2022/04/11

4.17 KNOCK OUT 2022 vol.3|潘隆成 インタビュー公開!

 

 

 

「負けパターンは全て消してきた。あとは実行あるのみ!」

 

4・17『KNOCK OUT 2022 vol.3』の「KNOCK OUT-REDライト級/3分3R・延長1R」で、庄司啓馬と対戦する潘隆成。昨年は重森陽太、古村匡平に連敗を喫し、REDライト級タイトル戦線では一歩後退の感もある潘だが、このまま終わっていいわけはない。この状況で何を考え、試合までに何を積み重ねてきたのか。潘がこの試合で見せようとしているものとは?

 

 

 

-- まず前戦、11月大会での古村匡平戦を振り返っていただけますか?

 

 その前が重森陽太戦(2021年2月)で、延長で取り切れなかったという試合だったので、そこで自分のスタイルを崩して、古村戦は変にポイントを取りにいこうとしすぎた試合だったかなと。まあそれも実力のうちなので、今回は本当に、自分の穴を埋めるというのを一番に練習してきました。

 

-- 重森戦で修正したところがうまくいかなかった?

 

 修正したというよりは……もっと手堅くいくのが僕のスタイルなんですけど、焦ってパンチを振っちゃったりしたんですよね。意識が、「ポイント取らなきゃ」「ダメージ与えなきゃ」という方にいってしまって。試合直前まではそういう感じじゃなかったんですけど、始まったら「いかなきゃ!」という感じになってしまって。

 

-- では今回は、むしろ本来の戦い方を取り戻す感じ?

 

 本来の戦い方プラス、会長やジムのみんなから「こういう時に負けてるよ」というのを言われて、そこを消してきたという感じです。あとは、自分の得意なところでしっかり勝負したいなと。そこは前回みたいにならないように、徹底して作っていこうと思ってます。

 

-- 相手の庄司選手についてはどういう印象ですか?

 

 若いし、本当にガッツがあって、パワーもあるというイメージがありますね。どんな場面でも頑張ってくるので、技というよりはそういうスタイル的な部分で、ガンガン前に出て諦めずにやってくるところが、庄司選手の一番強みなんじゃないかなと思ってます。

 

-- 単純にデータを見比べた時に、身長で6cm差、戦績では4倍近い差がありますよね。

 

 正直、そういうところは全く意識してないです。もちろん周りの人にも言われたりするんですけど、そこを見ちゃうと絶対に足元をすくわれるし、そういう試合でも勝ってきたり負けてきたりした経験もあるので。リングに上がったらフィフティーフィフティーだと思ってるので、そこは本当に、全く気にしてないです。庄司選手も「食ってやろう」という気持ちで、気合い入れて練習してきてると思うので、全く油断はしてないです。

 

-- ライト級タイトルへの挑戦権争いというところでは、古村選手のように下からの突き上げも来ています。その中で、現状ではどう考えていますか?

 

 前回負けているというのもあるんですけど、そこも正直、全く考えてないです。目の前の庄司選手との試合しか頭にないですね。

 

 

 

 

-- このところは思うように勝ち星につながっていない状況ですが、その中での気持ちの持ち方というのは?

 

 だいたい40戦ぐらい戦ってきて、モチベーションの高い試合もあれば、負けて落ちた時もあったんですけど……そこで無理矢理自分でケツを叩いて、「これ勝たないと」という感じで気持ちを上げるという感じでやってきた時もありました。でも、そうやってモチベーションに左右されながらやるのがしんどくなってきたので、さっき言ったように先のことは考えず、庄司選手のことだけ考えて、普段も練習のこととか、目の前のことを一つひとつこなして作り上げてるという感じなので、モチベーションに左右されるというのが、最近はなくなってきたかもしれないですね。

 

-- なるほど。

 

 連敗してるからモチベーションがメチャメチャ下がってるとか、逆にここから這い上がってやろうとメチャクチャ燃えてるとか、そういうのはどちらもないです。本当に今は一つのことに集中してますね。モチベーションが低くて気分が乗らない時って、体にも影響が出たり、動きが悪かったりするんですよね。逆に動きはそんなに悪くないのに、練習でもちょっと悪いところがあると気になってしまったりというのがあって。そういう時に「今日はダメなんだな」と思って、次に切り替えるという感じでモチベーションに左右されない方が、積み重ねもできるんじゃないかと思って、自然とそういう感じになっていきました。

 

-- いい意味でフラットな感じに持っていけていると。

 

 はい。それはもちろん、今まで連敗したりモチベーションが下がったりということがあったからこそ、そこに気づけたんだと思いますけどね。

 

-- 先ほどジムメイトの話も少し出ていましたが、プロ選手が多いジムなので、他の選手たちの活躍に刺激されたりというのもあると思うんですが。

 

 『KNOCK OUT』の3月大会を見て、(栗秋)祥梧、瑛ちゃん(小笠原瑛作)、それから日菜太さん、YUYAさんも出ていて、そこはやっぱり刺激を受けますよね。勝ってうれしいとかじゃないんですけど、みんな頑張ってたし、もちろんファイター全員そうなんですけどね。でも今まであんまりそういうことを思ったことがないんですけど、この前は心から、勝ってうれしいなと思いました。クボ マサヤ選手の試合を見ても、「あっ、勝ってよかったな」とか思ったりして。K-1での不可思さんの勝利もメチャクチャうれしかったし、そういう仲間からの刺激は大きいですよね。不可思さんにもずっとスパーしてもらっていたし、本当に頑張っていたのも知ってるし、「俺も頑張って最後までやり切ろう」という気持ちになりました。

 

-- 本当にいい刺激ですね。

 

 はい。だからと言って、練習量をメチャクチャ増やしたりとか、強度をメチャクチャ上げてやるとかではないんですけど、気持ちの面で違いますね。やっぱりいいチームだなと思いましたし、俺も頑張ろうと改めて思えました。

 

-- いろんな要素が出ましたが、今回一番大きなテーマというと?

 

 負けてるっていうのもあると思うんですけど、日菜太さんとか会長が、しっかり細かいところまで教えてくれているので、そういうところを試合で出していきたいなというのが一つですね。あとは、前回みたいなミスはもうしないように、自分が負ける時の穴を埋める作業をやってきたので、そこもしっかり実行していきたいと思います。

 

-- では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントは?

 

 庄司選手は僕を食おうとしてくると思うんですけど、僕はディファ有明で『REBELS』をやっていた時から、今の『KNOCK OUT』になるまで育ててもらってきてるんですよね。だから2戦目でパッと僕とやって、そこは簡単に越えさせたくないなと思っているので、壁になるというところを見てもらいたいなと思いますね。

 

 

 

 

プロフィール

潘隆成(ぱん・りゅんそん)
所属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1993年8月2日
出身:東京都国分寺市
身長:180cm
戦績:38戦23勝(6KO)12敗3分
獲得タイトル:元WPMF日本スーパーライト級王者