「50戦している相手に、力の差を見せて勝ちたい!」
11・15「MAROOMS presents KNOCK OUT.59」の[KNOCK OUT-REDフェザー級/3分3R・延長1R]で竹内賢一と対戦する祐輝。8月には他団体王者の勇成を1RKOに下し、その試合も含めて6ヵ月連戦中という怒濤の勢いの彼は、今回も元王者の実力者を相手にかなり意気込んでいる。そこで考えていることとは?
──KNOCK OUT本戦は8月の勇成戦以来ですが、9月には常葉でUNLIMITEDのトーナメントに出場、そして10月は倉敷でも試合と、すごい連戦ですね。
祐輝 10月の試合も無事KOで勝ててよかったです。
──勇成戦もその試合も自分から仕掛けての1RKO。勝ち方が掴めた感じに見えます。
祐輝 10月はオープンフィンガーグローブ(OFG)じゃなくて8オンスで、OFGよりちょっと厚めだったし、相手も打ち合ってくる選手だったので。ただ打ち合う中で、自分もガードが低いとか、もらっちゃいやすいということを、UNLIMITEDの時にけっこう反省したんです。それでジャブからワンツーというような基本的なところから丁寧にシャドーで徹底して、それを試合でいかにシンプルに出せるかというのをテーマにしていました。今回の相手に関してはジャブがけっこう効いていたので、そのままストレートにつなげたというのが大きな収穫でしたね。
──では、UNLIMITEDからの教訓も生かせたんですね。
祐輝 そうですね。UNLIMITEDの時はちょっと自分の中でも距離感が難しくて。自分から出たけど、手から行っていて相手に合わせられていたし、カウンターももらったりと、ちょっと大雑把な攻めになったなというのが反省点でした。もっと細かく駆け引きをしながら攻めてもよかったなというのは、試合が終わって見直して分かりました。打ち合うところはしっかり打ち合うけど、その手前の細かいところからフィニッシュにつなげる組み立てをかなり研究して、練習でやっていました。
──しかし今回の試合も含めて6ヵ月連戦はすごいですね。
祐輝 ですよね(笑)。6月の代々木第二が決まった時に、もちろん相手の茂木豪汰選手も強いのは知っていたし、あの当時は無敗でしたから、ここでしっかりインパクトを残さないと、すごい選手がいっぱいいるKNOCK OUTで今後残っていけないぞと。だからここはどうしてもKOで勝ちたいと思っていたのがうまくハマって勢いに乗れたのもありますね。
──しかも、それを会社員として働きながらやっているわけですからね。
祐輝 でも会社もさすがにちょっと引き始めていて(笑)。あとジムの生徒も、僕がKNOCK OUTに出てることにみんなすごい憧れを持ってたんですよ。6月と8月の試合が終わった頃は「すげえな!」ってなってたんですけど、9月、10月と試合してると、もうみんな練習についてこなくなって(笑)。
──祐輝選手は特別だから、みたいな(笑)。
祐輝 でもすごいことに、アマチュアの選手がみんな大会で全勝してるんですよ。広島の大会には6人出て6人全勝してトーナメント優勝してる方もいたり、この間も岡山で4人出したら4人ともC からA クラスでみんな勝って、なかなかジムも勢いに乗ってきて、これはいいのかなと自分もちょっと思って。
──それはいいですね。
祐輝 それも含めての10月の試合だったので、11月の試合も決まってるし、自分の中では2Rまでに仕留めたいなと思ってたんですけど、UNLIMITEDの反省も踏まえて1Rで決められて、ちょっとは成長してきてるのかなという感じはしてますね。
──無事に1RKOしたことで、今回の相手、竹内賢一選手が気にしていた部分もクリアできました。
祐輝 はい。自分との試合の前に試合が入っていたから、竹内選手からリプライが来ていましたけど、向こうもちょっと驚いてるんじゃないかなと思って。10月の試合は1階級上だったこともあって、ちょっと心配してたんですけど、今はちょっと自信に変わったというところですかね。
──その竹内選手ですが、どんな印象でしょうか?
祐輝 試合は何試合か見させてもらって、基本的にバランスのいいタイプの選手なのかなと思います。で、OFGは初めてだと思うんですけど、でもそんなことも関係なく、コンパクトなパンチだったり蹴りだったり、基本に忠実な戦い方なので、10月に続いて今回も丁寧にコンパクトに合わせれたらなと思ってます。
──なるほど。
祐輝 キャリアも50戦あって、そのうち5割以上の勝率があるのはなかなかすごいなと思ってます。身長も相手の方が高いし、リーチも長そうなので、どう懐に詰めるかは、この1ヵ月間で作戦を練ってきました。
──では今回も詰めていって攻め込むというのは変わらず?
祐輝 ただ、もっと大きいところを狙っていくには、ガツガツいくのもいいけど、50戦の相手に対してしっかり力の差を見せたいなということもちょっと考えてます。僕は速攻では勝ててるんですけど、判定になるとよく負けてるんですよ。それこそこの前の対クンクメールの森岡悠樹選手じゃないですけど、最後まで押し切れるような勝ち方もし自分の中でちょっと意識していて。もちろん1Rからガツガツいくのは変わらないんですけど、ただ盤石な成績を残していくには、違った意味の成長も見せれたらなとは思ってます。
──この前の勇成選手は現役王者でしたが、竹内選手も他団体の元王者です。
祐輝 はい。そういう選手を倒していくことが実績になりますし、そういう相手にしっかりKNOCK OUTらしい倒し方をするということも、自分の中で今回かなり意識しています。すごい選手がたくさんいるので、その中の一人になれるように、山口代表にちょっとインパクトを見せないとと思って、覚悟を決めてる部分もありますね。
──しかしこれだけ連戦していて、コンディションは実際、どうなんですか?
祐輝 コンディションは、もちろん悪い時もあるんですよ。でも以前、かなり体調が悪くてキツい状態だったけど、判定で勝てた試合があって。それよりはまだいいかなと(笑)。それと、9月のUNLIMITEDの時は前の試合から2週間だったんですよね。あの時は勢いのまま練習に打ち込んでたんですけど、やっぱり当日までコンディションがついてこなかったというのもあって。減量してしっかり戻して、もう一回体を仕上げ直すというのが大事なのかなと、ちょっと反省したところではありますね。
──今回勝てば、12月30日の代々木大会も出たい?
祐輝 もちろんです。僕、8月の試合後に小笠原瑛作選手に勝手に宣戦布告しちゃったんですよね。やっぱりREDフェザー級で一番強いのは小笠原選手だと思ってたし、日本の中でもトップクラスで、KNOCK OUTの看板になっているすごい選手だと思っていたので、正直、そこを照準に練習を組んでいたんです。小笠原選手より上はいないだろうという俺の勝手なイメージで。ただ小笠原選手は休養ということなので、ちょっと別の相手に向けてアピールしたいと思ってます。もちろん竹内選手は強いですけど、しっかりKOで勝って。
──これだけやってきた1年だから、どうせなら大きいことをやって締めたいですよね。
祐輝 正直6月の時点までは、砂漠の中からオアシスを探すというか、先が見えない不透明な世界だったんですけど、今はわりと実感があるというか、目の前に見えるものがちょっとあるのかなと自分でも思うので。手を伸ばせば届きそうな位置に今いるということ自体が、自分の中で自信になってるというか。それがモチベーションになっていて、どんなに仕事がしんどくても、子育てが大変でも、それも全てベルトのためにと思えたら、全然命懸けられるなと、今は思ってるので。もう一筋に目指していきたいなと思ってます。
──では最後に、今回の試合で注目してほしいポイントはどこでしょう?
祐輝 今回、試合もそうですけど、前日の記者会見でもちょっと言いたいことがあって。そこを注目してほしいですし、当日もKOで勝って、後楽園ホールに見に来てくれるファンの皆さんに、KNOCK OUTの祐輝という存在をしっかりと認知してもらって、ベルトのためにも、ちょっと印象をつけたいなと思っています。
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
祐輝
所属:OU-BU GYM
生年月日:1996年12月10日生
出身:広島県尾道市
身長:162cm
戦績:17戦8勝(4KO)6敗3分

