをやろう」というのは、普段はあまり考えない?

 

安本 そうですね。とりあえずどの試合でも思っているのは、他の選手の応援団として来たお客さんにも「この試合、面白いな」と思われるような試合をしたい、ということですね。

 

-- では、安本選手が思う「面白い試合」とは?

 

安本 キックボクシングをあまり知らない人が見に来てたとしたら、やっぱりKOで決まるのが面白いと思うし、マニアというかよく見てる人からしたら、接戦になるのが面白いのかなと思うんですけど、それをうまく融合するというか、誰から見ても「ああ、この試合はいい試合だったな」と思われるような試合をしたいです。

 

-- 例えばゴング直後に一発で決まるような試合はどうですか?

 

安本 どうですかね、そういう試合もあってもいいかなとは思うんですけど……(笑)。そういう形でも、決まった時に衝撃が走るような試合だったらいいと思います。

 

-- ご自身としては、試合の中で技術の競り合いがしたいという気持ちがある?

 

安本 僕としてはスパッと倒して勝つのがいいんですけど、なかなかそううまくはいかないので、その中で技術だったり、いつも練習している技とかを見せられたらいいかなと思います。技術の攻防とかは相手次第の部分もあるので。

 

-- そういう意味では、今回対戦する竹内選手はいかがですか?

 

安本 竹内選手は蹴り技が得意なんじゃないかと思うので、そこは僕の方が蹴りはうまいぞというところをお客さんに感じてもらえればいいかなと思いますね。

 

-- 蹴り合いになる可能性も考えている?

 

安本 僕はけっこう当日、試合の中で組み立てるタイプなので、そこは試合が始まってみないと分からないですけど、相手が蹴りで来たらそういう感じになるかもしれないですね。

 

-- 試合のイメージを作ったりはしない方なんですか?

 

安本 いえ、試合のイメージは作ります。「こうできたらいいな」とかは考えたりするんですけど、うまくいったためしがないので。練習したままを出せたら勝利できるのかなとは思ってますけど。

 

-- 「こうできたらいいな」というイメージは、「練習したものが100%出せた状態」という感じですかね。ではこれまでの試合では、練習した内容は平均して何%ぐらい出せていますか?

 

安本 平均だと……全然出せてない気がしますね。「これはやろう」という技を用意したりするんですけど、それが当てられなかったり、そこで焦るのがイヤで、その技はもう出さなくなったりとかというのがあるので、あんまりうまくいってないです。

 

-- これまでで一番「うまくいった」と思えた試合は?

 

安本 昨年11月の岡山での試合(プレム・T.C.ムエタイ戦)ですね。

 

-- 左フックでダウンさせた後、右ストレートで1RKOした試合ですね。

 

安本 あの試合はあんなKOをする気はなかったんですけど、2回目に倒せたのは、作戦がバッチリ当たって、いい流れに持っていけたからだと思います。

 

-- では、東京ではまだあまり「会心の勝利」は見せられていないということですか?

 

安本 そうですね。閃いて技を出してみたら当たってKOできたとかはあるんですけど、「これで倒そう」と思った技で倒せた試合はなかなかないですね。

 

-- 出してみた技が当たってKOできた試合では、「よかった」とは思わない?

 

安本 いえ、「ラッキー!」とは思います。サブで練習してた技が当たって倒れたとかはあるんですよ。後ろ回し蹴りとかも「当たるといいな」と思って練習してた技だったりもするので、そういうので勝つと「よかった」とは思います。でも「これでマジ倒してやろう」と思って狙ってた技はあんまり……あ、昨年9月のウィサンレック・MEIBUKAI戦でのヒジは狙ってましたね。あとはけっこう……思ってたのとは全然違う形で勝った試合が多いですね。

 

-- 今、話に出た後ろ回し蹴りはここ2試合連続でフィニッシュになっていますが、決して「得意技」というわけではないと言われていましたよね。

 

安本 他の選手の技を見て、「これで倒せるか、やってみよう」と思うこともあるんですよ。後ろ回し蹴りは、BEN“侍“Y’ZD戦の時は老沼隆斗選手の試合を見て「あ、俺もちょっとやってみよう」と思って出したんですよね。次のペットシラー・FURUMURA-GYM戦は「こないだ当たったから出してみよう」と思って出したら倒せた感じで。

 

-- 2試合連続で決まった後ろ回し蹴りもそうですが、「これをゆくゆくは必殺技になるまで練り上げよう」というような考えもない?

 

安本 そもそもオールジャンルで倒せるようになりたいんですよ。偏らないで、「この人、何でも倒せるやん」と思われるような選手になりたいです。

 

-- では、今回も「用意した技で倒せればよし、それ以外でもKOできればよし」という感じですか。

 

安本 そうですね。「倒せる時は倒す」ということを心がけて、いい試合をして最後はスパッと勝てれば理想的ですね。

 

 

 

 

-- 今大会はタイトルマッチや各階級のチャンピオンが出るスーパーファイトが並んでいますが、その中で一番目立ちたいという気持ちは?

 

安本 もちろん。僕は昨年の年間MVPだったので、今回もこんなにいい選手が揃っている中、「僕の試合が一番よかった」と言われることを狙ってます。

 

-- その点で、一番ライバル視する試合、選手は?

 

安本 うーん……鈴木千裕選手はけっこう派手なKOをするので、危険ですね(笑)。でもホントに、みんなKOしそうですよね。みんなバチバチの試合をしそうなので、僕も負けないように頑張るしかないですね。今回のモチベーションはそこにあります。ここで負けてるわけにはいかないので。

 

-- もう今年も7月に入りましたが、この試合を経て、下半期はこうしたいというビジョンはありますか?

 

安本 もっと強い選手がいると思うので、そういう選手とやれたらいいなと思います。もっともっと広げていきたいですね。

 

-- 少し前に、橋本敏彦師範がツイッターで、安本選手が「やりたい選手がいる」と言った、という話を書いていました。そういう選手がいるんですね?

 

安本 はい。でも僕は言葉で対戦アピールするとかはあまりできないので、自分の試合で魅せていくことで、その相手と組まれればいいなと思ってます。

 

-- ただこの世界、よくも悪くも「声がデカい者勝ち」みたいなところはありますよね。

 

安本 そうですよね。でもそれで試合して、負けたらしょうもないじゃないですか。それだとカッコ悪いだけになってしまうので、僕はちゃんと実力をつけて、勝ちにいきたいです。

 

-- それを考えても、今回も勝たないとと。

 

安本 僕はもう「勝つのが当たり前」みたいになっているので、勝たないとマズいですね。

 

-- 分かりました。ありがとうございました!

 

 

 

 

 

プロフィール
安本 晴翔(やすもと・はると)
所属:橋本道場
生年月日:2000年5月27日
出身:東京都東大和市出身
身長:174cm
戦績:22戦19勝(10KO)1敗2分