2022/10/11

10.16 KNOCK OUT 2022 vol.6|クボ マサヤインタビュー公開!

 

 

 

「今は選手としての成熟を実感中。その上で今度の試合は倒し切ります!」

 

 

10・16『KNOCK OUT 2022 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK-66.5kg契約/3分3R・延長1R」でCAZ JANJIRAと対戦するクボ マサヤ。『KNOCK OUT』では3月のApollo中山戦(2ラウンドKO勝利)以来となるが、6月には他団体のリングで自身初のタイトルを獲得している。王者となって臨む今回の一戦には、どんな意気込みがあるのか。そのへんを聞いてみると……。

 

 

 

 

 

-- すみません、情報を追えてなかったんですが、プロフィールに「WMCインターコンチネンタル・スーパーライト級王者」という表記が加わっていますね。

 

クボ そうなんです(笑)。主催者のホームページ以外の媒体に結果が載ってないんですが、6月末に大森のゴールドジムでの大会で静岡のホンダ・イゴール選手と対戦しまして、2回ダウンを奪って5ラウンド判定勝ちしたんですね。それが王座決定戦ということで、こっそりチャンピオンになりました(笑)。

 

-- そうでしたか! それは失礼しました。

 

クボ いえいえ。初の5ラウンド戦だったんですが、ホンダ選手もいい選手で、楽しかったです。ヒジありだったんですけど、そんなにムエタイっぽい展開にはならなくて、ボクシング的な感じでした。2ラウンドに2回ダウンを取ったんですけど、相手が打たれ強くて、そのまま判定までいった感じでしたね。

 

-- 3月のApollo中山戦の後がその試合ということですよね?

 

クボ そうですね。3月に中山戦、6月にタイトルマッチ、それで今回の試合が10月と、試合間隔がちょっと空いちゃって。僕としてはあんまり空けたくなくて、本当は2ヵ月に1回で年6試合までいってもいいぐらいなんですけど、合う選手がいなかったりとか、いろいろあるのかなあと。

 

-- とは言え、今回はキャリア初タイトルを獲得して初の試合ということになりますよね。

 

クボ 一応、『KNOCK OUT』には凱旋ということで(笑)。まあ気持ちは何にも変わんないですけどね。大々的に獲ったわけでもないし。周りから「ベルトを一つは獲っておいた方がいい」と言われてタイトルマッチに臨んだんですけど、僕自身はベルトにあんまり執着がなくて、「あのベルトがほしい!」みたいなのはそんなにないんですけどね。ベルトが獲れて、努力してきたことが一つ形になったのでホッとはしてるし、周りの人たちが喜んでくれたのはよかったですけど。まあ周りからすれば「もっと早く獲れたでしょ!」って感じでしょうけど(笑)。

 

-- そこで今回はCAZ JANJIRA戦ですよ。まず相手の印象は?

 

クボ メッチャ昔からいる選手だなと思って。僕がキックを始めた頃からやってるんじゃないかと思いますね。印象としては、試合でも諦めずに頑張るタイプで、パンチもけっこう強いかなと。ただ、対戦するとは思ってなかったので、試合はそんなに見てなかったんですよ。応援したくなる選手、近い人から愛される選手なんだろうなというのは、前々から思ってました。だから長く続けられるのかなと。僕と違う部分での責任感を持ってやってるのかなという、尊敬の部分はありますね。

 

-- そもそもウェルター級の選手ですよね。

 

クボ 今回、僕もなかなか対戦相手が見つからなかった中、CAZ選手とは階級も違うので、話が流れそうにもなったんです。でもそうするとまた試合間隔が空いちゃうので、何とかやりたいということで、66.5kgという契約体重で実現できました。

 

-- だとすると、クボ選手にとっての今回のテーマは何でしょう?

 

クボ 倒し切ることですかね。いろいろ試したいこともあって、それを試していきながらフィニッシュにつなげていきたいというのが、テーマとしてありますね。

 

-- 「倒し切る」というのはご自身にとっての課題でもある?

 

クボ 求められてることだろうとは思うので、意識して倒しにいきたいなと思ってます。

 

-- 最終的に倒し切るために必要なものとは?

 

クボ 躊躇しないことかなと思います。試合中、自分を最後まで信じ切って戦うことかなと。

 

 

 

 

-- これまでの試合では「勝つ技術」は十分持っていながら、「倒す」ことにはそこまでこだわってはいないのかなという勝手な印象があるんですが。

 

クボ おっしゃる通りだと思います。僕自身、試合中に迷っちゃって、自分の動きができないことにイライラしたまま試合が終わることがけっこう多いんですよ。でも海外での試合の時は、けっこう出るんですよ。出られなかった試合もあるんですけど、「勝っても負けてもどっちでもいいや」って感じで勝負に出ることも多かったんですよね。国内の試合では、力を出しきれないことが多いかなと。

 

-- それは何がブレーキになってるんですかね?

 

クボ 僕は試合がそこまで好きなわけじゃないからかなと(笑)。

 

-- それは衝撃発言ですが(笑)。

 

クボ キックボクシングという競技は凄く好きだし、練習も楽しいし追い込みもキッチリやるんですけど、「勝負」となると「競技」とはまた別なんですよね。「勝負しなきゃいけない」という場面で、心の弱さが出ちゃうので。国内だと、見られてるというのが特にあるし。

 

-- でも今回は、その殻を破りたいと。

 

クボ できるんじゃないかなと思います。自分を客観視した時に、ここ最近の試合で、ひと皮むけて倒せる選手になってきたんじゃないかなと。それをリングで試してみたいというのもありますね。

 

-- それは「燃えている」というのとかとはまた違うわけですね。

 

クボ 僕、今まで試合で燃えたことって、たぶんないんですよ。

 

-- 「燃えたことがない」!

 

クボ モチベーションはずっと高いんですけど、「ここでやってやるぞ!」とか「相手をぶっ倒してやりたい!」みたいなのは基本的になくて。僕のモチベーションっていうのは、誰かに勝ちたいとかじゃなくて、なりたい自分になるためにというのが大きいんですよ。だから対戦相手にもそこまでフォーカスしてなくて、その時その時に自分の決めたことをやれるかというのが、格闘技をやる上での目標なんですよね。だから「ファイター」ではないのかもしれませんけど。

 

-- 試合前のインタビューとしては独特な内容になってきました(笑)。

 

クボ すごくまとめにくいインタビューだと思います(笑)。相手のことをdisったりもできないし。

 

-- それは無理にする必要はないですから(笑)。

 

クボ 相手のことは尊敬もしてるし、相手をどうこうしたいと思ってるわけではないので。イベントとしてはもっとギラギラしてる方がいいんでしょうけど……気持ちとしてはフィットネスの会員さんとそんなに変わらないんじゃないかと思うんですよね。だから僕は“等身大のヒーロー”を目指しますよ(笑)。

 

-- ではそういうところも含めて、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

 

クボ 力強さですね。パンチも蹴りも動きも全部、半年前に『KNOCK OUT』で僕を見た人もビックリするぐらい変わったんじゃないかと思うので。

 

-- そこに重点を置いて強化してきたということですか?

 

クボ 気持ちがノってきたからかなと思います。選手として成熟できてきたのかなと。

 

-- 分かりました。ありがとうございました!

 

 

 

プロフィール

クボ マサヤ
所属:PHOENIX
生年月日:1993年7月23日
出身:広島県広島市出身
身長:173cm
戦績:35戦18勝(7KO)14敗3分
獲得タイトル:WMCインターコンチネンタル・スーパーライト級王者