「他団体王者をしっかりKOして、さらに高みを目指します！」
8・29「MAROOMS presents KNOCK OUT.56～NEW BEGINNING～」の［KNOCK OUT-REDフェザー級/3分3R・延長1R］で勇成と対戦する祐輝。6月の代々木では3戦全勝だった茂木豪汰を1RKOで仕留め、今回は他団体王者の勇成との対戦となった。このチャンスに、祐輝はどう意気込んでいるのか？
──前回、6月の代々木第二大会での茂木豪汰戦では、試合前に話していた通り見事にKOできました。今、あの試合を振り返ると？
祐輝 自分が思っていたよりも早く決めることができました。ただ、茂木選手の弱点は脇が空いてるところだと思っていて、アッパーからつなぐ攻撃とタテヒジで展開を作っていこうかなという作戦だったんですが、序盤から、まっすぐじゃなくてちょっと外からかぶせるようなストレートを出していて、「この選手は外からフック気味のストレートが来るな」と思って脇が空いたところに逆ストレートというか、右のジャブっぽいアッパーを狙ったら、それが一発で効いて。立ってくるかとも思ったんですけど、オープンフィンガーグローブ（OFG）だから思ったよりも効いてたのか、すぐにレフェリーが止めてくれました。しっかり勝ててよかったなと思います。
──ドンピシャだったわけですね。
祐輝 そうですね（笑）。相手選手は緊張してたのかもしれないですけど、自分はあんまり緊張しなくて。「KNOCK OUTに戻ってくる」と決めた時から、緊張するというより遠くから自分を見てる感じで臨めたのがよかったのかなと思います。セコンドとも「ヒジかアッパーが入るな」と話していて、練習でもけっこうやってたんです。それが入ったのは収穫で、よかったですね。OFGだからスッと入ったところもよかったんですかね。
──では、OFGはけっこう自分に合っている？
祐輝 そうだと思います。前回の試合に向けてはちょっと安物のOFGを買って練習してたんですけど、今回はもっといい物を買って、早い段階から馴染ませるようにしていたので、今回の方が自分の中ではしっくりくるのかなと思います。まあ、相手も強いですけどね。
──確かに今回、ジャパンキック王者の勇成選手という、強い相手が用意されました。
祐輝 まあ、チャンピオンクラスが来るかなと思っていたら、まさに他団体のチャンピオンが来てくれたので、うれしかったですね。ONEで見たこともある選手だったし、いい選手だなと思っていたので、まずそこに感謝しています。
──勇成選手の印象は？
祐輝 バランスがよくてうまい選手だなと思います。若くて勢いもあって、勝率も高くてKOも多くて、かなりな戦績ですよね。キレイな戦い方だなと思ってますけど、そのキレイなところを打ち崩せるような作戦を組んでいます。
──一番警戒する点は？
祐輝 僕より身長が10cm以上高いですけど、そこはそんなに気にしていなくて。一番はヒジとボディかなという感じですかね。逆に自分の中では、打ち合ったら負けるつもりはないです。そこで相手がどう来るかなと思ってますね。打ち合いになったら、お互いに早い段階で終わると思うので。フィニッシュする技はだいぶ煮詰めてます。あとは遠い距離からどうするかなというところで。個人的には打ち合ってくれるんじゃないかと思っていますが、そうならなかった場合には詰めるための作戦も練ってきています。
──勇成選手は今、9連勝中です。そして直近の試合は4連続KO中。でも前回の茂木選手、その前の福田拓海選手もですが、連勝を止める勝利をけっこう決めてますよね。
祐輝 そうなんですよ！（笑） だから、次に段階を踏むんじゃなくて、強いチャンピオンをバッと当ててくれたというのは、メチャクチャうれしいですね。僕は今、メンタル的にも勢いがあって、年齢的にもこれから全盛期を迎えるのかなというところで、他団体のイケイケのチャンピオンを当ててもらったのは、かなりうれしいです。このチャンスを掴んで、一気に行きたいです。
──REDフェザー級はしばらく王座戦線が動いてないですが、ここで勝てば道筋も見えてくるのでは？
祐輝 もちろん、そうですね。そこも含めて、今回しっかりアピールしたいなと思います。
──そろそろ「俺、東京でやれてるな」という気持ちも？
祐輝 いや、まだですね（笑）。前回は1年ぶりの参戦で、ヒジとかも含めてテクニックでも進化したところを見せたかったんですけど、短い試合時間でドンピシャに勝てて、けっこう100点に近い結果を出すことができました。今回も、どんな場面になってもしっかりKOを狙えるというところを今回目指してきました。
──東京で勝ち進んで、ガウンの背中に背負ったもみじ饅頭をもっとアピールしないといけないですしね。
祐輝 そうですね（笑）。会社の人たちも前回は、相手が3戦全勝の茂木選手で、試合映像を見たら「強いな」ということで心配してくれてたんですよ。でもそこで勝ったので、「このまま勝っていけば……」と夢も膨らんできていて。自分でもこの勢いで全部かっさらって、全試合KOで進んでいきたいです。練習もかなり順調なので。練習内容はけっこう自分で考えて「これをやりたい」というところでやっています。
──対人練習についてはどんな感じなんですか？
祐輝 これはビックリされるかもしれないですけど、茂木戦の前はスパーリングを1回もしてないんですよ。
──そうなんですか！
祐輝 茂木戦の時はオファーから試合までがけっこう短くて、1ヵ月ぐらいしかなかったんですけど、その間、スパーリングはやってないですね。ミットを中心に、ヒジやパンチのタイミングを入念に練習していました。ちなみに、今回も同じで、スパーリングはライトなものを1回ぐらいしかやっていません。仕事柄、ケガしたくないというのもあるし、ちょうどお盆シーズンで、年間で2番目に忙しい時期でもあって。
──なるほど。
祐輝 あとは勝つだけです。しっかり勝って、アピールできたらと思います。
──今回は八角形リングでの試合ですが、そこはどうですか？
祐輝 四角よりはいいのかなと思っています。何となく広いかなと思ってたんですけど、人から聞いたところでは思ったほど広くないということだったので、そこはいいのかなと。広いと逃げられやすいし、追いかけるのにもスタミナを使うので。
──そして、9月のUNLIMITED100万円トーナメントに出場が決まってますよね。勇成選手は「自分との試合があるのに」と怒っていました。
祐輝 そうですか（笑）。9月のトーナメント出場は、勇成戦が決まる前から話が来ていたんですよ。結果としてどっちも勝てばいいと思っていたので、勇成選手が怒ろうが怒るまいが、両方で高みを目指していきたいと思っています。もともと会社員としてガッチリやりながらキックボクサーもやってますしね。KNOCK OUTがやってることだからUNLIMITEDもやるわけであって、他団体だったら受けないですし。KNOCK OUTが盛り上がるならというところで受けたというのが大きいので、ここは逃げずに自分を高めていきたいと思います。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう？
祐輝 一番は、近い距離で打ち合うところ、インファイトを見てほしいですね。「祐輝は近い距離になったら強いぞ」というところを見てもらえれば。
──分かりました。ありがとうございました！
プロフィール
祐輝
所属：OU-BU GYM 生年月日：1996年12月10日生 出身：広島県 身長：162cm 戦績：16戦7勝（3KO）6敗3分
