「2月に亡くなった親父のためにも、父の日にチャンピオンを倒します」

 

 

6・21「REMY presents KNOCK OUT.65 ~THE KNOCK OUT 2026~」の[KNOCK OUT-BLACKウェルター級/3分3R]でユリアン・ポズドニアコフと対戦する松岡力。これまでK-1で闘ってきた元Krush王者が、KNOCK OUTを新たな主戦場に選んだ。いきなり現王者と対戦する松岡は、この試合にどう臨もうとしているのか?

 

 

──今回はKNOCK OUT初参戦ですが、試合自体も24年11月のフランスでの試合以来で、1年7ヵ月ぶりになります。その試合も11ヵ月ぶりでしたし、もともと、試合間隔が空きがちですよね?

 

松岡 そうですね、コンスタントに試合するタイプではないので、いつも空いてると思いますね。まあ、試合が空いたからといって闘い方の感覚が狂うとかもないし、もうベテランなので、そこは体との調整をしながら試合をやっている感じです。

 

──そして今回は、KNOCK OUTに主戦場を移すということでいいんですよね?

 

松岡 はい。ただ、ジムはK-1ジム五反田に所属してるんですけど、それは変える気がなくて。代表が新しく変わったんですけど、鈴木勇人さんという僕らの先輩が代表になって、そこでずっと練習しているので。ただ、今回負けたら正直、引退しようと思っているので、今後がどうなるかは正直分からないですけどね。

 

──「引退」という言葉を松岡選手から聞くのは、何度目かという気がするんですが……。

 

松岡 ああ、そうですね(笑)。1回目に引退を決意した時は、今の秋元トレーナーにまだついていない時だったんですよ。それで、野杁(正明)くんと、その後に近藤魁成くんにパーン!と負けてしまって。その時の体制では、「これ以上もう伸びない」って自分では思ってたんですよね。でもそこから今のトレーナーが練習に入って、そこからは気づきもいろいろあり、まだ全然自分が伸びてる感覚があったんですよね。戦績もよくなってきて、フランスで王座も獲れたし、ずっと続けてきたという感じですね。

 

──では、引退を口にするのは2回目ということですか?

 

松岡 まあ、2試合前のジョムトーン・ストライカージム戦(23年12月)の時からずっと、「次負けたら引退」とは言ってるんですけど、そこで負けてないので、まだやらせてもらっている形です。

 

──そのタイミングで、主戦場をKNOCK OUTにするというのは、どういう経緯だったんでしょうか。

 

松岡 もう別に、正直どこに行ってこうしよう、みたいなことはあんまり考えてないんですよ。K-1 GROUPとの契約が終わって、僕みたいな選手はどこの団体もなかなか使いづらいと思うんですよね。その中で、「どこか使ってくれるとこはないですか」と、鈴木会長と話していたところ、KNOCK OUTさんが提案してくれたという感じですね。そんな僕を迎え入れてくれたKNOCK OUTさんにはもちろん感謝もありますし。今回やる相手もメチャクチャ強いチャンピオンなので、ここでしっかりタイトルを獲ろうという方向で考えてますね、今は。

 

──もともとKNOCK OUTにはどういう印象がありましたか?

 

松岡 僕がK-1にいる時から「盛り上がってる団体だな」というのは感じてました。K-1の選手も参戦していて、そっちが華やかに見えていたことは確かですね。やっぱりチャンピオンのユリアン選手は前からずっと見てましたし、この階級では強いチャンピオンなので、やりたいなとは思ってましたね。

 

──そのユリアン選手ですが、どういう印象ですか?

 

松岡 海外の選手なんで、やっぱり日本人とは違う骨格というか体幹というか。そういうところはものすごく強いものを感じます。はい。ただ、テクニックでは自分も負けてないと思うし、たぶん彼がやったことないようなタイプだと思うので、負ける気はサラサラないですね。

 

──特に警戒している部分は?

 

松岡 やっぱり体幹が強いので、そこに押し負けないようにとは思っています。技とかでは、そんなメチャクチャうまいなと思うとこはあんまり感じないですけど。

 

──では、どう攻めてどう勝ちたいと思っていますか?

 

松岡 今までも強い選手といっぱいやってきて、今回だけがメチャクチャ強い相手というわけでもないので、全然いつも通りやって、自分の動きができれば勝てると思っています。

 

──最終的にはどう勝ちたいですか?

 

松岡 もちろん、毎回KOは狙ってるんですけど、いかんせん僕があんまり攻撃力ないので、あんまり倒せてないんですけど。でも前回のフランスでの試合もKOで勝ってますし、今回もKOで勝ちたいなとは思ってます。

 

──現役王者との対戦なので、もちろん勝てばリマッチでタイトル挑戦という可能性も十分あると思います。

 

松岡 もちろん、それを先に見てます。「KNOCK OUTのタイトルだから」とかじゃなくて、やっぱり強い選手に勝って獲るベルトっていうのはいいもんやと思ってるので。ユリアン選手は強敵ですし、倒してベルトを獲れれば一番いい形やなと思ってますね。やっぱり、強い相手を倒して獲るベルトが、僕はほしいので。

 

──ただ、これからKNOCK OUTを主戦場にしても、「負けたら引退」というのは基本的に決めてるんですか?

 

松岡 今のスタンスはそうですね。やっぱり、トレーニングしてても昔よりは体にガタがきてるんですよ。心と体がちょうど追いついてくるのが今ぐらいの年だというので、今のトレーナーとまだ元気に続けてますけど。ユリアン選手も若いじゃないですか。そんな若手に負けてたら、もう今後、未来はないと思ってて。そんな文句言えへんぐらい追い込んでますから。

 

──ところで今年、お父さんがお亡くなりになったそうですね。

 

松岡 はい、今年の2月に亡くなりました。僕はTHE MODSっていうバンドの曲を入場テーマ曲に使ってるんですけど、それもお父さんに勧められたからだったんですよ。格闘技を始めたのもお父さんの影響でしたし、お父さんがいなかったら僕は格闘技をやってないと思うんですよね。それで今回、試合がある6月21日は父の日ということなので、ちょっと運命を感じていて、もう絶対負けられないと思って気合が入ってますね。親父が好きだった曲で入場して、父の日に勝ちたいと思います。

 

──お父さんが亡くなられて最初の試合ということで、より強い思いがあるんですね。

 

松岡 そうですね。今までと全然違うぐらい追い込んで、この何か月かは格闘技のことだけを考えてやってきました。

 

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

 

松岡 前から僕のことを見てくれている人は僕のことを知ってると思うんですけど、知ってる人も知らない人も、今回は親父が死んでいつもと違う気持ちでトレーニングも挑めてますし、毎日ホンマに、こんなに格闘技のことだけを考えて生きてる人生って、今までなかったんです。今までとは全く違う、強い僕が見られると思うので、楽しみにしてください。

 

──分かりました。ありがとうございました!



プロフィール
松岡 力
生年月日:1993年11月16日生
所属:K-1ジム五反田チームキングス
出身:京都府八幡市
身長:177cm
戦績:25戦14勝(6KO)9敗2分
第9代Krushウェルター級王者
第2代K-1 WORLD GPウェルター級王座決定トーナメント第三位
NDCウェルター級(-66.8kg)王者