「今まで負けた借りを返す絶好のチャンス。相手の勢いを呑み込みます！」

 

 

 

12・9『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級/3分3R・延長1R」で柿﨑瑠と対戦する井ノ本航希。当初、柿﨑の相手として発表された選手の欠場により、急きょ出場が決まった井ノ本は、これを千載一遇のチャンスととらえている。井ノ本が狙う大逆転はスーパーフライ級戦線に地殻変動を呼び起こすか？

 

 

 

 

 

──　対戦相手の柿﨑瑠選手についてはどんな印象ですか？

 

井ノ本　背が高くて手足が長くて、スタミナがあるというイメージですね。

 

──　柿﨑選手はデビューから4戦全勝です。どういう点に強さを感じますか？

 

井ノ本　4連勝もそうですけど、勢いがあるところですね。そこを今回自分が止めたいと思っています。

 

──　竹田哲紳選手、酒井柚樹選手とは2人とも対戦していますが、柿﨑選手はその2人に勝利、井ノ本選手は敗戦と、対照的な結果になっていますね。

 

井ノ本　以前に自分が負けている相手にしっかり勝っているんですよね。今回は急なカード変更で対戦することになって、自分は逆にチャンスだと思っていて。今まで負けた借りを今回の勝利で全部返せるなと思ってます。

 

──　このところは勝ちと負けが交互に続いていて、戦績を見ると波に乗り切れていないような印象を受けるんですが、ご自身としては？

 

井ノ本　そうですね。デビューから2連勝だったんですけど、そこから勝って負けてが続いていて。あと、ダウンは取れてるんですけど、KOが一つもないんですよ。でもどこかで倒せれば、自分は一気に波に乗れると思ってます。前回の試合からの半年間で、そのきっかけは掴んだ気がするので、それを今回しっかり出して、ここから一気に勢いに乗っていきたいと思っています。

 

──　手応えがあるのはどういう点ですか？

 

井ノ本　一つ前の試合ぐらいから、新しいタイ人トレーナーがジムに来まして、1人はチャモアペットさんなんです。

 

──　元ムエタイ9冠王で、国内でも長くトレーナーをされている方ですね。

 

井ノ本　はい。石毛会長とチャモアペットさんと、他にタイ人トレーナー2人という体制になって、新しい技とかもいろいろ教わっているので、それを今回の試合でしっかり出したいと思っています。

 

──　環境面が充実したんですね。早く試したいのでは？

 

井ノ本　そうですね。酒井選手に負けてからメチャメチャ長く感じてて、やっと今回それが出せるという感じです。また石毛会長とチャモアペットさんがセコンドに入ってくれるのもメチャメチャ心強いです。

 

──　その2人から、特に指導されていることは？

 

井ノ本　技術面はもちろんなんですけど、昨日もチャモアペットさんといろいろ話す中で、「気持ちが大事だ」と強く言われました。それはずっと言われていて、ごはんに行った時もずっとその話になります。

 

 

 

 

──　ただ、井ノ本選手の試合を見ると、気持ちは十分強いように思えるんですが。

 

井ノ本　そうなんですけど、いろんな人から「面白い試合をしても勝てない」と言われることが多いんです。だから今回は絶対に最後まで勝ち切るということを意識しています。今回はダウンも取って最後は倒して、一気に波に乗っていきたいと思います。

 

──　身長差に関してはどうですか？

 

井ノ本　自分はこのスーパーフライ級の中でも一番体格が小さいので、石毛会長との練習でもずっと、自分よりかなり大きい相手をイメージして練習しています。だから戦い方とかは、いつもとそんなに変わらないかなと思います。

 

──　最後、倒すイメージはもうできているんですか？

 

井ノ本　そうですね。必殺技じゃないですけど、大きな技で倒すイメージもいろいろできています。ただ自分がダウンを取っているのはいつも右のパンチなので、そこは信じて戦いたいです。

 

──　ここで柿﨑選手を止めると、この階級では大きなことだと思います。

 

井ノ本　その気持ちは強いですね。カードが変更になって、「これは絶対自分に流れが来たチャンスだ」と思ってすぐにオファーを受けたので、ここは絶対に逃したくないです。

 

──　ここまでプロ6戦のうち5戦が『KNOCK OUT』。このイベントへの気持ちも強いのでは？

 

井ノ本　はい。自分はアマチュアの最後も『KNOCK OUT』でずっとやらせてもらっていて、そこからプロでも出していただいているので、『KNOCK OUT』スーパーフライ級のベルトを狙っていきたいと思っています。

 

──　デビュー戦からずっとBLACKルールですが、ジムではヒジありの練習もされているんですか？

 

井ノ本　いえ、首相撲はやってますけど、ヒジの練習はそんなにやってないです。ただ、自分以外は全員ヒジありで試合に出ていますね（笑）。

 

──　ラジャダムナン王者でもある石毛会長のジムで、ヒジの練習をしないということがあり得るんですね（笑）。

 

井ノ本　確かに、珍しいと思います（笑）。いろいろやってみたいなと思っているんですけど、自分的にもREDよりBLACKルールが向いてるかなと思っているので。

 

──　デビューから丸2年が経ちますが、この先のことはどう考えていますか？

 

井ノ本　デビュー3戦目でコケて、「やっちまったな」と思ったんですけど、今年は次が3戦目であまり試合できてないので、ここでしっかり勝って来年はベルトにつながるような試合に絡んでいきたいです。そのためにもここは負けられないですね。

 

──　では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう？

 

井ノ本　相手は勢いがありますけど、それ以上にこうやってチャンスをもらった自分の方が燃えていて、相手を呑み込んじゃうぐらいの勢いで行くので、そのスピード感とかパワーとか全部を見てもらいたいです。

 

──　分かりました。ありがとうございました！

 

 

 

プロフィール

井ノ本航希
所属：LAILAPS東京北星ジム
生年月日：2000年7月26日
出身：東京都中央区
身長：158cm
戦績：5戦3勝2敗