「今回のテーマは『原点回帰』。素の自分の闘い方で勝ちます!」

 

4・18「REMY presents KNOCK OUT.63 KNOCK OUT SPRING FES in OKINAWA」の[KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級/3分3R]でクルンタイ・ティーデッド99と対戦する壱・センチャイジム。初めて試合を行う地元で、強豪タイ人を迎え撃つ壱が、この一戦、そしてその先に見据えるものとは?

 

 

 

──今回は沖縄大会でクルンタイ選手との試合ですが、相手の試合映像はどれぐらい見ましたか?

 

壱 6~7試合は見ましたね。YouTubeにあったものはだいたい見ました。勝ったり負けたりなんですけど、負けてる試合はKO負けで、勝ってる試合はKO勝ちの試合が多くて。昔ながらの純ムエタイの選手ではあるんですけど、その中でしっかりKOができる選手だし、言ってしまえばちょっと打たれもろいところもある選手だなと思いました。

 

──なるほど。

 

壱 去年はムエタイで2試合しかしてないんですよ。その2試合が両方KO勝ちで、ローキックとハイキックでKOしてて。どうしてムエタイは2試合しかしてないんだろうと思ったら、去年まではアマチュアボクシングをやってたらしくて、そこでメダルを獲ってるんですよね。それが終わって、またムエタイに戻ってきた感じで。7~8年前とかにはラジャとかルンピニーでバチバチにやってるので、もう生粋のムエタイ選手だなというイメージですね。

 

──技としては、首相撲からのヒジ・ヒザという感じですか?

 

壱 はい。もうガッツリ純ムエタイで、ミドルキックが速くてカットがメッチャうまくて。初めて映像を見た時に、「これは倒しづらいな」と思ったんですよ。でも、負けてる試合は最終ラウンドで不意にポコっともらって倒れちゃうシーンとかも多くて。その純ムエタイの中で効かせたらガーッといくから、勝つ時はKOで勝つし、負ける時は負ける、という印象がありますね。

 

──そう聞くと、ちょっと壱選手に似ているような……。

 

壱 そうなんですよ。だから、終わったら一緒に飲みに行こうかなと思ってます(笑)。

 

──そうですか(笑)。

 

壱 実際、僕と同じ感じなんですけど、僕が一番怖いのは、今回は3Rしかないじゃないですか。だから1~2Rで向こうがダウンとか獲っちゃったら、その後は流されてしまいそうなところなんです。流しに入られたら捕まえるのが難しいぐらい、すごくテクニックがある選手だから、序盤からペースを掴ませないようにするのが、試合を面白くするポイントかなと思ってます。

 

──後から挽回がしづらい感じなんですね。

 

壱 そうですね。たぶん、今までやった選手の中でも一番ディフェンスとか守りがうまいイメージなので。それに今回は沖縄での試合なので、ムエタイの面白さとかタイ人の強さとかって、会場のお客さんにはちょっと伝わりづらそうだなと思って。相手も試合展開が劣勢と思っていたら、前に出てきてくれると思うので、僕としては1Rが重要かなと思ってます。

 

──とはいえ、本来なら1Rは相手を見たい方ではないんですか?

 

壱 確かに、僕は1Rは見た方が気持ちいいですけど。でも、今回は沖縄なので。言ってしまえばチケットを買ってくるお客さんも、いつものファンの方々というよりも、昔ながらの地元の友達とかが多いんですよね。だから後楽園のお客さんとかと違って、そんなに格闘技とかムエタイに目が肥えてない分、テクニックを見せるよりは倒し倒されのKOが見たいと思うので。今回はそこをちょっと考えてますね。

 

──でも友達とか知り合いが多いんだったら、壱選手が倒されるところは見たくないのでは?

 

壱 いや、僕の場合は倒されても喜ばれますから(笑)。とにかく、今回は行きますよ。僕は地元で試合するのも初めてなので、やっぱりインパクトが大事だなと思って。特に向こうがどっちの闘い方もできるタイプだから、「こっち側」の闘い方に引き寄せるのが今回の課題です。

 

──そう考えると、「地元」なのに「ホーム」とはまたちょっと違うという、不思議な感じですね。

 

壱 地元だからこそ、自分の素の闘い方を見せたいと思います。僕、沖縄の高校でボクシングをやってた時は、指導者がOBしかいなかったんですよ。OBの方が教えに来てくれていたんですけど、練習試合とかOBの都合が合わなかったら、自分たちだけで行ってて。本当に作戦とか何もなくて、ただ殴りに行くだけなんですよ。自分も鼻血まみれ、相手も鼻血まみれみたいな感じで、勝って同級生とハイタッチするみたいな感じだったんです。本来の僕はそこなので、それを思い出して闘います。ボクシング時代の友達も来てくれるので、今回は「原点回帰」で。もちろん、原点回帰の中にも強くなった自分、東京で大きくなった自分を見せたいっていうのもあるので。いろんな思いが交差してる中での試合ではありますね。

 

──WBCムエタイ路線は、日本タイトルを獲っていったんお預けになっていますが、ここで強いタイ人を倒せば、そこに向けても弾みになるでしょうしね。

 

壱 そうですね。やっぱりWBCムエタイでは、タイ人は絶対避けては通れないので。タイ人をムエタイルールで倒すというのが、僕の格闘技人生の中でも大きな軸になってるものなので。指導してもらってるのもタイ人の会長、タイ人のコーチですしね。あと、「世界」を目指せるベルトって、WBCムエタイかONEチャンピオンシップなので、そこにはやっぱり手をかけたいですよね。

 

──ちなみに、KNOCK OUT-REDのタイトルは奪われたままになっていますが、そこはどうなんですか?

 

壱 REDのベルトも取り返したいですけど、森岡(悠樹)くんが前回、派手に負けちゃったし、あのKO負けはすぐ復帰できるものじゃないと思ってるんですよ。それに、森岡くんもブラックで逆にやり返す相手ができちゃったから、自分にはしばらくはお預けだろうなと思ってます。森岡くんもしばらく試合できないだろうし、BLACKの方でやり返したいだろうし。ただ、森岡くんも僕もお互い5回目の対戦には燃えてるので、そこはもう僕もずっと頭の中にありますけど。

 

──ルールが違ったとはいえ、その森岡選手があんな負け方をして、壱選手にもショックな部分はあったのでは?

 

壱 あの試合で、森岡くんが先にダウンを取ったじゃないですか。あの後、僕は客席からずっと「行くな!行くな!」って言ってたんですよ。コーチとか一緒に来てた子たちにも「森岡、何で行くんだよ、もったいない!」って言ったら、「壱さんの時も、みんなそんな感じですよ」って言われて。「ああ、みんなこんな感情だったんだ!」って思いましたね。だとしたら、俺もあの場面は行ってたなと。その瞬間に、やっぱり森岡くんのことが好きになりました(笑)。似た者同士というか、勝っても負けても、あそこで行くのが俺たちだよなと。だから負けても評価の落ちない試合だなと思いましたね。

 

──次やったら、また分からないですからね。

 

壱 そうですよ。本当にこれはジャンケンに近いようなものなので。

 

──では、REDのベルトはいったん保留で、今は自分のやることをやっておいてという感じですね。

 

壱 まさにそういう感じです。僕もやることがたくさんあるので。キャリアは40歳までと思っているから、あと12年ありますし。でも、あと12年じゃ足りないぐらい、やりたいことがたくさんあるから、一つずつこなしていこうと思ってます。

 

──その一つとして、今回の沖縄大会は大きいですよね。

 

壱 ですね。僕の中では、これが最初で最後の気持ちで出るので、本当にデカいです。

 

──沖縄大会を定着させたいんじゃないんですか?

 

壱 どうなんですかね?定着するのであればすごくうれしいですけどね、個人的には。まあ変な話、KNOCK OUT以外では沖縄で試合することはないと思うんですよ、僕は。だから、「またあるからいいや」とかじゃなくて、のちのち「最初の沖縄大会はどんな試合だった?」って聞かれたら、「いやあ、メチャクチャ殴り合ったよ」って言える試合にしたいなと思ってます。

 

──では最後に、今回の試合ではどこに注目してほしいですか?

 

壱 ちょっと親族ネタになるんですけど、今回の沖縄大会には、県外に住んでいるいとことかも全員集まってくれるんです。そのいとこの中に与那覇勇気っていう、元プロボクサーがいるんですけど、彼からちょっとインスピレーションをもらった試合コスチュームができたので、今回はちょっと与那覇家を背負って闘おうと思っています。なので、そのコスチュームに注目してもらえたらなと思っています。

 

──分かりました。ありがとうございました!

 


プロフィール
壱・センチャイジム
生年月日:1997年8月15日生
所属:センチャイムエタイジム
出身:沖縄県那覇市
身長:173cm
戦績:43戦31勝(10KO)11敗1分
第4代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者
第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者
WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王座
元ルンピニージャパン・バンタム級王者