「仕切り直しの一戦。他の試合とは『俺は違うよ』というところを見せます」


7・18『KNOCK OUT 2021 vol.3』の「スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級/3分3R・延長1R」で、サッシスと対戦する中島弘貴。久々の試合で『KNOCK OUT』初参戦となる中島だが、前戦の後しばらく練習もしていなかったのだという。かつてK-1 MAXやKrushなどで活躍した豪腕は、そこからどう復活しようとしているのか?

-- 今回、『KNOCK OUT』初参戦ですが、最初に声がかかった時はどう思われましたか?

中島 1年半ぐらい練習を休んでいたんですが、再開してちょっとして、そろそろ試合に出れるなと思っていた時に話をいただいたので、「そういうタイミングなんだな」と思って、出ることにしました。

-- 休んでいた理由というのは?

中島 4連敗して、あまりうまくいってないなと思って。「もうダメかな」と思ったりもしてちょっと休んでたんですが、その間に「このまま終われないな」と思うようになって。長く格闘技をやってるんですが、また自分の中でのブームを起こそうと思って、また練習し始めました。

-- 連敗の中には海人戦(2019年6月)もありました。

中島 あの試合は脚が効いちゃって、負けてしまいました。体のダメージと言うよりは、心のダメージが大きい一戦でしたね。

-- 練習せず休んでいた間に、どんなことを考えたんですか?

中島 ずっと格闘技だけやっていたので、他のことを充実させる時間がなかったんですよね。試合をやって時間が過ぎていくだけで。しばらく休んだことで、心も体もしっかり休ませることができました。

-- そこから「このまま終われない」と思うに至ったきっかけみたいなものはあったんでしょうか。

中島 大きなきっかけがあったわけじゃないんですけど、休んでいた間にも「やるぞ」という気持ちは常にどこかにあったので。

-- もうけっこうキャリアは積まれていますが、一度休んで再開した時に、技術的な面で見直した部分とかはありますか?

中島 今までは、あまり考えないで練習してたところがあったんですけど、今は「どうやったら強く打てるのか」とかについて考えながらやるようになりました。それからポジショニングとか、戦い方とかも考えるようになりました。

-- 以前は、そういう点についてそこまで深く考えなくても勝てていたという面もあった?

中島 そうですね。感覚でやれていたというか。それも大事にはしてるんですけど、技術も考えるようにして。技術だけになっちゃうと、それでうまくいかなかった時にもろいと思うので、両方うまい具合に合わせられたらという感じですね。

-- では今回の試合は、中島選手の中でも「仕切り直し」という感じですか?

中島 はい、リングも今までやってきたところと違いますし、過去がどうこうというのは関係ないので、新しい気持ちでやるだけです。

-- 宮田プロデューサーとは長い縁ですよね。その宮田さんがプロデューサーに就任されたところで新たに参戦という形ですが、その期待は感じますか?

中島 どうなんですかね?(笑) 宮田さんが何を考えてるのかはちょっと分からないんですけど、今までずっとマッチメイクしてもらってて、また仕切り直しで違うところに出る時に、そこに宮田さんもいるとなったら、ヘタな試合はできないなというのは思いますね。

-- さて今回、対戦相手が変更になってカンボジアのサッシス選手との対戦となりました。映像は見ましたか?

中島 ちょっとしかなかったんですけど、一応それは見ました。タイ人みたいなムエタイ・スタイルでしたけど、場数を踏んでそうな雰囲気があったので、舐めてはいません。

-- どう戦いますか?

中島 もう、ぶっ倒すしかないですね。それしかないです。

-- 休んでいた期間もあって、久しぶりかつ仕切り直しの試合ですが、以前とは違う戦い方を見せようとか、そういう気持ちはないですか。

中島 いや、とにかく気合いの入った試合、一回見たら忘れられないような試合を見せるっていうだけですね。シンプルに、リアルファイトをするというだけです。応援してくれてる人を裏切るような試合はしたくないので。

-- 先ほど言われていたような、考えながら練習してきた技術というのは……

中島 頭にはあるんですけど、試合では出ないかもしれないですね。試合では「ぶっ倒す」ということだけを考えるので。

-- ずっと見ていたお客さんからすると、「“あの”中島弘貴が帰ってきた!」という試合を見たいと思います。

中島 いや、僕は『KNOCK OUT』初参戦ですよ?

-- いやいや、やっぱりこれまで築き上げてきたもの、見せてきたものがあるじゃないですか(笑)。仕切り直しとは言え、お客さんの中には「中島選手と言えば、あんな試合」と言うのがあると思います。それが見られると思っていいですか?

中島 はい、1年半ぐらい休んで、そのために戻ってきたので。練習もガッチリやってきましたから。



-- KNOCK OUT-BLACK 70kg級は、以前にも戦った海人選手が現チャンピオンです。そこへの意識は?

中島 意識はしてますけど、まだ『KNOCK OUT』では試合をしてないので、現時点では口に出して言いたくはないです。ただ現時点で言えるのは、あの試合は過去のことなので、「次は違うぞ」という思いはあります。

-- 今大会はかなり豪華なラインナップになっています。その中でインパクトを残したい、それこそ「一番目立ちたい」という気持ちは?

中島 他の選手のことをほとんど知らないんですけど……まあでもチャンピオンがたくさん出るし、タイトルマッチも多いみたいですけど、相手どうこうじゃなくて自分のペースに持っていけば、勝手にそういう試合になるとは思います。それだけのことはやってきているので。

-- ここからはコンスタントに試合していくつもりですか?

中島 そうですね、いつの間にか年も取ってて、この先そんなに長くできるわけでもないでしょうから。ただケガもないし、今できることをしっかりやっていきたいです。

-- 最後に当日、「ここを見ろ!」というポイントはどこでしょう?

中島 当日はいい試合が多いみたいですけど、「俺は違うよ」というところを見せたいですね。見せられると思っているので、期待してください。

プロフィール

中島弘貴(なかじま・ひろき) 所属:LARA TOKYO 生年月日:1988年7月5日 出身:東京都八王子市出身 身長:175cm 戦績:41戦25勝(14KO)16敗