「福田選手がどれだけムエタイをやってきたか知らないけど、僕も意地がありますからね」
8・2「MAROOMS presents KNOCK OUT.66」の[WBCムエタイ日本フェザー級王座決定戦/3分5R]で福田海斗と対戦する竹内賢一。カード発表会見では「山口代表は僕のことを嫌ってるんじゃないか」など、弱気すぎる発言が目立った竹内だったが、試合が近づいてきた今はどう思っているのだろうか? その心中にあるものは?
──何と言っても、先日のカード発表会見が……こういう言い方をしていいかどうか分からないんですが、面白すぎました(笑)。
竹内 ホントですか! ありがとうございます。
──あの会見の反響って、何かありましたか?
竹内 反響……「普段通りな感じだったね」、みたいな。僕はいつも「しゃべるとダメだね」って言われるので、もうそこは割り切って。カッコつけられないので、そのまんまで行こうかなという感じでやってます。ジムの会長からも「お前の会見にはもう期待してないから、好きにやっていいよ」みたいな感じで言われてるんですよ。今回も20点って言われました。
──20点ですか。
竹内 はい。いつも5点とかのなんですけど、今回は20点なので、いつもよりはよかったですね。
──あの場で話していたことは、まるっきり本音ですか?
竹内 いや、本音っすね。そのまんまです。
──ではそもそも、WBCムエタイの王座決定戦で福田海斗戦というオファーが来た時は、どう思ったんですか?
竹内 「マジか!」って思いました。山口代表も会見の時に言ってましたけど、実は6月の茂木豪汰戦のちょっと前に、この試合の話はもらっていて。その時、会長から「ちょっとヤバい話が来たぞ」みたいな感じで言われて。「聞きたい?」と。「聞きたいっす」つったら、「いや、試合終わってからでいいだろう」みたいな感じで。「いや、でもちょっと聞かせてください」って食い下がったら、「福田海斗戦が来たよ」って言われたんで、マジでビックリしました。
──結局、その時点で聞いてよかったですか?
竹内 僕って、次の試合が決まってる上での試合って、あんまり調子が良くないんですよ。そのせいでメンタルが崩れるから。だから聞かなきゃよかったとは思ってたんですけど……聞いてよかったのかな
──でも、茂木戦はしっかり勝ったわけで。
竹内 そうっすね。いずれにしろ、負けたらもちろんのこと、負けなくてもダウンしたら試合はないな、みたいな話だったんですよね。そしたら、あまりにもノーダメージで勝っちゃったんで。
──「勝っちゃった」って(笑)。
竹内 それで、試合が終わった瞬間に話が決まったんですよ。終わって控室に戻った瞬間、「福田の話、来たぞ」と。だから茂木戦で勝った余韻に浸ることもなく、頭がそっちでいっぱいになった感じでしたね。
──そもそも、そんなプレッシャーもありながらの茂木戦は、思うように闘えたんですか?
竹内 そうですね。去年の末からずっと、欠点だった精神面のマインドコントロールにけっこう向き合ってて。今年からはそれがうまいこといってて、けっこういい精神状態で試合に臨めるようになってきてるんですよね。まあ技術的には反省点は多かったですけど、とりあえず勝てて生き残ったというか、ホッとしたという感じですね。
──そしたら、自動的に福田戦に頭を切り替えさせられた感じなんですね。改めて、福田選手はどういう相手ですか?
竹内 日本を代表するムエタイファイターというイメージが強いですね。ただ正直、対戦相手として意識を持ったことがなかったので、ぶっちゃけ、試合を見たりしたこともなかったですね、正直。
──同じ階級でも、世界が違う、みたいな。
竹内 そうですね、だからしっかり見たことはなくて。ただ、強いムエタイ選手っていうのは、自分の中で認識していたっていう感じです。WBCムエタイのランキングも、僕が入ってるってことはXで流れてきて知ったんですけど、「6位ぐらいにいるんだなあ」と思いながらも、とても1位の福田選手とやることはないだろうなと思ってたんで。それぐらい、雲の上の存在という感じでした。
──では実際にやることになってからいろいろ見て、そこではどういう印象を持ちましたか?
竹内 いや、メッチャ強いじゃん!と思って。「ちょっと待ってよ~!」って感じですよね。めちゃくちゃムエタイだし。僕は別に、そんなムエタイをずーっとやってきたわけではなかったので。
──そう、そこなんですよ。竹内選手は、「ムエタイをやろう」という意識ではなかったんですか?
竹内 そうですね。「打倒ムエタイ」とかそういうのが目標ではなくて、ただ、僕が最初にやってた頃のキックボクシングって、まだヒジなしルールよりは首相撲あり、ヒジありのルールが、代表的な「キックボクシング」だと思ってたんですよ。そういう意味で、僕の中ではヒジありとヒジなし、どっちのベルトも獲りたいと思ってましたね。だからムエタイにこだわったことはなかったです。
──これまでタイ人との対戦ってどれぐらいあるんですか?
竹内 タイ人は、1回だけあるんです、実は。でもあれですよ、日本でバイトしてるような、ちょっとぽっちゃりしたタイ人で、あんまり強くなかったですね。8年前とかなんですけど、一応、ヒジで切って、そのあとKO勝ちしました。
──じゃあ、タイ人には勝率10割じゃないですか。
竹内 まあ、そういうことにしときます。
──でも実際、福田選手は100戦以上やっていて、タイの王座もたくさん獲っていますが、竹内選手も戦績が悪いわけでも何でもないし、王座も複数獲ってるじゃないですか。その部分での意地はありますよね?
竹内 いや、今はメチャクチャ気合入ってるんですよね、実は。福田選手がどれだけムエタイをやってきたかは知らないですけど、僕も、20年間、ずっとキックボクシングだけで生きてきてるんで。学校も行かず、仕事もしないで、キックだけで上京して、みたいな感じで、ホントに格闘技一筋でやってきたことには、嘘はないんで。キックボクシングへの気持ちは僕も負けてないんで、そういった意地は見せたいなと思ってます。だから今回の試合は、そういう2人の生き様が見られるかなとも思ってますし。
──実際の試合では、一番どの武器で対抗しようと思っていますか?
竹内 それはちょっと、あんまり言いたくないんですよね。今回は会長の作戦通りにやろうと思ってて。試合が決まったのも1ヵ月前だし、もう今から別に、何か新しいことを始めようとはならないじゃないですか。だからもう割り切って、会長の言うことだけ聞いて、全部それをやってやろうっていう感じですね。それでどんな展開になるか、みんな、ムエタイに対して僕がどう闘うかと思ってるでしょうけど、それはちょっと当日のお楽しみにしててほしいですね、
──見た人が驚くような“秘策”がある感じですか?
竹内 そうですね。まあみんな、僕が負けると思ってるでしょうけど、楽しみに見ててくださいって感じです。
──試合に向けてここまでの気持ちになるのは、今までで一番ですか?
竹内 いや……初めて僕がKNOCK OUTに参戦した時の安本晴翔戦(2021年7月)も、けっこうこんな感じだったんですよ。下馬票は圧倒的不利、みたいな。だからその時以来で、久しぶりだなって感じですね。でも、失うものも何もないんで自分自身も思いっきりやるだけだなっていう感じです。
──WBCムエタイの王座についてはどうですか?
竹内 正直、狙っていたわけではなかったですけど、いざ決まったら、やっぱりWBCって歴史のある団体だし、今はメチャクチャ欲しいなと思ってますね。決まってからですけど。本当にヒジありの日本王者って言えるような肩書きだと思うので、今は絶対獲ってやろうと思ってます。
──では今は、本当にモチベーションが高いですね。
竹内 過去イチ高いですね、今回は。なので、ちょっと今回は楽しみにしててもらいたいです。
──ちなみにWBCムエタイのタイトルマッチって、ワイクルー(試合前に両選手が踊る、神に捧げる踊り)もあるじゃないですか。そこはどうなんですか?
竹内 ワイクルーは、ちょっと踊ってみたいなと思ってたんですよ、せっかくやるならね。でもそれ以上にもう、今回はメチャクチャ練習、練習になっちゃって、ワイクルーのことを考えてるヒマもなくて。もう試合前になっちゃったので、とりあえずモンコンとかパープラーチァット(それぞれ、ムエタイで頭、両腕につける飾り)は、僕が仲良くしてもらってる先輩で、元WBCムエタイのインターナショナル・チャンピオンの人に譲ってもらったんです。
──そうなんですか。それはどなたなんですか?
竹内 テヨンさんっていう元選手で、僕がいつも練習に行っているHAYATO GYMのトレーナーをやってるんですよ。その人がいつも仲良くしてくれていて、「俺がつけてたヤツをつけて、ベルトを獲ってくれよ」みたいな感じで一式くれたので、それをつけてリングを回ろうと思ってます。
──それは心強いですね。
竹内 あとはもう、やるだけですね。もちろん福田選手へのリスペクトは凄まじくありますけど、決まった以上は、普通に勝つつもりでいるんで。どう闘うか、見ててほしいっすね。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
竹内 強いムエタイ技術を持っている福田海斗に、竹内がどう闘うのかに注目してください。
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
竹内 賢一
所属:TenCloverGym世田谷
生年月日:1997年4月22日生
出身地:静岡県浜松市
身長:170cm
戦績:53戦34勝(10KO)17敗2分
第4代Bigbangフェザー級王者
初代S-BATTLE KICKフェザー級王者

