「タイトルマッチでの敗戦を経て、また進化した自分を見せる!」
7・20「MAROOMS presents KNOCK OUT.55」の[KNOCK OUT-BLACKライト級/3分3R・延長1R]で木村涼仁と対戦する大谷翔司。5月に大沢文也に敗れてBLACKライト級王座の初防衛に失敗、4戦目となる新鋭・木村を相手に再起戦を行う大谷。そこから這い上がる姿を、彼はどう見せようとしているのか?
──5月のタイトルマッチは残念な結果でした。今、試合を振り返ると?
大谷 自分の中で勢いに乗っていたというのもあって、少し過信していたのかもしれないという思いが今はあります。もっと作戦や戦略面にも重点を置いて、緻密な対策をするべきだったなと思います。
──やりたいようにやらせてもらえなかった?
大谷 そのへんはある程度分かっていたんですけど、その中でもワンチャンス、ツーチャンスをものにできると思っていたし、ものにしないといけないとずっと考えていたんですけど、もう少し、判定で勝ちきるということも考えて練習すべきだったんじゃないかなと、後から思いました。大沢選手は試合の中でのポイントを客観視して、その見せ方がすごくうまかったと思うんですけど、自分もそういうところも考えながら、今後やっていかなきゃいけないんじゃないかなと感じました。

──負けてベルトを失った悔しさはもちろん大きいと思いますが、それ以上に、フラストレーションの溜まる負けだったのでは?
大谷 というよりは、倒せない自分にガッカリしたというか、「まだ弱いんだな」と感じました。そこをしっかり受け止めて、もっと強くなっていかないといけないなと。
──そして、再起戦は思ったより早かったですね。
大谷 そうですね。まず試合が終わって、多少ケガもあったので「少し休もうかな」と思っていた中で、山口元気代表から試合のオファーをいただいたんですね。そこで直感的に、自分は年齢のこともあるし、ここで休んでいるわけにはいかないなと思って受けました。あと、負けてすぐオファーが来るのって、すごくうれしいんですよ。やっぱり負けたら「自分には価値がないんだな」と思ってしまうので。その中ですぐに試合のオファーをいただけるというのがうれしかったので、その期待に応えたいという思いもありました。

──その相手が、今回で4戦目の新鋭・木村涼仁選手になりました。そういう相手が来ると思っていましたか?
大谷 新鋭とかキャリアの浅い選手が来るのかもなとは思っていたんですが、木村選手になるとは思っていなかったですね。木村選手は同じライト級ということもあって、常葉のREBELSでの6月の試合も見ていたし、「同じ階級にいい選手がいるんだな」と認識していて。ただ、このタイミングとは思っていなかったですね。
──どういうところに良さや強さを感じますか?
大谷 センスがいいというか、ライト級の中でもスピード感があるし、速い出入りを生かした怖い攻撃を持っているので、そういうところは注意したいなと思っています。
──逆に自分としては、前回の反省も踏まえて、どういう試合にしたいですか?
大谷 戦略的なところは言えないですけど、やっぱり倒したいですね。その中で自分の強さだったり、進化した部分を見せたいと思います。敗戦からの復活ということもあるので、「まだまだこれからだ」というところを運営にもお客さんにも見せたいですし、そういう姿が皆さんの希望になれたらいいなとも思います。
──その先にあるのは、ベルトの奪還ですか?
大谷 以前までは、「ベルトを獲ってライト級のトップになりたい」ということをモチベーションに頑張っていたんですけど、正直、今はまだそういうことを言える立場にはないと思うんですよね。「何者でもない」ところまで落ちちゃったと思うので、とにかく今は強くなるということを一番に考えて生活していけば、その先に見えるものもあるかなと思うんです。その中で新しい目標とか夢を見つけていきたいなと思います。
──では、すぐにでも大沢選手にリベンジをというわけでもない?
大谷 やりたいとは思うんですけど、楽はしたくないというか。自分は、実力の伴わない成功は続かないと思うので、しっかり実力をつけてまた這い上がりたいと思います。だから今は勝ち星を重ねるということをモチベーションにしています。
──そういう心境の時に、今回のようにしたから駆け上がってくる若手との対戦というのは、刺激も大きいのでは?
大谷 そうですね。今まで以上に負けられない試合だと思います。正直、自分にとってメリットのない試合ではあると思うんですよ。でもそれでモチベーションが上がらなかったというのは理由にならないですし、そこでしっかり「やる意味」とか「勝つ意味」を自分で考えて、モチベーション高く臨まないといけないなと思うので、今まで以上にトレーニングの強度を上げていきたいと思います。
──木村選手に対して、差を見せつけたいという気持ちはありますか?
大谷 個人的な思いみたいなものは全然ないです。ただ、お客さんに「やっぱりフタを開けてみたらかなり差があったね」と思われるような、現実を見せつけたいとは思います。ここで負けちゃうと、僕がこれまで積み上げてきたものが否定されるような気がするので。「そうはさせないよ」という強い思いを見せたいですね。
──ところで今年5月から、所属の「KNOCK OUTクロスポイント渋谷」も体制が変わりましたよね。それが練習に影響している部分はありますか?
大谷 けっこうありますね。新しく代表になったソニーさんにミットを持ってもらっての練習がメインで、あとは吉祥寺でもともとソニーさんの指導を受けていたことから、渋谷に出稽古に来る選手が増えたので、そういう選手たちとスパーをしたりしています。今までは決まった人との練習が多かったんですけど、今はいろんな人と練習できるようになりました。
──そういうところで変化があるんですね。
大谷 あとソニー代表がフランス人なんですけど、僕がやりたいヨーロッパ・スタイルのキックボクシングをベースにしている先生なので、僕ともウマが合って、その練習の中で進化できているなと感じています。そういう部分も試合の中で見せたいです。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
大谷 これまでもいろんなつらい思いもして、遠回りもしてきたんですけど、前回の敗戦を経てまた進化した姿を見せられると思うので、そこに期待して会場に応援に来てほしいです。
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
大谷 翔司
所属:KNOCK OUTクロスポイント渋谷 生年月日:1991年1月12日生 出身:愛媛県北宇和郡 身長:178cm 戦績:37戦23勝(14KO)11敗3分
第3代KNOCK OUT-BLACKライト級王者
元JAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王者

