「年齢とか環境とか関係なく、まだまだ強くなれるということを見せます!」



10・12「MAROOMS presents KNOCK OUT.58」の[KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級/3分3R・延長1R]で荒井幸太郎と対戦する浅川大立。7月のREBELSに初参戦した浅川は30戦を超えるベテランで、他団体のチャンピオンの経験もある。「娘より年下」という新鋭・荒井との対戦に思っていることとは?

──7月のREBELSに初参戦して武内晴信選手と対戦しました。結果は残念でしたが、今あの試合を振り返ると?

浅川 何もできずに終わってしまったので、悔しさしかないですよね。33戦目で初めてのKO負けだったので、本当に自分でもちょっとビックリしちゃって。

──相手の勢いに呑まれたという感じですか?

浅川 そうですね。あと体重も、63kgというのも挑戦ではあったんですよね。やっぱり自分の体格だと60kgが適正かなというところで、今回は60kgでやらせてもらうことになりました。

──今回は後楽園ホールでの試合ですが、久しぶりですか?

浅川 そうなんですよね、いつ以来だろう……WBCムエタイのタイトルマッチをやった時以来なので、2017年とかぐらいですね。8年ぶりぐらいになるのかな。

──その間に一度、リングを離れていた時期があったんですよね?

浅川 はい。自分はキャリアの中で2回ブランクがあるんですよ。最近は2019年に網膜剥離になっちゃって3年ぐらい休んで、2022年の10月に復帰したんです。

──失礼ながら年齢もありますし、キャリアも長くなった中で、その長いブランクから復帰ということ自体も大きな決断だったと思うんですが。

浅川 確かに大きな決断ではあったんですけど、やっぱり完全燃焼したいという気持ちが強くて。まだ成長してる実感があるので、成長できている間は続けようかなという気持ちでやってます。

──今回は荒井幸太郎選手との対戦です。印象は?

浅川 若くていい選手ですよね。この間のKNOCK OUTでの試合も見させてもらったんですけど、パンチの連打とかメチャクチャ強くて。あのパンチには警戒したいと思うんですけど、熱い試合ができると思うので、楽しみにしてほしいですね。

──荒井選手は19歳で、次が5戦目。年齢もキャリアもかなりの差がありますよね。

浅川 そうですね。向こうは向こうでオッサンに負けられないという気持ちもあるだろうし、僕は僕でそういう気持ちもあるし、何しろ自分の子供よりも年下なので。

──そうなんですね。

浅川 娘が今大学3年で20歳ぐらいで、息子が高校3年なんです。だから娘より2つ下で、息子より1つ上になるのかな。

──今回はどういう試合をして、どう勝ちたいと思っていますか?

浅川 前回のREBELSでも、相手が若い選手でキャリアもまだ確か8戦か9戦ぐらいだったと思うんですけど、そこで自分が壁になってやろうという気持ちで、技術を使って「そんなに甘くないぞ」ということを見せてやろうかと思ったんですけど、見事に跳ね返されてしまったので。その前の試合、去年の11月にも弘・センチャイジムという若い選手にやっぱり負けてしまって。ここのところ技術がついてきて、ちょっと欲が出てしまったというかカウンターを取って倒して……みたいな気持ちがちょっと心のどこかにあったので、それがうまくなかったのかなと思って。やっぱり自分は、昔からずっと泥臭く前に前に出て、手数と気持ちで勝負してきたんですけど、そういうところがちょっと消えてしまっていたのかなと。今回は初心に戻って、そういうところで勝負していきたいなと思います。

──なるほど。

浅川 泥臭く前に前にというところをベースにして、その中で技術も出していけたらいいなと思ってます。

──最終的にはどう勝ちたいと思っていますか?

浅川 打ち合いの中でパンチで倒せれば最高かなと思いますね。やっぱパンチが好きなので。

──前回も今回もBLACKルールですよね。以前はヒジありルールでチャンピオンにもなっていたと思うんですが。

浅川 もともとはヒジありルールでやってたんですけど、ヒジも首相撲もそんなに得意ではないので(笑)。打ち合いが好きなので、BLACKの方が合ってるのかなと思います。

──何度も年齢の話をして申し訳ないんですが、それこそ久井淳平さんと同じ頃にチャンピオンだったような記憶があるんですが。

浅川 年齢は彼より僕の方がたぶん5つぐらい上だと思います。僕は久井君とも試合してるんですよ。山梨でやって挑戦者決定戦でした。

──2015年のことなんですね。今のKNOCK OUTでは、その久井さんの息子の久井大夢選手が活躍しているわけですが。

浅川 そう考えると、確かに不思議ですね(笑)。僕はデビューも26歳か27歳と遅かったし、デビューして1年後には仕事の関係で1回やめてるんですよね。そこから32歳の時に復帰して、網膜剥離で4年のブランクがあって。だから合計で9年のブランクがあるんですよ。年齢だけ見ればすごい大ベテランなんですけど、自分の中ではそんなに意識はなくて(笑)。

──ただキャリアも30戦を超えてますしね。今は目標というと?

浅川 ここまで行きたい、みたいな具体的なものはないんですけど、行けるところまで行きたいなと思っています。もちろん、KNOCK OUTのベルトももしチャンスがあれば獲りたいですし。まあ、次の一戦をやってみないと何にも言えないですけどね。また次、前回みたいに負けるようなことがあれば、それこそ考えなきゃいけないですし。だから今は次の一戦に本当に集中しています。崖っぷちなので(笑)。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

浅川 年齢とか環境とか関係なく、まだまだ強くなれるんだぞというところを見ていただけたらなと思います。仕事もやって、毎日現場にも出てるんですけど、そんな中でもまだまだ強くなれると思っているので。

──分かりました。ありがとうございました!

プロフィール
浅川 大立
所属:MWS
生年月日:1981年10月15日生 出身:山梨県甲府市 身長:172cmrn戦績:33戦20勝(6KO)13敗