
今大会ではクンクメールとの5対5対抗戦が行われ、KNOCK OUTからは森岡悠樹(北流会君津ジム)、古村光(FURUMURA-GYM)、ザリーナ・イスラモバ(ロシア)、希羅(MSJ KICK BOXING GYM)、川野龍輝(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺)の5選手が出場することが決定。
大将戦に出場する森岡は「前回9月にKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級のベルトを獲って、すぐに次戦を組んでもらって本当に嬉しく思っています。KNOCK OUTは何度かクンクメールと対抗戦をやっていて、まだ勝ち越したことがないということで、僕が一矢報いるという気持ちは強い。今回こそチームで勝ちたい」と意気込みを語った。
対戦する32歳のサン・ラデット(カンボジア)は95戦85勝(35KO)8敗2分の戦績を持っており、森岡は「試合映像を1つ見させてもらったところ、ガンガン前に出てくるファイター。いかにもクンクメールらしい選手で自分と噛み合うんじゃないかなと思いました」と分析する。

クンクメールの強さについて、森岡は「とにかく体の強さと気持ちの強さがあり、そこに日本人が飲まれちゃったりするのが多いかなと。その面だけは自分は日本人の中でもトップクラスにいると思っているので、相手がクンクメールだろうと、自分の持ち味を出せれば勝てると思います」とニヤリ。
会見に同席した山口元気代表は「クンクメールの選手は毎週1回のペースで試合をやってるんです。戦績に100何戦、90何戦となってますが、この戦績はタイ人選手のように子供の頃からやっているんじゃなく、ここ2、3年でやっている数字なんです。そこで勝ち上がってきた選手が海外の対抗戦に出てきてるので、強い選手だけが生き残っている世界。そして、完全にファイトマネーで生活しているハングリー精神があります。僕はクンクメールのジムに行ったことがあり、選手は外に屋根だけ付けたベッドというか、布団を置いて寝ているんです。だから、雨の時は布団が濡れちゃう。衝撃的なところで生活しながら、金を稼ぐという感覚なので、やっぱりその気持ちの面では日本人選手はハングリー精神がないので、クンクメールの選手に押されてしまいます」とクンクメールの強さを分析した。
イメージする試合展開について森岡は「自分も負けずに前に出るしかないと思っているので、相手がどれだけ圧力をかけて来ようが、自分がそれ以上の圧力をかけて捻り潰すような試合をしたい」と相手の戦い方は全く問題ないとする。
チーム対抗戦の大将という立場からチームに期待したいことを聞かれると「できればKNOCK OUTチームには先に4勝してもらって、そうしたら自分が好きなだけ暴れられるなと。2勝2敗で自分の番が来ると、勝たなきゃまずいという真面目なところが出ちゃうかもしれません。先に4勝してもらって、そしたら自分が盛り上げるので、ぜひチームのみんなにはそれをお願いしたい」とチームのメンバーに要望を語る。
山口代表は「いつもKNOCK OUTはKOボーナスを出してるんですけども、今回はチーム戦ということで5対5の対抗戦で勝ったチームに賞金100万円が送られます。賞金の内訳はみんなで話し合って決めてもらって、だいたい均等に20万円くらいかなと思っています」と勝利したチームには賞金100万円が出ることを発表した。

これを受けて森岡は「今回の5対5でチームで勝って100万を取ります。賞金が懸かると、自分は強いので絶対にチームで勝ちたい。内訳? もちろん5人全員勝ったら20万円ずつかなと。万が一、3勝2敗だったら、どうしようかな(笑)。負けた人に『どうする?』ちょっと聞いてみて決めようかなと思います。大将戦の上乗せ? それ以上言っちゃうと、チームがガタガタになるかもしれない。チーム戦なんで5人のうちの1人として頑張ります」とした。
森岡は過去にONE、スック・ワンキントーンの2試合で国際戦の経験があり、「2試合とも特に前情報ない試合で、国際戦だからといって特に変わることはないです。日本人選手が相手だと、知っている選手やジムだったりと、なおさら負けちゃいけないという気持ちが強くなるかもしれないですね。逆に外国人選手の方が思いっきりやれるかなと思います」とする。今後は対世界に目を向けるかと聞かれると、「山口代表が行けと言うならば、どこの国でも行ってKNOCK OUTの名を広められるように頑張ります」と意気込む。
また、KNOCK OUTのREDとBLACKの統一王者になり、気持ち的に変わった部分を聞かれると「負けちゃいけないという気持ちが、前よりも増したかなと。周りの人からも『王者として負けちゃいけない』と言われるんですけど、KNOCK OUT王者ならではの試合をしたいと思っているので、まだまだ暴れたいと思います。守りに入った試合はしないか? それは何がなんでもないですし、自分は守りに入って勝てる選手じゃないので、攻めて攻めて勝ちます」とこれまでと変わらず倒す試合をするつもり。
森岡の試合ではダウンからの逆転勝ちが多く、今回もそういう試合になるかと聞かれると「わざとやっているわけではないですが(笑)、今回もそうなってしまったら致し方ないと思っていて、絶対に倒されても倒し返す自信があるので、最後まで頑張ります」と“倒し倒されの”森岡劇場を予告。
森岡と過去に4度対戦している壱・センチャイジムが「倒し倒されの試合ではなく、やっぱり打たれないことも重要だ」という話をしているが、「自分は打たれる覚悟で前に出てこその自分だと思っています。壱にはもちろんそっちを極めてもらって、自分は自分で自分の攻撃力を上げていく方に特化していこうと思っています。またどこかのタイミングでやれたら、もっと面白くなるんじゃないかな、と思います」とした。
なお、今大会はライブ中継がメインの興行となるが、「会場で観戦したいという問い合わせがあれば、300席ぐらいはあるので用意はできます。ただ感覚的にいうと、地元の人が観に来る大会なので、来たい方がいれば、ぜひ来ていただきたいのですが、会場まで辿り着けるかな?」と苦笑い。森岡は「自分は大歓声の中で試合しているので不安ですが、福島の人たちの大声援をパワーに頑張りたいと思います」とした。

なお、副将戦で古村と対戦するミル・ブン・ティエン(カンボジア)は170cm、オーソドックスで55戦49勝(15KO)5敗1分けの戦績がある18歳(試合時は19歳)。

中堅戦には、「一度でも出たらKNOCK OUTファイター。クンクメールに一度も勝ち越したことがないので、ちょっと勝ちたいと思って」抜擢されたザリーナが出場し、対戦するトゥー・チャン・ボティ(カンボジア)は160㎝、31戦28勝(7KO)3敗の戦績を持つ20歳で、今年4月に鈴木万李弥とカンボジアで対戦して判定勝ちしている。

次鋒戦に出場する希羅は昨年9月のKNOCK OUT福岡大会で井ノ本煌貴に勝利しており、その希羅と対戦する21歳のラスメィ・クンクメール(カンボジア)は163cm、74戦70勝(17KO)4敗の戦績を持つ。

先鋒戦で川野とキックボクシングルール(この試合のみ)で対戦するパナット・クンクメール(カンボジア)は162cm、59戦55勝(19KO)2敗2分の23歳。
KNOCK OUT勢はクンクメールとの対抗戦で初の勝ち越しとなるか。

