「東北の格闘技を盛り上げたい! 左ミドルの“破裂音”に注目してください!」松岡優太、祐輝戦でKNOCK OUT初参戦「何もさせずに完勝したい」
11歳でキックボクシングを始め、約10年でアマチュア約80戦。プロデビューから3年を経て、松岡優太がKNOCK OUTの舞台に初参戦する。これまでKNOCK OUTアマチュアのトーナメントにも2度挑戦したが、いずれも決勝で敗退。本人にとってKNOCK OUTは「勝利の女神が微笑んでくれない大会」だったという。それだけに、東北・常葉で行われる今回のKNOCK OUT初参戦には特別な思いがある。対戦相手は、KNOCK OUTで戦い続けてきた祐輝。選手としてだけでなく、人としてもリスペクトする相手だからこそ、目指すのは「何もさせずに完勝」だ。東北からやってきた松岡が、その戦い方と今大会への思いを語った。
「気づいたら生活の一部」になっていたキック
──今回、KNOCK OUTに初参戦になりますが、アマチュアの実績がかなりあるんですね。
松岡 はい。キックは小学生の時、11歳で始めて、約10年で80戦ぐらいやりました。プロデビューしてからは3年ぐらいなんですけど。
──始めたきっかけは何だったんですか?
松岡 もともと、父の知り合いの方の子どもがキックをやっていたんです。それで勧められたみたいで、父に無理やりやらされてました。
──お父さんは厳しい方なんですか?
松岡 いえ、そんなこともなくて。格闘技とかが好きだったんだけど、自分がやれなかったっていうので、子どもの僕にやらせたんだと思います。
──やりたいわけではないところから始めて、キックを好きにはなれたんですか?
松岡 すぐに好きにはなれなかったですね。ただ、気づいたら生活の一部みたいになっていたので、そのまま続けてて。親は中学校3年生までやらせるつもりだったみたいで、最初はそれでやめようと思ってたんですけど、中学校に入ってから、アマチュアのトーナメントで勝てるようになったんです。中学校ではバスケットボールをやってて、チーム戦と個人競技を両方やっていたんですよ。バスケットはそんなに強いチームではなかったので、負けることも多かったんですけど、団体戦だと「犯人探し」というか、敗因のなすりつけ合いみたいになることもあって。でもキックだとリングに上がるのは1人なので、勝った時は周りがすごく喜んでくれるし、負けた時は、「自分の何かが足りなかったんだな」と考えるところに、すごく潔さを感じたんです。
──大きく違いますよね。
松岡 勝ち負けの要因を自分の中で明確にできるところが、やってて楽しかったですね。あと、中学校の部活動とかでは経験できない体験をいっぱいしてきたので、そこからどんどんのめり込んでいきました。
プロデビューが遅れた理由と、東京への出稽古
──ただ、早く始めて勝てるようになってきたわりに、プロデビューは遅かったんですね。
松岡 そうですね。僕は高1の終わりぐらいまで、今とは違うジムにいたんですよ。以前のジムだといろんな関係で出られない大会とかもあったんですけど、今のジムはどこでも好きなジャンルに出られるというところだったので、とにかく試合数を稼ぎたいということで、そっちでお世話になるようになって。そこでタイトルを獲ったりしたらプロのオファーもいろいろいただいたんですけど、一時期、ムエタイがオリンピック競技に追加されるんじゃないかみたいな話があったじゃないですか。
──ありましたね。
松岡 今の会長がすごく僕のことをかわいがってくださって、他の選手とは違う路線にという話をしてくれたんです。ムエタイがオリンピック競技になるんだったら、まずそこで実績を挙げてからプロデビューして、一気に駆け上がろうというビジョンをコロナ前まで描いていたので、ちょっとデビューが遅くなってしまいました。
──そして3年前にデビューしてからは、勝率が高いですよね。プロでの試合は、自分ではどうですか?
松岡 やっぱりプロになってからは一戦の重みが違うというか、減量も含めてより厳しい闘いになってきているなあと思っています。宮城県には東京でガンガン活躍している選手がほとんどいないので、1ヵ月か2ヵ月に1回は東京に出稽古に行って、アマチュア時代に出会った方々のところで練習させてもらっているんです。それはすごくいいんですけど、もうちょっと早くプロデビューして、今以上にいろんな人と試合できていたらと思うこともありましたね。
「勝利の女神が微笑んでくれない大会」への初参戦
──今回はプロ7戦目で、KNOCK OUT初参戦になります。KNOCK OUTに対しての印象は?
松岡 ちょっと悔しくてSNSに載せてないんですけど、僕はKNOCK OUTアマチュアの一般トーナメントに2回挑んでるんですよ。1回目は前田大尊選手とか久井大夢選手とかが出ていて、10月のREBELSに出る龍翔選手に負けてしまって。2回目は川野龍輝選手に決勝で負けて。だから僕にとってKNOCK OUTの大会は、勝利の女神が微笑んでくれない大会なんです(笑)。ただ、第1回のアマチュアトーナメントからずっと出たいと思っていたぐらい、すごく好きな団体で。それに東北ではあまり格闘技が盛り上がっていない中で、こうやって東北の福島で大会をやっていただけることにも、すごい感謝しています。東北ならこっちのホームだぞという思いがあるので、他の選手よりも盛り上げたいし、貢献したいというか、みんなをビックリさせたいなと思っています。
──ではKNOCK OUT初参戦が常葉なのは、松岡選手にとってはいいことなんですね。
松岡 はい、すごくうれしいです。東北で試合できることってなかなかないし、そもそもKNOCK OUTに、こんなに早く出られると思ってなかったので。目指していた舞台ではあったんですけど、まだ全然自分は届かないもんだと思っていたので、かなりうれしいです。
「祐輝選手は、人としてすごく好き」
──今回は、KNOCK OUTのレギュラーでもある祐輝選手との対戦です。相手の印象は?
松岡 祐輝選手は、ずっと前から知ってるんですよ。2019年のK-1アマチュア全日本大会で同じトーナメントに出ていて。その時は僕は一回戦で負けてしまったんですけど、わざわざ東京まで来たので、誰が優勝するか見てやろうと思って残っていたら、祐輝選手が決勝まで上がっていたんです。
──おお、そんな前から。
松岡 はい。その頃から印象は変わらなくて、まずはすごくいい方だなと。個人的に、人としてすごく好きなんです。選手としても気持ちが強いし、自分のよさをすごく理解していて、自分の得意なところに相手を引き込むのがすごいなと思います。どんな相手に対しても内側に飛び込める、その飛び込みの速さと近距離のまとめ方がすごく絶妙だなと思っています。
──では、一番警戒するのはその部分ですか?
松岡 そうですね。近距離での3発目、4発目のパンチには気をつけています。
──逆に自分としては、どう攻めてどう勝ちたいと思っていますか?
松岡 もともと僕の中で持っていた試合の美学は、倒すことが一番ではなかったんですよ。お互いに試合に向けて本気で練習してくる中、リングの上は、お互いの否定のし合いというか、夢の奪い合いの場だと思ってて。プロとして活動していて、命を削って練習してきた相手に、その舞台で何もさせずに完勝するっていうのが、僕の中では一番カッコいいと思っています。
「何もさせずに完勝して、最後は蹴りで倒したい」
──そこまで考えているんですね。
松岡 最初はお客さんが全く盛り上がらないぐらい、祐輝選手には何もさせず、最後はしっかり倒して締められたらベストだなと思っています。それも、パンチで倒すのもすごくいいとは思うんですけど、僕は蹴りで倒したいですね。
──フィニッシュでは盛り上げるということですか。
松岡 僕の試合って、すごくつまらないといつも自分で思ってるんですよ。しっかり距離をキープして蹴って、っていうのを最後まで続けちゃうというか。ずーっと平行線のまま試合が終わってしまうので、僕を応援してくれるお客さんは、すごく安心して見ていられると思うんです。でも自分を知らない人からすると、代わり映えのしないつまらない試合だろうなと思っていて。でも今回は、各ラウンドで山場を作りたいと思っています。1Rでまず山場を見せることができれば、あとの2R、3Rは「これをどう越えてくるんだろう」って、ちょっとは想像が膨らむかなと思うんですよね。それか、平行線のところから一気に倒して、ドカーンと!持っていくのもいいなとは思うんですけど。今回は1RからKNOCK OUTらしい試合ができるんじゃないかなと思っているので、お客さんにもスリリングな試合をお届けしたいなと思っています。
「僕は左ミドルしか武器がなくて(笑)」
──最後はどう倒したいですか?
松岡 祐輝選手はすごくパンチがいい選手だと思うんですけど、僕は得意な技が左ミドルしかないんです。これまでプロ6戦4勝なんですけど、その4勝は全部、左ミドル一本で勝ってきたんです。そういう自負があるぐらい、左ミドルしか武器がなくて(笑)。だから理想は、蹴りで腕を使えなくして、そしたら相手も蹴ってくると思うので、蹴ってきたらダメージが蓄積している腕でもいいですし、パンチでもたぶん倒せると思っています。僕はパンチがすごく苦手なんですけど、ミドルで相手の腕を効かせて、軽いオープンフィンガーグローブ(OFG)だったら、パンチが下手だからこそ当たるというところはあるかなと思っています。レベルの低いパンチでも倒せるように、どんどん蹴って腕を削っていきたいですね。
──OFGは今回初めてだと思いますが、そこはいかがですか?
松岡 個人的には、ボクシンググローブより使いやすいなと思ってます。まだ試合では使ってないですけど、マスとかで練習した感じでは、ボクシンググローブよりも自分に合ってるんじゃないかなと思うので、実戦で使うのがかなり楽しみです。
「福田海斗選手を超えたい」
──ここで勝って、その先はどうしたいですか?
松岡 組まれた試合を一つ一つクリアしていくのはもちろんなんですけど……試合前になると月に1回とか2回、わざわざ東京から駆けつけてくださる、大道塾の小野亮さんというトレーナーの方がいるんです。今回の試合でもセコンドについていただくんですけど。
──そうなんですか。
松岡 いつもすごく面倒を見てくださっていて、一緒に命を懸けて試合に臨んでいただいているので、すごく感謝しているんです。もちろんベルトが欲しいというのはあるんですけど、その先に見てるのが、福田海斗選手なんです。僕もずっと憧れてきたし、そのトレーナーの方も福田選手のことが大好きで。日本のムエタイ選手で、同じ階級だと一番すごいと思っているので、そのトレーナーとか会長や仲間と一緒に、福田選手を超えたいなというのは見据えています。かなり先の話にはなりますけど、そこにたどり着けるように勝ち星を重ねていきたいです。
──では最後に、当日の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
松岡 簡単に言うと、左ミドルの力強さですね。グローブに当たった時とかの音が、きっと他の選手とは違うと思うので。よくSNSに書いてくださる方が、以前に「左ミドルの破裂音がすごい」って書いてくださったことがあって。それぐらい、僕の左ミドルは強いと思うので、そこに注目してほしいです。
──分かりました。ありがとうございました!
PROFILE
松岡優太
所属:チーム・タイガーホーク
生年月日:2002年4月10日生
出身地:宮城県仙台市
身長:173cm
戦績:6戦4勝1敗1分
KNOCK OUT REBELS SERIES.13
開催日時:2026年09月27日(日)
開場: 11:30
開始: 12:00
開催場所:KNOCK OUT 常葉アリーナ
https://knockoutkb.com/events/knock_out_rebls_series13

