2025年11月15日(土)東京・後楽園ホールで開催される『MAROOMS presents KNOCK OUT.59』の記者会見が行われ、第一弾対戦カードが発表された。



 昨年12月30日のKNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定トーナメント決勝戦の中島玲戦がラストマッチとなった渡部太基の引退式を今大会で行うことが決定。

 会見に出席した渡部は「お久しぶりです。去年の12月30日にラストの試合をしてから、そのまま負けていなくなるのもちょっと寂しいなと思っていて、後援者の方たちにもしっかり引退式という形で感謝を込めて、最後にみんなの前に姿を見せたいなと思っていたので、貴重なお時間をありがとうございます」と感謝の意を込めてあいさつ。

 ラストマッチを経てリングに上がらない日々について聞かれると「刺激がなさすぎて暇でした(笑)。KNOCK OUTはずっといいリングだなと思いながら見てました」という。

 引退試合では涙を見せていたが、「今回はちょっと涙を流さないようにしたいんですけど、ちょっとわかんないですね」といい、エキシビションマッチは考えていないかとの問いには「ほぼ1年ぐらいの間にむくんでどんどん太っちゃって、1分ぐらいしか動けないです」と苦笑い。

 最後の相手となった中島は今年4月のユリアン・ポズドニアコフ戦では判定負けを喫しており、「(中島が)負けた試合を会場で見ていました。頑張れよ、負けんじゃねえよって思いましたね。10月12日に中島選手と対戦する小川(悠太)選手とは僕も戦っているので楽しみです。中島選手には頑張ってもらってチャンピオンらしくいい試合をしてほしい」と中島にエールを送った。



▼KNOCK OUT-RED -61.5kg契約 3分3R・延長1R 大沢文也(ザウルスプロモーション)vsゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)

 大沢は昨年12月にKNOCK OUT初参戦、UNLIMITEDルールでバズーカ巧樹に判定勝ちすると、今年5月の2戦目でKNOCK OUT-BLACKライト級タイトルマッチで大谷翔司に判定勝利して王者に。前戦となった6月大会では再びUNLIMITEDルールにチャレンジし、MMAファイターの祖根寿麻から判定勝ちを収めた。

 今回は、8月大会で軍司泰斗を1Rにヒジ打ちで沈めたゲーオガンワーンと対戦することとなり、KNOCK OUT代表・山口元気は「ヒジありのREDルールを僕が強制したわけじゃなく、大沢君自身が(軍司に勝利した)試合直後にインスタのストーリーで『俺がREDルールでやってやる』と。僕は『本当に?』と思って『本当にやります?』と話を持ち掛けたところ、本人は『やります』と言ってくれたので、じゃあ体重を合わせてやりましょうということになりました」とカード決定の経緯を説明。

 続けて「REDルールがOFGになってから、ムエタイの首相撲に対して比較的、K-1の選手は対応しやすくなったなと。やっぱりパンチの技術がみんな高いので、そこでタイ人に勝てる部分があるんじゃないかなと思っていて、特に大沢選手はしっかり距離を取ってアウトボクシングもできるので、首相撲に巻き込まれないんじゃないかなと。ゲーオガンワーンを破る可能性は十分あるカードかなと思っています」と大沢に期待を込める。

 会見に出席した大沢は「インスタでゲーオガンワーン選手とやらせてくれと自分から言ったんですけど、本当は全然やりたくなくて(笑)。簡単に言ったら、ああいうことを書いたらカッコいいかな、女の子たちにモテるかなと思って書いたら、本当にオファーが来て(苦笑)。僕は昔からサウスポーの相手が苦手なんですけど、6月のUNLIMITEDの試合が終わってから、久井戦を見据えてサウスポーの選手とばっかり練習したんですよ。だから久井選手とやる前に、強いタイ人と試合をしておきたいなと思っていたら、今回のオファーを聞いて半分マジかよ!? と思ったんですけど、半分よしっ!という気持ちでした」と複雑な心境だったという。

 これまでヒジ打ち、首相撲が一切認められないK-1ルールでキャリアを重ねてきた大沢だけに、今回のREDルールの自信を聞かれると「例えば、8オンスのグローブでムエタイの試合をやるとなったら正直、勝機はかなり薄いのかなと思うんですけど、OFGのREDルールとなると勝機はあるんじゃないかなと思っています」と自信を見せる。

 ゲーオガンワーンvs軍司の試合の感想については「泰斗が左フックでグラつかせていたので、このまま泰斗が勝つのかなと思ってたんですけど、まさかの戦慄のヒジで勝って、思わず席を立っちゃいました」と興奮気味に話す。

「ジムに5人ぐらいタイ人のトレーナーがいて『ゲーオガンワーンって知ってる?』と聞いたら、『めちゃめちゃ強い、めちゃめちゃ強い』と言われて、『実は俺、試合するんだよ』と言ったら、みんなは『だ、大丈夫?』みたいな感じだったんです。『キックルールだったら文也は大丈夫だよ』と言われて『いや、OFGでムエタイルールというと、『ノー!』と。だからそのタイ人たちの予想を全部覆そうかなと思います」と自信満々。

 これまで大沢はK-1ルールでゴンナパー、デンサヤーム、ペットサムイ・シムラの3人のタイ人選手と対戦しており、「ゴンナパーには負けたんですけど、正直、やりやすかった相手です。デンサヤームはめちゃくちゃやりづらかった。ペットサムイ選手はやりづらさはなく、タイ人選手とやってきついのは首相撲だけかなと。あとは、左ミドル。今は左ミドルを得意な選手とばかり練習していていますが、正直タイ人や周りからは十中八九、大沢が負けるんじゃね? と(苦笑)。これは変な自信じゃないんですけど、普通に俺が勝っちゃうんじゃねと思っています。本戦1-0で延長戦に行き、さらに延長戦で僕が勝つみたいなイメージができています」と根拠はないが、すでにゲーオガンワーンに勝つイメージもできているという。

 ヒジ打ちありのルールに関しては、「この間UNLIMITEDルールでしっかりヒジを当てて、めちゃくちゃヒジアピールしたら反則でしたからね(笑)」と苦笑い。ヒジありルールの試合は2010年7月の『REBELS-EX』以来となることを明かした大沢は「その試合は1R1分半ぐらいで相手へのローブローでそこまでの判定で負けたので、今回ほぼ初めての経験になりますが、多分ヒジを打ちます。正直KNOCK OUTって、どの試合もめちゃくちゃ面白いじゃないですか。だから、僕みたいな選手がいるから他の選手が目立つと思います」と面白くない試合をしながらもヒジを狙うとする。

 また、一度敗れているゴンナパーとの再戦も見据えており「いつかゴンナパーにリベンジしたいなとは思っています。正直、自分は分析力がある方だなと思っていて、ゴンナパーと久井選手を比べたら、久井選手の方が僕にとって厳しい相手かなと思っています。自分は正直、Krushでゴンナパーとやった時は負けた気もしませんでした」と打倒ゴンナパーに自信を見せる。

 最後に「今回いい勝ち方して12月のKNOCK OUTビッグマッチはUNLIMITEDルールで締めます」と連続参戦をアピールし、「目標というか、僕は達成したいことがあって、RED、BLACK、UNLIMITEDルールのタイトル統一ももちろん見据えてるんですけど、僕は60kgでも全然体重を落とせるんで、同時二階級制制覇。獲れるベルトは全部取っていこうかなと思っています」と野望を掲げた。



▼KNOCK OUT-BLACK -56.0kg契約 3分3R・延長1R 福田拓海(KNOCK OUT クロスポイント大泉)vs河野直次郎(CLIMB GYM)

 9月のKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座決定戦で森岡悠樹に1RKO負けを喫した福田の再起戦が決定。対戦相手の河野は、九州で開催されているKPKB(九州プロキックボクシング)を主戦場に活躍し、35戦19勝(11KO)15敗1分の戦績を持つ宮崎県出身の30歳。Krush・宮田充プロデューサーを通してKNOCK OUT参戦のアピ―ルを受け、今大会参戦につながったという。

 早くも再起戦が決定した福田は「2週間前に負けたにも関わらず、すぐに試合を組んでくださった山口代表はじめ、KNOCK OUT関係の皆様には本当に感謝しています。前回の試合は僕の好きな打ち合いできっちり負けました。今年はもう試合が組まれないのかなと思っていたんですけど、オファーをいただいて断る理由もありませんでした。前回見せられなかったものもたくさんあるので、前回以上のものを今回見せてやろうと思っています」と気合十分。

 対戦相手の印象については「まだ映像をちゃんと見ていないのですが、他団体のベルトを持っているらしいので、何も持っていない僕からしたら美味しい相手」という。

 試合で見せたいことを聞かれると「この試合に限らず、一番やり返したいのは森岡選手だけなので、1Rから全開で倒しにいきます」と森岡へのリベンジを胸に秘め、1Rから倒しにいくだけだとする。

 森岡との再戦に向けたプランについては「特に考えてないですけど、全部1RKOで終わらせて全部勝っていけば、自ずと見えてくるものだと思っています」と組まれた試合を連続KOでアピ―ルしたいと話した。

<その他、決定対戦カード>



▼スーパーファイト KNOCK OUT-BLACKウェルター級 3分3R・延長1R 漁鬼(SHINE 沖縄) vs ペドロ・グランホ(スペイン/ワールド極真会館)



▼KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級 3分3R・延長1R 中島弘貴(NEXT LEVEL渋谷) vs 高橋幸光(飯伏プロレス研究所)



▼KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級 3分3R・延長1R 力斗(TEAM PREPARED) vs 井上舜矢(フリー)



▼KNOCK OUT-REDフェザー級 3分3R・延長1R 祐輝(OU-BU GYM) vs 竹内賢一(Ten Clover Gym世田谷)



▼KNOCK OUT-BLACKフェザー級 3分3R YOSHIHIRO(teamYU-TO) vs 慶伍(FIGHT B _GYM)