2021/09/22

9.25 KNOCK OUT 2021 vol.4|team AKATSUKI・良太郎代表 インタビュー公開!

 

 

 

「トーナメントに大事なのは“流れ”を掴むこと。“流れ”は確実にウチにあります」

 

 

9・25『KNOCK OUT 2021 vol.4』の「初代KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級王座決定トーナメント」に出場する濱田巧の師匠・良太郎代表。自身も『KNOCK OUT』を代表する激闘ファイターの一人でもありながら、今大会には濱田、そして安達浩平と2人の選手をタイトル絡みの試合に送り出している。1日で一挙2冠を獲得して「AKATSUKI祭り」は実現するのか?

 

 

 

-- 濱田選手と安達選手の準備で、良太郎代表が大変なことになっているという話を伺っていますが。

 

良太郎 はい(笑)。実際大変ですね、体がけっこうグチャグチャになってきました。2人ともタイトルが絡んでる試合なので、ミットもラウンド数を多くやっていて。一応分担という形ではやってるんですが、安達と濱田以外の選手も試合がバンバン決まってて、プロの選手だけじゃなくジュニアの王者とかも含めて、3~4時間とかぶっ続けとかなので、いやあ~、参ったっすね(笑)。慣れてますけど。

 

-- それだけチームが好調ということですよね。

 

良太郎 好調なんですかね? あんなポンコツのオンボロ道場にしては頑張ってると思うんですけど。だって、雨が降ったら浸水するんですよ? ありえなくないですか(笑)。

 

-- そうですか(笑)。そんな中で、濱田選手の仕上がり具合はいかがでしょう?

 

良太郎 前回の酒井柚樹戦を見てもらってわかると思いますけど、フィジカル面とか体つきは充実してますね。ファイトスタイル自体は、彼の試合を見たことある人は分かると思うんですけど、どちらかというと自分の直感とかをリングの上で信じて出せる選手なので。もちろん練習してきたことをしっかり出すこともできるんですけど、パワー、スタミナ……、あとは正直、トーナメントは根性が一番必要だと思うんで。そこに関してはかなり自信を持ってリングには上げられるかなという感じですね。

 

-- 初戦の心直選手もかなり自信を持って臨むようなんですが、どう見ていますか?

 

良太郎 心直選手は小学生ぐらいの頃からウチでたまに練習してましたし、ウチの選手とも何回か試合もしてたので、手の内は分かるっちゃ分かるんすけど。言ってしまえば、僕からしたら子供の頃から見てるからという目線もあるんですが、1選手として見てもレベルもしっかり上がってますし、テクニックもしっかりあると思うので、向こうも逆にこうくるだろうということは重々分かっていると思うので、そこはしっかり対策を取って。

 

-- 展望は?

 

良太郎 正直、トーナメントは優勝することが第1条件だと思ってるので。いい試合をしても負けちゃったら何の意味もないですからね。結果的に最後に笑えるように指示は出すんですけど、本人が今回はそのまま気持ちを前に出して、打ち合いとかを仕掛ける可能性があるんですが、そうなった場合、僕は選手を信じているので。あとはヒジがないじゃないですか。

 

-- 濱田選手の方はBLACKルールですからね。

 

良太郎 やっぱりヒジありだと、本当に3Rの2分58秒に頭を割れたら終わりとかになっちゃうんですけど、このルールは首相撲はあるものの、そこに関しての危険な距離での戦い方はないので、そこはしっかり、安達とは振り分けてずっとやってきました。

 

-- そこを突破すれば決勝ですが、そこの対策というのは?

 

良太郎 こっちのブロックで言ったら心直選手はサウスポーなのでまずサウスポー対策をして、空龍選手が上がってきた場合は同じサウスポーで、ちょっとファイトスタイルが違うじゃないですか。花岡選手が上がってきたらオーソドックスなので、対オーソドックスと対サウスポーはしっかり振り分けてます。あと正直、トーナメントは半分運みたいなところがあるので、準決勝で相手が何かしらの故障絡みで上がってくる可能性もあるし、そういうのは現場の状況を見ながらこっちが的確に指示を出さないと、トーナメントは獲れないと思うので。ただ「勝った、休め、ホラ行け!」で勝てる世界では絶対にないので。情報収集が僕らの仕事で、戦うのは選手なので、現場でどれだけ情報をかき集めて選手に伝えられるかという感じですかね。

 

-- そういう意味では、濱田選手は、セコンドの指示に関してはどうですか? 試合中に聞けるかどうかと、そこに従うかどうか。

 

良太郎 盲目的に会長とかトレーナーを信じてやる選手と、自分の戦いを、しっかりロジカルに考えて戦える選手がいると思うんですけど、濱田は練習メニューとかを僕が強制することは、もう最近はなくて、ロジカルに考えて「これが必要」「これが足りない」というのを自分で振り分けてやれるんですよ。試合でもそれをすごく考えて、自分のストーリーの中で戦えれば必ず型にハマるんですけど、そこで型にはまらなかった時に僕とかを頼ってきてくれるので、その時に正確な指示を出せれば。それこそ、この前の酒井戦はダウンを取って取られて、延長に行って。そうするとこの相手ジムのセコンドの性格とか選手のコンディショニングと、こっちのコンディショニングを見て、濱田に呼びかけた時に「どうすればいいですか」って聞いてきたので、しっかり指示を出して、結果的に倒して勝ったという形だったんです。本人の中でのストーリーができてるので、そのストーリーの邪魔しない程度に注意しながら戦ってくれれば、かなりイメージ通りの戦い方になるんじゃないかなと思いますね。

 

-- それができれば優勝まで行くと。

 

良太郎 うん、僕は全然優勝できると思いますよ。もちろん、できないと思って送り出すヤツなんかいないと思いますけど。そこまで仕上げるのが僕らの仕事ですからね。

 

 

 

 

-- 濱田選手は近い将来のMMA転向を公言されていて、すでにMMAの練習もされているとの事でした。ご本人はそれによるいい影響も感じているようでしたが、代表から見ていかがですか?

 

良太郎 MMAでは使う筋繊維も違うし、フィジカルの強さは確実についたと思います。あと、やっぱり絶妙な距離感が生まれるんですよね。僕自身も、MMAの選手ともずっと一緒に練習させていただいてるので、どうしても僕らキックボクサーとかムエタイ選手とは違う、絶妙な距離感で戦える力は伸びてると思います。我々のような、純粋なキックボクサーとかからすると、ちょっとやりづらいなと思うリズムは、他の選手よりは持ってると思うので、逆にそれが突破口になってくれるかなとも思いますけど。

 

-- 現時点で、心配な点があるとすれば?

 

良太郎 流れを取られることですね。トーナメントには流れが間違いなくあるので。特に見る目が肥えてる人には、何となくやる前から戦前予想があるじゃないすか。で、トーナメントが始まると、ある流れが絶対に起きるんですよ。その流れがウチに来るようにしたいですね。それができれば勝てます。逆に、流れがあっちに行ってしまった場合はすごく難しいですよね。

 

-- 流れというのは、具体的には?

 

良太郎 当日の試合の順番とかも含めて、いろいろと重なってくるじゃないですか。その流れをウチに持ってきたいんですよね。流れっていうのはけっこう大事で、それこそ今、ウチはプロ選手が連勝、KO続きで来ているので、もうけっこういい流れに持ってこれていると思うんですよ。ジムの士気も上がって、呑み込む力は間違いなくあると思うので、そこは持って行きたいですよね。あとは安達が同日にタイトルマッチがあるので、そこで流れはウチに傾いてくれるかなという感じはしますけど。

 

-- そもそも流れで言うと、濱田選手自身が前回連敗を脱出して、しかも激闘を制して勝ったところでトーナメントという時点で、いい流れではありますよね。

 

良太郎 そうですね。まあ、濱田の連敗というのもチャンピオンクラスの選手たちでしたし、本人はその間しっかり日々鍛錬してここまで仕上げてきてますから、他の3選手よりはそのへんの思いがあると思います。あとはやっぱり、ずっと『REBELS』に出てきてますから。『REBELS』から『KNOCK OUT』ときてるのは、僕や安達と一緒ですよね。その分、看板を背負う覚悟はあるんじゃないかと。

 

-- トーナメント4選手の中では、その点で一番ですね。

 

良太郎 そのへんはやっぱり、僕が『REBELS』のチャンピオンというのもありますけど、ウチ看板を背負うという覚悟も、資格もあると思いますし、それにふさわしいぐらい、彼らは練習したと思うので。

 

-- では、他の3人の代表に対してメッセージを。

 

良太郎 何を言えと(笑)。「いい試合をしましょう」だけですね。俺たちがいがみ合うこともないし、橋本会長なんか顔見知りだし。まあだから、「いい興行にしましょう」と。いい試合をすればいい興行になるし、それは興行の力にもなりますし、お客さんも満足してくれると思うので。

 

-- では最後ですが、当日は濱田選手のどこに一番注目してほしいですか?

 

良太郎 昔は、代表の俺ですら何するか分からないぐらい、突拍子もないことをやるヤツだったんですよ。いきなり変な格好で入場するし、勝手にペプシマンで公開練習とかやるヤツですからね。俺たちは全然知らなかったんですよ!

 

-- ああ、そうでした(笑)。

 

良太郎 でも練習に関しては本当に、真摯に真面目に愚直に取り組んできたので、他の3選手より間違いなく、練習量に関してはウチが一番だと自信を持って送り出せます。それは僕がやれって言ったことじゃなく、全て本人が進んでやったことなので、本人の覚悟と、折れない気持ちを見てほしいですね。アイツは絶対折れないので。アゴをブチ抜かれて意識を飛ばされない限りは絶対折れずに気持ちを前に出していくので、そこは選手がお客さんに見せられる一番熱いところだと思うから、そこはちょっと期待してほしいですね。お客さんの気持ちに火が付くような試合を見せてもらえればという感じですかね。

 

 

 

 

 

プロフィール
teamAKATSUKI 代表
良太郎(Ryotaro)

◇Twitter
良太郎 @Ak_Bl_1221