「今はどん底。でも、まだやり終えていない」乙津陸、連敗脱出へ「何が何でも勝って復活します!」
「KNOCK OUT REBELS SERIES.14」で、ゴンサヤーム・ウィラサクレックと対戦する乙津陸。
8月には壱・センチャイジムが保持するWBCムエタイのタイトルに挑戦したものの、判定負け。連敗脱出を懸けた大きなチャンスを生かすことができなかった。
「アマチュア時代を入れても、こんなに連敗したことはない」
そう語る乙津は、現在の自分を「どん底」と表現する。
それでも、闘志は失っていない。
タイ人ファイターのゴンサヤームを相手に、得意のパンチを武器にKOを狙う。
そして、同門の後輩・渡部蕾の活躍にも刺激を受けている。
「後輩だからうれしいけど、同時に苦しい気持ちもある」
目指すのは、連敗脱出だけではない。
スーパーバンタム級で再び存在感を示し、来年にはタイトル戦線へ。
「俺はまだやり終えていない。まだまだできることはいっぱいある」
乙津陸が、復活への第一歩を踏み出す。
WBCムエタイ王座挑戦で痛感した「ムエタイの難しさ」
──前回の試合は、8月に壱・センチャイジム選手に挑戦したWBCムエタイのタイトルマッチでした。判定負けに終わりましたが、あの試合を今振り返ると?
乙津 連敗が続いちゃってる中で、めちゃめちゃチャンスだったんですけど、またそこで負けちゃって。本当に、ムエタイの難しさっていうのを知りました。
──どんなところが難しかったですか?
乙津 自分の中では、1、2Rは取ったなと思ってたんですよ。だから、自分の中の計算とジャッジの計算が、俺の中で合ってなくて。ポイントの取り方とかが、ちょっと違うんだなって、改めて思いました。
──そのあたりは、映像を見返してみて、どう思いましたか?
乙津 攻撃を出してはいるんですけど、うまく相手によけられちゃってたんだなと思いました。
WBCムエタイの採点基準だと、そこがKNOCK OUTのルールとは変わってくるというのは、前日にちょっと言われてたんですよね。たぶんそこで取られたというか、俺がポイント取れてないのかなと。
──確かにそこは違ってきますよね。
乙津 攻撃は出してるんですけど、うまくディフェンスされてるということで、そのラウンドは相手のポイントになったのかなと。
KNOCK OUTだったらプレスをかけて倒しに行く姿勢が評価されてたと思うんですけど、そこがちょっと違ったのかなと思いました。
自分は受けて蹴り返していたので、蹴り返してからパンチにもっとつないでいけばよかったのかなというのは、試合を振り返って思ってますね。
「可能なチャンスは全部掴みたい」
──それを受けて、WBCムエタイをはじめとするムエタイルールの試合には、今後さらに挑戦していくつもりですか?
乙津 いや、自分はここで1回経験して、そこもしっかり勉強になったので。
そういった闘い方もあるんだなっていうのを踏まえた上で、もう1回チャンスがあるんだったら挑戦したいし、そっちも並行してやっていきたいです。
俺は、とりあえず今はチャンスがほしいので、可能なチャンスは全部掴みたいです。
──対戦してみて、壱選手についてはどう思いましたか?
乙津 めちゃめちゃガードが高くて、完全にパンチを警戒されてるなっていう感じでしたね。
見る人によっては、俺が途中から腹を効かされてガードが下がってると思ったかもしれないですけど、あれはパンチを振ってこないかなと思って、誘うためにガードを下げてたんですよ。
でも、ガードを下げてるのに、全くパンチを振ってこなかったんですよね。だから、完全に打ち合う気はないんだなと思って。
──誘いに乗ってこなかったんですね。
乙津 自分の弱点でもあるし、相手の強いところでもあるというのを、分かってるんだろうなと思いました。
打ち合ってきたらチャンスだなと思ったんですけど、完全にムエタイをやってきたので、「そうだよな、勝ちに来るよな」と思いました。
──そこも、REDルールでやったらまた違うだろうなという感じですか。
乙津 はい。しかもREDルールだったら5Rじゃないですからね。
やっぱり3Rと5Rだと、ペースが全然違うのかなと思いましたし。
この前は1Rはどっちかというと、お互いにちょっと見ちゃった感じでしたけど、3Rの試合だったら、1Rから仕掛け始めて、3Rはたぶんバチバチになっちゃうので。
──連敗ではありますが、前回の負けはそれまでとまたちょっと違う?
乙津 うーん……でも、負けは負けなので。
前回は、負けちゃったから何の意味もないとは思わないですけど、とりあえず勝ちたかったのは確かですね。そこだけです。
ゴンサヤーム戦「今回はバチバチいけそう」
──今回はタイ人のゴンサヤーム・ウィラサクレック選手との対戦ですが、タイ人との試合は……。
乙津 サンチャイ・TEPPEN GYMとやった(2023年11月、判定負け)だけですね。これが2回目です。
──まずは、ゴンサヤーム選手の印象はどんな感じですか?
乙津 首相撲はあんまりやらない選手なのかなと思います。
パンチとキックが主体で、構えはムエタイですけど、闘い方はけっこうキックボクシング寄りみたいな感じでしたね。
だから今回はバチバチいけそうだなと思います。
──一番警戒するのは、そのパンチですか?
乙津 ただ、普段はあんまり首相撲をやらないと言っても、俺の映像とか見たら、たぶんやってくると思うんですよね。
身長も俺よりちょっとデカいので。たぶん首、ヒジ、ヒザは狙ってくるだろうなと思うので、そこはしっかり対策してきました。
「足から削って、組み際にカウンターを当てる」
──その仕上がりはどうですか?
乙津 今回の相手はオーソドックスだし、足から削っていって、俺のいつも通りの動きができれば必ずKOができると思ってます。
石川直樹戦(2025年6月)みたいに、組んできたところにパコーン!ってカウンターを当てて決められたら、一番いいなと思ってます。
──そこが狙い目だと。
乙津 作戦はいくつかあるんですけど、それが当たるかなと思ってます。
相手は、組み際にけっこうガードを下げて攻撃してくる場面が何回かあったので、そこが俺の一番強いところを出すところかなと。
「作戦は立てるけど、試合になったらやらない(笑)」
──あとは試合の流れで、というところですね。
乙津 はい。
自分は、作戦は立てるんすけど、試合になったら作戦をやらないので。
そこは本当に会長も分かってくれていて、「陸は試合になったら作戦通りには動かないけど、やってくれるだろう」って、たぶん信じてくれていると思います。
そこは俺に任せてくれているというか。
──作戦通りに動かなくて、怒られるわけではないんですね。
乙津 それで負けた時はちょっと言われるかもしれないですけど、作戦通りに行かなくても、いい勝ち方ができればという感じですね。
そこはアマチュアの頃から俺のいいところでもあり、悪いところでもあるって、会長も言ってるので、そこは俺の持ち味として認めてくれてるのかなと思います。
──では会長は、試合になったらその通りには動かないだろうとは思いつつ、作戦を立ててくれているんですか。
乙津 そうですね。
ホントに俺、3割ぐらいしかできないので(笑)。
だから最低限、足から崩していくっていう作戦は持っておいて、それが第一関門で、あとはたぶん俺に任せてくれてると思います。
あとは俺がしっかりペースを作れれば、会長も安心してくれるかなという感じですね。
「今はどん底」それでも応援してくれる人たちのために
──早く勝って、連敗を脱出したいところですよね。
乙津 いやもう、ホントにそうですね。
アマチュア時代を入れても、こんなに連敗したことはないので。
それでもこんなにチャンスをもらってるのは、ホントにありがたいと思ってますし。
本当に勝ちたいし、応援してくれてる人たちみんなを喜ばせたいです。
──ですよね……。
乙津 今はどん底で、離れていく人も多いかもしれないですけど、それでも応援してくれてる人たちには、本当に感謝してますし。
今回……今回だけじゃなくて、その次にもつなげていきたいので、今回は本当に勝ちたいです。
「まだやり終えていない」スーパーバンタム級で再浮上へ
──スーパーバンタム級に上げての手応えとか見通しはどうですか?
乙津 今のスーパーバンタム級って、どの団体もレベルが高いなと思うんですよね。
だからこそ、自分もそこに入っていけたら、面白いんじゃないかなと思いますし。
この前、K-1に出て負けちゃった璃亜武選手も、9月にK-1チャンピオンになったじゃないですか。
ここから俺がしっかり勝っていって、K-1チャンピオンの璃亜武選手にリベンジできたりしたら、俺にとってはめちゃくちゃチャンスだし。
そういうのも含めて、俺はまだやり終えてないというか、まだまだできることはいっぱいあると思ってます。
今はKNOCK OUTのベルトの話はまだ全然遠いと思うんですけど、今回勝って復活して、来年はベルトが狙える位置に行きたいなと思ってます。
後輩・渡部蕾の活躍「うれしいけど、苦しい」
──今回は本当に、勝つことが全てだと。
乙津 はい。
今、蕾が一番波に乗ってて、この前の生中継の試合でも秒殺したじゃないですか。
そういうのを見てて、もちろん後輩だからうれしいんですけど、同時に苦しい気持ちもあるんですよね。
今回、僕は初めての福島なんですけど、向こうでは蕾の人気があると思うので、俺も同じ大泉の仲間として、ちょっと乗っかっていきたいなと思ってます。
──食堂のスタッフの方々にも、蕾選手はすごく人気らしいですからね。
乙津 らしいですよね。
俺は蕾とは別の路線で、「試合がヤバい」みたいなところで、ファンをいっぱい増やしたいです。
「俺が勝つところ、復活するところを見てほしい」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
乙津 俺が勝つところ、復活するところに注目してほしいです。
もう、それに尽きますね。
今回はそれしかないです。
──分かりました。ありがとうございました!
PROFILE
乙津 陸
所属:KNOCK OUT クロスポイント大泉
生年月日:2004年6月14日
出身地:東京都西多摩郡
身長:165cm
戦績:17戦 11勝 (5KO) 6敗
KNOCK OUT REBELS SERIES.14
開催日時:2026年10月12日(月)
開場: 11:30
開始: 12:00
開催場所:KNOCK OUT 常葉アリーナ
https://knockoutkb.com/events/knock_out_rebels_series14

