2022/10/05

10.16 KNOCK OUT 2022 vol.6|中島弘貴 インタビュー公開!

 

 

 

「KOするまでに実は細かい技術を使ってるんです。『俺もそういうのは持ってるぞ』と」

 

10・16『KNOCK OUT 2022 vol.6』の「KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級/3分3R・延長1R」でクンタップ・チャロンチャイと対戦する中島弘貴。クンタップ同様に長いキャリアを持つ中島だが、実はタイ人との対戦は12年前のブアカーオ戦に続いて2回目だという。その一戦を前に、中島はどういう意気込みで臨もうとしているのか?

 

 

 

-- 今回の対戦相手はクンタップ選手です。彼も長く日本にいて多くの試合をしていますが、昔から知っていますか?

 

中島 僕、2010年12月に「戦極 Soul of Fight」でブアカーオ選手と試合する前に、ちょっとだけクンタップ選手と練習したことがあるんですよ。マススパーをお願いして。

 

-- そうなんですか!

 

中島 それ以前は、リアルタイムで試合を見たりはなかったんですけどね。

 

-- 国内にいる70kgのタイ人という意味では貴重ですもんね。その時のこととかって、覚えてますか?

 

中島 どっしりとしたムエタイスタイルで、ミドルが強かったかなというぐらいですね。12年も前なんであんまり覚えていないし、まさか試合をすることになるとも思ってなかったので(笑)。

 

-- そうですよね。ちょうどブアカーオ戦のことも伺いたかったんですが、これまでのキャリアでタイ人との対戦って、その試合だけですか?

 

中島 そうですね。2014年にタイで「THAI FIGHT」に出た時も、相手はカンボジア人だったので。その時は判定で負けちゃったんですけど。

 

-- では、『KNOCK OUT』でサッシス選手、コーンリーチ選手とも対戦しているので、カンボジア人とは計3回当たっているんですね。タイ人は1回なのに。これだけのキャリアと試合数でタイ人と1回だけというのも、かなり珍しいですね。

 

中島 まあヒジなしと、70kgという階級もあるとは思うんですけど、確かにタイ人とは縁がなかったですね。

 

-- ちなみに2010年のブアカーオ戦は、今振り返るとどうですか?

 

中島 うーん、それもかなり前ですからね(笑)。倒さないと勝てないなと思ったんですけど、うまく逃げ切られたみたいな感じでしたね。捕まえきれなくて、仕留められなかったという。

 

-- そういうのを踏まえて、中島選手から見たムエタイってどういうものですか?

 

中島 のらりくらりとして、技術で戦ってるんだなという感じはします。だから、進んでやりたいという感じではないですね。やる時があればやりますけど。

 

-- その「やる時」が来たわけじゃないですか。生涯2人目のタイ人との対戦の時が。今回はどう戦いますか?

 

中島 もちろんKOは狙います。結果的に判定になってしまうこともあるかもしれないですけど、「凄い試合」をするつもりでいます。やっぱり会場のお客さんは「普通の試合」を見たいわけじゃないですし、勝ち方だけでなくそこまでも「凄い試合」、裏切らない試合をしようと思ってますね。

 

-- 「凄い試合」という意味では、7月大会での漁鬼戦も凄かったですよね。

 

中島 いや、あれは「勝って兜の緒を締めよ」じゃないですけど、終わった後は負けたような気分でした。その前のコーンリーチ戦から、自分の動きに雑なところがあって、あの試合でもそれが出てしまってました。いい意味で言えば、そこに気づけたからよかったとも言えますけど。

 

-- そのせいで、漁鬼選手に頑張られてしまった、という感じでしょうか?

 

中島 そうですね、本来なら延長までいかなくても勝てた、勝たなきゃいけなかった試合だと思います。

 

-- では、あの試合の後に兜の緒を締めて、練習で取り組んだことというのは?

 

中島 雑なところを見直して、練習でしっかり動きを確認しました。例えば自分の打ち終わりとか、そういう部分ですね。あとは試合までの気持ちの持っていき方も、ちょっと見直しました。

 

 

 

 

-- コーンリーチ選手も漁鬼選手も、キャリアや実績で言えば中島選手の方が上でしたよね。そのあたりも関係していましたか?

 

中島 いや、相手どうこうじゃないんですよ。最終的に自分の問題なので、相手が誰であろうとそこは変わらないです。コーンリーチもカンボジアでタイトルを獲ってましたし、漁鬼選手も強い選手とは思っていたので。

 

-- では、クンタップ選手がベテランで、ここしばらくは実戦から遠ざかっていることも関係ない?

 

中島 というよりは、実績もすごくありますし、タイ人ならではの技術もあると思いますし。それに、あの年齢まで試合をしているというのも、ファイターの気持ちがあるからだと思うので、ナメてかかることはできないですね。

 

-- 前回延長までいった分、今回は速攻で倒したいとか、そういう気持ちは?

 

中島 試合になってリングで向かい合ってみないと分からないし、KOを狙うのはもちろんなんですけど、ただ殴り合えばいいわけじゃなくて、駆け引きが面白い試合になるかなと思ってるんですよ。その上でシンプルにKOまでいければいいかなと。自分もテクニカルな面は持ってると思っているので。

 

-- 中島選手というと、一般的には「豪腕でなぎ倒してKO勝ち」というイメージがあるかと思います。それに対して、「いやいや、技術もあるんだよ」という気持ちもある?

 

中島 けっこう、目線でフェイントをかけたり、相手が息を吸ってるか吐いてるかを打ったりはしてるんですよ。そういうのはあるんですけど、やっぱり周りからは「ただ殴って勝ってる」みたいに思われてる感じはしますね。

 

-- では、実はそういう細かいテクニックも見てほしい?

 

中島 いや、見てほしいというわけでもないですけど、「俺も持ってるんだぞ」という気持ちはありますね。KOで倒すまでに、いろいろ技術は使ってるので。まあただ、7月の試合は「ただ殴ってるだけ」みたいになっちゃったところがあるので、何とも言えないですけど。

 

-- それもあって今回は、しっかり技術を使った上でKO勝ちすると。

 

中島 そうですね。もし相手がタイ人らしくのらりくらりとした感じで来ても、それはそれで捕まえる技術もあるので。特にタイ人はいくら俺が振り回しても、それでうまく倒すことはできないと思うんですよ。最後はスカッと勝つところをお客さんに見てもらうために、必要な技術を使ってそこに持っていきたいと思います。

 

-- そういう細かい部分も見てもらえるともっといいですよね。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?

 

中島 今さら中途半端な試合をするつもりはないので、勝ち方にもこだわりたいと思ってます。その勝ち方を見てほしいです。

 

-- 分かりました。ありがとうございました!

 

 

 

プロフィール

中島弘貴(なかじま・ひろき)
所属:LARA TOKYO
生年月日:1988年7月5日
出身:東京都八王子市
身長:175cm
戦績:46戦30勝(18KO)16敗
獲得タイトル:元Krushスーパーウェルター級王者、K-1 WORLD MAX 2010日本トーナメント準優勝、Krush-70kgトーナメント2009優勝