2025年8月29日(金)東京・後楽園ホールで開催される『MAROOMS presents KNOCK OUT.56 ~NEW BEGINNING~』の記者会見が行われ、追加対戦カードが発表された。



 KNOCK OUT-UNLIMITEDルール(契約ウェイト調整中)にMMAファイターの松嶋こよみ(IDEA ASAKUSA)が参戦することが決定した。松嶋は修斗やパンクラスでキャリアを重ね、2018年からはONEを主戦場に。2019年8月にはONE世界フェザー級タイトルマッチにも挑戦した。MMA戦績は22戦15勝7敗。

 国内MMAフェザー級戦線でトップの実力者である松嶋参戦について、KNOCK OUT・山口元気代表は「UNLIMITEDは非常に激しいルールですが、その中で松嶋選手は非常に打撃の強い選手なので、このルールに非常に合っているんじゃないかと思ってオファーさせていただいたところ、快く受けてくれました」とコメント。

 対戦相手に関しては「対戦相手はほぼ決まりかけているんですが、あとは若干の体重調整の話だけです。やっぱり松嶋選手の名前を聞くと、結構断られることが多くて、なかなか大変でした。純粋にキックボクサーだと断られるので、ちょっと類似した散打とかそういう競技から外国人選手に声を掛けさせてもらっています」といい、近々発表予定だという。

 会見に出席した松嶋は「今MMAの試合が決まっていない期間にこういったルールのオファーをいただいて、本当にありがたいと思っています。このUNLIMITEDルールは、まだ危険度が伝わっていないと思うので、僕が“これがUNLIMITEDの怖さだぞ”と見せられる試合をしたいと思っています」とコメント。

 UNLIMITEDルールの魅力を聞かれると「一番リアルな喧嘩に近く、バイオレンスな戦いというところに魅力を感じています。こういう経験をすることによって僕自身の強さが一つレベルアップするんじゃないかと思ったことが参戦を決めた理由です」という。

 どういう試合を見せたいかとの問いには「相手がキックボクサーでもムエタイの相手でもMMAファイターでも関係なく、全局面で殴れる、蹴れるというものを見せることが強さだと思うので、そこを見せたい」と新しいチャレンジにも自信を見せる。

 仕留めたい技については「6月にUNLIMITEDタイトルマッチをやっていた(同じMMAファイターの)倉本選手の試合印象に残っています。倉本選手と僕のファイトスタイルは違いますが、このタイミングであれをしたいなとかは見てて思ったりとかはしました」といい、「小さい頃に見ていたPRIDEの試合でよく選手がやっていた踏みつけ。僕はまだ経験したことがないので、ぜひ使ってみたい」と危険な技も積極的に使っていきたい様子を見せていた。



■KNOCK OUT-RED -59.0kg契約 3分3R・延長1R 軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)vsゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)

 主戦場にしていたK-1のリングを離れ、KNOCK OUT初参戦となった6月の『THE KNOCK OUT 2025』でタイ強豪ペットルンルアン・ソーチャールワンを1RKOで葬った軍司が2度目の参戦。今回の相手、ゲーオガンワーンはルンピースタジアム認定スーパーフェザー級とプロムエタイ協会スーパーフェザー級王座の2つのベルト獲得歴があり、過去には、ONEキックボクシング世界フライ級王者スーパーレック、2024年6月には大和哲也にも勝利している。

 OFG2戦目が決定した軍司は「6月に初めてKNOCK OUTに出させてもらって、早い段階で次の試合を組んでくれたことに感謝しています。次の相手はこの間より強い相手なので、しっかり前回以上にいい形でいい戦いをできればいいなと思います」と意気込む。

 対戦相手の印象については「首相撲とヒジがうまい選手」といい、「前回の相手よりもレベルが高い相手ですが、オープンフィンガーなので前回同様にボディだったり全ての攻撃が効くと思います。前回はボディで倒したので、次は違う技で倒したい」とKO決着に自信満々。

 前回の試合を踏まえて強化していることを聞かれると「前回初っ端にヒジをもらってしまったので、そこの対応だったり首相撲だったり、しっかりムエタイの技術を学んで、次に活かせればいいなと思います」とムエタイの練習にも継続して力を入れているという。

 後楽園ホールでの試合は2020年9月26日のKrush スーパーバンタム級タイトルマッチで玖村将史に敗れて以来の試合となり、「あんまりいい思い出はないんで、今回後楽園ホールでしっかりKOで勝っていい思い出にしたいなと思っています」と気合いを入れる。

 今大会では八角形のリングが使用されることに関しては「僕は一回金網で試合をしたことがあり(2024年10月のJAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUEでクリスチャン・ボグダンに判定勝ち)、その時に感じたのは足も使うし体力も使うし、逃げる相手には追わないといけないし、そこはしっかり理解しています。今回しっかり倒したい」と特に問題ない様子を見せた。



■スーパーファイト/KNOCK OUT-REDライト級 3分3R・延長1R 下地奏人(フリー)vsゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)

 6月の『THE KNOCK OUT』で重森陽太を3RKOで下してKNOCK OUT-REDライト級新王者に輝いたゴンナパー。今大会への出場が決定し、対戦相手を呼びかけていたところ、下地が手を名乗りを上げたことで実現したこの一戦。下地は4月6日の『KNOCK OUT 2025 vol.2』にて、優翔との対戦が決まっていたが、網膜裂孔でドクターストップとなり、今回は復帰戦となる。

・下地奏人 「まず、4月の大会では期待してくれている皆さんにもとても迷惑をかけてしまいました。自分としても、前の試合からスパンが空いたのは初めてなのでドキドキしていますが、それ以上にワクワクが強いです。そこで代々木大会で強烈なインパクトをしたゴンナパー選手とやるタイミングが合ったのでお願いしました。やるからには勝つつもりだし、勝つにはKOが必須かなと思っているので、KNOCK OUTらしくKOで勝つ姿を見せたいと思うので、久々の下地奏人に注目してほしいです。 (対戦相手の印象)自分が小学校の頃からK-1で活躍していて、それをテレビで見ていたレジェンドの選手なので、憧れの選手です。体も強く、古村選手との試合を見ても攻撃が強いのでそこは気をつけたいですがKOで勝ちたいです。 (ライト級に階級変更?)そこまでライト級でこれからやっていくというのはないです。今のところは強い選手だったりとか、やりたい選手ともしライト級でやるチャンスがあるんだったらライト級でやりたいんですけど、基本はスーパーフェザー級でベルトを狙いにいこうかなと思ってます。 (所属がフリーになっていることに関して)前回の大会でジム、応援してくれてる方、大会関係者にも迷惑かけてしまったことでフリーになりました。 (活動拠点や練習環境は変わった?)今は変わっています。沖縄でとりあえずやっています。 (フリー初戦でゴンナパーとやることについて)特に練習のクオリティが下がったりというのは感じてはいません。いつも通りの試合ができるかな、という感じです。特にそこに可もなく、不可もなく、いつも通りというのが自分の一番の強さだと思っているので問題ないかなと思います。 (八角形のリングについて)いつもの四角形のリングと違って角がないことに関しては、やっぱり動き方も変わってくると思うんですけど、逃げやすいし、逃げづらかったりすると思います。四角いリングと違って未知な部分もあり、いろいろ考えられるところが多いので、ワクワクします。 (ゴンナパー戦に名乗りを上げたのは勝てる自信があるからだと思うが、その一番の根拠は?)パンチと目の良さ。パンチはスピードの面で自分の方が上なのかなと思いますし、ゴンナパー選手のパンチや攻撃に対してのカウンターだったりとか、攻撃に対して目の良さに対抗できる部分はあるのかなと思っているので、そこはちょっと自信を持っていきたいと思います。 (ゴンナパーと比べてどちらが八角形のリングをうまく使って戦えそうか)ゴンナパー選手の出方がどうなのかにもよりますけど、自分の方が八角形のリングに対してこの適応力はあるのかな、とは思っているので有利なのかなと。 (今大会で参戦するドンキングは階級的に近いということで今後対戦したいか)自分はドンキング選手のことは知らなかったです。ゴンナパー戦に今は集中しないといけないと思っているので、終わった後に、チャンスをもらえるだったらやりたいです」



■KNOCK OUT-BLACK女子ライトフライ級 3分3R・延長1R ぱんちゃん璃奈(フリー)vsアム・ザ・ロケット(タイ/Elite Fight Club)

 今年2月の山田真子戦以降、試合から遠ざかっていたぱんちゃんが、WPMF女子ミニフライ級王座を獲得しMMAファイターとしても活躍しているロケットの一戦が決定。

・ぱんちゃん璃奈 「久々の試合なんですけれども、私はラスト1年で引退します。格闘技人生最後に盛り上げられるように、みんなに楽しんでもらえるように頑張ります。 (対戦相手の印象)蹴りは速くて、ミドルとかローとかは上手いんですけど、寝技はそんなに上手くない選手だと思います。見させてもらった試合映像が全部MMAの試合で、腕を取られるのが弱くて、MMAは私よりちょっと強いぐらいだなと思っています。 (引退を決意した理由)ノーコメントでお願いします。 (今後について)引退までにとにかくやっぱりいい意味でも悪い意味でも盛り上げてもらっているので、たくさんの人に最後まで何をするんだろうという感じで、見守ってもらえるように盛り上げていきたいなと思っています。 (1年後に引退?)日程とかも元気さんと話したいなと思っています。とりあえずは先の試合で勝って、そこからちょっと考えようかなと思っています。 (八角形のリングについて)いつもと違って追い込み方とか逃げ方も違うので、未知な部分もあってやりにくいなと思うんですけど、巌流島ルールに比べたら全然マシだと思います。巌流島ルールだと、試合中にちょっと出たら黒い服の人に手で押されるんですよ。ちょっと前蹴りしようとしてはみ出たら押されるので、それに比べたらやっぱり壁があるのでやりやすいんだろうなと思います。 (戦うことへのモチベーション低下から試合をやろうと思った理由)モチベーションが下がってるというより、体調が良くなくて、ずっと熱があったり、最初の数カ月くらいは熱がある日は休めたんですけど、治らないので、今頑張ってしんどい日も行っます。その中でずっと追い込んだりすることが、ちょっときついなと思ったので、ラスト1年と自分で決めたら頑張れるかなと思ったので、気分転換にMMAを始めました。 (熱は原因不明?)すごい検査してるんですけど、あんまりよくわからなくて、血液検査とかも何回もやってるんですけど、すごい調子がいい日とすごい悪い日でばらつきもあって、日常生活を送る分には問題ないので、追い込みとか試合でなるときついかな、というのはあります。なので、万全にリングに上がれるように頑張ります。 (「4月1日に結婚するつもりだった」とSNSに投稿していたが、それも引退の理由か)私の人生ってノリで生きてきたのが多いので、4月1日に結婚しようと思ったんです。近くなってきて、自分が結婚することがちょっと怖くなりました(苦笑)。なので延期にしました。また来年4月1日に結婚するかもしれないです。報告できるように頑張ります。 (お相手は?)想像にお任せします」



■KNOCK OUT-REDライト級 3分3R・延長1R 古村匡平(FURUMURA GYM)vsプンルアン・バーンランバー(タイ)

 2月大会でゴンナパーに判定負けを喫した古村が再起戦。今回の相手プンルアンは、KNOCK OUT・山口元気代表が現役時代に対戦しているランバー・ソムデートM16が代表を務めるジムに所属し、主戦場にしているONEではガンガン前に出るファイトスタイルで、「古村選手とは噛み合う試合」と山口代表は予想する。

・古村匡平 「ゴンナパー戦で拳が折れて、半年ぶりぐらいの復帰になります。ゴンナパー戦で自分が足りないものについてしっかり積み上げている途中です。8月はそれを存分に発揮してライト級は俺がこれから天下を獲ろうと思っているので、その再スタートをしっかり見てもらいたいと思います。 (対戦相手の印象)蹴りが早くて、ステップも踏むし、昔のムエタイというよりも今のONEに順応したスタイルなのかなという感じなので、そこは気をつけつつ、自分の持ち味を活かしてしっかりと倒せるように頑張ります。 (久井大夢が階級を上げてくるなど、現在のライト級戦線について)6月に重森がゴンナパーに負けてベルトを獲られたんですけど、僕としてはすごい複雑な気持ちというか。重森は僕の中でも敵で、半分はライバルみたいなイメージもあったので、それがあんな形で負けてしまってあり得る状況ではあったんですけど、すごい悔しい。だから、重森が負けてダメージも結構多いと思うし、チャンピオンもゴンナパーになったので、僕がライト級REDの選手をしっかり全員ひねりつぶしていって、重森と来るべき時にノンタイトル戦ですが、しっかりお互いに万全な状態でやって、重森をしっかり倒して、そこから俺がゴンナパーをひねり潰しにいこうと思います。 (八角形のリングについて)四角いリング以外で戦ったことは一回あるんですけど、景色がいいのかなと。普通のリングだとコーナーポストが邪魔で見えないというお客さんも結構いらっしゃるんで、八角形のリングだと見やすかったりするのかなと思います。戦い方に関しては、角がないの自由に使えるというか、しっかり楽しんで勝とうと思います。 (相手がONEで活躍している選手でOFGで戦うことに関しては、モチベーションは高くなるか)結構ONEでも上位の選手だと思うので、技術も高いでしょうし、世界レベルだと思います。でも僕はここ1年間ずっと相手選手は全員外国人で世界と戦ってきた自覚はあるので全然戦っていけると思うし、むしろ全然勝てると思っているので、しっかりここで勝って俺が地獄のライト級を制覇して俺が魔王になろうと思います。 (今大会で参戦するドンキングは階級的に近いということで今後対戦したいか)正直、今のところは誰かも分からないです(苦笑)。今大会では誰がやるか分からないですけど、もしそこで強いなというイメージが付いたら、ぜひやりたいと思いますし、もしそこでドンキングの恐ろしさが知れ渡れば、それを止めるのは僕の仕事かなと」

 なお、今大会にはONEに継続参戦中のドンキング・ヨータラックムエタイ(タイ)の参戦も決定(KNOCK OUT-RED契約ウェイト調整中)。現在、対戦相手は調整中。山口代表は「KNOCK OUTの選手で是非やりたいと言ってくれれば。何人か候補がいて考えているんですけど、他団体の選手でもドンキングとやりたいという選手もいれば、声を上げてほしい」とした。

<その他の追加対戦カード>



▼KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級 3分3R カルロス・モタ(ブラジル)vs中村悠磨(和術慧⾈會 HEARTS)



▼KNOCK OUT-UNLIMITED-58.0kg契約 2分3R 松本飛雅(パラエストラ広島)vs西村虎次郎(誰ツヨDOJOy)