「今度の優勝賞金も、たぶん半分ぐらいは“アレ”に溶けると思います」
9.13「優勝賞金100万円 THE KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED -57.0kg 1DAYトーナメント」に出場する山野邉嵐。4月に61kgで優勝した彼が、再びトーナメントに乗り出す格好だ。そのモチベーションには、ある食べ物が大きく関わっているようだが、その食べ物とは一体?
──トーナメントは3~4月の61kg以来2回目になりますが、今回エントリーした理由というと?
山野邉 6月の代々木の試合前に話は来ていて、このルールはやっぱり面白いなと思って、また参戦することを決めました。
──その代々木での平川蓮斗戦はプロデビュー戦でしたが、結果は残念でした。あの試合を今振り返ると?
山野邉 やりたいことをやる前に終わったって感じですね。武器というか切り札はたくさん用意してたんですけど、それを切る前に終わって。最初のダウンでちょっと焦って、その流れで終わってしまったっていう感じですね、先にペースを握られちゃったなと。
──その試合からの反省点、改善した点というと?
山野邉 あの試合で改善する点はたくさんあって、試合が終わってからはいろいろ改善点を克服するために練習を重ねて、それが逆に今、自分の強みになっているかなと思います。あの試合はすごくいい経験になったと思うし、今は全然、前回よりもっと強くなってるので、そこを見てほしいです。
──細かいところでもいいんですが、具体的に言えるところはありますか?
山野邉 うーん……ちょっとそれは、今回の武器にもしてるところでもあるので、今は言えないですね(笑)。
──分かりました。今回は57kgでのトーナメントですよね。適正階級としては、むしろ今回の方が合っている感じですか?
山野邉 56~57だろうとは言われてるんですけど、試合を重ねるごとに通常体重がどんどん上がっていっちゃってるので、この試合が終わってから、改めて考えたいなと思っています。ジムでプロ連に参加する頻度もこれから増えるので、それで体つきがどう変わるかによって、また体重階級が変わってくるので。
──ちなみに最近は、通常体重はどれぐらいなんですか?
山野邉 6月に58kg契約で試合した後、マックスで75kgまで行きました(笑)。
──75kg?
山野邉 はい。今までは61kgとかで試合してた時も通常体重は72~73kgだったんですけど、今回はそこまで行っちゃって。だから、57kgに落とすのはちょっと大変です。
──ですよね(笑)。試合がない時には体重が増えやすいんですね。
山野邉 そうですね。前回の試合の次の日には70kgを超えてて、3日後とかに測ったら75kgぐらいでした。まあ、また練習すればどんどん落ちていくんですけど。
──しかし、さすがにそれぐらいになると、ジム代表の長南亮さんから何か言われたりはしないんですか?
山野邉 75kgぐらいの時に一回ジムに、「試合ありがとうございました」って挨拶しに行ったんですね。練習も、試合が終わってからけっこうすぐに始めて。その時はジムで自転車を漕いでたんですけど、その時に長南さんがジムに入ってきて、まず俺の体を見て「お前、むくみすぎだ」って言われて。周りにいたトレーナーさんとかも笑ってて。でもその時はもうこのトーナメントが決まってたので「来週から減量します」って言ったら、「いや、お前はもう今日からしろ」って言われて、その日から食事は考えるようになりました(笑)。
──今回は2回目のトーナメントになりますが、UNLIMITEDでの経験は今回のメンバーの中でも一番だと思います。UNLIMITEDの戦い方については、自分の中でだいぶ掴めてきた感じですか?
山野邉 そうですね。もう何回も試合してるので、コツというかポイントは分かってきました。やっぱり最初から勝ちに行かないと勝てないなっていうのは、常に思ってます。
──そのあたりで、長南代表から言われていることは?
山野邉 選考会から帰ってきた時に、長南さんから「誰が出るんだ?」って言われて名前を挙げたら「勝てるだろう」って言われて。試合に向けてはアドバイスというよりも、前回の試合の悪いところを今回に向けて改善していった方が強いですね。
──山野邉選手自身は、このメンバーについてどう思っていますか?
山野邉 自分の試合をすれば、全員倒せるかなと思ってます。気になる選手とかも、特にいないですね。
──ただ前回からプロ規定が廃止されて、有川直毅選手など、キャリアのある選手も出ていますが……。
山野邉 そこも別に、何とも思ってないです
──今回の3試合、どう勝っていきたいと思っていますか?
山野邉 試合を重ねるごとに、試合に臨むまでのウキウキ感がどんどん増していて今回ももう早く試合したいんですよ。「この技入るかな?」とか「このフェイント引っかかるかな?」っていう技は何個も用意してるので、あまり硬くならずに、自分がしたいことをして勝ちにいこうかなと思ってます。
──すぐに貯金したという、前回の優勝賞金はそのまま手つかずなんですか?
山野邉 ちょっと怖くて、残高を見てないです(笑)。明らかに、あれ以来クレジットを利用する回数が増えて。通帳記入する時とかに、残高が出るじゃないですか。その時見るのが怖くて目をつぶっちゃってるので、もうしばらく見てないですね。
──ちょっと、前より使うようになっちゃっているということですか。
山野邉 はい、だいぶ(笑)。というか、増えたのは9割食費ですね。
──食費! 食べるのがメチャクチャ好きとか?
山野邉 おいしいものとか高級なものには興味ないんですけど、とにかくたくさん食べるのが好きです。
──量を食べたい方なんですね。一番食べたいものは?
山野邉 あんこですね。
──あんこ! それで75kg行ったわけですね(笑)。
山野邉 自分は試合がなかったら、米五合にパスタとか食べたりするんですよ。一番好きなのは、白米にあんこを乗せて、ちょっと塩をかけて食べるヤツですね。
──それはヤバい!(笑)
山野邉 ジムとかで「一番好きな食べ物って何?」って聞かれてこの“あんこ丼”の話をしたら、みんな驚きますね。
──ですよね(笑)。そんな食べ方は初めて聞きましたよ。
山野邉 あんこが好きなんですよ。業務スーパーとかで1kgのこしあんとか売ってるんですけど、1kgのつぶあんと1kgのこしあんを買って、それが2日とか3日でなくなっちゃうので。あんこはメチャクチャ食っちゃいます。
──試合に向けての話の時より、明らかにあんこの話をしてる時の方が楽しそうですよね(笑)。では、今回の優勝賞金100万円も、だいぶあんこに消えそうですね。
山野邉 半分ぐらいあんこに溶けるんじゃないですかね。でも、なくなったらまた稼げばいいんで。自分はそう思ってますね。
──あんこがかなりモチベーションになってるんですね(笑)。
山野邉 あんこもそうだし、食べるのが一番好きなので、今も試合後に食べることばっかり想像してます。
──そうですか(笑)。では最後に、改めて今回のトーナメントに向けての意気込みをいただけますか?
山野邉 全員ぶっ飛ばしてまた優勝するので、注目しててください。よろしくお願いします。
──分かりました。ありがとうございます!
プロフィール
山野邉 嵐
所属:TRIBE TOKYO MMA 生年月日:2002年5月3日生 出身:福島県いわき市 身長:164cm KNOCK OUT-UNLIMITED戦績:1戦1敗
「THE KNOCK OUT FIGHTER」UNLIMITED -61kgワンデートーナメント優勝

