「コブラのように噛みついて離しません!最後はヒジで切ります!」

 

 

11・30「KNOCK OUT REBELS SERIES.8」の[KNOCK OUT-RED女子スーパーバンタム級/3分3R]でSHIORIN♡と対戦する山本“魂武羅”知美。リングネームも特徴的な彼女はムエタイにハマり、今年はタイで3試合を経験。そんな彼女がREDルールの一戦にかける思いとは?

 

 

──今回はREBELS初参戦ですが、KNOCK OUTについてはどういう印象がありますか?

 

山本 以前から出たいなと思っていました。いろんなルールがあって面白い大会だなと思います。

 

──山本選手は福岡県北九州市出身ということですが、上京してFAITHに?

 

山本 上京したのは大学に入った時なんですけど、25歳の時に以前のジムに入会して、加藤督朗会長が新たにFAITHをオープンしたので、そちらに移籍しました。

 

──キックを始めた理由は?

 

山本 中学2年ぐらいから25歳の途中ぐらいまで、ずっと空手をやっていて、そこから以前のジムにちょっとずつ練習に行き始めたんです。そこからアマチュアの試合に出るようになって、プロになりました。

 

──空手では大会実績などは?

 

山本 新極真空手だったんですけど、全日本大会に出たり、地方大会では優勝したりしました。

 

──空手からキックへの移行では、戸惑うところもあったのでは?

 

山本 やっぱり、全然違いますね。顔面も最初はメッチャびっくりして、「どうやって防ぐの?」みたいな感じで。蹴り方とかも空手っぽくなっちゃうので、そこは会長がいっぱい修正してくれたり、メッチャ苦労しました。今もちょいちょい苦労してますね。

 

──でも空手で培ったことが生きている部分もありますよね?

 

山本 それはメッチャありますね。蹴りのフォームの違いもあるんですけど、いろんな蹴りの種類を持っているので、そこはよかったのかなと思います。

 

──キックでは最初からプロでやろうと思っていたんですか?

 

山本 はい、絶対にやろうと思ってましたね。空手はアマチュアなので全然稼げなくて、赤字になるばかりだったんですよ。その時にちょうど大晦日のRIZINを見て、RENA選手とかが出ているのを見て魅力を感じて、「自分もいけるんじゃない?」みたいに思って、キックボクシングジムを探し始めた感じですね。

 

──今回でプロになって16戦目ということですが、プロキックボクサーとしての活動はどうですか?

 

山本 2024年の12月にムエタイルールでスック・ワンキントーンの大会に出たんですよ。会長がもともとムエタイというのもあるし、ちょっと出てみようかなと思って。そこからムエタイのスイッチが入って、今年は全部タイに行かせてもらって試合しています。2月、5月、9月に行ってランバーさんのジムで練習させてもらって、MAX MUAY THAIで試合しました。

 

──ランバーさんのジムということは、KNOCK OUTにも参戦中のプンルアン選手とも?

 

山本 そうですね、ずっと一緒に練習してました。

 

──タイでの練習で一番手応えがあるのはどんなところですか?

 

山本 やっぱり首相撲がメッチャ練習になるのと、あとはヒジですね。それからキックにはないムエタイの独特なリズムも学びたいなと思って練習させてもらっている感じです。それで日本に戻ってからは会長にずっと教えてもらって練習してきているので、なかなか上達したかなと思います。

 

──ただ、階級的にもルール的にも、日本ではなかなか相手がいないですよね。

 

山本 そうなんですよ。そこも踏まえて、タイに行った方が早いのかなと思って、今年は全部タイで試合してました。

 

──今回もREDルールということですが、オープンフィンガーグローブ(OFG)での試合経験はあるんですか?

 

山本 全然ないです。MAX MUAY THAIも普通のボクシンググローブなので。練習で使ってたんですけど、全然ボクシンググローブとは違いますね。

 

──どういうところに違いを感じますか?

 

山本 一番はパンチとヒジがガードをすり抜けてくるところですね。逆に首相撲は手が組みやすくていいなと思います。それもあって、いかに相手のパンチをもらわずにいくかが今回の課題だと思っています。

 

──相手がSHIORIN♡選手ですが、どんな印象ですか?

 

山本 この前、スック・ワンチャイでの試合を見て、パンチの選手だなというのは一瞬で分かったので、組んでからヒジを狙っていこうかなと思ってます。最終的にはヒジで切りたいですね。それ一択です。

 

──この先もKNOCK OUTで戦っていきたいという気持ちはありますか?

 

山本 そうですね。REDルールでやっていきたいなと思っています。日本で結果を出すのはもちろんなんですけど、もっとタイで頑張りたいなというのもあって。タイでもベルトを獲って、ONEかRWSに出たいですし、国内ではKNOCK OUTでやれればという感じです。

 

──そして、一昨年から「魂武羅」がミドルネームに加わってるんですね。

 

山本 はい、目立ちますよね(笑)。

 

──これが入ると、「山本知美」とは字面の感じからして全然違いますよね(笑)。これで覚えてもらえることも多いんじゃないですか?

 

山本 そうなんですよ! やっぱりインパクトは大事なので。本当はメッチャ恥ずかしいんですけど、みんな「コブラ」って呼んでくれるのでいいのかなと。会長のリングネームが、もともと「スネーク」だったので、その上を行くみたいな感じでコブラにしようとなって。

 

──ああ、なるほど(笑)。

 

山本 漢字は周りの人たちが考えてくれたんですけど、「魂」を込めて「武」士のように行く、みたいな感じで。

 

──「ら」は……。

 

山本 「ら」はいいのがなかったので、「羅」でいいだろうと(笑)。「スネークより絶対上に行けよ!」という思いが込められています。

 

──それを背負っているから負けられない、みたいなところもあるんじゃないですか?

 

山本 メッチャありますね。今回も、コブラのようにかぶりついたら離しません!

 

──うまくまとまりました(笑)。では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

 

山本 女子のOFGはなかなかないと思うので、タイ人並みのヒジの強さを見せてやろうかなと思ってます。

 

──分かりました。ありがとうございました!


プロフィール
山本“魂武羅”知美
所属:FAITH
生年月日:1993年9月27日生
出身:福岡県北九州市
身長:163cm
戦績:15戦7勝(1KO)5敗3分
2019年KAMINARIMON全日本女子-57kg級準優勝