「今まで対戦してきた相手が違う。その差を見せて、自分を証明する」木村涼仁、渡辺翔也との再起戦で「理想的なKOを」
7月、超緊急オファーで軍司泰斗戦に臨んだ木村涼仁は、2R終了間際にKO負けを喫した。憧れの選手との対戦で、「僕がやりたかった」コンビネーションや動きで倒された悔しさは大きかったという。一方で、トップクラスの選手と間近で拳を交えたことで得たものもあった。首相撲を含めたフィジカル面を見直し、超至近距離でも闘えるように練習を増やした。そして迎える今回の渡辺翔也戦は、木村にとって初めて自分よりキャリアの浅い選手との対戦。「再起戦」というプレッシャーも感じながら、これまで積み重ねてきた経験の差を示そうとしている。軍司戦の敗戦を経て、木村涼仁は何を変え、何を見せようとしているのか。本人に現在の心境を聞いた。
「僕がやりたかったことで倒された」
──前回、7月の軍司泰斗戦は超緊急オファーでの出場でしたが、試合後はかなり悔しがっていましたね。
木村 そうですね。負けるつもりもなかったので、悔しかったですし、負け方自体があまりよくなかったなというのが、すごく大きいですね。軍司選手が憧れの選手、みたいなことは最初から言ってたんですけど、コンビネーションとか動きとか、僕がやりたかったことで倒されたなという感じでした。2Rの最後にもらってKOされたパンチは、まんま「僕がやりたかったな」という印象だったので。ただ、いいお手本じゃないですけど、間近であれを見られたのは、すごくいい経験にはなりました。
──あの試合があったことで、その後の練習などに影響した部分はありましたか?
木村 ありましたね。技術的な部分では、やっぱり、もっといろいろやらなきゃなと思いました。フィジカル、特に首相撲とかは、まずやる数を増やすようにしました。今までは、試合の中で組んでもいいけど、基本は組ませないで、自分の距離を取って闘うということを意識してたんですけど、組んでもしっかり闘えるようにしたいなと感じたので。軍司戦も出だしは別に悪くはなかったなと思うんですけど、超至近距離になった時にすごく差が出て焦っちゃったので。
「今回が初めて、ちゃんとやるREDの試合」
──今回はまた「MX LIVE」の舞台で、渡辺翔也選手との対戦になりました。渡辺選手の印象は?
木村 引き分けが一つあるだけの無敗で、KO率が高い選手ですよね。ただ、情報が少なくて底が見えていない感じだなと思いました。
──一番警戒している部分は?
木村 けっこう、緩急のある選手だなというイメージなので、向こうはマイペースに、自由に自分のリズムを作ろうとしてくると思うんですよね。そこで焦ったりイラついたりしないようにしたいなと思っています。
──相手にペースを乱されたくない?
木村 そうですね。こっちもマイペースに行きたいなと思っています。その上でやりたいことはいくつかあるんですけど……それこそ今年は最初、2月(乱牙戦)と5月(剣夜戦)にKOして、いい感じだったんですよね。今回は負けてすぐということもあるし、僕らしさというか、「木村涼仁ってこういう選手だよな」というのを再確認してもらうような試合ができたらなと思っています。僕のファイトスタイルはやっぱこれだよな、というのを見てもらいたいので。
──軍司戦の敗戦から、改めて自分らしさを見せたいと。
木村 そうですね。軍司戦の負けも、準備してなかったからというのは、多少あると思うので。「あの時も準備してちゃんとやっていれば、またちょっと違う結果になったんじゃないか」と思ってもらえるような試合をしたいですね。
──今回はREDで3戦目になります。闘い方、スタイルという点では、REDルールで闘うようになって変わってきていますか?
木村 特にメチャメチャ変わったということはないですかね。できないことが増えたなというイメージもあるんですけど、もともと持っていた強みはちゃんと生きるなと、自分では思ってます。ただ、もうちょっとよさが出せるんじゃないかとも思ってますけど。BLACKで出ていたよさを、もっとREDでも出せるんじゃないかなと。
──もう少しREDに慣れてくれば、というところですかね。
木村 そうですね。
REDの1戦目が古村匡平選手だったじゃないですか。自分の中では、KNOCK OUTでもトップどころだと思ってるので、ちょっとビビっちゃったというか、ちょっと慎重になっちゃったかな、っていうのはありました。それにあの古村戦は相手の計量オーバーがあって、軍司戦は急きょ決まった試合だったので、自分の中では今回が初めて、ちゃんとやるREDの試合なのかなと思うんですよね。
──確かに。
木村 何かしらアクシデントがあってとかじゃないという意味で。だから逆に、これがREDの一発目というぐらいの気持ちです。
「そろそろもう『新星』とか『新鋭』とかではないのかな(笑)」
──古村戦、軍司戦と、明らかな格上の選手との対戦が続いていました。今回はキャリアの浅い選手との対戦ですが、そこはどうですか?
木村 渡辺選手がどうとかじゃなく、自分より試合数が少ない選手とやること自体が初めてなんですよね。同じぐらいの戦績の相手とは2戦ぐらいあったんですけど、自分よりキャリアがない選手が初めてで。今までは20戦、30戦近くやってる選手がほとんどでしたからね。そう考えると、今までにないというか、新鮮な感覚ではありますね。
──再起戦ということで、また違ったプレッシャーもありますか?
木村 負けからの再起戦でもあるので、何と言うか……怖さとも違う、プレッシャーでもない……新しい感覚があって。でもどっちかというと、プレッシャーに近いんですかね。チャンピオンとかになれば、みんな戦績が下の人との対戦が多くなると思うので、そういう意味でもいい練習なのかなと思います。あと、何かずっと「新鋭」って言ってもらえるじゃないですか。僕ってまだ「新鋭」なのかな?と、ちょっと思ってて(笑)。
──先ほど、こちらも思わず言っちゃいましたが(笑)。
木村 去年の大谷翔司戦(2025年7月)の時に、KNOCK OUTのインスタで「超新星」みたいに書いててもらってたんですよ。それがカッコいいなと思って、ずっとインスタとかXにもつけてるんですけど、そろそろもう「新星」とか「新鋭」とかではないのかなと思ってて。年齢的にも、18歳とかだったらいいんですけど。22歳で「新鋭」というのもちょっとキツいかなと思って(笑)。
──いやいや、22歳は若いですよ(笑)。次でまだ10戦目ですしね。
木村 じゃあ、いいんですかね。自分の中では、2桁に乗ったぐらいからは「中堅」かなと思ってたんですけど(笑)。まあでも、「新鋭」って言われてるうちは、ある程度勢いを見せたいなと思ってたんですけど、今回の相手はキャリアも下だし、これまで僕はキックでは2敗してますけど、大谷選手と軍司選手、どちらもチャンピオンクラスとの試合なんですよね。だからやってきた相手が違うという意味で、そこの経験値の差を見せたいなとは思ってます。
「ちょっとムカつくなっていうのは、多少思ってます(笑)」
──そして今回はTV生中継枠の3試合目という位置づけです。そこはどう思っていますか?
木村 どこから言ったらいいか分かんないですけど……ちょっとムカつくなっていうのは、多少思ってます。TVに映してくれるのはすごくうれしいですし、カードを見ても、メインで映されるのはKiho選手と(渡部)蕾君の試合になるんだろうなというのは分かるので。知名度的にも成績もKiho選手とかの方が上だし、チャンピオンの蕾君がメインというのは、悔しいなとは思いつつ、TVだしと思って、納得はしてます。ただちょっと気になったのは、蕾君の試合が「第2試合(メインイベント)」みたいに書かれてたんですよね。
──確かに番組上というか、イベント上のメインは渡部蕾vsゲーオナーカーの一戦とは聞いています。
木村 もちろん分かってるんですけど、わざわざ「メイン」って書かれるのが気になっちゃって。しかも僕らの試合は、放送されるか分かんないみたいな感じじゃないですか。それはたぶん、みんなだいたい察すると思うんですよ。だからわざわざ「メイン」とか書かないでほしかったなあと思って(笑)。
──試合に出る選手の気持ちとして、ということですね。
木村 でも、蕾君とかが短い時間でKOすれば、映る可能性があるっていう感じですよね。ただ時間によっては、試合途中で切られる可能性もあるってことなんですかね?
──昔のプロレス中継はそうでしたからね。
木村 そうなんですか! 猪木でも切られてたんだ。じゃあしょうがないかって、ちょっと思っちゃいました(笑)。まあ、蕾君が早く倒してくれて、なおかつ僕もKOすれば、ちゃんと映るかもしれないってことですよね。じゃあ、蕾君に任せるしかないですね。蕾君は仲がいいので、きっと倒してくれるだろうと思って、TVに映る準備はしてます(笑)。
──でもこういう話ができるのも、「MX LIVE」の枠に入っているからこそですよ。
木村 いや、そうっすね。そこに選んでもらったことはホントにありがたいです。前回負けたくせに、この位置で選んでくれるんだ、みたいな。
──前回、直前での代打出場という功労者でもありますし。
木村 今考えても、あの選択はすごくよかったなと思います。でもちょっと……。
──何ですか?
木村 最近、「男気参戦」が多くないですか?(笑)
この前の横浜大会でも、高塩竜司選手は前日のオファーを受けて、久井大夢君は10日前だけど、2階級上の選手との試合で、しかもKO勝ちで。ちょっと僕が霞んじゃうな、みたいな(笑)。
「強い外国人を呼ぶんだったら、いったん僕を挟んでもらいたい」
──ここで勝って、その後は?
木村 ベルトはもちろん、絶対獲ります。
本当はもうすぐにでもベルトって言いたかったんですけど、軍司戦で負けちゃって、ちょっとトップ戦線から外れたかなって、終わった直後には思ってて。あと、KNOCK OUTさん、強い外国人をちょっと呼びすぎだなって思うんですよ(笑)。チャド・コリンズとか、この前はゴンナパーが勝ちましたけど、世界トップレベルじゃないですか。自分が勝っても、ベルトまでの距離はどんどん遠くなっていくような気がして。
──上にどんどん割り込んでくる、みたいな。
木村 そうなんですよ!だから強い外国人を呼ぶんだったら、いったん僕を挟んでもらいたいなと思ってます。僕は強い外国人とやりたいって、前から言ってるので。
──強い外国人を呼ぶ時に、「木村がいるな」と思われるようにならないとですね。
木村 今回、ちょっと僕の方がキャリアあるというだけで、そんなに大きなキャリア差があるとも思ってないんですよ。渡辺選手のことはあんまり格下相手とも思ってはいないんですけど、ただ、やってきた相手が違うというところだけは大きく違うと思うんですね。渡辺選手がこれまでどんな選手とやってきたかは分からないですけど、その相手よりずっと強い選手とやってきたっていう自信はあるので、その差を見せて、今後につなげたいと思います。
「木村涼仁がどんな選手なのかを証明したい」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
木村 僕にとっても、TV的にも理想的なKOで勝って、進化したところを見せたいと思っています。木村涼仁がどんな選手なのかというのを証明して、ベルトも獲れるんじゃないかというところを見せる試合をしたいなと思うので、そこを見てほしいですね。
──ありがとうございました!
PROFILE
木村涼仁
所属:Bellus Gym
生年月日:2004年2月3日生
出身地:岩手県盛岡市
身長:173cm
戦績:8戦6勝(5KO)2敗
MOTHER VEGETABLE presents KNOCK OUT MX LIVE.2
開催日時:2026年09月20日(日)
開場: 17:00
開始: 17:45
開催場所:KNOCK OUT 常葉アリーナ
https://knockoutkb.com/events/_presents_knock_out_mx_live2

