2024/04/12

4.27 MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.2|壱・センチャイジム インタビュー公開!

 

 

 

 

「今までと違って、今回はKO宣言します。倒します!」

 

 

 

4・27『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.2』の「KNOCK OUT-REDスーパー
バンタム級タイトルマッチ/3分5R・延長1R」で古村光と対戦する壱・センチャイジム。昨年8月に古村に奪われたベルトを取り戻すべく、3度目の対戦に臨む壱だが、昨年後半は異なるルールの試合で連勝と好調。その中で今回の試合にはどういう思いがあるのか?

 

 

 

── 壱選手は前回の古村戦について、「自分の中では負けていない」と発言し続けていますよね。その理由というのは?

 

 その質問を待ってたんですよ! 僕のジムの会長はタイ人なので、何百戦ってやってナンボみたいな考え方なんですよね。それにジムのコーチも、「3回勝ったら1回負けてもいい」という考え方なんです。会長は、選手が負けた時に「勝負はそういうものだから。いつまでも落ち込んでも仕方ないから、切り替えていこう」と言うことが多いんですけど、前回の古村戦だけは、僕が負けて熱くなったのか、「今回、負けを認めたら終わりだから」って言われたんですよね。

 

── ほう。

 

壱 だから、これは会長なりの何かがあるんだろうなと思ったんですよね。僕はいつも、負けた後もヘラヘラしてるので、「コイツはちょっと落ち込ませなきゃダメだ」と思われたのかもしれないですけど。でもとにかく会長から「負けを認めちゃダメだ」と言われたので、「じゃあ認めないぞ」と思って。さらに試合を見返してみたら、ドローでもよかったのかなと。負けてはいないよなと改めて思ったので、機会があるたびに繰り返し言ってたんです。

 

── なるほど。

 

 ただ、もう彼とは2回やってるから、再戦は早くても1年後ぐらいになるのかなと思ってて。でも昨年12月に古村君がケガして、その代わりに僕が古木誠也選手と対戦して、BLACKの現役チャンピオンに初のBLACKルールで勝利したりといろんなことが重なって再戦に辿り着いたので、僕としては、言い続けた甲斐があったなと思ってます。

 

── 判定に不満があったのかと思っていたんですが、それともちょっと違ったんですね。

 

 はい。判定って、どの角度から見るかで変わると思うんですよね。僕も会場で見て、「青コーナーが勝ってるな」と思っても赤コーナーの勝利になることはあるし、でも後で動画で見直したら「あ、確かに赤コーナーが勝ってるな」ということだってあるんですよ。競ってる試合だったらミドルキック一発が決め手になったりするけど、そのミドルが角度によって見えなかったりするから、判定には不満はないんです。3人のジャッジに分かるような決定打を僕が出さなかったということなので。結果を覆したいとかじゃなくて、言い続ければそのうち再戦もできるだろうという思いでした。

 

── そしたら思いのほか早く再戦のチャンスが巡ってきたと。

 

 そうですね。古村君も、僕が彼の代打を引き受けたから、その借りを返すって言ってたんですけど、どういう形で返してくれるのかなと思ったら、先日の会見で「この試合を受けることで返す」って言ってたので、「お前、男じゃん!」って思いました。会見の時、配信には映ってないところでグータッチもしてたんですよ。

 

── そうだったんですね。では、早い再戦になったのも望むところだった?

 

 そうですね。実際、僕がやってきた実績を考えたら、打倒なのかなとも思うんですよ。古村君は僕との試合から1試合もしてないですけど、僕はその間にオープンフィンガーグローブ(OFG)で勝って、BLACKルールでも勝ったので、「だったらいいでしょう?」という気持ちはありますよね。違うルールで2試合して、ましてBLACKではチャンピオンにも勝ってるので、挑戦権は十分あるんだろうなと。まあ普通は、初防衛戦が同じ相手というのもあんまりないのかなとも思いますけど、僕がやってきたことを考えたら、古村君も断れないだろうなと。

 

 

 

 

── 今回は古村選手との3度目の対戦にもなります。ここで確実に決めるにはどうしようと思っていますか?

 

壱 僕と古村君は、これまで合計8R戦ってるんですよ。1回目が3R、2回目はタイトルマッチで5Rで、両方判定だったので。僕も古村君も、この先は『KNOCK OUT』を代表して他団体と戦っていきたいわけで、僕らが何度も何度もやってもしょうがないじゃないですか。だからここで分かりやすく決めちゃって、『KNOCK OUT』の代表として他団体に乗り込んでいきたいなと思ってます。これが古村君との最終戦だと思っているので、誰が見ても分かりやすい勝ち方をしたいなと。一番の理想はKOですけど、もう8Rもやって手の内も分かってるし、1Rにドカン!と秒殺とかもないだろうなってのは分かってるんですよ。でも僕も最近はKOから遠ざかってるんで、ここでKOできたら熱いなと思いますね。BLACKのチャンピオンも倒して、REDのチャンピオンも倒して、OFGでも勝ってますとなったら熱いですよね?

 

── そうですね。

 

 僕、普段はあんまり言わないですけど、今回はKOしたいと思ってます。

 

── 確かに普段、KO宣言はしてないですね。

 

 そうなんです。「KOしたい」と思ってると、かえってできないんで。古木戦も、ダウンを取ろうなんて気はなかったですから。狙っちゃうとよくないんで、今までは言わなかったですけど、今回は言います。KOします!

 

── KOするということについて、BLACK王者の古木選手からダウンを取れたというのは大きいですか?

 

 やっぱり自信につながりましたね。古木君は僕が2度戦って苦戦してる森岡悠樹選手を秒殺してるし、ジムでも僕が勝てると思ってる人は誰もいなかったんですよ。ジムの後輩にも「壱さん、ワンチャン勝つかもしれないっすね」って言われてましたから(笑)。実は古木戦の後にデカい試合が決まってたんですけど、トレーナーのキックさんは「次の試合に集中すればいいから、古木戦はケガしないようにね。どうせお前は勝てないから頑張らなくていい」って言われてて。「勝たなくていいからケガするな」って言われてたのに、「ケガして勝つ」っていう、全部正反対の結果になってしまったんですけど(笑)。それでデカい試合も流れてしまったんですけど、だとしても、BLACKルールでチャンピオンを倒すというのは、僕の格闘技人生でも一二を争う大きな出来事だったので、相当自信につながりました。「僕は線は細いしフィジカルも強くないけど、自分のボクシング・テクニックでここまでやれるんだ」みたいな。

 

── 先日の会見では「ロマンティックな試合をする」という発言が気になりましたが。

 

 そうなんですよ! 「ロマンティック止めて」ですよ! 会見の後はもうずーっとC-C-Bの「Romanticが止まらない」を聴いてましたよ!

 

── さすが「星空のディスタンス」をテーマ曲にしている壱選手という選曲ですね。この令和の世にはなかなか伝わりづらいかもしれませんが(笑)。

 

 僕、ファンの方から「壱選手は倒れやすいから、試合はどのラウンドも気が抜けなくてハラハラする」って言われたことがあるんですよ。そう聞いた時に、確かに僕の試合って、ほぼ全ラウンド取ってるのに、最後の最後にパコーン!って倒されて負けるみたいな試合が多いなって思ったんですね。古村戦もそうでしたけど。それって、見てる側からすると相当楽しいんだろうなと思って。なので欠点を長所に変えようと思って、古村君は一発があるから打たれないようにするんじゃなくて、倒されても倒し返すという見せ方もあるなと。「壱、こんなに勝ってるのに、倒されて負けるかも」と思われてたら、最後まで楽しいじゃないですか。

 

── 応援してる側はたまったもんじゃないと思いますけど(笑)。

 

 まあそうなんですけどね(笑)。でもそんな試合って、すごくロマンティックじゃないですか。だから僕にしかできないロマンティックな試合ってこういうことだなと。技術力では誰にも負けないのに、すぐ倒れちゃう。僕の生き方がロマンティックだなと思って。ホント、「ロマンティック止めて」ですよ!

 

── でも、すごくリスキーですよね?

 

 まあ、僕も35戦してここまで9敗していて、もう無敗とかにはなれないし、龍聖やぱんちゃんや千裕みたいな絶対的な王者ではないですけど、僕はそんなハラハラするところをファンの皆さんに楽しんでもらいたいなって思うんですよ。龍聖たちみたいにはなれないですけど、僕にしか見せられない世界は絶対にあるんで。倒し倒されみたいなロマンティックな戦い方は、『KNOCK OUT』では俺にしか見せられないから、『KNOCK OUTのロマンティック担当』でいきます。

 

── そうすると、またベストバウト賞が獲れてしまいそうですね。

 

 うーん……僕は熱くなって打ち合っちゃう性格だから、ケガがメチャメチャ多いんですよ。だから本音を言うと、ベストKO賞やベストファイター賞がほしいです。ここまで4戦連続ベストバウト賞を獲ってるもんだから、みんな激闘を期待するじゃないですか。

 

── そうなりますよね。

 

 まあ、しょっぱい試合をしないってことは約束します。どうせ熱くなるんで。

 

── 会見では、出稽古の話もされていましたね。

 

壱 はい。センチャイムエタイジムは会長の方針で、出稽古に行くということがなくて。僕も過去1回も行ったことがなかったんですけど、ありがたいことにいろんなお誘いをいただいて、それを会長がOKしてくれたので、初めて行けました。やっぱりやってみると、今までの練習とは違うところがあるんですよね。そこで、今までとは違うステップやリズムの相手に対応する力は上がってきたのかなと思います。

 

── 古村選手も今は東京で練習環境が変わっているので、今回はそういう選手同士の試合になります。

 

 そうなんです。古村君も違う環境での練習で、絶対に変わってくるので。古村君も変わるだろうし、僕は相手の変化に対応する力が上がってるんで、今までの試合とは変わってきそうですね。1戦目、2戦目はムエタイっぽい展開でしたけど、今回はもっと日本人のお客さんが喜びそうな試合になるのかなと思ってます。

 

── そこで勝ってベルトを取り戻して、先ほど言われたように対抗戦に乗り出すと。

 

壱 『KNOCK OUT』の55kgではもう戦う相手がいないですからね。だからここでベルトを取り返して、龍聖やぱんちゃんみたいに外と戦っていきたいなと。「チャンピオンじゃなくてもいいんじゃないの?」って思われるかもしれないですけど、僕がチャンピオンじゃないと、この階級に華がないんですよ。僕がチャンピオンだったらこの階級も輝くと思うんで、やっぱり僕が獲らないといけないと思ってます。

 

── では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

 

 「顔」はもちろんなんですけど……今回は、入場もロマンティックに仕上げます! なので入場から楽しみにしてください!

 

── 分かりました。ありがとうございました!

 

プロフィール  

壱・センチャイジム
所属:センチャイムエタイジム
生年月日:1997年8月15日生
出身:沖縄県那覇市
身長:173cm 
戦績:34戦24勝(9KO) 9敗
獲得タイトル:第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者 元ルンピニージャパン・バンタム級王者