「チャンピオンは強いのか弱いのか分かんない。1R生き残れれば勝てると思います」



10・12「MAROOMS presents KNOCK OUT.58」の[スーパーファイト/KNOCK OUT-BLACKウェルター級/3分3R・延長1R]で中島玲と対戦する小川悠太。昨年6月の渡部太基戦以来の参戦となる小川は、この間に1本ベルトを失ったもののまた新たなタイトルを獲得し、いまだ現役2冠王。そんな彼がこの試合に思うこととは?

──KNOCK OUTには昨年6月の渡部太基戦以来ですね。この間の試合というと?

小川 去年の12月にKROSS×OVERのタイトルマッチで負けて、3月にはSTRIKE NEXUSのウェルター級で新しいベルトができて、王座決定戦で勝って獲りましたね。

──では今も2冠王ではあるわけですね。通算では3本のベルトを獲っていると。渡部戦の前には、「ウェルター級王座決定トーナメントにも出たい」とも話していましたが、そちらは実現しませんでしたね。

小川 渡部戦で拳を折っちゃったので、そこは流れちゃいましたね。今回、またKNOCK OUTで一からやろうかなと思ってたら、いきなり中島玲選手だったのでビックリしました。





──でも、そのトーナメントで決勝まで行った渡部選手に勝っているわけだし、その渡部選手に勝ってチャンピオンになった中島選手とのマッチメイクは自然な流れなのでは?

小川 いや、デビュー戦の選手とか当ててほしいですけどね。そんなに強い相手当てられちゃっても、って感じです(笑)。

──いやいや(笑)。中島選手についてはどういう印象ですか?

小川 パンチは速いし重いかなっていう印象はありますね。でも、何だろうなぁ……すげえ強い相手とはやってないような気がしてるんですよね、まだ。ユリアンは強いとは思うけど。あと勝ってるのは漁鬼選手。まあ、漁鬼選手はメチャメチャ丈夫だな。でも漁鬼選手にもダウンを取られてたじゃないですか。そういうとこがどうなんだろうなと思って。どれぐらい強いのかっていうのがあんまり読めないんですよね、正直。

──強いのか弱いのか分からない?

小川 そうっすね。やってみたらメチャメチャ強い可能性もあるだろうし、「思ったよりできるな」ってなりそうな気もするし。何とも言えないですね。

──イメージしづらいと。

小川 ただやっぱり、パンチは速いだろうし強いと思うし、あの飛び込みはウザいなとは思ってますけど。

──それに対して、どう戦ってどう勝ちたいと思っていますか?

小川 飛び込んで左を打ってくるのが得意じゃないですか、あの人。その得意なヤツに合わせて、思いっきりぶち当ててやろうかなと思ってますけど。それで食らったら負けるんじゃないですかね。

──そんなイチかバチかみたいなことでいいんですか?(笑)

小川 その方が面白いんで。蹴って逃げて蹴って逃げて……みたいな試合、あんまり好きじゃないですからね。そんなことやるぐらいなら、別にそれでいいかな、ぐらいの感じですけど。

──では、正面衝突的な感じで。

小川 そうですね。そうできて勝てたらベストですけど。最悪、ビビったら蹴って逃げるかもしれないですけど。

──では、試合中に蹴って距離を取り始めたら「あ、ビビったな」と思えばいいんですか?

小川 いや、分かんないっす。何か狙ってるかもしれないっすからね。

──小川選手が中島選手を読みづらいのと同じように、今、自分が小川選手を読みづらいです(笑)。

小川 たまに言われますね。

──そうですか(笑)。でも実際、試合にあたっての作戦って、どれぐらい綿密に立てるものなんですか?

小川 自分は正直、そんな立てないですね。作戦を立てても、たまたまとか、普通に相手の方がうまかったりとかで、噛み合わない時もあるじゃないですか。それでテンパるのがすげえ嫌いなので、あんまりちゃんとは考えないですね。

──「考えておけばよかったな」みたいなこともない?

小川 そもそも、その「たられば」もなるべく考えないようにしてますね。

──実生活というか、根本の性格もそんな感じなんですか?

小川 そうっすね、わりとあっけらかんとはしてますね。

──ただ勝率もいいですし、今も二冠王だし、実績もしっかり残してはいるわけじゃないですか。

小川 まあ、そうっすね。くじ運がありがたいというか、相手運がいいというか。

──運の問題なんですか?(笑)

小川 いい方じゃないですかね、運は。出たとこ勝負のカウンター効かしてるのが多いから、半分運じゃないですか。

──では今回も運がよければ勝てる?

小川 そうっすね、運がよければ勝って、KOボーナスもらって帰ろうかなと思ってますよ。そしたら飲みに行けますからね。

──今、選手としてのモチベーションはどこに置いてるんですか?

小川 そんなないっすよ、別に。

──あ、やっぱり。

小川 趣味の延長として、自分が楽しけりゃなんでもいいです。別に有名になりたいとか、そういう自己顕示欲みたいなのもそんなにないんで。全然どっかでのんびり暮らしてても、それなりにいいや、ぐらいな感じですね、いつも。

──そうですか(笑)。でもそれだと、試合ごとにモチベーションを作るのもけっこう大変なのでは?

小川 別に、試合だからってモチベーションを作るってことも、あんまないっすね。普段やってる練習の延長だと思ってるんで。そんなにわざわざ、相手が誰だからどうしようとか、頑張りたいとか、勝ちたいとかはそんなないです。練習をやった結果が出れば、たぶん勝つし。練習した結果としては、試合内容がよくても何かもらって負けるとかも全然あるし。そんなに気にしてないですね。

──では、現王者の中島選手に今回勝ったとして、リマッチでタイトルマッチを狙うとかではない?

小川 いやもう、全然ユリアンに先にやってもらっていいです。それでユリアンとやる方がいいかな。同じ人と2回やるのはあんま好きじゃないんですよね。

──今までの話を聞くと、よく分かる気がします。

小川 出たとこ勝負の一発屋みたいな感じでやってるんで、リマッチはだいたい負けるんですよね。だからまあ、話が来ればやりますよというぐらいな感じですね。

──小川選手ほど、意欲を表に出さない選手は珍しいですね。

小川 そうっすね、ガツガツしてる熱い人が多いですからね。

──そこで勝てているという部分もある?

小川 どうなんですかね? 真面目に対策して「勝つぞ!」っていうスタイルとか、試したことないんで。

──なるほど(笑)。では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

小川 1Rっすかね。1R終わって俺が生き残ってたら、全然勝つ可能性があるし、1Rで倒されたら別に話になんないし。っていうぐらいっすかね。1Rを流して相手の技をいっぱい見れれば、次の2R、3Rはそんなに問題ないと思うんで。

──分かりました。

小川 もう、盛りに盛りまくって書いといてください。

小川 いやいや、この内容で盛りようがないです(笑)。ありがとうございました!

プロフィール
小川 悠太
所属:誠真会館所沢道場
生年月日:1995年3月3日生 出身:東京都杉並区 身長:173cmrn戦績:13戦10勝(6KO)3敗
現MAウェルター級王者
現Kross×Overウェルター級王者