「警戒するのはOFGだけ。首相撲かヒジか、しっかり倒します！」
9・23「MAROOMS presents KNOCK OUT.57」の［KNOCK OUT-REDバンタム級/3分3R・延長1R］で蒔・センチャイジムと対戦する石川直樹。1年前に勝っている相手との再戦だが、6月に王者・乙津陸にKO負けしている身としては、生き残りを懸けた一戦。そこで思うこととは？
──6月の乙津陸戦は残念な結果でしたが、今振り返ると？
石川 やっぱりオープンフィンガーグローブ（OFG）の影響で、普段だったらもらわないパンチをもらっちゃったのがデカいのかなって思うのと、本当に別競技だなって感じがしましたね。すげえ前のめりに倒れてて、たぶん普通のグローブだったら起き上がれないような倒れ方をしてるんですけど、ポンと起き上がるし、また倒れて起き上がるし。ダメージも残って、1週間ぐらいは頭が痛かったんですよね。
──そうですか……。
石川 こんなこと初めてだったんですよ。いつもKOされても、もう次の日には回復してたので。やっぱりいつもとは違う感じがしましたね。だとすると、「これは俺の求めてるものとは違う」って言って、全然別の道に行くのもありじゃないですか。でもね、一回もう「ベルト獲る」って言っちゃったので。
──もう引き返せないと。
石川 それもあるし、全然向いてないとは思わないんですよね。危ないですけど、その分やっぱり組みやすいし。首相撲の練習って基本的に素手でやるんですけど、今はOFGをつけてずっとやってて、やっぱり滑らないんです。すごくやりやすいですよね。ただ普通のグローブに比べて腕を取りやすいだけじゃなくて、ロックすると滑らないところとかもすごいやりやすいし、ヒジを当てやすいっていうのもあるし。
──ガードの隙間も空きますからね。
石川 はい。だから距離を潰しさえすれば、すごくいいですね。もらう確率は上がりますけど、自分の得意なヒジを当てる確率もすごく上がるので、いいところもあれば、悪いところもあってという感じで。
──今回は蒔・センチャイジム戦になります。1年ぶりの再戦ですが、前回の印象は？
石川 彼はたぶんカーフキックがけっこう効いちゃってて。僕とやった後の彼の試合を見たら、すごくいい試合というか、僕みたいな戦い方する選手だなと思ったんですけど、僕とやった時は全然違ったんですよね。
──ほう。
石川 やっぱり足が効いちゃってたからなのか、最初からあんまり来なかったので、カーフが効いたのか。でも、他の選手とやってる試合ぐらい来てくれたら、すごく噛み合うと思いますね。今回も前みたいにカーフで効いちゃうのか、今度は肘で倒せるのか。自分自身と相手がどう来るか、すごく楽しみですね。
──一度勝っている立場での再戦ということで、気持ち的には有利に働くものですか？
石川 どうですかね？ でも、前回負けてたとしても勝ってたとしても、やっぱり一回やった相手の方がやりやすいですよね。だから次に乙津選手とやる時もすごくやりやすいと思います。（前戦の続き）4Rから戦うような感じですよね。どっちにしても僕は、一回やった選手の方がいいですね。
──今回、警戒したい部分というと？
石川 まあだからOFGなので、やっぱりパンチですね。とりあえず近距離になった時にはけっこう暴れてくると思うので、それで本当にもらっちゃわないようにというところですね。他のグローブと違うので。だからOFGというところですかね、警戒するところは。
──蒔選手としては、KNOCK OUTでもKO勝利が多いですし、自信があるのはおそらくパンチだと思うんですが、そこはそれほど評価はしていないという感じですか？
石川 そうですね、ストレート系は多分、もらわないんじゃないかな。やっぱりOFGだけですね、警戒するところは。
──では、返り討ちにすると。
石川 今回どうなるのかっていうのが、すごく楽しみです。試合展開としては、自分が考えるどっちかだと思うんですよね。ガンガン来てくれたら応戦するし、来るしかないと思うんですけどね。まあ何にしろ、絶対落とせないですよね、これはもう。
──それだけ、KNOCK OUTの王座戦線に集中したいと。
石川 そうですね。一戦一戦大事ですけど、もう落とせないかなと。ここまでいろんな団体に出てましたけど、やっぱり新しいことに挑戦したいという思いが強くて。前回も、OFGだと今までと勝手も違うし、やっぱりワクワクしていて。乙津選手は現役のチャンピオンじゃないですか。さすがにそれを倒したら次は絶対タイトルマッチ組んでくれるなと思ってて、簡単に獲れると思ってたんですけど、それで負けちゃって、すごく悔しかったので、まずはあのタイトルを獲らないと。他はあんまり考えられないですね。
──乙津戦もKOはされましたが、2Rまではかなりペースを握ってましたしね。
石川 そうなんですよ。それでちょっと欲張っちゃったのもあるんですよね。あのまま首相撲で行ってりゃよかったんですけど、本当にヒジをすごく練習してきていて、先生もそれをすごく楽しみにしてくれていたのもあったと思うので。試合後はメチャクチャ怒られましたけどね（笑）。
──そうですか。
石川 もう悔しくて寝れなかったって言ってくれて。今、伊原道場越谷で自分の練習をしていて、グマントーンさんっていうタイ人の先生なんですけど。もうメチャクチャ親身に教えてくれるので。練習は本当にキツいんですけど、まだまだ、学ぶことってこんなにいっぱいあったんだって思って、ここに来てからずーっと感動してますね。
──もう全部分かったみたいな気になるのは全然早いと。
石川 ちょっとそれに近いようなところはあって、もう成長ってあんましないんだろうなぁっていうのがあったんですよ。治政館をやめたぐらいの時かな。だからこれからはフィジカルをやるのか、ボクシングジムに通うのか。それも違うなと。変えないとダメだなとは思ってたんですけど。それで伊原越谷に出会って、もう何てことを考えてたんだと。でも今こういう環境になれたから、結果オーライだなという感じですね。
──今回はどう勝つのが理想ですか？
石川 やっぱりヒジで倒したいですね。カーフで倒すもあり、ヒジでもあり。首相撲で倒すも、組みのヒザで倒すもあり。とりあえず前回負けちゃったので、存在感をアピールしていかないとダメですね。
──乙津戦にいずれつなげていくということですよね。
石川 そうですね。たぶん、次勝ったぐらいじゃやらせてくんないと思うので、ちゃんとしっかり全部勝っていきたいです。でも、誰か相手いるのかな？と思ってたら、まさかの蒔選手が来て。これで勝ったらまた誰かしら探してくれるんでしょうけど、ちゃんと一個ずつ勝っていくということですね。
──では最後に、今回の試合では自分のどこに一番注目してほしいでしょうか？
石川 前回、首相撲のエグさというのは2Rまでしか見せられなかったんですけど、次は本当にもし首で相手が効いたんだったら首相撲で、カーフで効いたんだったらカーフで、ヒジだったらヒジで、ちゃんと倒しきるところを見せたいですね。
──分かりました。ありがとうございました！
プロフィール
石川直樹
所属：KICKFUL GYM 生年月日：1986年8月18日生 出身：埼玉県春日部市 身長：170cm 戦績：57戦38勝(14KO)11敗8分rnISKAフライ級チャンピオン
