「モチベーションはデカいです!目的があるんで!」



11・1「THE KNOCK OUT FIGHTER.6」の[THE KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED-60.0kgトーナメント準々決勝/3分3R]で平川蓮斗と対戦するオルベン・キンジ。今回がプロデビューになる彼は、会見で賞金の使い途を聞かれて「ギャンブルで増やします」と断言。そんな彼のモチベーションとは?

──今回はUNLIMITEDのトーナメントに出場となりましたが、KNOCK OUTやUNLIMITEDルールに対しては、どれぐらい認識がありますか?

キンジ UNLIMITEDルールを知ったのは4ヵ月前ぐらいですかね。同じチームの先輩の有川直毅さんがUNLIMITEDの57kgトーナメントに出た時に知りました。

──その時、UNLIMITEDというルールにはどういう印象を持ちましたか?

キンジ 印象的にはメッチャクチャ疲れる競技だなって思いました。みんなアグレッシブですし、みんなKOしに来てるので、動き続けなきゃいけない感じで。MMAとはまた別な感じがしました。同時に、自分もやってみたいなと思いました。自分に向いてるかなと思ったので。

──もともとMMAでも、打撃の方が得意なんですか?

キンジ いえ、別に得意とかはなかったです。打撃もできますし、寝技もできますし。別にストライカーだとかグラップラーだというのはないです。

──実際にエントリーが決まって、今回の準々決勝は平川蓮斗選手との対戦になりました。平川選手はもうUNLIMITEDを何試合もやってますが、どんな印象ですか?

キンジ すごく打撃がうまい選手だなと思います。アグレッシブでメチャクチャいいなと思っていて、やりたかった相手でした。だから1試合目から当たれて、メチャクチャよかったです。

──希望が叶った?

キンジ はい。やっぱり注目されてるじゃないですか、平川選手って。当て馬の僕が、平川選手に勝ったらオイシイので。うまみしかないです。

──平川選手はどの試合もすごい勢いで攻めてきますよね。自分としてはどういう試合にしたいですか?

キンジ 相手は前に来ると思うんですけど、たぶん自分の距離は遠いんですよ。足を使って距離を取りながら攻めていこうかなと思いますね。来たら来たで、ずらして自分で攻撃をしにいったりして仕掛けたいです。

──最終的にはどう勝ちたいと思っていますか?

キンジ やっぱりKOしたいですね。KOしたらボーナスももらえるっていうし、やっぱり金ですね。

──お金の話はメンバー発表会見でも出ていましたが、ギャンブルが好きなんですか?

キンジ そうですね。めっちゃくちゃギャンブル好きです。

──ギャンブルにもいろいろあると思うんですが、何が一番?

キンジ いろいろですね、ギャンブルは。いろいろやります。お金と物と運が関わってるものは、俺は全部ギャンブルだと思ってるんで。

──では、ファイトマネーとか賞金がかかっている格闘技も、キンジ選手の中ではギャンブルの一種?

キンジ 完全にギャンブルですね。

──では試合も、一か八かのギャンブルなんですか?

キンジ それはまた違いますね。200万を獲りに行きたいんで。

──ではギャンブル的な試合ではなく、しっかり勝ちにいく?

キンジ はい、勝ちにいきます。

──会見では「賞金を手に入れたら、ギャンブルで増やしたい」と言っていましたが……借金とかは大丈夫ですか?

キンジ だいじょばないっすよ!

──だいじょばないですか(笑)。では賞金はまた賭けるよりも、その穴埋めにあてた方がいいのでは?

キンジ いや、俺いま、借金が700万ぐらいあるんですよ。だから200万で穴埋めしたところで残り500残っちゃうじゃないですか。200返したところで、残りの500どうすんだってなっちゃうんで。それなら増やした方がいいのかなって。

──700ですか! それは200じゃ追いつかないですね……。

キンジ だから増やして返します。なくなったらなくなった時で、って感じです。

──あと、リングネームの「オルベン」って何なんですか?

キンジ 名前っすよ。名字です、名字。本名です。

──ああ、そうなんですね。失礼しました。

キンジ 俺、クォーターなんですよ。お父さんが日本とフィリピンのハーフで、お母さんがフィリピンとスペインのハーフで。結局、フィリピンの血の方が強いんですけど。

──キンジ選手自身は、日本生まれの日本育ちなんですか?

キンジ 自分は日本で生まれたんですけど、ちっちゃい頃に親が離婚して、母親が仕事しながら自分の面倒を見られないっていうんで、フィリピンのじいちゃん、ばあちゃんの方に預けられたんです。だから5歳から11歳まではフィリピンにいました。戻ってきてからはずっと日本ですけど。

──では、けっこう苦労されたんですね、ここまでは。

キンジ 苦労しましたね。最初は言葉も分からなかったですし、環境も一気に変わったんで。

──格闘技はいつからなんですか?

キンジ 格闘技は7歳の時にちょっとだけ空手をやってたんですけど。

──7歳だとフィリピンで?

キンジ そうです。でもそれは少しの間だけで。本格的にやり始めたのは去年の7月、K-PLACEに入ってからです。

──では、本格的に始めてからはまだ1年ちょっとなんですね。で、アマチュアのトーナメント優勝の実績があると。

キンジ あ、それはK-PLACEに入る前です。

──えっ、そうなんですか? それは自己流でやっていて出たということですか?

キンジ ほぼほぼ自己流ですね。練習はしないで、大会だけ出たりして。だから、まさか優勝するなんて思ってなかったんですよ、本当に。

──でもそれで優勝できるぐらい、基礎力が強かったということですか?

キンジ うーん、センスですかね。自分で言うのもアレなんですけど(笑)。周りからは「センスはあるけど継続力はないよね」とはよく言われます。「もったいないよね。頑張ればもっと強くなるのに。続かないから、上に行けないよね」って。

──今は続いてるんですか?

キンジ いや……(笑)。K-PLACEに入ってからも練習をやったりやらなかったりで……。だけど、最近は大丈夫です。

──このトーナメントに向けてはミッチリやっている?

キンジ やってます。200万もかかってますしね。

──プロ格闘家としての目標は何ですか?

キンジ やっぱり稼ぐのが一番で、二番目は、影響を与えたいですね。人々に。今自分はどん底にいるんで、そういうどん底にいる人でも頑張れば上まで行けるよっていうのを証明したいですね。

──確かにあの金額を聞くと、かなりどん底ですよね……。

キンジ 底っすよ! このトーナメントも、そこがモチベーションとしてデカいですから。賞金も大きいし、KOすればボーナスもらえるし。こんなオイシイ話、なかなかないですよ。他じゃこんなに稼げないでしょうから。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

キンジ 自分のスタイルというか、センスから来る動きに注目してほしいです。

──分かりました。ありがとうございました!

プロフィール
オルベン・キンジ
所属:K-PLACE 生年月日:2002年9月10日生 出身:茨城県 身長:168cmrn本大会がプロデビュー戦