2021/09/12
9.25 KNOCK OUT 2021 vol.4|花岡竜 インタビュー公開!
「ベルトは巻いて当然なのが橋本道場。レベルの違いを見せて優勝します」
9・25『KNOCK OUT 2021 vol.4』の「初代KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級王座決定トーナメント準決勝/3分3R・延長1R」で、空龍と対戦する花岡竜。ジュニア28冠という驚異のタイトル歴を誇り、プロでもイノベーション・フライ級王座を獲得している猛者が、いよいよ『KNOCK OUT』の王座に王手をかけた。優勝への自信しか感じられないその言葉の数々を聞け!
-- トーナメント発表会見では、「空龍選手しか眼中にない」という発言で、他の選手たちがザワつくひと幕もありました。あの会見ではどう感じましたか?
花岡 そうですね、ちょっと話題になりました(笑)。「眼中にない」って言おうと用意して言ったわけじゃないんですけど、相手のこととか考えてたら、やっぱ眼中にないなって思って言ったことだったんです。そしたら相手の2人が「本当にその通りだと思います」みたいな感じで認めちゃってたので、「やる気あるのかな?」と思って(笑)。「試合やるんでしょ?」と。いや、そこで認めたらそりゃあ勝てないよって思っちゃいましたね、ちょっと。それだけ印象に残ってます。
-- 実際トーナメントの話が来た時は、自分のためのトーナメントという感じがしましたか?
花岡 いや最初は、濱田選手がずーっと「BLACKのスーパーフライ級王座を作りたい」みたいなことを言ってて、それに乗っかった感じだったので、前回ポッと出で出てきてKOして、呼ばれましたよみたいな感覚だったんですけど、会見では「優勝の大本命」って宮田プロデューサーに言ってもらって、「あ、そうなんだ!」っていうので、あの場で気づきました(笑)。
-- そうなんですね。軽い気持ちで受けたということでもないでしょうけど。「よし、俺のトーナメントが来たぜ!」ということでもなかったと。
花岡 そうですね、どちらかというと「トーナメントか、頑張ろう」ぐらいの気持ちだったんですけど、あの一言でもうプレッシャーというか、「あ、勝たないと!」という気持ちになりましたね。
-- タイトルもかかっているわけですし、優勝してタイトルを、という気持ちはやっぱりありますよね?
花岡 はい、それはもちろん。もうでも本当にあれを言ったからにはっていうのもあれですけど自分にも追い込みをかけようと思って「眼中にない」とかちょっと大胆な発言をしたんですけど、もう練習はメチャメチャやってるんで、本当に負けらんないなっていう気持ちは誰よりもあると思います。
-- では改めて、準決勝の相手である空龍選手についてですが。
花岡 アマチュアの時からずっと知ってたんですよ。格闘技雑誌でアマチュアの試合結果を見ると、関西の大会では常にMVPとかチャンピオンになったというのが載っていて、全国大会とかでも一緒だったりしてたので、「強い子がいるんだな」と思ってたら、デビューしてたんだっていう感覚でしたね。
-- なるほど。それで今回、改めて映像を見たと。
花岡 はい、名前を聞かされて「空龍って誰だ?」と思ったんです。それで本名を見て「あ、この子か!」って言って映像を見たんですけど、その自分がタイトルの認定試合した時の相手と試合してて、その相手に引き分けだったんですね。それで、ああ、そんな感じかっていう印象でした。
-- そこで見た動きや技についてはどういう印象を持ちましたか?
花岡 本当に、見て思ったのは「特にないな」ということなんです。
-- ほう。
花岡 見てたら、「やりやすい相手なんだろうな」と思いました。突っ込んできてくれるんで。前に前にっていう気持ちはすごく強いなと思うんですけど、あんまりテクニック重視ではないのかなと思いました。
-- では、注目はしていたけど、今は自信があると。
花岡 もう自信満々ですね。負けるとこが想像つかないです。
-- そうすると、「注目はしていたけど負けるところが想像つかない」相手と準決勝を戦って、「あなたたち大丈夫なの?」という2人のどちらかと決勝で戦うということに……。
花岡 はい、そうなんです(笑)。だからもう本当にプレッシャーですね。ここで落としたらどうしようっていう、そのプレッシャーだけがあります。
-- そのプレッシャーをはね返すには練習しかない?
花岡 でも練習しているうちに、だんだん自信も湧いてきて。やっぱりプレッシャーがかかるってことは、周りも「当たり前に獲るだろう」と期待してくれてるのかなって、ポジティブに考えてるんで。そこらへんもだんだん、試合が近づくにつれて平気になってくると思います。
-- じゃあもう、死角は何もないじゃないですか。
花岡 ないですね。あとは自分自身だけです。
-- しかも、ワンデー・トーナメントという部分にも問題はないという話でしたね。
花岡 はい。実際、プロになってからはやったことないので、「足折れちゃったらどうしよう」とかは考えるんですけど……疲労とかスタミナに関しては、アマチュアの時から1日3試合、4試合ってトーナメントでやってたので全然問題ないとは思うんですけど、やっぱりケガがちょっと怖いですね。
-- ただ、「ケガしないような試合」をするというわけにもいかないですよね?
花岡 やっぱり、試合がつまんなくなっちゃうというのが一番イヤなので、極力倒しに行ってのケガだったらちょっとは納得するんですけど、やっぱ逃げ腰というか守り気味の試合でケガして足痛いとかなったら自分にイライラしちゃうので、攻めて攻めてという気持ちでいこうというのはあります。
-- 2試合あるから、できる限り短時間で決めたという気持ちはあったりしますか?
花岡 もう、準決勝はとにかく1R、2R以内には決めたいとは思います。
-- どういう技でというのは?
花岡 毎回、どういう技でというのは決めてないんですけど、試合になると相手のガードが開いてるとことかがフワって見えるんですよ。本当に、そこを狙っていくとやっぱり当たるなっていうのがわかってきて、そういうところを狙っていけば倒せるかなと思います。
-- おお~! それはいつ頃から見えるようになったんですか?
花岡 アマチュアで100何戦してからだんだん見えてきて、プロになってからはもっとハッキリ見えるようになって。タイトル取った後ぐらいからはずっと、「ここだ!」「ここだ!」みたいな感じのタイミングで突くと、相手が嫌がるなっていうのはだんだん見えてきてます。
-- どこを取っても、負けが考えられないようなコメントにしか聞こえないですね(笑)。
花岡 そうですね。でも映像とかはちゃんと見て、「これがうまいな」とかはちゃんと認識してるんですけど、それを見ても対策すれば勝てるみたいな。何が来ても「これやれば勝てる」っていう感じで、「勝てる」にしかつながらないので、全然平気かなと思います。
-- 決勝はどちらが上がってきてもという感じですか?
花岡 はい、もうどちらが出てきてもいいかなと思います。対策とか分析は、一応全員分やってます。空龍選手と心直選手がサウスポーなので、今はちょっとサウスポーを重点的にやっていて、濱田選手はゴリゴリで前に出てくるだけっていう印象なので、それをちょっといなしてみたいな練習はしています。
-- 2試合勝てばチャンピオンということですが、『KNOCK OUT』のベルトについてはどうですか?
花岡 獲れたらうれしいのはうれしいと思うんですけど、獲って満足ではないと思うので。やっぱり勝ち方にこだわろうかなと思ってます。
-- もともとイノベーションの王座も持っていて、橋本道場には周りにたくさんチャンピオンがいて、チャンピオンであることがもう当たり前という感覚になってないですか?
花岡 獲ってナンボっていうのは、けっこうありますね。アマチュアの頃からずっとベルトを巻いてきたので、巻くうれしさっていうのはあんまり感じなくて。初めてベルトを巻いた時も、個人的な試合内容が本当に最悪で、獲っても「よっしゃー!」みたいにはならなかったですし。でも逆にあの前回ウィサンレック選手に勝った時とかは、ベルトとかないですけど本当にうれしかったので、やっぱりもう、ベルトは巻いて当然というか、持って帰ってこその橋本道場みたいなところがあるので、やっぱり試合内容を一番気にしてますね。
-- 勝って『KNOCK OUT』のチャンピオンの中に並ぶということは、責任を持ってイベントを引っ張るべき人間の一人になるっていうことにもなると思います。そういう部分での意識というのは?
花岡 そこはやっぱり、獲ったからにはどんどん引っ張っていける存在になっていけたらなとは思います。『KNOCK OUT」を見に来る人っていうのはやっぱりKOを期待するじゃないですか。本当にどんどんどんどん、アグレッシブに倒して盛り上げられるような選手になって、鈴木千裕選手とかぱんちゃん璃奈選手みたいに盛り上げていけたらなというのはあります。
-- 特に花岡選手の場合は、前回の松﨑公則戦でもコーナーに詰めてから見せたような技の多彩さが持ち味だと思います。観客を驚かせるような倒し方を何か用意しようというような考えは?
花岡 今まで、失神KOというのがないので、ハイキックとかパンチとかで一瞬を狙って倒していきたいなというのは思ってます。
-- 今回のトーナメントを通じて、一番注目してほしいポイントは?
花岡 もう他とは違うスピード、スタミナ、テクニックにはもう絶対注目してもらって、その中で、いつ倒すのかなっていうのを楽しみに見ていただけたらと思います。
プロフィール
花岡竜(はなおか・りゅう)
所属:橋本道場
生年月日:2003年11月30日
出身:東京都昭島市出身
身長:165cm
戦績:10戦8勝(3KO)1敗1分