「働きながらでも強くなれる。そういう希望を見せたいです!」
10・12「MAROOMS presents KNOCK OUT.58」の[KNOCK OUT-REDフェザー級/3分3R]で北島颯人と対戦する富田エレデネ。以前にも出場が2年空いたことがあった富田だが、今回は1年ぶりのリング。その理由、そしてこの一戦に懸ける思いとは?
──前回KNOCK OUTに参戦してから、また1年空きましたよね。以前のブランクは、デビュー戦の後にまたアマチュアで経験を積んでいたとのことでしたが、今回はどうしてだったんですか?
富田 去年は大学4年生だったので、卒業研究だったりだとか、あと学会発表の論文執筆だったりとかが重なってしまって、ちょっと期間が空きました。今年から社会人になりまして、最初はちょっと状況を確認してたいたので、1年空いてしまったという経緯ですね。
──それは、相手の北島颯人選手と全く同じ理由ですね。
富田 そうなんですか?
──はい。北島選手は2月に試合した後に春から就職して、8ヵ月ぶりの試合です。22歳同士の対戦だなとは思っていましたが、そこまで同じとは。ちなみに論文の話がありましたが、専攻は何だったんですか?
富田 情報学でITに関するようなことをやっていました。就職先も、第一志望のIT企業に無事内定をいただけまして、そちらで勤めています。
──それはよかったですね。そして今は、練習して試合に出られるような環境になったと。
富田 まだ新卒ということもあって、そこまで忙しいというわけでもなく、練習もやりながら仕事もできているという状況ですね。以前に比べたら少し大変になったような気もするんですけど、でもこれがやりたくて、やらせていただいているので、頑張りたいなと思っています。
──会社の理解も得られたんですね。
富田 そうですね。会社の方にもお話しして許可をいただきまして、同じ部の方々とかもけっこう応援してくださっているので、すごく励みになっています。
──今回は1年ぶりのリングになるわけですが、どんな気持ちで臨んでいますか?
富田 1年ぶりの試合で、またKNOCK OUTの後楽園ホール大会に呼んでいただけるというのがすごくうれしいです。この1年で自分がどれだけ成長したのかというのも明確になるし、会社の方々とか、応援してくれる人たちに頑張ってる姿を見せたいなという気持ちでいます。
──相手の北島選手については、どんな印象ですか?
富田 フェザー級の中では自分も長身の方に入ると思うんですけど、さらに長身で、すごくリーチがあってやりづらいのかなと。直近2戦を見るとヒジが得意なのかなと思っていて、リーチがあってやりにくい中で、接近戦になるとヒジがあるので、そこは警戒しなきゃいけないなと思っています。
──自分としてはどういう試合にして、どう勝ちたいと思っていますか?
富田 自分自身もテクニックは向上してるのかなと思っているので、自分のやりたいことをうまく遂行して勝てたらいいなと思っています。距離感とかはけっこう前よりよくなってるかなというふうに思っていて。攻めに行く時と自分のミドルを当てる距離とかをいろいろ使い分けられるようになってきたかなと思っています。あまり相手の攻撃をもらわずに完封したいです。
──確かに蹴りが得意ですが、パンチでもしっかり出ますよね。
富田 自分的には蹴りの方が得意かなとは思ってるんですけど、パンチも打てるよというのはありますね。
──所属のKNOCK OUTクロスポイント吉祥寺では、ジムにも新しく加わった選手がいたり、UNLIMITEDが盛んになってMMAの練習を始める選手がいたりと、ジムの中でもいろんな変化があると思うんですが、そこはどう感じていますか?
富田 今までは大学生で時間もあったので、プロ練の方にも参加させていただけてたんですが、研究とか学業が忙しくなってきてからは夜の時間、一般会員さんたちと同じ時間での練習が増えて、社会人になってもその時間がメインになっているので、プロの方々の最近の雰囲気とか状況っていうのがあまり分からないんですよ。ただUNLIMITEDが盛り上がっていて、インスタのストーリーとか見てても、いろんな選手たちが出稽古に来たりしていて、いい練習ができてそうだなとは思っています。
──今は難しい状況だと思いますが、プロ連にも参加してもっとガンガンやりたいという気持ちもある?
富田 そうですね。やっぱりプロ連に行くとチャンピオンクラスの強い選手たちがたくさんいるので、もらえる刺激もたくさんあって、すごくよかったなとは思います。でも夜のクラスでも、けっこうアマチュア大会に出てる選手も多いし、プロを目指してる人だったり、プロで仕事をしながらという、自分と似たような境遇の方がいたりするので。アマチュアに出ている人も、トーナメント決勝まで行くような選手が多かったりするので、特に質が落ちるみたいな印象はあまりなくて。その環境の中でもいい練習ができてるかなと思っています。
──今の環境になって、目標とか変わってきた部分はありますか?
富田 自分が社会人になってもキックボクシングを続けると決めたのには、重森陽太さんの存在もけっこう大きくて。重森さんはサラリーマンをやりながらトップどころで戦っているので、私が進路に悩んだ時に、そういう人が身近にいるというのはすごく励みになりました。自分も働きながらでも格闘技できるんだと思えたので、同じチームの人たちにもそう思ってもらえるような存在になりたいなと思っています。
──重森選手には直接相談したりもしたんですか?
富田 ご相談させていただいたりはしましたね。ちょうど進路を考える時期で。すごく優しいですし、相談しやすいっていうのもあります。今、重森さんは大きな目標ですね。
──これからはコンスタントに試合できそうですか?
富田 まだ会社の中でも新人で、これから案件にも携わっていくようになると思うので、そこの様子も見ながらなんですけど、コンスタントに試合できたらなとは思っています。格闘技を続けるからにはチャンピオンにもなりたいなと思いますし。できるところまでやりたいなとは思っています。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
富田 お客さんでも、働きながら何か目標を持ちたいみたいな人もいると思うんですけど、忙しさだったり、理由をつけてやらなくなってしまう人もいると思うんですよね。自分も仕事をしながらでも夢を追いかけているというところで、そういった人たちに希望を与えられるような試合をしたいなと思っています。そういうところを見てもらえたらいいですね。
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
富田 エレデネ
所属:KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺 生年月日:2002年10月15日生 出身:東京都江戸川区 身長:175cmrn戦績:3戦2勝1敗

