2022/04/19
4.17 KNOCK OUT 2022 vol.3|一夜明け会見レポート
2022年4月17日(日)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT vol.3』の一夜明け会見が、18日(月)都内にて行われ、勝利した7選手が出席した。
メインイベント、初の国際戦でメディ・ジライフィ(スペイン)を延長判定で下し、連勝を10に伸ばした龍聖(TRY HARD GYM)。キャリア10戦目にして初の国際戦に臨んだ龍聖は、前夜を振り返り「やっていてやりづらさはありました。作戦や課題は少しできたので、成長はできたかなと思いますけど、試合は難しいなあと思いました」と感想を語った。
対戦したジライフィのやりづらさを「手足が長くて、動きが独特」と感じたという龍聖は、戦前にトレーナーから「今回は難しい相手」と指摘されていたそう。その言葉に「スカ勝ちしてやろうと思った」と意気込んだが、思うようにはいかなかったと、改めて苦戦を振り返った。
一方で、龍聖は収獲だったポイントもあると語る。「3R戦うのが今回で3回目、延長は初めてでしたけれど、スタミナにはだいぶ余裕があった」と、ガス欠の心配はなかったという。
その成果は取り組んでいたスタイルの改善が功を奏したという龍聖。以前のままなら「殺傷能力があったので、どっちかが当たってどっちかが倒れるような展開になっていた」と大きなリスクに直面する恐れがあったという。しかし延長までもつれ込みはしたものの、強豪を相手に競り勝った結果に「いつものスタイルと違うので『龍聖がやられている』と思った人もいるかもしれないですが、しっかりガードもできていたので平気でした。何でもできるところを見せたいと思っていましたけど、今回はしっかりと勝ち続けられたことが大事」と、無敗記録を更新できた点に満足と安堵の表情。
「(トレーナーから)いつもボロクソ言われるんですけど、人生で初めて褒められました」というエピソードが、紙一重の激戦であったことを物語った。
改めて苦戦となった国際戦の感想を「情報も無いし、ああいうスタイルの選手は日本にあまりいない。全部が経験となりました」と語る龍聖。「まだまだ強いやつもたくさんいると思うので、もっと強くなって勝っていきたい」と、今後も積極的に外国人との試合を臨む姿勢を見せた。
なお、この一戦の勝者には、講談社「イブニング」誌で「創世のタイガ」を好評連載中の漫画家・森恒二氏より「創世のタイガ賞」としてWINボーナス30万円が贈呈されることが発表されていた。ボーナスを手にした龍聖は「もらえると分かった時から使い道は決めていました」といい、「自分で封筒に振り分けて、チームのみんなに渡しました」と、激戦を支えたチームメイトへ贈ったという。
最後に龍聖は「圧勝でロボットのように勝っていくのもいいですが、人間味溢れるファイトをしたい。初めて見に来てくれた教え子たちに人間味溢れるファイトを見せたかったけれど、それが昨日はできなかったのですごく悔しい」と語った。自らを「才能溢れる、天才みたいに扱ってもらえるけれど、実際の僕はそうではない」と評価する龍聖。「もっと泥臭くじゃないけれど、勝っていく姿にみんなが共感してくれるような選手になりたい。これから先の僕のストーリーを楽しみに見てもらえたらと思います」と、決意新たにファンへ応援を呼びかけた。
■渡部太基(TEPPEN GYM)※杉原新也に判定勝ち
「まずは勝てたことに一番ほっとしました。まず結果が付いてきてよかったなという感じですね。
(相手の杉原の印象は?)タフでしたね。打たれ強いし、倒せるかと思うシーンが何回かあったんですけど、そこも倒れずに向かってきて。試合後にちょっと喋って、憧れの選手と言ってくれて、何が何でも食らいついていきたかったという話をされて、本当にいい選手だなと思いました。
(自分に憧れてプロでやると決心した選手とやるというシチュエーションについて)時の流れを感じましたね。そんなになっちゃったんだと。
(相手がなかなか倒れない中でどう攻めようと思っていた?)あちこち散らしていろいろやったつもりだったんですけど、攻め疲れしてなかなか倒しきれなかった。気合いと根性で。意地とプライドもありますし。下からくるというか、憧れているっていう相手に情けない試合はできないし、ここは通さんぞ、という気持ちでがんばりました。
(大会ベストバウトという評価に)必然とそうなるとは思っていました。とりあえずよかったですね。
(前日会見で触れた新しい動き、技は)ぶっちゃけ、ちょっと試したんです。『お、当たった!』という技もありましたが、追撃はできず単発で終わってしまったので、これからも出すのでまだ何とは言えないんですけど、でも当たるんだなという感覚はつかめたので、ものにしていきたいなとは思っています。
(試合後のマイクでは6月決定と宣言していたが)最初からそう思っていますけど。どうですか?
(宮田P)前向きに考えたいと思いますね。
(こういう相手とやりたいという希望は)お互いに『KNOCK OUT』を体現できる相手。お客さんが見たい試合をしたいので、勝って当たり前とかも嫌ですし、勝負して。すぐにベルトは難しいのかもしれないですけど、そういう機会が与えられるのであれば、死ぬ気で獲りにいきます。
(ヒザ蹴りをもらっていた印象だがダメージは)そんなにもらっていましたっけ? ちょこちょこもらいましたけど、打たれ強さには自信があるので、またノーガードで結構やっちゃいましたが、そんなにダメージはないです。
(前日計量で『メインが注目されている大会』と発言していたが)メインにかかわらず、ベストバウト、渡部の試合がよかったって言われたいので。ポスターにしても扱いが全然違うなというのは悔しいと思っていましたし、それは試合で見せていくしか僕にはできないので、そういう気持ちです。
(ファンにメッセージ)6月、これから決まると思うので、ファンの求めている試合をして、与えられた相手を倒して、ベルトに近づいていきたいですね。これからも注目よろしくお願いします」
■中島弘貴(LARA TOKYO)※コーンリーチに2RKO勝ち
「昨日は自分の悪いところが出ちゃったんですけど、勝って兜の緒を締めるみたいな感じで、自分にとってプラスになる試合になったなと思います。
(悪かったところとは?)一発で決めようとしすぎた感じです。
(1Rから決めようという気持ちが出過ぎた?)向き合ったときになんとなくいけるなと思っちゃって、狙い過ぎちゃった感じです。
(2Rに一発で仕留められた感触)1R終わってちょっとやばいなと思って。このまま良くない流れで判定に行ったらまずいなと思って。何とか2Rで仕留められたなという感じです。
(試合の中でズルズルいかずに修正できた手応えは)それは良かったなと思います。
(試合後に日菜太の呼びかけに応える形で代々木での対戦を承諾する形だったが)『KNOCK OUT』の70kgでやったら面白いし、盛り上がるカードかなと思いますし、昔のK-1 MAXを見ている人からしても興味のあるカードかなと思っているので、やって盛り上げようかなという感じでした。
(まだ決定ではないが、やったら自信は)前から試合を見ていて、結構ここで倒せるなという穴は自分は見つけていて。簡単にはいかない相手ですけど、ちょっと穴は結構あるかなと思っています。
(決まったら自信はある?)確実にKOで倒します。
(ファンにメッセージ)まだまだ自分も強くなっている実感があるので、次の試合も強い自分を見せたいなと思っています」
■REITO BRAVELY(BRAVELY GYM)※スアレック・ルークカムイに延長RKO勝ち
「ただ単純にうれしいです。たぶん会場にいる皆さんも、僕が勝つとかあまり思っていなかったと思うんですけど、そんな中でも下剋上でああいう形になって、『KNOCK OUT』のファンの皆さんとか、ライト級にいる選手みんなに好印象を与えられたと思うのでうれしく思います。
(本戦終了時にどうなると思っていた?)試合中はもうドローなんだろうなと思っていました。絶対に延長に行くだろうなと思っていました。
(本戦でのスアレックの圧力、攻撃にどう感じた?)スアレック選手の試合をいろいろ見た中で、いろいろな選手とやるときによって前に出てきたりとか下がってみたりとかしていたので、僕の時は前に出るのかなと思っていたんですけど、結構下がる感じで、僕の方が圧力をかけていたので、やりやすかったというか。圧力的にはあまり感じなかったですね。
(3Rにスアレックがこかしを多用してきたが)それこそ12月に行われたKODOで、僕の先輩のNOBU BRAVELYがM-1の世界戦をしたときに、こかしで結構5Rにやられていたので、それを3Rにしてきたときは上手いなと思いましたけど、絶対ドローだなという確信はあったので、大丈夫だと思っていました。
(延長に入ったときにどう戦おうと思った?)結構ボディが効いていた、ボディで削れていたので、あと1~2回ボディを打ったら倒れるかなと思っていたんですけど、結構ボディを我慢強く耐えていたので、そこを敢えて使って左ストレートで仕留めようとは考えていましたね。
(当たったときの手応え)感触的にはなかったんですけど、ぱっとみたら倒れていて。立つかなと思ったんですけど、立とうとしたときにぐらついていたので『これは立てないな』と勝利を確信しました。
(マイクで6月へのアピールがあったが)スアレック選手は現チャンピオンの重森選手と2回やって1回勝ってて、次にタイトルマッチで負けていますけど、いろんな『KNOCK OUT』のライト級の選手と試合をしていて、その選手を延長でKOできたというのは、結構でかいなと思ったので、僕は出る権利があるだろうと思って、思い切って言いました。
(KNOCK OUTライト級の中で急浮上となったが)ライト級にこだわらず、一個下のスーパーフェザー級でも全然やるんで。今スーパーフェザー級にチャンピオンいるんですかね? いないんで、そのスーパーフェザー級のベルトを狙って2階級制覇でも。(宮田P:60kgに落ちるんですか?)落ちます。なので、スーパーフェザーでもがんばります。
(宮田P)2カ月ちょっと前の4月大会は、そういう意味でマッチメイクさせてもらったので、そこでいい勝利を飾ってケガがなくてスタンバイできるということであれば、前向きに考えます。ライト級がここに来て盛り上がってきつつあるので、重森選手や高橋亨汰選手だったり、新日本キックの選手がいるんですけど、彼らを巻き込んだ形で。チャンピオンは重森君ですし。ちょっと考えてみたいと思いますね。ライト級の2試合が大当たりだったのは大きいと思います。
(前日会見でスアレックにプレゼントしていた肉のタオルはどこで探した?)ネットで買いました。
(ファンにメッセージ)今回で『KNOCK OUT』のファンの皆さんに僕の存在を知ってもらえたと思うので、皆さんに注目してもらえる、応援してもらえる選手になりますので、これからも応援お願いします」
■潘隆成(クロスポイント吉祥寺)※庄司啓馬に1RKO勝ち
「とりあえず連敗をしていたので、ホッとしている。うれしいよりホッとしているというのはありますね。ああいう結果になったのも、庄司選手が試合が始まったときから腹をくくって出てきているなというのがわかって、ああやって来てくれてああいう試合になったと思うので、庄司選手をリスペクトしたいですね。
(フィニッシュの右。直前にも同じ右が入っていたが)あれはずっと狙っていたわけではないですけど、本当に練習の時から会長にしっかり作戦を立ててもらっていて、しっかり蹴って削って、組んで削って、あとは自分が負けるときのパターンを潰してもらっていたので、それをやった上でのフィニッシュだったのかなと思うんですけど、1R始まった時に一回合わせたら、一回入りそうだなと。そこでやっぱり会長とかの指示をセコンドから聞いて、まだそこは狙うところじゃないなと思って、2R以降で狙っていこうと思いました。あそこで出てきてくれたので、いいタイミングで入ったなという感じでしたね。
(庄司の動きは想定と違っていた?)小磯選手との試合を見ていたんですけど、パンチもすごくシャープになっていたし、結構ガンガン出てくるなというイメージがあって、想像よりもいい選手だな、練習してきたなと試合中に思いました。
(この勝利を踏まえ、ライト級での今後は)選手も増えてきて、面白くなってきたと思うんですけど、自分は今回復帰戦で勝ったという感じなので、これからはしっかり勝っていってという感じになると思います。
(昨日のようなKOする感覚は今後に繋がる?)作戦通りしっかり削って蹴っていって、ああいう結果になったと思うので、そこの感覚、右で倒すというのではなくて、しっかり作戦立ててもらってたのをセコンドの声を聞いて実行してというのが大事だなと思うので、いい感覚をつかめたなと思いますね。
(同階級でREITがスアレックに勝ったが)直後だったので見ていなかったんですけど、結果を聞いたときにはびっくりしましたね。すごいなと思いましたし、ライト級が盛り上がってきているなというのはあるので、映像が上がったらしっかりチェックしたいと思います。
(試合後のマイクの心境は)本当は言うつもりじゃなかったんですけど、結構プラベート面で去年から(いろいろあって)、今回の試合も仕上がるか試合が出来るかわからなかったんですけど、そこで気持ちを家族に伝えたいなと思って喋りました。試合前に結構しんどかったですけど、会長含めジムの仲間を信じてやってきたので、感謝の気持ちが出たという感じですかね。
(ファンにメッセージ)応援ありがとうございました。皆さんの支えがあってリングに上がってああいう結果になったと思うので、これからもしっかり盛り上げていきたいと思います」
■工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)※加藤和也に2RKO勝ち
「単純に試合に勝ててうれしいです。1年振りだったんですけど、1年って結構長い感じがしますけど、全然そんな感じがしなくて、本当にすごくリラックスして気持ちよく戦えました。
(最初のダウンからフィニッシュまでの手応え)一番手応えがあったのが1R目の最初のダウン。2R目は正直そこまで手応えがなくて。『あれ?倒れたんだ』という感覚でしたね。
(1年振りの試合をKOで決められた要因)那須川会長にも言われたんですけど、気持ちが出たなと言われて、僕もそう思ったんですけど、気持ちですかね。気持ちが全面的に出ていたと思うので、それがやっぱり一番です。
(宮田Pから4試合目で大会を締めたと話が合ったが、待っている間は意識をしていた?)待っている間は特に何も考えていませんでした。いつもよりちょっと遅いな、というくらいの感覚でした。
(宮田Pから感謝の言葉があったが)ありがとうございます。
(1年振りの試合をいい形で勝てた。今後のビジョンは)あまり大きいことをいうのもあれなので、とりあえず6月は出たいです。何試合目でもいいので、先ほど宮田さんが行ってくれた、会場に火をつけるじゃないですけど、僕はもともとファイヤー原田の弟子なんで、会場に火をつけるような組み方でもかまわないので、しっかり『KNOCK OUT』を盛り上げる要員として、参戦したいですね。
(昨日はスーパーバンタムでの試合。今後の希望階級は)どちらでも。
(組まれた方で?)はい。どちらでもいけます。
(今年はどういった年にしたい?)今年は去年一昨年とあまり試合ができなかったので、今年はもう4月ですけど、去年一昨年以上に試合をこなす。勝ち星が欲しいので、本当に勝ちに飢えているので、昨日で10勝目だったんですけど、11勝12勝……15勝と本当に勝ちたいので、勝ちを増やすために試合をやりたいです。
(ファンにメッセージ)今後も『KNOCK OUT』に参戦して戦っていくつもりです。やっぱり『KNOCK OUT』という興行の名前にふさわしいKO勝利を目指してやっていきますので、応援よろしくお願いします」
■乙津陸(クロスポイント大泉)※阿部晴翔に判定勝ち
「昨日の試合は初めてのヒジ有りルールで、すごく楽しみでもあったし、緊張する一戦で、判定でしたけれど勝ててほっとしています。
(やりづらそうな印象だったが)昨日の試合は、蹴りをいっぱい出すという作戦でやっていて、作戦通りできたのかなという感じです。
(相手がやりづらいといったことはなかった?)はい、特になかったです。
(初のヒジ有り。ヒジに関しての印象は)ヒジを出したんですけど、距離が合わなくて、難しいなと感じました。
(REDとBLACK、今後はどちらがいい?)今後はREDがいいです。
(昨日手応えがあった?)やってて楽しかったというのがあります。
(宮田P:BLACKも組んでのヒザが認められている。違いはどういうところに感じた?)BLACKだとヒジがないので、突っ込めるんですけど、REDだとそういう駆け引きがあって、無理の突っ込めないのがワクワクするなと思いました。
(宮田P)REDは非常に緊張感がある。昨日もライト級で2試合あって、それぞれいい試合だった。2つルールがある中で、やってみたいならその道で突き進んでもらっていいと思う。阿部選手もいい選手でしたが、スーパーフライ級でキャリアがあるファイターはまだまだいますので、そういう選手とやっていずれムエタイの選手ともやる機会があるでしょうし。乙選手がそういうつもりなら、そういうマッチメイクをしていこうと思います。まだ早いと思いましたが、危険なところに飛び込みたい年頃なんですかね。いいと思います。
(これで4連勝。代々木大会を熱望していたが)代々木大会にすごく出たいです。(宮田Pへ)次は絶対に倒すので、ご検討をお願いします)
(宮田P)大きい会場はリングから見る景色も違うし、応援して下さる方の反響も違う。たくさんのファイターから出たいというアピールがありましたが、試合数が限られるので、これから調整していきますが、勝ってやる気のあることを言ってくれるのはありがたいので、しかと受け取ります。
(ファンにメッセージ)昨日はヒジを思い通りに出せなくて斬れなかったんですけど、次はもっとヒジを上達させて、斬れるヒジを出して、次の試合もがんばります。応援よろしくお願いします」