2023/11/29

MAROOMS presents『KNOCK OUT 2023 vol.6 』|公開練習レポート

 

 

 

 

 2023年12月9日(土)東京・後楽園ホールにて開催される、MAROOMS presents『KNOCK OUT 2023 vol.6』に出場する三上ヘンリー大智の公開練習が都内にて行われた。三上は「KNOCK OUT-UNLIMITED クルーザー級 3分3R・延長1R」でパトリック・ケンソン(カメルーン)と対戦する。

 

 今大会で初の試みとなる新ルール「KNOCK OUT-UNLIMITEDルール」は、オープンフィンガーグローブ(OFG)着用で、立った状態での打撃に加えて、寝た状態での打撃技が認められるものとなり、投げ技も有効で、相手が寝た状態でのサッカーボールキック、そして寝た状態でのパウンド攻撃が解禁される過激なものとなる。

 

 

 

 記念すべき初戦に抜擢された三上だが、この日の公開練習ではトレーナーが持つミットに右ジャブと左ストレートを披露するだけのものとなった。三上は191㎝という恵まれた長身を活かしてキックのアマチュア大会で戦績を重ね、2019年にシュートボクシングのリングで立ち技デビュー。4戦4勝4KOのパーフェクトレコードを記録しMMAに転向し、4戦3勝1敗の戦績を誇る。

 

 現在の練習状況について三上は「コンディションや練習の仕上がりは試合当日になってみないと分からないけど、今のところ問題なく進んでいます。普段は1週間のうち1日くらいしか立ち技を練習しないのですが、今回はキックの試合ということで、立ち技の比重が大きくなるので、今はそこの部分の練習時間を少し増やしています。自分は打撃で勝負したいタイプの人間なので、打撃の比重が大きくなるのは嬉しいです。いつものMMAの試合より楽しみです。初めてのルールの試合にふさわしく、こういうものもできるのか!? と思われる試合展開をやっていきます。魅せ方にこだわると足元を掬われると思うので、そこは慎重にやって、できることを試合の中で自分の中で実験したい」と試合が待ち遠しい様子。

 

 対戦するケンソンはカメルーン出身の極真空手チャンピオンというキャリアの情報しかなく、三上は「研究材料が一切ないので、印象は分からないです。自分で想像した中で最強の敵だと認識してイメージを作っています。あとは、試合の中で(相手のことを)色々と拾っていくしかないです」と油断はないという。

 

 理想の勝ち方に関しては「こだわりはないですが、KOボーナスが30万円出るのでKOで勝ちたいです。お金は大好きです(笑)。大好きというか、ないと生きていけないです。30万円入ったら格闘技をやっていく上で溜まってしまった借金を返済していきたい。生々しい話ですが、30万入るとだいぶスッキリしますね」とKOボーナス狙いでKO勝ちを予告する。

 

 ちなみに借金については「20代の1年間と30代の1年間は練習をしてレベルアップする質が違うと思っていて、今は仕事を削って練習するので、食事管理などで今月はやばいなと感じたことが何カ月か続いて、お金を借りることになりました。自分への投資です。これから全部回収していこうと思います」と強くなるための自己投資でできた借金だと明かした。

 

 

 

 

 今回は寝ても立ってもあらゆる状態で打撃技が許されるルールとなるが、得意技を聞かれると「ジャブです。攻撃の起点になりますし、“ジャブを制する者は世界を制す”と言われている通り、ジャブに関しては練習しています。MMAの試合で相手にテイクダウンを狙われるような相手でも、ジャブで牽制できれば打撃の距離も取れて打撃の展開に持っていけるというのもあるし、立ち技だけの試合でもジャブを当てられるだけで自分のリズムを作れるので、ジャブは相当練習しているし、そこの部分の自信はあります。今回どうなるか分からないですけど、ジャブを打つだけの展開も面白いのかなと思います」とニヤリ。

 

 

 

 

 サッカーボールキックや踏みつけ、パウンドも有効打となるが「自分が目指している舞台はMMAのユニファイドルール、北米ルールなので、そこはあまり重点的に練習していないです。そこら辺の展開になったら喧嘩みたいな感覚になると思うので、自分を信じるという感じ。もしかしたら咄嗟に出るのかなと思います。相手から来てもそれを頭に入れておけば、何かしらの対処ができると思います。パウンドに関しては、打撃と似たような感覚で角度が変わるだけという認識なので練習していないです」と新ルールに向けた練習もしていないとのこと。

 

 今後については「対戦したい相手? あまり選手の名前は分からないので、ちょっと分からないですね。自分がこの団体の中心になるという意識は全くなく、たまたまチャンスをいただいて、その中でいろいろ経験できるならやってやろうという感覚なので、一戦一戦集中するという感じです。大きな目標や長期的な目標は特に定めていません」と目の前の試合に集中したいとする。

 

 三上は、もともと、『KNOCK OUT』の山口元気代表の山木ジム時代の後輩、故・港太郎の愛弟子だったこともあり、今回の参戦となった。港から教わったことで今も活きていることを聞かれると、「首相手からのヒザ蹴りですね。首相手の展開になったらMMAの試合で組みの選手にも勝負できるので、そこは港先生にみっちり教えてもらったことが活きていると思います。あとは奥足でのミドルキック。相手が右構え、左構えだろうが、相手の開いたところにスイッチして蹴ることをずっと練習してきたことで、バランスとかも含めて活きているのかなと思います」と首相撲とミドルキックに自信を見せた。

 

 

 

 

 最後に「港先生が亡くなってから、先生に捧げるみたいなテーマを持って出た試合がありませんでした。先生が亡くなった後は指導者がいなかったのでジムを変えてプロデビューしました。自分の中では先生の下でデビューしたいという気持ちが強かった中で、今回は港先生と山口代表のそういうつがなりがあるので、先生に捧げる試合ができるのかなと思いますし、先生が現役時代に上がっていた後楽園ホールで試合ができるということで自分の中で気合いが入っています」と試合への熱い想いを語った。