2025年10月12日(日)東京・後楽園ホールで開催される『MAROOMS presents KNOCK OUT.58』の記者会見が行われ、第一弾対戦カードが発表された。



 会見冒頭でKNOCK OUT・山口元気代表は「KNOCK OUTではヒジありのルールをREDルールとして全試合をオープンフィンガーグローブで実施していますが、この度、WBCムエタイの日本支部で大幅な改革があり、特定団体に頼らず、全ての団体が参加してWBCムエタイの王座を競う、設立本来の組織に改革しているというお話を受けました。日本中のプロモーターやジム会長がプロモーターライセンスを取ってWBCムエタイのタイトルマッチをやれば、日本中の選手が参加できるので、日本のムエタイが統一される可能性があると思い、このWBCムエタイ日本支部の趣旨に賛同してKNOCK OUTとして協力をさせていただくことになりました」といい、今大会でWBCムエタイ日本スーパーバンタム級王座決定戦としてNJKFスーパーバンタム級王者・繁那(R.S-GYM)vs壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)を行うことを発表した。

 会見に同席したWBCムエタイ日本支部事務局でWBCムエタイバンコク本部役員の山根千抄氏は、「先月から色んな方のご協力を得ながらWBCムエタイ日本支部は改革を進めています。KNOCK OUTからも『ぜひ日本タイトル戦を』との話をいただき、非常にありがたく思っています。今後、私たちがやるべきことは日本人選手たちを海外に挑戦させて、世界チャンピオンを作っていくのが使命だと思っています。その第一歩として8月に撫子選手が世界王座を獲りました。WBCムエタイは2024年に世界48カ国で174試合行うなど、世界の中でも例を見ない認定組織です。日本でもぜひ活性化して世界のベルトを獲れる選手を輩出してもらいたいと思います」とあいさつ。今大会で争われるベルトも初披露され、その国のモチーフとなる桜と富士山がデザインされたベルトとなっている。

 壱は「WBCという権威のあるベルトに挑戦させていただけることに感謝します。今僕はKNOCK OUTとONEを主戦場に戦っているんですけど、また5Rのグローブムエタイを楽しもうと思っています。目の前のベルトを見て、僕のベルトだな、と直感的に思いました。WBCはとても権威のあるベルトで、格闘技に興味ない人でも聞いたことがある名前だと思っているので、ここは手にしたい」と闘志を燃やせば、K-1選手のジェロム・レ・バンナ好きな父から名前を付けられたという繁那は「僕はこのベルトより壱選手を倒す方が価値があると思っているので、しっかり勝ちたいと思います」と気合い十分。

 お互いの印象を聞かれると、壱は「いずれ当たるんだろうなと思っていた選手でした。会見で僕は突っかかれるかなと思っていたんですけど、めっちゃ気持ちのいい選手で安心しました(笑)。絶対パンチを狙ってくると思っています。僕は顎が弱いのですが、先週28歳になったばかりで、大人のムエタイを見せようかな」と余裕のコメント。繁那は「めちゃくちゃ強い選手。大ベテランですし、僕としては価値がある選手だと思ってるんで、絶対倒します」という。

 壱がNJKFバンタム級王者・嵐に勝利していることを受け、繁那は「僕もNJKFの団体を背負っているのでめちゃくちゃ悔しいので、やり返したいですね。相手はムエタイの戦い方には慣れていて、首相撲や蹴りを封印した上で倒そうかなと思います」とNJKFの王者としてリベンジを誓う。

 それを受けて、壱は「ここで勝てばNJKFのバンタム級とスーパーバンタム級のチャンピオンの両方に勝った形になるので、WBCという舞台でしっかりした実力を見せつけられたらいいなと思っています」と返り討ちを予告した。

 どのような試合をしたいかと聞かれると、壱は「ここ最近、自分は倒す力がついてきて、KO率も上がってきています。それが良くない方向に出てKO負けも増えてきてるんで、このバランスを取るのが一流になる上で大事だなと。そのバランスをしっかり整えて本番に臨みたい」といえば、繁那は「僕もKO率が高い選手だと思っているので、しっかりKOを狙います。パンチを警戒されているとおっしゃっていたのですが、パンチも蹴りも警戒させられるようなプレーをして、どちらでも倒せるようにしたい」とした。

 今後、実績を重ねれば世界タイトル挑戦の可能性が出てくることに関して、壱は「やっぱり世界ベルトとなると、国内のベルトとはやっぱり違う価値がありますし、現役中に絶対に手にしたい」、繁那は「WBCは世界一という言葉に興味があるので、ベルトも取りたいですけど、その称号も得たい」と意欲を見せている。



■スーパーファイト/KNOCK OUT-BLACKウェルター級 3分3R・延長1R 中島玲(KNOCK OUTクロスポイント渋谷/ハイブリッドアカデミー)vs小川悠太(誠真会館所沢道場)

 現KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者・中島はこれまでハイブリッドアカデミーに所属し大阪を拠点にしていたが、今年8月から上京しKNOCK OUTクロスポイント渋谷所属となった(所属ジム名の表記はハイブリッドアカデミーとのダブルネームに)。前戦となった4月大会ではユリアン・ポズドニアコフに判定負け。怪我からの復帰戦となる今大会では、KNOCK OUT2戦目となる小川悠太と対戦することになった。

 中島は「次は復帰戦なのでしっかりインパクトある勝ち方をして、KNOCK OUTに“中島玲”がいることを見せつけたいと思います」と意気込みを語る。

 KNOCK OUT クロスポイント渋谷所属になった理由を聞かれると、KNOCK OUT クロスポイント渋谷のソニートレーナーの指導を受けたことがジム移籍の決め手となったといい、「(ソニーは)選手のことを考えてくれていて熱いトレーナー。戦うのは自分なんですけど、一緒に戦ってくれているというのがミットを持ってもらっても感じますし、対人練習している時のアドバイスでもすごく感じます。人生を懸けてマジで強くなろうと思って大阪から東京に出てきました」といい、「いろんな繋がり、縁もあって、こうやってクロスポイントで練習させてもらうことになって、クロスポイントという名前にも泥は塗られへんし、KNOCK OUTという名前にも泥は塗れないのでしっかり倒します」と静かに闘志を燃やす。

 怪我の回復状況については「今は完璧に治って、練習も再開しています。怪我の時期に自分を見直す時間にもなったし、いろんな選手の試合を見に行って刺激をもらったのでやっと爆発させられるなという気持ちです」と試合が待ち遠しい様子。

 今後については「鈴木千裕選手とやれるならやりたいし、クロスポイントに入ったからって、クロスポイントの人たちと仲良くするつもりはないし、強くなるためにクロスポイントでソニー先生と一緒に練習しているという形になります。ユリアン選手に関しては絶対やるんで。というか倒すんで」とユリアンへのリベンジを宣言した。

 対する小川は「今回は当て馬に選んでもらい、それぐらいの差があると思っています」と控えめなコメント。

 中島の印象を聞かれると、「最初にオファーを聞いた時はマジか!? という感じでした。自分は前回、KNOCK OUTで渡部(太基)さんと4R判定(3R延長判定)まで行ったのですが、中島選手はその渡部選手を瞬殺してたので、だいぶ嫌な相手だなと。パンチを食らいたくないですね。対策は未だに考え中ですけど、どうしようかなと。なんとかします。現時点で勝つ確率は10%あればいいんじゃないですか。現時点で上回っている点? 打ち合って勝てる気はしないので、蹴っていけば勝てるんじゃないかな」と本当か嘘か分からない弱気なコメントを連発した。



■KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級 3分3R・延長1R 前田大尊(マイウェイジム)vs國元楓磨(大阪政拳会)

 6月の代々木大会で 福田拓海に逆転KO負けを喫した前田が再起戦、3戦3勝無敗の18歳・國元と対戦する。

前田大尊 「僕自身、前回の試合からの期間で、自分自身のファイトスタイルも含めて、いろいろと考え直して上手さだけじゃなく、KNOCK OUTらしい強いと思われるような試合をするために何が必要かをしっかり考えてやってきているので、皆さんには楽しみにしてほしいなと思います。 (対戦相手の印象)初めて僕よりも下の若い選手と対戦します。もちろん油断はしないですけれども、僕がどういう勝ち方をするのかがすごく大事になってくると思うので、だから油断することなく、徹底的に倒して勝ちたいと思っています。 (前回の敗戦から修正した点)勝つために今までに頭を使って練習してきたので、なんとなく自分の中でもできている部分はあるんですけど、お客さんが求めているのは倒す試合だと思います。ただただパワーを付けてもダメですし、タイミングも必要ですし、あとは自分のバランスだったりとか、そういうものを含めて自分は何が必要かなというところも考えて、いろんな試合も見ています。その中で、これは本当に意味があるのかなと思うような練習を地味にコツコツ積み上げてきているので、それを試合で見せられるようにしたいと思います。 (福田戦では、そのままいけば勝てたかもしれない試合だったが、倒しに行く欲が出たのか)勝てばタイトル挑戦というところだったので、どうしても勝ちたかったなと。丁寧にやっていたんですけど、集中が切れてしまった部分もあり、勝つ戦い方ももちろん大事だと思うんですけど、勝ちにいくよりも倒しにいく方が僕自身もすごくいいと思うので、これからはそこを求めていくようなファイターになりたいと思っています。 (福田がタイトル挑戦が正式に決まって)俺に勝ったからもちろん勝ってほしいと思いますが、森岡(悠樹)選手も福田選手も今後倒さないといけない相手だと思っているので、どちらかが勝ってもいいなと思っています。 (どういう試合にしたいか)今回の僕のテーマが上手さを見せつつも強さも見せるという2局面なので、とにかく面白い試合をするので、楽しみにしていてほしいなと思います」



■KNOCK OUT-BLACKバンタム級 3分3R・延長1R 工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)vs川端駿太(SHINE沖縄)

 年内引退(?)を表明し、2連勝中の工藤が、7月の常葉大会で前田翔太に1RKO勝ちしている川端の一戦。

工藤“red”玲央 「この前の試合(7月20日、比嘉龍一に1RKO勝ち)みたいに会場を盛り上げられるように全力で練習して、試合で勝てるように頑張りたいと思います。 (対戦相手の印象)沖縄の選手はみんなパワーがあって気持ちが強いというのは分かっているので、そこを頭に入れてます。映像を見たらテクニックもあるので、すごくリスペクトしていますが、自分は勝ちます。 (引退を表明して心境の変化)心境的な変化は特にないですけど、改めて気持ちを入れ直さないといけないと思っています。2回勝ってますが、僕はまぐれだと思っているので、そういう気持ちをしっかり持ってます。連勝してKOで勝ったら調子に乗っちゃう時もあったので、そこはしっかりと気持ちを入れて10月に3勝目を挙げられるように、気合いが入りました。 (連勝して引退撤回の気持ちは)あります(苦笑)。 (自分としてはどこに手応えを感じているか)練習が楽しくなってきてます。うちのジムでは僕が一番年上で、後輩みんな僕より上手くて強いんです。いつもすごくボコボコにやられているんですけど、それでも練習が楽しくて、こいつらに負けたくないと勝手に対抗心を燃やして、なおさら練習が好きになっている自分がいて、今はすごく楽しいです。 (どういう試合にしたいか)3分3Rあるんで、しっかり3R戦えるように体を作って、誰が見ても僕が勝ったというような試合にして、最後に勝ちたいです。 (引退するまでにやっておきたいこと)年末の代々木大会で勝利したいです。3年前の代々木大会で小倉(尚也)選手とも試合させてもらって、1RKO負けしたので、そこで借りがあると思うので、代々木大会で勝って終わらせたいという想いがあります」



■KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R・延長1R 浅川大立(MWS)vs荒井幸太郎(SUCCEED GYM)



■KNOCK OUT-REDフェザー級 3分3R 富田エレデネ(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺)vs北島颯人(和術慧舟會AKZA)



■KNOCK OUT-BLACKライト級 3分3R 隼大 (Y`ZD GYM)vs最希んぐ (GODBLESSGYM)